85 / 110
第85話 重要な決断
しおりを挟む
朝の研究室に、全員が集まっている。レオン、エオリア、クリスタ、フィルミナ、マリーナ、テラ、ルミナ、リヴィエル、シグレ。九人全員が、古代文書の解読結果を聞くために集まった。
窓から差し込む朝の光が、机の上の古代文書を照らしている。昨日、エオリアとクリスタが解読した古代の知識。それが、今日みんなに共有される。
レオンが全員を見渡す。真剣な表情だ。
「昨日、エオリアとクリスタが古代文書を解読してくれた」
レオンが切り出す。全員の視線が、机の上の古代文書に集まる。
エオリアが立ち上がる。銀色の髪を揺らしながら、風の文字について説明を始める。
「風の文字を読みました。調和、試練、六つの心、絆、力...予言者様の言葉と一致する内容でした」
優雅な声が、研究室に響く。風の歌い手としての役割を、しっかりと果たしている。
クリスタが続ける。
「氷の文字も同じでした。六つ、絆...古代の人々は、風と氷の言葉で、同じ真実を記録していました」
白銀の髪を整えながら、氷の記憶者として報告する。
フィルミナが不安そうに尋ねる。
「試練...私たちが受けるの?」
炎の守護者として、試練の重さを感じている。
ルミナが静かに言う。
「個の成長...それぞれが向き合う」
光の魔法使いとして、試練の意味を理解している。
レオンが頷く。
「そうだ。予言者が言っていた。六つの心、それぞれが己の闇と向き合う必要がある」
全員の表情が、真剣になる。試練の意味が、改めて重く感じられる。
マリーナが小さく言う。
「頑張る...」
水の守護者として、決意を新たにしている。
テラが静かに頷く。
「レオン様と共に...」
大地の守護者として、覚悟を固めている。
リヴィエルとシグレは、静かに見守っている。二人とも、言葉は少ないが、眼差しに決意が宿っている。
レオンの心に、みんなに試練を伝える責任の重さが満ちる。重い話だ。それぞれが己の闇と向き合う。簡単なことではない。だが、みんななら乗り越えられる。そう信じている。エオリアとクリスタが、協力して古代文書を解読してくれた。風と氷、対照的な属性だが、互いを補い合った。その姿を見て、確信した。試練も、同じように乗り越えられる。ペアで協力すれば、必ず成し遂げられる。フィルミナとマリーナ、テラとクリスタ、エオリアとルミナ。それぞれのペアが、試練に挑む。全員の力を信じている。みんなと共に、六体共鳴の真の力に近づきたい。
---
レオンが古代文書の魔法陣の図を示す。
「古の神殿は、遺跡の最深部にある」
六芒星の形をした魔法陣。その中心には、「古の神殿」と記されている。
エオリアが補足する。
「ペアで試練に挑むと、魔法陣に書かれていました」
魔法陣の周囲には、ペアでの試練の概要が示唆されている。
フィルミナが魔法陣を見つめる。
「炎は恐れを...向き合うの?」
炎の守護者として、恐れと向き合う覚悟を問われている。
マリーナが横で言う。
「水は迷い...頑張る!」
水の守護者として、迷いを捨てる決意を示す。
テラが静かに言う。
「大地は執着...手放します」
大地の守護者として、執着を手放す覚悟がある。
クリスタが続ける。
「氷は孤独を...乗り越えます」
氷の記憶者として、孤独と向き合う決意だ。
エオリアが言う。
「風は過去を...向き合います」
風の歌い手として、過去と向き合う覚悟がある。
ルミナが最後に言う。
「光は未来を見つめる...その覚悟があります」
光の魔法使いとして、未来を見つめる決意だ。
レオンが魔法陣の図を再確認する。
「炎と水、大地と氷、風と光。対照的な属性が、ペアを組む」
予言者の言葉と、古代文書の内容が、ここで繋がる。
全員が、真剣に魔法陣を見つめる。それぞれが、試練を想像している。決意の表情が、顔に浮かんでいる。
フィルミナの心に、恐れと向き合う不安が満ちる。炎の守護者として、恐れは最大の敵だ。恐れに負けたら、炎の力を失う。だが、一人じゃない。マリーナが一緒だ。水と炎、対照的だが、だからこそ互いを補い合える。マリーナの冷静さが、自分の恐れを和らげてくれる。マリーナと一緒なら、乗り越えられる。恐れを力に変える。それが、炎の守護者の真の成長だ。レオン様とみんなのために、自分も成長したい。試練を乗り越えて、もっと強くなる。フィルミナとして、炎の守護者として、誇りを持って試練に挑む。
---
その時、廊下から微かな物音がする。
王宮の廊下。研究室の外。
ヴァレリア王国のスパイが、黒服に身を包んで静かに進んでいる。足音を消し、壁に身を寄せながら、研究室に近づこうとしている。レオン王子の古代の知識、それを探るために潜入した。
だが、反対側の廊下から、別の影が現れる。
セレスティア聖教国のスパイだ。白服に身を包み、祈りの本を持っている。神の叡智を探るために、同じく潜入していた。
さらに、別の方向から、三つ目の影。
アルブレヒト商会のスパイだ。茶色の商人服に身を包んでいる。商業的価値のある情報を得るために、やはり潜入中だった。
廊下の角で、三者が同時に出会う。
お互いを見つめる沈黙。気まずい空気が流れる。
三人とも、同じ目的で同じ場所に来ていたことに、気づいた。
ヴァレリアのスパイが、小声で言う。
「...あなたたちも?」
セレスティアのスパイが、気まずそうに答える。
「...はい」
アルブレヒトのスパイが、苦笑しながら言う。
「...同じ目的ですね」
三者が顔を見合わせる。
さらに気まずい沈黙。
廊下の向こうから、レオンたちの声が聞こえてくる。試練について話している声だ。重要な情報が、すぐそこにある。
だが、三者同時に潜入していることが発覚してしまった。このまま続けるのは、互いの存在を明らかにするリスクがある。
ヴァレリアのスパイが、小声で切り出す。
「今日は...」
セレスティアのスパイが続ける。
「...諦めましょうか」
アルブレヒトのスパイが最後に言う。
「...また後日」
三者が頷き合う。互いの顔を見て、苦笑を浮かべる。
そして、同時に、来た道を逆方向へ静かに去っていく。
足音を消しながら、それぞれが別々の方向へ撤退する。廊下には、再び静けさが戻る。
研究室の中では、レオンが少し顔を上げる。
「何か廊下で物音が...?」
ルミナが答える。
「...廊下を人が通っただけでは?」
フィルミナが言う。
「気のせいじゃないですか?」
レオンが頷く。
「そうか...」
そして、試練の話を続ける。レオンたちは、廊下での出来事に全く気づいていない。
数日後、各国への報告が行われる。
ヴァレリア王国。炎龍騎士団長ガルヴァンが、軍務卿に報告する。
「スパイ潜入、失敗しました。他国も動いていました」
軍務卿が分析する。
「他国も動いているのか...レオン王子の警戒が厳重だな」
セレスティア聖教国。スパイが大司教メルキオールに報告する。
「他国のスパイと鉢合わせしました」
大司教が考える。
「他国も神の叡智を狙っている...レオン王子は用心深い」
アルブレヒト商会。スパイが会頭に報告する。
「他国も同じ目的で動いていました」
会頭が推測する。
「セキュリティ、想定以上だ...レオン王子、何か重要な情報を隠している...」
三国とも、同じ結論に至る。
「レオン王子、何か重要な情報を隠している...警戒を強化しよう」
だが、実際には、レオンたちは全く気づいていなかった。ただの偶然で、三国のスパイが同時に鉢合わせしただけだった。
レオンの心に、試練の話に集中する意識が満ちる。廊下の物音は、一瞬気になったが、すぐに忘れた。今は、試練のことが最優先だ。古の神殿での試練。ペアで協力して、それぞれの闇と向き合う。各国がどう動いているかなんて、考える余裕はない。純粋に、研究と試練のことだけを考えている。各国のスパイが潜入していたことも、鉢合わせしたことも、全く知らない。その純粋さが、レオンらしい。
---
その時、研究室に白い光が満ちる。
全員が驚く。
予言者が、研究室に現れた。
白いローブに身を包んだ姿。神秘的な雰囲気が、部屋を満たす。
空気が震える音が、静かに響く。魔力の波動が、押し寄せてくる。研究室の魔導灯、測定器、古代文書が、一斉に淡く光り始める。ウィーンという共鳴音が、複数重なって響く。
白い光の中に浮かび上がるシルエットに、全員が息を呑んだ。
「予言者...!」
レオンの声が震える。
「予言者様...」
ルミナが小さく呟く。フィルミナは目を見開いたまま言葉を失い、クリスタとエオリアも古代の存在を前に圧倒されている。
「すごい...」
マリーナが漏らす。テラは言葉もなく見つめ、リヴィエルとシグレは緊張した面持ちで控えている。
予言者の圧倒的な存在感が、研究室を支配する。神秘的な魔力が、空間を満たしている。体が浮くような感覚がある。
ルミナの心に、予言者の圧倒的な存在感への畏敬が満ちる。光の魔法使いとして、魔力を感じ取れる。この魔力は、どんな魔力よりも純粋だ。予言者様の光は、どんな光よりも美しい。まるで、古代の叡智そのものが形になったかのようだ。圧倒される。だが、恐怖ではない。畏敬だ。尊敬だ。この方が、私たちを導いてくれる。未来を見つめる試練。それに挑む覚悟を、改めて固める。予言者様の期待に応えたい。光の魔法使いとして、未来を見つめる力を手に入れたい。
---
予言者が全員を見渡す。
「試練の時が来た。個の成長が問われる」
静かだが、力強い声が響く。
レオンが一歩前に出る。
「予言者様...」
予言者が続ける。
「汝ら一人一人が、己の闇と向き合う必要がある」
全員が、真剣に聞いている。
レオンが確認する。
「己の闇...それぞれが乗り越えなければならない...」
予言者が頷く。
「その通り。六体共鳴は、個の強さから生まれる」
予言者の言葉が、研究室に響く。
「個が成長すれば、全体の力も増す。それが、真の調和だ」
フィルミナが呟く。
「個の成長...」
ルミナが静かに言う。
「真の力...」
予言者が、重要な言葉を告げる。
「次の試練では、ペアで協力し、挑むことになる」
レオンが反応する。
「ペアで...?」
予言者が説明する。
「一人では乗り越えられぬ試練も、二人なら超えられる」
予言者が続ける。
「炎と水、大地と氷、風と光。対照的な属性が、互いを補い合う」
古代文書の内容と、完全に一致する。
予言者が最後に言う。
「それが、ペア試練の真髄だ」
レオンが決意を示す。
「分かりました。みんなで、ペアを組んで挑みます」
予言者が優しく微笑む。
「信じている。汝らなら、必ず成し遂げられる」
レオンの心に、ペア試練の重要性への理解が満ちる。対照的な属性が補い合う。それが、真の調和への道だ。炎と水、恐れと迷い。大地と氷、執着と孤独。風と光、過去と未来。それぞれのペアが、互いの闇を理解し合う。そして、支え合う。個の成長とペアの協力。両方が必要だ。予言者様の言葉は、古代文書の内容と完全に一致している。これが、六体共鳴の真の力を引き出す鍵だ。次の試練では、ペアで挑む。古の神殿で、それぞれが成長する。必ず成し遂げる。予言者様の期待に応えたい。みんなと共に、六体共鳴の真の力に近づきたい。
---
予言者が、全員に最後の言葉を告げる。
「行くがよい。試練が、汝らを待っている」
レオンが深く頭を下げる。
「ありがとうございます。必ず、成し遂げます」
全員が、決意の声をあげる。
「はい!」
フィルミナ、マリーナ、テラ、クリスタ、エオリアの声が重なる。ルミナも、静かに頷く。
予言者の姿が、白い光と共に薄れていく。シルエットが、徐々に消えていく。消えゆく光が、美しい軌跡を描く。
魔導具の光も、静かに消えていく。共鳴音が止む。
研究室に、静けさが戻る。空気の温度が、元に戻る。魔力の波動が消える。
全員が、予言者の後ろ姿を見送る。
フィルミナの心に、試練への覚悟が満ちる。恐れと向き合う。簡単なことではない。だが、マリーナと一緒なら乗り越えられる。炎と水。対照的な属性だが、だからこそ補い合える。マリーナの迷いを、自分が支える。自分の恐れを、マリーナが和らげてくれる。ペアで協力すれば、必ず成長できる。レオン様とみんなのために、もっと強くなりたい。試練を乗り越えて、炎の守護者として成長する。フィルミナとして、誇りを持って挑む。
---
予言者が消えた後、全員が決意を新たにする。
「みんな、準備を始めよう」
レオンの言葉に、全員が頷いた。
「はい。恐れと向き合います」
フィルミナが力強く宣言する。
「迷いを捨てる!」
マリーナが元気な声をあげる。
「執着を手放します」
テラが静かに続く。
「孤独を乗り越えます」
クリスタの声は、いつもより力がこもっている。
「過去と向き合います」
エオリアが優雅に告げる。
「未来を見つめます」
ルミナが静かに決意を示す。
六人の決意が、次々と研究室に響く。それぞれが己の闇と向き合う覚悟を、言葉にしていく。
リヴィエルが、珍しくセリフを発する。
「お供します」
シグレも、静かに言う。
「記録、続けます」
レオンが頷く。
「ペアを確認しよう。炎と水は、フィルミナとマリーナ」
フィルミナとマリーナが、手を取り合う。互いを見つめ、決意を確認する。
「大地と氷は、テラとクリスタ」
テラとクリスタが、向き合う。静かに頷き合う。
「風と光は、エオリアとルミナ」
エオリアとルミナが、優雅に微笑み合う。互いの絆を確認する。
ペアで手を取り合う姿が、研究室に温かい空気を生む。絆の確かさが、全員の決意を強くする。
レオンの心に、全員の決意を聞いて胸が熱くなる思いが満ちる。フィルミナの力強さ、マリーナの純粋さ、テラの静かな決意、クリスタの覚悟、エオリアの優雅さ、ルミナの静けさ。それぞれが、己の闇と向き合う覚悟を示した。互いを信じる絆の強さ。ペアで協力する決意。全てが、ここに集まっている。必ず乗り越えられる。そう確信している。古の神殿での試練。それぞれが成長する。そして、六体共鳴の真の力を手に入れる。これから始まる試練への期待が、胸を満たす。みんなと共に、成し遂げたい。
---
夕方、研究室での最後の確認を終える。
レオンが全員に語りかける。
「明日から、準備を本格化しよう」
全員が、力強く答える。
「はい!」
研究室を出る。全員が、廊下を歩いていく。
窓の外には、夕日が広がっている。王都の美しい景色が、オレンジ色に染まっている。王宮の塔が、夕日を浴びて輝いている。
九人の後ろ姿が、夕日の中を歩いていく。
誰も言葉を発さなかった。けれど、隣を歩く仲間の温もりが、何よりも雄弁だった。
窓から差し込む朝の光が、机の上の古代文書を照らしている。昨日、エオリアとクリスタが解読した古代の知識。それが、今日みんなに共有される。
レオンが全員を見渡す。真剣な表情だ。
「昨日、エオリアとクリスタが古代文書を解読してくれた」
レオンが切り出す。全員の視線が、机の上の古代文書に集まる。
エオリアが立ち上がる。銀色の髪を揺らしながら、風の文字について説明を始める。
「風の文字を読みました。調和、試練、六つの心、絆、力...予言者様の言葉と一致する内容でした」
優雅な声が、研究室に響く。風の歌い手としての役割を、しっかりと果たしている。
クリスタが続ける。
「氷の文字も同じでした。六つ、絆...古代の人々は、風と氷の言葉で、同じ真実を記録していました」
白銀の髪を整えながら、氷の記憶者として報告する。
フィルミナが不安そうに尋ねる。
「試練...私たちが受けるの?」
炎の守護者として、試練の重さを感じている。
ルミナが静かに言う。
「個の成長...それぞれが向き合う」
光の魔法使いとして、試練の意味を理解している。
レオンが頷く。
「そうだ。予言者が言っていた。六つの心、それぞれが己の闇と向き合う必要がある」
全員の表情が、真剣になる。試練の意味が、改めて重く感じられる。
マリーナが小さく言う。
「頑張る...」
水の守護者として、決意を新たにしている。
テラが静かに頷く。
「レオン様と共に...」
大地の守護者として、覚悟を固めている。
リヴィエルとシグレは、静かに見守っている。二人とも、言葉は少ないが、眼差しに決意が宿っている。
レオンの心に、みんなに試練を伝える責任の重さが満ちる。重い話だ。それぞれが己の闇と向き合う。簡単なことではない。だが、みんななら乗り越えられる。そう信じている。エオリアとクリスタが、協力して古代文書を解読してくれた。風と氷、対照的な属性だが、互いを補い合った。その姿を見て、確信した。試練も、同じように乗り越えられる。ペアで協力すれば、必ず成し遂げられる。フィルミナとマリーナ、テラとクリスタ、エオリアとルミナ。それぞれのペアが、試練に挑む。全員の力を信じている。みんなと共に、六体共鳴の真の力に近づきたい。
---
レオンが古代文書の魔法陣の図を示す。
「古の神殿は、遺跡の最深部にある」
六芒星の形をした魔法陣。その中心には、「古の神殿」と記されている。
エオリアが補足する。
「ペアで試練に挑むと、魔法陣に書かれていました」
魔法陣の周囲には、ペアでの試練の概要が示唆されている。
フィルミナが魔法陣を見つめる。
「炎は恐れを...向き合うの?」
炎の守護者として、恐れと向き合う覚悟を問われている。
マリーナが横で言う。
「水は迷い...頑張る!」
水の守護者として、迷いを捨てる決意を示す。
テラが静かに言う。
「大地は執着...手放します」
大地の守護者として、執着を手放す覚悟がある。
クリスタが続ける。
「氷は孤独を...乗り越えます」
氷の記憶者として、孤独と向き合う決意だ。
エオリアが言う。
「風は過去を...向き合います」
風の歌い手として、過去と向き合う覚悟がある。
ルミナが最後に言う。
「光は未来を見つめる...その覚悟があります」
光の魔法使いとして、未来を見つめる決意だ。
レオンが魔法陣の図を再確認する。
「炎と水、大地と氷、風と光。対照的な属性が、ペアを組む」
予言者の言葉と、古代文書の内容が、ここで繋がる。
全員が、真剣に魔法陣を見つめる。それぞれが、試練を想像している。決意の表情が、顔に浮かんでいる。
フィルミナの心に、恐れと向き合う不安が満ちる。炎の守護者として、恐れは最大の敵だ。恐れに負けたら、炎の力を失う。だが、一人じゃない。マリーナが一緒だ。水と炎、対照的だが、だからこそ互いを補い合える。マリーナの冷静さが、自分の恐れを和らげてくれる。マリーナと一緒なら、乗り越えられる。恐れを力に変える。それが、炎の守護者の真の成長だ。レオン様とみんなのために、自分も成長したい。試練を乗り越えて、もっと強くなる。フィルミナとして、炎の守護者として、誇りを持って試練に挑む。
---
その時、廊下から微かな物音がする。
王宮の廊下。研究室の外。
ヴァレリア王国のスパイが、黒服に身を包んで静かに進んでいる。足音を消し、壁に身を寄せながら、研究室に近づこうとしている。レオン王子の古代の知識、それを探るために潜入した。
だが、反対側の廊下から、別の影が現れる。
セレスティア聖教国のスパイだ。白服に身を包み、祈りの本を持っている。神の叡智を探るために、同じく潜入していた。
さらに、別の方向から、三つ目の影。
アルブレヒト商会のスパイだ。茶色の商人服に身を包んでいる。商業的価値のある情報を得るために、やはり潜入中だった。
廊下の角で、三者が同時に出会う。
お互いを見つめる沈黙。気まずい空気が流れる。
三人とも、同じ目的で同じ場所に来ていたことに、気づいた。
ヴァレリアのスパイが、小声で言う。
「...あなたたちも?」
セレスティアのスパイが、気まずそうに答える。
「...はい」
アルブレヒトのスパイが、苦笑しながら言う。
「...同じ目的ですね」
三者が顔を見合わせる。
さらに気まずい沈黙。
廊下の向こうから、レオンたちの声が聞こえてくる。試練について話している声だ。重要な情報が、すぐそこにある。
だが、三者同時に潜入していることが発覚してしまった。このまま続けるのは、互いの存在を明らかにするリスクがある。
ヴァレリアのスパイが、小声で切り出す。
「今日は...」
セレスティアのスパイが続ける。
「...諦めましょうか」
アルブレヒトのスパイが最後に言う。
「...また後日」
三者が頷き合う。互いの顔を見て、苦笑を浮かべる。
そして、同時に、来た道を逆方向へ静かに去っていく。
足音を消しながら、それぞれが別々の方向へ撤退する。廊下には、再び静けさが戻る。
研究室の中では、レオンが少し顔を上げる。
「何か廊下で物音が...?」
ルミナが答える。
「...廊下を人が通っただけでは?」
フィルミナが言う。
「気のせいじゃないですか?」
レオンが頷く。
「そうか...」
そして、試練の話を続ける。レオンたちは、廊下での出来事に全く気づいていない。
数日後、各国への報告が行われる。
ヴァレリア王国。炎龍騎士団長ガルヴァンが、軍務卿に報告する。
「スパイ潜入、失敗しました。他国も動いていました」
軍務卿が分析する。
「他国も動いているのか...レオン王子の警戒が厳重だな」
セレスティア聖教国。スパイが大司教メルキオールに報告する。
「他国のスパイと鉢合わせしました」
大司教が考える。
「他国も神の叡智を狙っている...レオン王子は用心深い」
アルブレヒト商会。スパイが会頭に報告する。
「他国も同じ目的で動いていました」
会頭が推測する。
「セキュリティ、想定以上だ...レオン王子、何か重要な情報を隠している...」
三国とも、同じ結論に至る。
「レオン王子、何か重要な情報を隠している...警戒を強化しよう」
だが、実際には、レオンたちは全く気づいていなかった。ただの偶然で、三国のスパイが同時に鉢合わせしただけだった。
レオンの心に、試練の話に集中する意識が満ちる。廊下の物音は、一瞬気になったが、すぐに忘れた。今は、試練のことが最優先だ。古の神殿での試練。ペアで協力して、それぞれの闇と向き合う。各国がどう動いているかなんて、考える余裕はない。純粋に、研究と試練のことだけを考えている。各国のスパイが潜入していたことも、鉢合わせしたことも、全く知らない。その純粋さが、レオンらしい。
---
その時、研究室に白い光が満ちる。
全員が驚く。
予言者が、研究室に現れた。
白いローブに身を包んだ姿。神秘的な雰囲気が、部屋を満たす。
空気が震える音が、静かに響く。魔力の波動が、押し寄せてくる。研究室の魔導灯、測定器、古代文書が、一斉に淡く光り始める。ウィーンという共鳴音が、複数重なって響く。
白い光の中に浮かび上がるシルエットに、全員が息を呑んだ。
「予言者...!」
レオンの声が震える。
「予言者様...」
ルミナが小さく呟く。フィルミナは目を見開いたまま言葉を失い、クリスタとエオリアも古代の存在を前に圧倒されている。
「すごい...」
マリーナが漏らす。テラは言葉もなく見つめ、リヴィエルとシグレは緊張した面持ちで控えている。
予言者の圧倒的な存在感が、研究室を支配する。神秘的な魔力が、空間を満たしている。体が浮くような感覚がある。
ルミナの心に、予言者の圧倒的な存在感への畏敬が満ちる。光の魔法使いとして、魔力を感じ取れる。この魔力は、どんな魔力よりも純粋だ。予言者様の光は、どんな光よりも美しい。まるで、古代の叡智そのものが形になったかのようだ。圧倒される。だが、恐怖ではない。畏敬だ。尊敬だ。この方が、私たちを導いてくれる。未来を見つめる試練。それに挑む覚悟を、改めて固める。予言者様の期待に応えたい。光の魔法使いとして、未来を見つめる力を手に入れたい。
---
予言者が全員を見渡す。
「試練の時が来た。個の成長が問われる」
静かだが、力強い声が響く。
レオンが一歩前に出る。
「予言者様...」
予言者が続ける。
「汝ら一人一人が、己の闇と向き合う必要がある」
全員が、真剣に聞いている。
レオンが確認する。
「己の闇...それぞれが乗り越えなければならない...」
予言者が頷く。
「その通り。六体共鳴は、個の強さから生まれる」
予言者の言葉が、研究室に響く。
「個が成長すれば、全体の力も増す。それが、真の調和だ」
フィルミナが呟く。
「個の成長...」
ルミナが静かに言う。
「真の力...」
予言者が、重要な言葉を告げる。
「次の試練では、ペアで協力し、挑むことになる」
レオンが反応する。
「ペアで...?」
予言者が説明する。
「一人では乗り越えられぬ試練も、二人なら超えられる」
予言者が続ける。
「炎と水、大地と氷、風と光。対照的な属性が、互いを補い合う」
古代文書の内容と、完全に一致する。
予言者が最後に言う。
「それが、ペア試練の真髄だ」
レオンが決意を示す。
「分かりました。みんなで、ペアを組んで挑みます」
予言者が優しく微笑む。
「信じている。汝らなら、必ず成し遂げられる」
レオンの心に、ペア試練の重要性への理解が満ちる。対照的な属性が補い合う。それが、真の調和への道だ。炎と水、恐れと迷い。大地と氷、執着と孤独。風と光、過去と未来。それぞれのペアが、互いの闇を理解し合う。そして、支え合う。個の成長とペアの協力。両方が必要だ。予言者様の言葉は、古代文書の内容と完全に一致している。これが、六体共鳴の真の力を引き出す鍵だ。次の試練では、ペアで挑む。古の神殿で、それぞれが成長する。必ず成し遂げる。予言者様の期待に応えたい。みんなと共に、六体共鳴の真の力に近づきたい。
---
予言者が、全員に最後の言葉を告げる。
「行くがよい。試練が、汝らを待っている」
レオンが深く頭を下げる。
「ありがとうございます。必ず、成し遂げます」
全員が、決意の声をあげる。
「はい!」
フィルミナ、マリーナ、テラ、クリスタ、エオリアの声が重なる。ルミナも、静かに頷く。
予言者の姿が、白い光と共に薄れていく。シルエットが、徐々に消えていく。消えゆく光が、美しい軌跡を描く。
魔導具の光も、静かに消えていく。共鳴音が止む。
研究室に、静けさが戻る。空気の温度が、元に戻る。魔力の波動が消える。
全員が、予言者の後ろ姿を見送る。
フィルミナの心に、試練への覚悟が満ちる。恐れと向き合う。簡単なことではない。だが、マリーナと一緒なら乗り越えられる。炎と水。対照的な属性だが、だからこそ補い合える。マリーナの迷いを、自分が支える。自分の恐れを、マリーナが和らげてくれる。ペアで協力すれば、必ず成長できる。レオン様とみんなのために、もっと強くなりたい。試練を乗り越えて、炎の守護者として成長する。フィルミナとして、誇りを持って挑む。
---
予言者が消えた後、全員が決意を新たにする。
「みんな、準備を始めよう」
レオンの言葉に、全員が頷いた。
「はい。恐れと向き合います」
フィルミナが力強く宣言する。
「迷いを捨てる!」
マリーナが元気な声をあげる。
「執着を手放します」
テラが静かに続く。
「孤独を乗り越えます」
クリスタの声は、いつもより力がこもっている。
「過去と向き合います」
エオリアが優雅に告げる。
「未来を見つめます」
ルミナが静かに決意を示す。
六人の決意が、次々と研究室に響く。それぞれが己の闇と向き合う覚悟を、言葉にしていく。
リヴィエルが、珍しくセリフを発する。
「お供します」
シグレも、静かに言う。
「記録、続けます」
レオンが頷く。
「ペアを確認しよう。炎と水は、フィルミナとマリーナ」
フィルミナとマリーナが、手を取り合う。互いを見つめ、決意を確認する。
「大地と氷は、テラとクリスタ」
テラとクリスタが、向き合う。静かに頷き合う。
「風と光は、エオリアとルミナ」
エオリアとルミナが、優雅に微笑み合う。互いの絆を確認する。
ペアで手を取り合う姿が、研究室に温かい空気を生む。絆の確かさが、全員の決意を強くする。
レオンの心に、全員の決意を聞いて胸が熱くなる思いが満ちる。フィルミナの力強さ、マリーナの純粋さ、テラの静かな決意、クリスタの覚悟、エオリアの優雅さ、ルミナの静けさ。それぞれが、己の闇と向き合う覚悟を示した。互いを信じる絆の強さ。ペアで協力する決意。全てが、ここに集まっている。必ず乗り越えられる。そう確信している。古の神殿での試練。それぞれが成長する。そして、六体共鳴の真の力を手に入れる。これから始まる試練への期待が、胸を満たす。みんなと共に、成し遂げたい。
---
夕方、研究室での最後の確認を終える。
レオンが全員に語りかける。
「明日から、準備を本格化しよう」
全員が、力強く答える。
「はい!」
研究室を出る。全員が、廊下を歩いていく。
窓の外には、夕日が広がっている。王都の美しい景色が、オレンジ色に染まっている。王宮の塔が、夕日を浴びて輝いている。
九人の後ろ姿が、夕日の中を歩いていく。
誰も言葉を発さなかった。けれど、隣を歩く仲間の温もりが、何よりも雄弁だった。
0
あなたにおすすめの小説
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生辺境の雑用兵、知らぬ間に世界最強になっていた件 〜追放されたけど美女たちに囲まれて安寧生活〜
eringi
ファンタジー
辺境軍の雑用兵として転生した青年・レオン。異世界に転生したのに、剣も魔法も地味でパッとしない日々。ところが彼の“地味な努力”が、実は世界の理をゆるがすほどの能力だと気づく者が次々と現れる。貴族令嬢、魔族の姫、神官少女──気づけばハーレム状態に。追放された元仲間が破滅していく流れの中、本人だけは「俺、そんな強いかな?」と首をかしげる。無自覚最強×ざまぁ×追放後スローライフ×英雄伝説が交錯する、異世界逆転ストーリー。
ホームレスは転生したら7歳児!?気弱でコミュ障だった僕が、気づいたら異種族の王になっていました
たぬきち
ファンタジー
1部が12/6に完結して、2部に入ります。
「俺だけ不幸なこんな世界…認めない…認めないぞ!!」
どこにでもいる、さえないおじさん。特技なし。彼女いない。仕事ない。お金ない。外見も悪い。頭もよくない。とにかくなんにもない。そんな主人公、アレン・ロザークが死の間際に涙ながらに訴えたのが人生のやりなおしー。
彼は30年という短い生涯を閉じると、記憶を引き継いだままその意識は幼少期へ飛ばされた。
幼少期に戻ったアレンは前世の記憶と、飼い猫と喋れるオリジナルスキルを頼りに、不都合な未来、出来事を改変していく。
記憶にない事象、改変後に新たに発生したトラブルと戦いながら、2度目の人生での仲間らとアレンは新たな人生を歩んでいく。
新しい世界では『魔宝殿』と呼ばれるダンジョンがあり、前世の世界ではいなかった魔獣、魔族、亜人などが存在し、ただの日雇い店員だった前世とは違い、ダンジョンへ仲間たちと挑んでいきます。
この物語は、記憶を引き継ぎ幼少期にタイムリープした主人公アレンが、自分の人生を都合のいい方へ改変しながら、最低最悪な未来を避け、全く新しい人生を手に入れていきます。
主人公最強系の魔法やスキルはありません。あくまでも前世の記憶と経験を頼りにアレンにとって都合のいい人生を手に入れる物語です。
※ ネタバレのため、2部が完結したらまた少し書きます。タイトルも2部の始まりに合わせて変えました。
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる