4 / 5
第4話 ピンチはチャンス
しおりを挟む
第4話 ピンチはチャンス
ゆめの なかでは それは とても しあわせな ゆうくん。
これが ゆめだとは まだ きづかない。
ケセランパサランと いっしょに あそぶのが たのしくて しかたない。
どうして、こんなに たのしいの だろう。
いままで みたことも ない ひろい そうげんを かけまわって、
からだじゅう あせ びっしょりに なった ゆうくん。
しょうがっこうで こんな あせまみれで はしった ことは ない。
やすみじかんも ほうかごも ともだちが いなくて、ずっとずっと ひとりぼっち。
ひとりで ほんを よんだり、つくえに かおを つけて ねたりして じかんを やりすごした。
ときどき、ほじょの せんせいに こえを かけられて、
おりがみで つるや しゅりけんを つくったこともあったけれど、
どれも たのしく かんじることは なかった。
こころから こんなに めいいっぱい わらうことが できる なんて
さいこうに きもちがいいと ゆうくんは おもった。
「ねぇねぇ、もっと、もっと おいかけっこ しようよ! あっちの ゆうひが しずむ ところまで!」
ゆうくんは、オレンジいろの ゆうひが しずむ そらを ゆびさして いった。
こえを かけたが、へんじが ない。
さっきまで いっしょに あそんでいた はずの ケセランパサランが どこにも いなかった。
そうげんには ゆうくん ひとりだけ ぽつんと たっていた。
つめたい かぜが ふきすさぶ。 からだが つめたくなった。
ぎゅっと りょうかたを つかんで じぶんを だきしめる ゆうくん。
「また ひとりなの? ぼくは ひとりなの?」
あせを たっぷりかいた ゆうくんの シャツは、あおいろだったのに、むらさきいろに なっていた。
ゆうくんは、ひざを かかえて、しゃがみこむ。
こんどは、あせの かわりに めから おおつぶの なみだが あふれた。
つぎから つぎへと なみだ が とびだして
ながした なみだで あっというまに そうげんから うみに かわって、
あぶなく おぼれそうになった。
「ぼく、およげないんだ。たすけてー、ぼく、バタあしおよぎが すこしだけ しか できない!」
だれも いない ゆうくんの なみだで できたうみの むこうがわに おおごえで さけんだ。
だれかが きっとたすけてくれるのを ねがった。
おぼれないように ずっと バシャバシャと てあしを うごかす。
そんなとき、めのまえに キューと かんだかい こえの しろい イルカが およいで やってきた。
ゆうくんは、あわてて イルカの せびれを ひっしで つかむ。
じぶんのために きてくれた イルカを みて さらに なみだが でる。
かおに かかった うみの みずが しょっぱくて たまらない。
「もう だいじょうぶだよ」
ゆめの なかでは それは とても しあわせな ゆうくん。
これが ゆめだとは まだ きづかない。
ケセランパサランと いっしょに あそぶのが たのしくて しかたない。
どうして、こんなに たのしいの だろう。
いままで みたことも ない ひろい そうげんを かけまわって、
からだじゅう あせ びっしょりに なった ゆうくん。
しょうがっこうで こんな あせまみれで はしった ことは ない。
やすみじかんも ほうかごも ともだちが いなくて、ずっとずっと ひとりぼっち。
ひとりで ほんを よんだり、つくえに かおを つけて ねたりして じかんを やりすごした。
ときどき、ほじょの せんせいに こえを かけられて、
おりがみで つるや しゅりけんを つくったこともあったけれど、
どれも たのしく かんじることは なかった。
こころから こんなに めいいっぱい わらうことが できる なんて
さいこうに きもちがいいと ゆうくんは おもった。
「ねぇねぇ、もっと、もっと おいかけっこ しようよ! あっちの ゆうひが しずむ ところまで!」
ゆうくんは、オレンジいろの ゆうひが しずむ そらを ゆびさして いった。
こえを かけたが、へんじが ない。
さっきまで いっしょに あそんでいた はずの ケセランパサランが どこにも いなかった。
そうげんには ゆうくん ひとりだけ ぽつんと たっていた。
つめたい かぜが ふきすさぶ。 からだが つめたくなった。
ぎゅっと りょうかたを つかんで じぶんを だきしめる ゆうくん。
「また ひとりなの? ぼくは ひとりなの?」
あせを たっぷりかいた ゆうくんの シャツは、あおいろだったのに、むらさきいろに なっていた。
ゆうくんは、ひざを かかえて、しゃがみこむ。
こんどは、あせの かわりに めから おおつぶの なみだが あふれた。
つぎから つぎへと なみだ が とびだして
ながした なみだで あっというまに そうげんから うみに かわって、
あぶなく おぼれそうになった。
「ぼく、およげないんだ。たすけてー、ぼく、バタあしおよぎが すこしだけ しか できない!」
だれも いない ゆうくんの なみだで できたうみの むこうがわに おおごえで さけんだ。
だれかが きっとたすけてくれるのを ねがった。
おぼれないように ずっと バシャバシャと てあしを うごかす。
そんなとき、めのまえに キューと かんだかい こえの しろい イルカが およいで やってきた。
ゆうくんは、あわてて イルカの せびれを ひっしで つかむ。
じぶんのために きてくれた イルカを みて さらに なみだが でる。
かおに かかった うみの みずが しょっぱくて たまらない。
「もう だいじょうぶだよ」
11
あなたにおすすめの小説
ママのごはんはたべたくない
もちっぱち
絵本
おとこのこが ママのごはん
たべたくないきもちを
ほんに してみました。
ちょっと、おもしろエピソード
よんでみてください。
これをよんだら おやこで
ハッピーに なれるかも?
約3600文字あります。
ゆっくり読んで大体20分以内で
読み終えると思います。
寝かしつけの読み聞かせにぜひどうぞ。
表紙作画:ぽん太郎 様
2023.3.7更新
まほうのマカロン
もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは
貧しい家庭で暮らしていました。
ある日、おんなのこは森に迷い込み、
優しいおばあちゃんに出会います。
おばあちゃんは特別なポットから
美味しいものが出てくる呪文を教え、
おんなのこはわくわくしながら帰宅します。
おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、
驚くべき出来事が待っていました
童話絵本版 アリとキリギリス∞(インフィニティ)
カワカツ
絵本
その夜……僕は死んだ……
誰もいない野原のステージの上で……
アリの子「アントン」とキリギリスの「ギリィ」が奏でる 少し切ない ある野原の物語 ———
全16話+エピローグで紡ぐ「小さないのちの世界」を、どうぞお楽しみ下さい。
※高学年〜大人向き
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる