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学校編
一年先
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「話を戻すよ、シズ。それでヨンキョクはめちゃくちゃ強くなくちゃいけないんだ。シズ喧嘩が強かったんだろう? 」
「通り名が付くぐらいにはな。ダサいのは自覚してる」
「じゃあ可能性はある。ヨンキョクは学力より身体能力重視だ。シズならヨンキョクになれる可能性はあると思うんだ」
「それでヨンキョクになるにはどうすればいい?履歴書書くのか? 」
「城人になるにはまず学校に行かなきゃいけないよ。試験もある」
「学校?! 」
シズは思わず起き上がった。想像よりずっと手間がかかりそうだ。
「学校ってどれくらい?」
「一年」
一年。学校にしては短い期間だ。けれど一年。
「城の三局から願書貰うだけ貰ってくるから。たぶんまだ間に合うと思う。少し考えてみて」
ジャモンはシズの肩を優しく叩くと出かけていった。
「一年か……」
ひとりになった部屋で、シズは呟いた。今のシズには帰れる保障なんてない。一年先、五年先、十年先、それ以上ここに居る可能性の方が高い。その現実を改めて、シズはぶつけられた。
「やらないよりマシって、このこというんだろうな」
シズが試験に受かる確証なんてない。いくら身体能力があったとしても城人なんて立派な職業が自分に務まるとシズは思えない。けれど、シズのトッペルゲンガーも城人の制服を着ていた。城人になればドッペルゲンガーの素性も分かるかもしれない。それがもしかしたら帰るヒントになるかもしれない。シズは自分を納得させる。
「よし、ポジティブになってきた」
いける。試験ぐらい突破できる。帰ることに近づける。シズは自分に暗示をかける。
「そういえば、この間の堅物男七局とか言ってたな」
シズはセドニを思い出す。七局。二局に次ぐ花形。エリート。
「こんなことになるならもうちょい媚びとけばよかったな。そしたらコネとかで入れてくれたかもな」
コネ。あの堅物からどうやってコネを手に入れる。色仕掛けか。無理だとシズはすぐに諦めた。
「とりあえず筋トレしねぇとな」
その場でシズは腹筋をはじめた。
「セドニ、隣いいかい?」
堅物男セドニはサンドイッチを食べる手を止めた。
「どうぞ」
セドニは隣の椅子をひいた。
「すまないな。いやこの時間の食堂は込んでるね」
「昼時ですからね」
セドニの隣に座った七局長コッパー・プライトは、冷たい反応のセドニを気にも止めることなく笑った。そして湯気が立つスープから麺を啜った。
「そういえばヨンキョクから聞いたよ。川に飛び込ん奴を助けたんだって?」
再びセドニの食べる手が止まった。
「助けてなんかいません。自力で這い上がってきたんで、家まで送り届けただけです」
「面倒見がいいね」
セドニは何も言わず眉間に皺を寄せた。それが可笑しいのかプライトは笑みを零した。プライトのその態度も気に入らず、セドニは手早くサンドイッチを食べ終えた。
「お先に失礼します」
「おう」
トレーを持って立ち上がったセドニは、去ろうとした足を止めた。そしてプライトを振り返る。
「そういえばプライト局長」
「なんだい?」
「前にお会いしたインデッセに留学しておられる姪っ子さんお元気ですか?」
「ああ。たぶん元気だよ。まだ留学中で会ってはいないけどね。連絡がないのは元気な証拠だな」
「そうですね。それではまた午後に」
セドニは立ち去った。
「通り名が付くぐらいにはな。ダサいのは自覚してる」
「じゃあ可能性はある。ヨンキョクは学力より身体能力重視だ。シズならヨンキョクになれる可能性はあると思うんだ」
「それでヨンキョクになるにはどうすればいい?履歴書書くのか? 」
「城人になるにはまず学校に行かなきゃいけないよ。試験もある」
「学校?! 」
シズは思わず起き上がった。想像よりずっと手間がかかりそうだ。
「学校ってどれくらい?」
「一年」
一年。学校にしては短い期間だ。けれど一年。
「城の三局から願書貰うだけ貰ってくるから。たぶんまだ間に合うと思う。少し考えてみて」
ジャモンはシズの肩を優しく叩くと出かけていった。
「一年か……」
ひとりになった部屋で、シズは呟いた。今のシズには帰れる保障なんてない。一年先、五年先、十年先、それ以上ここに居る可能性の方が高い。その現実を改めて、シズはぶつけられた。
「やらないよりマシって、このこというんだろうな」
シズが試験に受かる確証なんてない。いくら身体能力があったとしても城人なんて立派な職業が自分に務まるとシズは思えない。けれど、シズのトッペルゲンガーも城人の制服を着ていた。城人になればドッペルゲンガーの素性も分かるかもしれない。それがもしかしたら帰るヒントになるかもしれない。シズは自分を納得させる。
「よし、ポジティブになってきた」
いける。試験ぐらい突破できる。帰ることに近づける。シズは自分に暗示をかける。
「そういえば、この間の堅物男七局とか言ってたな」
シズはセドニを思い出す。七局。二局に次ぐ花形。エリート。
「こんなことになるならもうちょい媚びとけばよかったな。そしたらコネとかで入れてくれたかもな」
コネ。あの堅物からどうやってコネを手に入れる。色仕掛けか。無理だとシズはすぐに諦めた。
「とりあえず筋トレしねぇとな」
その場でシズは腹筋をはじめた。
「セドニ、隣いいかい?」
堅物男セドニはサンドイッチを食べる手を止めた。
「どうぞ」
セドニは隣の椅子をひいた。
「すまないな。いやこの時間の食堂は込んでるね」
「昼時ですからね」
セドニの隣に座った七局長コッパー・プライトは、冷たい反応のセドニを気にも止めることなく笑った。そして湯気が立つスープから麺を啜った。
「そういえばヨンキョクから聞いたよ。川に飛び込ん奴を助けたんだって?」
再びセドニの食べる手が止まった。
「助けてなんかいません。自力で這い上がってきたんで、家まで送り届けただけです」
「面倒見がいいね」
セドニは何も言わず眉間に皺を寄せた。それが可笑しいのかプライトは笑みを零した。プライトのその態度も気に入らず、セドニは手早くサンドイッチを食べ終えた。
「お先に失礼します」
「おう」
トレーを持って立ち上がったセドニは、去ろうとした足を止めた。そしてプライトを振り返る。
「そういえばプライト局長」
「なんだい?」
「前にお会いしたインデッセに留学しておられる姪っ子さんお元気ですか?」
「ああ。たぶん元気だよ。まだ留学中で会ってはいないけどね。連絡がないのは元気な証拠だな」
「そうですね。それではまた午後に」
セドニは立ち去った。
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