【完結】ゲーム序盤に殺されるモブに転生したのに、黒幕と契約結婚することになりました〜ここまで愛が重いのは聞いていない〜

紅城えりす☆VTuber

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侯爵様の本音(ルイス視点)

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 つまらない人生だった。
 産まれた時から、それなりに頭の良かった僕は何をやっても出来てしまったから。
 学問、剣術、下らない社交界まで。

 貴族ごっこも申し訳程度にやってきた。
 両親は社交場に、あまり出たがらない僕にグチグチと文句を言ってきたけれども、最低限はやってきたつもりだ。

 そう『みんなが慕う慈善家のセシル侯爵像』が完成するまでは。

 とはいえ邪魔な両親はとうの昔に排除してしまったが……。

 それから僕が成人して爵位を受け継いでからは、いわゆる『下々の生活』に興味が湧いた。現在のヴィシュトリア王国では少数の貴族と、資本家が富を独占している。国を回している労働者階級の者たちは毎日苦しい生活を送っているのに。

 それで僕は妙案を思いついた。
 僕の『暇つぶし』になって、国も変えられる妙案が。

 義族になろう。
 悪徳貴族と呼ばれる者たちを始末して民に富を配ればいい。

 そこで早速、悪名高いノックス家から潰すことにした。ノックス卿や彼の妻は案外扱いやすかった。

 長男であるアーサーは中々厄介そうではあったけど。

 娘も利用するつもりだった。
 口説いて、情報を吐かせて、使い潰すつもりだったのに――彼女は色々とこちらの予想を裏切ってくれた。

 まず噂通りの人物ではなかった。

 噂によればシータ・ノックスは、馬車に轢かれた一般人を『馬車の邪魔をした罪』として何度もむち打ちにしたり、侍女に暴力を振るうような人物であったそうだが、実際は違った。むしろ飢えた母子に食事を与えるような心優しい人物であった。

 さらに、彼女は僕が知り得もしない知識を大量に持っていた。少し話せば分かる。
 彼女は僕の知らない知識を元に推理をしたり、変な発明品を作り続けている。

 面白い。

 僕は彼女を手に入れることにした。
 シータが欲しい。彼女が居ればつまらない毎日が楽しくなる。

 家族から引きなして、僕に依存させる。
 簡単なことだ。
 だって彼女は家族を忌み嫌っている。
 忌まわしい家族から引き離してあげれば、彼女にとって僕は救世主だ。

 さらに、世間から彼女を引き離してしまえば、彼女はもっと僕に依存するだろう。

 僕の愛は重いかな?
 きっと重いよね。
 鉛よりずっと重い。
 だけど許してね。
 僕には普通の愛なんて知らないから。

 僕のシータ。
 


 誰にも渡さない。



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