19 / 44
19 犯人
しおりを挟む
3日はあっという間に過ぎた。
犯人探しという名目の期間だったので、それなりに城の中をウロウロしたり召使いたちに話を聞いたりしていた。
ジェシカは侍女から召使いとなり、城外の仕事を命じられているので日中は会える時間がほとんど無くなってしまった。
それでも仕事が終わったあとのわずかな時間には会いに来てくれる。
監視の目はあるが、特に咎められたりはしなかった。
3日目の夜。自室で本を読みながら静かに過ごしていた。
そこへ近づいてくる足音。この時間は外から鍵をかけられているはずだが、ガチャガチャと解錠の音とともにひとりの人物が中に入ってくる。
「やはり来ると思っていました」
本を閉じ、ランプに照らされた人物に話しかける。
そこに立っていたのは緑髪にそばかすの少女。召使いのハリエットだった。
「いつから気づいていたの?」
ハリエットが少し苛立った様子で聞いてくる。
表の監視の兵も仲間だったようだ。
「はじめて会ったときから少しおかしいと思っていました。必死に隠してはいましたが、さりげない動きに育ちの良さが出ていました」
「…………」
「確信したのはわたしが医術書を読んでいたときです。あれが計画書と違うと判断できたのは文字がしっかり読めないと無理でしょう」
「……なるほど。あなたはやっぱり油断ならない人ですね」
「計画書を盗み出したのはあなたですね」
「そう。使節団のスケジュールを知るためにね。襲撃したのもわたしの仲間」
「目的はアレックス王への復讐ですね。でもなぜ城の中に潜入できているのに、彼を直接狙わないのですか」
「ヤツは恐ろしく用心深く、誰ひとり側に近づけない。身の回りのことも自分でやる徹底ぶり。何度も接近しようとしたけど全部失敗している」
「そこでアレックス王不在のときに使節団を狙ったというわけですか。間接的にダラムを弱体化させようと」
「それも失敗し、多くの仲間を失ったわ。誰かさんが邪魔をしたから」
スッ、とハリエットは短剣を取り出した。
「わたしを殺すつもりですか」
「どうでしょうね。あなたの返答次第かしら」
「なにが聞きたいのです」
「どうしてわたしの正体を誰にも話さないの」
「…………」
「同情でもしているつもりかしら」
「同情というより、あなた方の気持ちはわかります。わたしとて同じ境遇なら復讐を考えたでしょう」
「ふざけないで」
ハリエットはまなじりを吊り上げ、わたしの首元に短剣を突きつける。
「シェトランドは国も王家も形としては残されてるでしょう。丸ごと滅ぼされたロージアンとはわけが違う。あなたはアレックス王のご機嫌を取って国の存続を許されている立場」
「国策の違いもあるでしょう。ロージアンはダラムと明らかに敵対していましたから。シェトランドはあくまで中立の立場を取っていました」
「……あなたは恨みはないわけ? 王妃という立場だけど待遇は人質と変わらない。無理難題を押しつけられてこき使われている現状に」
「不満がないと言えば嘘になります。でも、祖国のためと思えば。それにここにも良くしてくれる人たちがいます」
そう言うとハリエットは向けていた短剣をダラリと下げ、嘆息する。
「今までは順調だったかもしれないけど、それも今日で終わり。わたしが手を下さずともあなたは明日死刑宣告を受けるかもしれない。怖くはないの? ここに犯人がいますって大声で叫べば? 最後のチャンスかもよ」
「いえ、あなたのことは話すつもりはありません。でも死ぬつもりもありません。他の方法を考えます」
「ふん、あなたがその気なら仲間にしてあげようと思ったのに。そんな調子じゃ、それも無理ね」
「あなたはこれからどうするのですか」
「正体がバレた以上、仲間と一緒にここを去るわ。でも復讐を諦めたわけじゃないから。力を蓄えて必ず戻ってくる」
「ハリエット……いえ、あなたはロージアンの王女の……」
「次に会うことがあれば完全に敵同士ね。わたしはあなたをダラムの王妃として倒すわ」
「あっ、待って」
去ろうとするハリエットの腕をつかみ、その手の中にロージアンの指輪を押し込む。
「あなたの仲間の遺品です。位の高い騎士だったのでしょう。これを持っていってください」
「…………」
指輪を見つめ、しばらく立ち尽くすハリエット。
やがて決意したような表情になり背を向ける。
そしてそのまま振り返らずに部屋を出ていった。
翌日。早朝からわたしは兵に連れられて謁見の間へ。
多くの廷臣や兵が見守る中、3日前と同じように玉座前の階下にひざまずく。
「さて、3日経ったが。薬剤に毒物を混ぜた犯人は見つかったのか」
アレックス王が急かすように聞いてくる。
わたしは顔を伏せたまま、いいえと答えた。
「……では貴様自身が犯人だと認めるのか」
「いえ、そうではありません。しかし、預かっていた薬剤の管理を怠ったのはわたしの責任。その罪はわたしにあります」
「毒物を入れたことには関与していないが、管理についての責任は負うと。そういうことか」
「はい」
「貴様……まさか犯人がわかっていて、そいつをかばっているのか」
このアレックス王の発言には少し驚いた。
ハリエットの存在や城にロージアンの残党が潜入していたことは知らないはず。
わたしが犯人ではないとアレックス王自身も確信していたということか。そしてわたしひとりの力で犯人を探し出せるとも。
かばっている、というのは半分は事実だ。
ロージアンの王族が生きており、残党を率いて暗殺や謀略を企んでいるとなれば今度こそ看過できないだろう。
ロージアンの旧領地にて徹底的な弾圧が加えられ、多くの人間が犠牲になる。
ハリエットも捕らえられてしまうだろう。最後の王族が処刑されればさらにダラムへの反感が強まる。
そうなれば旧領地の各地で反乱が起こる。
また戦だ。それだけは避けなければ。
「かばう者などいません。陛下にお時間を頂いたのに探し出せなかったのも、またわたしの罪」
「それだ。王妃といえど容赦はせんぞ。ここにきてまだ恐れぬか。余に心底ひれ伏して命乞いしようとは思わんのか」
これは逆だ。
もしわたしが媚びへつらい、命乞いするような態度を取ったらアレックス王は途端にわたしへの興味を失うだろう。
アレックス王の願いはわたしが心から屈服すること。
それが実現できないうちは本気で殺そうとはしないはずだ。
「命は惜しいですが、賢明な陛下ならば見事な英断を下されるはず。それに期待するのみです」
「貴様っ……! 余を試しているつもりか!」
アレックス王はワナワナと震え、玉座から立ち上がる。
周囲の廷臣や兵たちは恐れおののき、声も出せない。
「そこまで言うのなら貴様、この場で言い渡してやる。最後の機会として貴様には咎人の儀に挑戦してもらう」
犯人探しという名目の期間だったので、それなりに城の中をウロウロしたり召使いたちに話を聞いたりしていた。
ジェシカは侍女から召使いとなり、城外の仕事を命じられているので日中は会える時間がほとんど無くなってしまった。
それでも仕事が終わったあとのわずかな時間には会いに来てくれる。
監視の目はあるが、特に咎められたりはしなかった。
3日目の夜。自室で本を読みながら静かに過ごしていた。
そこへ近づいてくる足音。この時間は外から鍵をかけられているはずだが、ガチャガチャと解錠の音とともにひとりの人物が中に入ってくる。
「やはり来ると思っていました」
本を閉じ、ランプに照らされた人物に話しかける。
そこに立っていたのは緑髪にそばかすの少女。召使いのハリエットだった。
「いつから気づいていたの?」
ハリエットが少し苛立った様子で聞いてくる。
表の監視の兵も仲間だったようだ。
「はじめて会ったときから少しおかしいと思っていました。必死に隠してはいましたが、さりげない動きに育ちの良さが出ていました」
「…………」
「確信したのはわたしが医術書を読んでいたときです。あれが計画書と違うと判断できたのは文字がしっかり読めないと無理でしょう」
「……なるほど。あなたはやっぱり油断ならない人ですね」
「計画書を盗み出したのはあなたですね」
「そう。使節団のスケジュールを知るためにね。襲撃したのもわたしの仲間」
「目的はアレックス王への復讐ですね。でもなぜ城の中に潜入できているのに、彼を直接狙わないのですか」
「ヤツは恐ろしく用心深く、誰ひとり側に近づけない。身の回りのことも自分でやる徹底ぶり。何度も接近しようとしたけど全部失敗している」
「そこでアレックス王不在のときに使節団を狙ったというわけですか。間接的にダラムを弱体化させようと」
「それも失敗し、多くの仲間を失ったわ。誰かさんが邪魔をしたから」
スッ、とハリエットは短剣を取り出した。
「わたしを殺すつもりですか」
「どうでしょうね。あなたの返答次第かしら」
「なにが聞きたいのです」
「どうしてわたしの正体を誰にも話さないの」
「…………」
「同情でもしているつもりかしら」
「同情というより、あなた方の気持ちはわかります。わたしとて同じ境遇なら復讐を考えたでしょう」
「ふざけないで」
ハリエットはまなじりを吊り上げ、わたしの首元に短剣を突きつける。
「シェトランドは国も王家も形としては残されてるでしょう。丸ごと滅ぼされたロージアンとはわけが違う。あなたはアレックス王のご機嫌を取って国の存続を許されている立場」
「国策の違いもあるでしょう。ロージアンはダラムと明らかに敵対していましたから。シェトランドはあくまで中立の立場を取っていました」
「……あなたは恨みはないわけ? 王妃という立場だけど待遇は人質と変わらない。無理難題を押しつけられてこき使われている現状に」
「不満がないと言えば嘘になります。でも、祖国のためと思えば。それにここにも良くしてくれる人たちがいます」
そう言うとハリエットは向けていた短剣をダラリと下げ、嘆息する。
「今までは順調だったかもしれないけど、それも今日で終わり。わたしが手を下さずともあなたは明日死刑宣告を受けるかもしれない。怖くはないの? ここに犯人がいますって大声で叫べば? 最後のチャンスかもよ」
「いえ、あなたのことは話すつもりはありません。でも死ぬつもりもありません。他の方法を考えます」
「ふん、あなたがその気なら仲間にしてあげようと思ったのに。そんな調子じゃ、それも無理ね」
「あなたはこれからどうするのですか」
「正体がバレた以上、仲間と一緒にここを去るわ。でも復讐を諦めたわけじゃないから。力を蓄えて必ず戻ってくる」
「ハリエット……いえ、あなたはロージアンの王女の……」
「次に会うことがあれば完全に敵同士ね。わたしはあなたをダラムの王妃として倒すわ」
「あっ、待って」
去ろうとするハリエットの腕をつかみ、その手の中にロージアンの指輪を押し込む。
「あなたの仲間の遺品です。位の高い騎士だったのでしょう。これを持っていってください」
「…………」
指輪を見つめ、しばらく立ち尽くすハリエット。
やがて決意したような表情になり背を向ける。
そしてそのまま振り返らずに部屋を出ていった。
翌日。早朝からわたしは兵に連れられて謁見の間へ。
多くの廷臣や兵が見守る中、3日前と同じように玉座前の階下にひざまずく。
「さて、3日経ったが。薬剤に毒物を混ぜた犯人は見つかったのか」
アレックス王が急かすように聞いてくる。
わたしは顔を伏せたまま、いいえと答えた。
「……では貴様自身が犯人だと認めるのか」
「いえ、そうではありません。しかし、預かっていた薬剤の管理を怠ったのはわたしの責任。その罪はわたしにあります」
「毒物を入れたことには関与していないが、管理についての責任は負うと。そういうことか」
「はい」
「貴様……まさか犯人がわかっていて、そいつをかばっているのか」
このアレックス王の発言には少し驚いた。
ハリエットの存在や城にロージアンの残党が潜入していたことは知らないはず。
わたしが犯人ではないとアレックス王自身も確信していたということか。そしてわたしひとりの力で犯人を探し出せるとも。
かばっている、というのは半分は事実だ。
ロージアンの王族が生きており、残党を率いて暗殺や謀略を企んでいるとなれば今度こそ看過できないだろう。
ロージアンの旧領地にて徹底的な弾圧が加えられ、多くの人間が犠牲になる。
ハリエットも捕らえられてしまうだろう。最後の王族が処刑されればさらにダラムへの反感が強まる。
そうなれば旧領地の各地で反乱が起こる。
また戦だ。それだけは避けなければ。
「かばう者などいません。陛下にお時間を頂いたのに探し出せなかったのも、またわたしの罪」
「それだ。王妃といえど容赦はせんぞ。ここにきてまだ恐れぬか。余に心底ひれ伏して命乞いしようとは思わんのか」
これは逆だ。
もしわたしが媚びへつらい、命乞いするような態度を取ったらアレックス王は途端にわたしへの興味を失うだろう。
アレックス王の願いはわたしが心から屈服すること。
それが実現できないうちは本気で殺そうとはしないはずだ。
「命は惜しいですが、賢明な陛下ならば見事な英断を下されるはず。それに期待するのみです」
「貴様っ……! 余を試しているつもりか!」
アレックス王はワナワナと震え、玉座から立ち上がる。
周囲の廷臣や兵たちは恐れおののき、声も出せない。
「そこまで言うのなら貴様、この場で言い渡してやる。最後の機会として貴様には咎人の儀に挑戦してもらう」
1
あなたにおすすめの小説
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
【完結】仕事のための結婚だと聞きましたが?~貧乏令嬢は次期宰相候補に求められる
仙冬可律
恋愛
「もったいないわね……」それがフローラ・ホトレイク伯爵令嬢の口癖だった。社交界では皆が華やかさを競うなかで、彼女の考え方は異端だった。嘲笑されることも多い。
清貧、質素、堅実なんていうのはまだ良いほうで、陰では貧乏くさい、地味だと言われていることもある。
でも、違う見方をすれば合理的で革新的。
彼女の経済観念に興味を示したのは次期宰相候補として名高いラルフ・バリーヤ侯爵令息。王太子の側近でもある。
「まるで雷に打たれたような」と彼は後に語る。
「フローラ嬢と話すとグラッ(価値観)ときてビーン!ときて(閃き)ゾクゾク湧くんです(政策が)」
「当代随一の頭脳を誇るラルフ様、どうなさったのですか(語彙力どうされたのかしら)もったいない……」
仕事のことしか頭にない冷徹眼鏡と無駄使いをすると体調が悪くなる病気(メイド談)にかかった令嬢の話。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
助けた騎士団になつかれました。
藤 実花
恋愛
冥府を支配する国、アルハガウンの王女シルベーヌは、地上の大国ラシュカとの約束で王の妃になるためにやって来た。
しかし、シルベーヌを見た王は、彼女を『醜女』と呼び、結婚を保留して古い離宮へ行けと言う。
一方ある事情を抱えたシルベーヌは、鮮やかで美しい地上に残りたいと思う願いのため、異議を唱えず離宮へと旅立つが……。
☆本編完結しました。ありがとうございました!☆
番外編①~2020.03.11 終了
【本編完結】厄災烙印の令嬢は貧乏辺境伯領に嫁がされるようです
あおまる三行
恋愛
王都の洗礼式で「厄災をもたらす」という烙印を持っていることを公表された令嬢・ルーチェ。
社交界では腫れ物扱い、家族からも厄介者として距離を置かれ、心がすり減るような日々を送ってきた彼女は、家の事情で辺境伯ダリウスのもとへ嫁ぐことになる。
辺境伯領は「貧乏」で知られている、魔獣のせいで荒廃しきった領地。
冷たい仕打ちには慣れてしまっていたルーチェは抵抗することなくそこへ向かい、辺境の生活にも身を縮める覚悟をしていた。
けれど、実際に待っていたのは──想像とはまるで違う、温かくて優しい人々と、穏やかで心が満たされていくような暮らし。
そして、誰より誠実なダリウスの隣で、ルーチェは少しずつ自分の居場所を取り戻していく。
静かな辺境から始まる、甘く優しい逆転マリッジラブ物語。
【追記】本編完結しました
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる