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44 思い出
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ダラム十四代目国王アレックス死去──。
わたしはそこまで書いて羽ペンを置いた。
彼の死からすでに三十年の月日が流れた。
彼の遺言通りに王位を継ぎ、なんとかダラムや大陸の平和を守ってきたつもりだけど……それももう次代に任せるべきだ。
今まで書いていたのはアレックス王の治世時代の功績からわたしまでの様々な出来事……。
新王となる者の戴冠式でわたしが読み上げるものだった。
けれどなかなか筆が進まない。何度も書き直しているけど、彼の死を境に先のことが書く気にならないのだ。
遺言状があったとはいえ、わたしが王位を継ぐのはもちろん容易なことではなかった。
ギリアン司祭の大反対、それに賛同する臣下とそうでない臣下の対立。
グレイソン騎士団長の反発、それを抑えるための抗争。
それらの困難を乗り越え、王位に就いた後も国の内外では問題が続出。
ロージアンではハノーヴァーの工作により旧臣を中心とした大規模な反乱が起こる。
呼応するようにブリジェンドでもダラムに不満を持つ民兵らが挙兵。
そしてハノーヴァーの大船団の襲来。
めまぐるしく、絶望的な危機に何度も襲われた。
ロージアンに対してはハリエットに協力してもらい、反乱を鎮めた。
軟禁状態だった彼女をロージアンの王位に復活させる。これで旧臣や兵は大人しく従ってくれた。
税制や法についてはダラムの監視下にあるといったギリギリの条件だったが、それで民衆も納得してくれたようだ。
ブリジェンドでもジェシカを侍女から解放して王女として復帰。
人質の条件を無くし、年ごとの貢物も撤廃した。
今では同盟国として良好な関係を築けている。その功績はもちろんジェシカの協力あってのものだった。
彼女は最後の最後まで、ここに残ると言って泣いていた。
王女になんか戻らなくていい。侍女でも召使いでもいいからわたしと一緒にいたいと。
わたしだって親友と別れるのはつらい。
でも、ブリジェンドと争うことになってはならない。ましてやハノーヴァーの船団が近付いてきているこの時に。
そう説得してブリジェンドへ戻ってもらったのだ。
そしてわたしが説得したのはもう一人。騎士のウィリアムだ。
ジェシカと彼がお互いに好意を持っていながら、なかなか進展が無いことをわたしは知っていた。
王命として彼女の騎士になりなさいと言ったとき、ウィリアムも涙を流した。
ウィリアムはブリジェンドの騎士団で活躍し、爵位を得てめでたくジェシカと結ばれた。
子供も三人もうけ、幸せに暮らしている。
ロージアンやブリジェンドがほぼ独立化を果たしたことからシェトランドも同じ条件に。
王女だったわたしがダラム王となっているのだから、その繋がりは盤石のものだった。
そして最大の危機であるハノーヴァーとの戦い。
総勢四十万を超える大軍が海を渡り、国土を侵そうとしている。
他の三国から援軍協力の約束を取り付けながら、オークニーを通じてハノーヴァーともギリギリまで戦争回避の交渉を続ける。
軍船もまったく足りない。例の建造した大型の軍船も数えるほどしかなかった。
見栄えだけのハリボテのような船をいくつも造り、いかにも大船団のように見せかけて沿岸に配置。
さらに以前海賊だった漁師たちに協力してもらい、小型の高速船で撹乱したり浅海域に誘い込むなど、わたしたちが前に苦しめられた戦法を用いた。
結果的に大々的な海戦が行われる前に嵐や疫病が発生し、ハノーヴァーは上陸を果たすことなく撤退した。
完全に運が良かったとしか言いようがなかったけれど、大陸の平和は守られたのだ。
その後のハノーヴァーの動きとしては内乱が起きて国自体が分裂。
もはや侵攻どころではない状況に陥り、長い月日が経った今でも収束していないようだ。
平和な治世やハノーヴァーの侵攻を阻止したことから稀代の名君とか救国の女神とか呼ばれるけれど、それはわたしの力じゃない。
アレックス王が築いてきた軍事力や国力が根底にあるし、優秀な人材も多くいたからだ。
ジェシカやハリエット、シェトランドのみんなが遺恨を残さずに協力してくれた事も大きい。
ふいにドアからノック音がし、わたしはどうぞと返事をする。
「お義母様。またこちらにいらしたのですね」
そう言って部屋に入ってきたのは金髪碧眼の青年。
わたしは微笑みながら彼に向かって頷いた。
「ええ。書き物をする時はここが落ち着くから」
「そうですか。あまり根を詰めずに。まだ戴冠式までは日にちがあるでしょう」
「……そうですね。ジュード、あなたも心の準備は出来ましたか。王となる覚悟が」
ジュードという、わたしを義母と呼ぶ青年。
あのジェシカとウィリアムの二番目の子供。
アレックス王の死後、夫を迎えることもなく、子供のいないわたしは後継者のことを考えて彼を養子に迎えたのだった。
親バカと思われるかもしれないが、利発で素直で謙虚な子だ。
それでいて強い意志を持ち、間違っていると思えばわたしに対してもはっきり物を言う率直さもある。
どことなくアレックス王に似ている部分があり、はっとさせられる事もあった。
「非才ながら全力を尽くすのみです。お義母様に楽をしてもらうためにも」
「……ごめんなさいね。まだまだ国政に関わるべきだという声は多いけど、わたしも歳を取りました。あとはあなたのような若い世代に活躍してもらいます」
「歳を取ったなどと……。城内や市井ではお義母様の美しさは以前とまったく変わらないと言われていますよ。ついこの前もオークニーの若い王族から求婚されていたではありませんか」
「あれは政略的な駆け引きでしょう。本気でこんな中年女性を相手にするものですか」
「どうでしょう。お義母様を見た途端、かなりのぼせ上がっていたように見えましたが。わたしはお義母様には隠居後、ご自身の幸せを求めて欲しいのです」
「幸せですよ、わたしは十分に。あなたがいるし、それに」
わたしはこの部屋を見渡す。
「この城、そしてこの部屋には彼との思い出がたくさんあります。まるで昨日のことのように思い出せます。罵倒されたり言い合ったりもしたけれど、本当は優しくて──」
ジュードはそこまで聞いて両手をぶんぶんと振った。
「分かりました、分かりました。アレックス王との思い出は何百回と聞かされていますので。もう無理に恋をしろとか相手を見つけろとは言いません」
それでは、と逃げるように部屋を出ていくジュード。
都合が悪くなると顔を合わせなくなる。そんなところもアレックス王に似ていた。
わたしはクスリと笑いながらまた机に向かった。
この先の内容は、あなたに対する手紙にしよう。
見守ってくれていますか? この国はどうでしょうか?
わたしはあなたの期待に応えられたでしょうか?
会いたいです。国を背負ってずっと気を張っていたけれど、本当はずっと心細かった。
ずっと側にいて欲しかった。
いつかそちらに行くことになるけれど、温かく迎えてくれるのでしょうか?
目頭が熱くなるのを感じながらふと、頭の上をふわりと撫でられた感触があった。
わたしは立ち上がり、部屋の窓を開ける。
暖かな陽光に目を細めながらわたしは宙空に向かってありがとう、と呟いた。
了
わたしはそこまで書いて羽ペンを置いた。
彼の死からすでに三十年の月日が流れた。
彼の遺言通りに王位を継ぎ、なんとかダラムや大陸の平和を守ってきたつもりだけど……それももう次代に任せるべきだ。
今まで書いていたのはアレックス王の治世時代の功績からわたしまでの様々な出来事……。
新王となる者の戴冠式でわたしが読み上げるものだった。
けれどなかなか筆が進まない。何度も書き直しているけど、彼の死を境に先のことが書く気にならないのだ。
遺言状があったとはいえ、わたしが王位を継ぐのはもちろん容易なことではなかった。
ギリアン司祭の大反対、それに賛同する臣下とそうでない臣下の対立。
グレイソン騎士団長の反発、それを抑えるための抗争。
それらの困難を乗り越え、王位に就いた後も国の内外では問題が続出。
ロージアンではハノーヴァーの工作により旧臣を中心とした大規模な反乱が起こる。
呼応するようにブリジェンドでもダラムに不満を持つ民兵らが挙兵。
そしてハノーヴァーの大船団の襲来。
めまぐるしく、絶望的な危機に何度も襲われた。
ロージアンに対してはハリエットに協力してもらい、反乱を鎮めた。
軟禁状態だった彼女をロージアンの王位に復活させる。これで旧臣や兵は大人しく従ってくれた。
税制や法についてはダラムの監視下にあるといったギリギリの条件だったが、それで民衆も納得してくれたようだ。
ブリジェンドでもジェシカを侍女から解放して王女として復帰。
人質の条件を無くし、年ごとの貢物も撤廃した。
今では同盟国として良好な関係を築けている。その功績はもちろんジェシカの協力あってのものだった。
彼女は最後の最後まで、ここに残ると言って泣いていた。
王女になんか戻らなくていい。侍女でも召使いでもいいからわたしと一緒にいたいと。
わたしだって親友と別れるのはつらい。
でも、ブリジェンドと争うことになってはならない。ましてやハノーヴァーの船団が近付いてきているこの時に。
そう説得してブリジェンドへ戻ってもらったのだ。
そしてわたしが説得したのはもう一人。騎士のウィリアムだ。
ジェシカと彼がお互いに好意を持っていながら、なかなか進展が無いことをわたしは知っていた。
王命として彼女の騎士になりなさいと言ったとき、ウィリアムも涙を流した。
ウィリアムはブリジェンドの騎士団で活躍し、爵位を得てめでたくジェシカと結ばれた。
子供も三人もうけ、幸せに暮らしている。
ロージアンやブリジェンドがほぼ独立化を果たしたことからシェトランドも同じ条件に。
王女だったわたしがダラム王となっているのだから、その繋がりは盤石のものだった。
そして最大の危機であるハノーヴァーとの戦い。
総勢四十万を超える大軍が海を渡り、国土を侵そうとしている。
他の三国から援軍協力の約束を取り付けながら、オークニーを通じてハノーヴァーともギリギリまで戦争回避の交渉を続ける。
軍船もまったく足りない。例の建造した大型の軍船も数えるほどしかなかった。
見栄えだけのハリボテのような船をいくつも造り、いかにも大船団のように見せかけて沿岸に配置。
さらに以前海賊だった漁師たちに協力してもらい、小型の高速船で撹乱したり浅海域に誘い込むなど、わたしたちが前に苦しめられた戦法を用いた。
結果的に大々的な海戦が行われる前に嵐や疫病が発生し、ハノーヴァーは上陸を果たすことなく撤退した。
完全に運が良かったとしか言いようがなかったけれど、大陸の平和は守られたのだ。
その後のハノーヴァーの動きとしては内乱が起きて国自体が分裂。
もはや侵攻どころではない状況に陥り、長い月日が経った今でも収束していないようだ。
平和な治世やハノーヴァーの侵攻を阻止したことから稀代の名君とか救国の女神とか呼ばれるけれど、それはわたしの力じゃない。
アレックス王が築いてきた軍事力や国力が根底にあるし、優秀な人材も多くいたからだ。
ジェシカやハリエット、シェトランドのみんなが遺恨を残さずに協力してくれた事も大きい。
ふいにドアからノック音がし、わたしはどうぞと返事をする。
「お義母様。またこちらにいらしたのですね」
そう言って部屋に入ってきたのは金髪碧眼の青年。
わたしは微笑みながら彼に向かって頷いた。
「ええ。書き物をする時はここが落ち着くから」
「そうですか。あまり根を詰めずに。まだ戴冠式までは日にちがあるでしょう」
「……そうですね。ジュード、あなたも心の準備は出来ましたか。王となる覚悟が」
ジュードという、わたしを義母と呼ぶ青年。
あのジェシカとウィリアムの二番目の子供。
アレックス王の死後、夫を迎えることもなく、子供のいないわたしは後継者のことを考えて彼を養子に迎えたのだった。
親バカと思われるかもしれないが、利発で素直で謙虚な子だ。
それでいて強い意志を持ち、間違っていると思えばわたしに対してもはっきり物を言う率直さもある。
どことなくアレックス王に似ている部分があり、はっとさせられる事もあった。
「非才ながら全力を尽くすのみです。お義母様に楽をしてもらうためにも」
「……ごめんなさいね。まだまだ国政に関わるべきだという声は多いけど、わたしも歳を取りました。あとはあなたのような若い世代に活躍してもらいます」
「歳を取ったなどと……。城内や市井ではお義母様の美しさは以前とまったく変わらないと言われていますよ。ついこの前もオークニーの若い王族から求婚されていたではありませんか」
「あれは政略的な駆け引きでしょう。本気でこんな中年女性を相手にするものですか」
「どうでしょう。お義母様を見た途端、かなりのぼせ上がっていたように見えましたが。わたしはお義母様には隠居後、ご自身の幸せを求めて欲しいのです」
「幸せですよ、わたしは十分に。あなたがいるし、それに」
わたしはこの部屋を見渡す。
「この城、そしてこの部屋には彼との思い出がたくさんあります。まるで昨日のことのように思い出せます。罵倒されたり言い合ったりもしたけれど、本当は優しくて──」
ジュードはそこまで聞いて両手をぶんぶんと振った。
「分かりました、分かりました。アレックス王との思い出は何百回と聞かされていますので。もう無理に恋をしろとか相手を見つけろとは言いません」
それでは、と逃げるように部屋を出ていくジュード。
都合が悪くなると顔を合わせなくなる。そんなところもアレックス王に似ていた。
わたしはクスリと笑いながらまた机に向かった。
この先の内容は、あなたに対する手紙にしよう。
見守ってくれていますか? この国はどうでしょうか?
わたしはあなたの期待に応えられたでしょうか?
会いたいです。国を背負ってずっと気を張っていたけれど、本当はずっと心細かった。
ずっと側にいて欲しかった。
いつかそちらに行くことになるけれど、温かく迎えてくれるのでしょうか?
目頭が熱くなるのを感じながらふと、頭の上をふわりと撫でられた感触があった。
わたしは立ち上がり、部屋の窓を開ける。
暖かな陽光に目を細めながらわたしは宙空に向かってありがとう、と呟いた。
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