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3 刺客
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ダンスのあともエアハルト様とふたりきりだった。
外の景色を見ながらテラスでワイングラス片手に語り合う。
「ロストックの侵攻をアンスバッハ軍がよく撃退してくれているそうだね。その中でもあなたが最も活躍しているとも聞く」
「あ、はい! あ、いいえ、活躍だなんて」
褒められた! やっぱり王家ではわたしの戦いは評価されてるんだ。
国境にはザールラントの正規兵も守備しているけど、まったく頼りにならないからね。
戦いに関してはアンスバッハに頼るしかない。だからこの舞踏会でも、わたしに気を使って話しかけてきたのかな。
でもここで調子に乗っちゃダメだ。小説のイルゼはそれで威張ってたからね。
「頼もしい限りだ。でもね、イルゼ嬢。わたしはあのロストックともいずれは和平を結べると信じている」
「和平ですか」
「ああ。そのための特使も送っているところだ。近いうちに進展があると思う」
エアハルト様は平和主義者。
ザールラント国自体、武より文を重んじる風潮だ。
軍拡よりも文化や学問の向上を目指している。
でもわたしは前線で戦っているからよく分かるが、ロストックのヤツらは話が通じるような相手じゃない。
小説じゃイルゼは主戦派だから、エアハルト様やマルティナの考えには反対でいろいろ文句言ってたけど、いまのわたしがそんなこと言えるわけない。素晴らしいお考えです、と何度もうなずいた。
「キミからも同意が得られて嬉しいよ。国を守るのも大事だが、外交という手段が先だ。敵、味方問わずあまり血は流してほしくないからね」
なんて優しいお方。
あのロストックとの和平に関しては疑問が残るけど、わたしだってむやみやたらに戦いたいわけじゃない。
「これからはむこうからの挑発に乗らないように。刺激を与えるような行動は控えてほしい。今後の交渉にも影響するからね」
釘を刺されたような形になったけど、わたしはそれにもうなずく。
エアハルト様は満足したように笑い、わたしもお上品に口を押さえながら笑った。
舞踏会からの帰り。
王宮の外に馬車が停まった。
御者の男がおや、と声をかけてくる。
「ずいぶんとご機嫌ですね。なにか良いことがあったのですか?」
男の名はフリッツ。歳は同い年。
茶髪の地味な男。幼い頃からわたしに従者として仕えていたが、意外に剣や兵の指揮にも優れているので騎士として取り立て、いまではわたしの副官を務めるほどに。
影が薄いので存在をすっかり忘れていた。
「ん、まあな」
わたしは咳払いをしながら客車に乗り込む。
外はもう暗い。
御者台から伸びた棒の先にランタンを付け、その灯りを頼りに馬車は走り出した。
馬車に揺られながらわたしは夢のような舞踏会の余韻に浸っていた。
カッコよかったな~、エアハルト様。
ダンスも上手く踊れたし。そのあとの会話も楽しかったし。
主戦派と不戦派として思想の違いはあるけど、王家や国のことを想っているのは一緒だ。エアハルト様もそれは感じてくれたはず。
好印象残せたよね。もしかしたらこれがきっかけでわたしとエアハルト様が急接近するかも。
いやいや、それはさすがにないか。
エアハルト様はわたしがアンスバッハ侯爵令嬢だから近づいてきたんだ。
外交っていってもある程度の武力がないと交渉も難しい。
その武力を持っているのは我がアンスバッハ領。
だから軽く扱うことはできないし、あまり強いことも言えない。
もし、この先もっと仲良くなれたとしてもアンスバッハの武力をある程度コントロールするためかもしれない。
エアハルト様個人の好意がわたしに向けられるはずはないんだ。そもそも小説ではマルティナが王太子妃になってるからね。
ここでガクンッと馬車が急停止。
あぶな、舌噛むところだった。フリッツのヤツ、なにをやって──。
そう思っていたところにフリッツの声。
内容まではわからない。それからすぐに剣戟の音。
襲撃! わたしはすぐに客車の中にある剣をつかみ、外へ飛び出す。
「イルゼ様、刺客です! お気をつけて!」
フリッツの声。ランタンの灯りは消えていて位置が分からない。
だが周囲から複数の殺気。すでに間合いか。
前方から踏み込んでくる黒い影。鋭い刺突をかわす。
外はわずかな月明かりのみ。
次は左右からの同時攻撃。鞘付きの剣のまま横に薙いだ。
ガッ、ゴッ、と手応え。その衝撃で鞘から剣が抜けた。
倒してはいないが、わたしは構わず背後に斬りつける。
うしろにいた敵の肩から腰にかけて斬り落とした。
そして振り返る。さっき弾き飛ばしたふたりが飛びかかってくる。
いずれも覆面をした刺客。
上段からの剣を横にかわしながら胴に打ち込む。刺客のひとりの身体を両断。
返す刃をもうひとりに上から打ち込む。
敵は剣を横にしてガードしたが、かまわず剣ごと相手の頭蓋を断ち割った。
「イルゼ様! 上です!」
フリッツが叫ぶ。わかっている。
客車の上から飛びかかってくる敵。
攻撃をかわし、その顔面をわしづかみにして後頭部を地面に叩きつけた。
グシャッ、と嫌な感触が左手に残る。
これで最後か。殺気は完全に消えた。
「全員殺してはダメでしょう。誰の手の者か聞きださないと」
フリッツが剣を手にしたままこちらに近づいてきた。剣には生々しく血が滴っている。
「まあ、そういう僕も足を斬って身動きとれないようにしといたヤツがいたんですけど。聞き出す前に自害してしまいました」
「お前も人のこと言えないじゃないか」
「そうなんですけどね。新手が来ないとも限りませんし、ひとまず城まで急ぎましょう。あとのことは明日僕が調べますので」
フリッツの言われるままに客車に乗り込む。
こんなところで刺客に襲われるなんて。
わたしに恨みを持つ相手……。
ロストックの人間だろうか。
わざわざ他国の王都付近にまで刺客を送りこんでわたしを殺そうとしたのか?
どうにも気にかかる。フリッツが明日調べるというのだから、任せておけばいいことだけど。
✳ ✳ ✳
翌日、フリッツが自室まで来て報告をしてくれた。
「死体も争った痕跡もすべて消えていますね。かなり早朝に出向いたのですが」
あれほどの争った痕すら消してしまう。
ますますおかしな話になった。
ロストックならいちいちそんな真似はしない。
襲った証拠などが残されたら困るという意味だ。そんなことをするのは。
「王家か、諸侯の者か。一番可能性があるのは王宮内の不戦派のひとりかと」
フリッツが淡々と言う。
たしかに王家や諸侯の中でもアンスバッハのことを良く思ってない者はいる。
父のアンスバッハ公は対ロストックの主戦派の代表格。
王宮に出向いていたときは、その対外政策の違いから何度も対立をしてきた者たちがいる。
たとえばヴォルフスブルク公。
あのマルティナの父親だ。
不戦派の筆頭で、権勢的にもお父様と張り合っていたと聞く。
お父様が病になってからは大きく不戦派の勢力が大きくなっているらしい。エアハルト様の考えとも合致している。
その一味がわたしを狙ったのか?
王宮内はもう大きく不戦派に傾いているというのに。
「わからないな、敵の狙いが。わたしひとりを殺したところでなにか大きく変わるとも思えない」
わたしが首をひねると、フリッツがこう提案してきた。
「この調査の続きは僕に任せて頂けませんか。どうも王宮内の動きがきな臭いので」
「それは構わないが。あ、お父様には内密に頼む。心配かけたくないから」
「承知致しました。閣下には内密に。王家にも報せないほうがよろしいのですね」
「ああ。いろいろ聞かれるのも面倒だし、もう証拠も残ってないんだろ。それで頼む」
舞踏会の帰りに侯爵令嬢が襲われたとなれば大問題だが、大事にしたくはなかった。
「それに一息で二、三人を打ち殺せるなんて知られたくないからなー。特にエアハルト様に」
フリッツも変わったヤツだ。城での仕事もあるだろうに面倒な調べごとを自分から進んでやるなんて。
以前からとらえどころのない不思議なヤツだとは思ってたけど。
「それと、これからは城の内外に関わらず注意してください。どこに敵が潜んでいるかわかりませんので。口にする物にも必ず毒見を」
はいはい、心配性な男だ、と冗談めかして返事をすると、フリッツはムスッとした表情で部屋を出ていった。
アイツでも怒ることがあるんだ、とわたしは部屋の隅で待機している侍女のヘレナに話しかける。
ヘレナは困ったような顔で、それは怒るでしょう、と返事をした。
なんで、と聞き返してもヘレナは御自分でお考え下さいと言うばかり。
わたしはわけも分からず、天井を見上げて考えるフリをした。
外の景色を見ながらテラスでワイングラス片手に語り合う。
「ロストックの侵攻をアンスバッハ軍がよく撃退してくれているそうだね。その中でもあなたが最も活躍しているとも聞く」
「あ、はい! あ、いいえ、活躍だなんて」
褒められた! やっぱり王家ではわたしの戦いは評価されてるんだ。
国境にはザールラントの正規兵も守備しているけど、まったく頼りにならないからね。
戦いに関してはアンスバッハに頼るしかない。だからこの舞踏会でも、わたしに気を使って話しかけてきたのかな。
でもここで調子に乗っちゃダメだ。小説のイルゼはそれで威張ってたからね。
「頼もしい限りだ。でもね、イルゼ嬢。わたしはあのロストックともいずれは和平を結べると信じている」
「和平ですか」
「ああ。そのための特使も送っているところだ。近いうちに進展があると思う」
エアハルト様は平和主義者。
ザールラント国自体、武より文を重んじる風潮だ。
軍拡よりも文化や学問の向上を目指している。
でもわたしは前線で戦っているからよく分かるが、ロストックのヤツらは話が通じるような相手じゃない。
小説じゃイルゼは主戦派だから、エアハルト様やマルティナの考えには反対でいろいろ文句言ってたけど、いまのわたしがそんなこと言えるわけない。素晴らしいお考えです、と何度もうなずいた。
「キミからも同意が得られて嬉しいよ。国を守るのも大事だが、外交という手段が先だ。敵、味方問わずあまり血は流してほしくないからね」
なんて優しいお方。
あのロストックとの和平に関しては疑問が残るけど、わたしだってむやみやたらに戦いたいわけじゃない。
「これからはむこうからの挑発に乗らないように。刺激を与えるような行動は控えてほしい。今後の交渉にも影響するからね」
釘を刺されたような形になったけど、わたしはそれにもうなずく。
エアハルト様は満足したように笑い、わたしもお上品に口を押さえながら笑った。
舞踏会からの帰り。
王宮の外に馬車が停まった。
御者の男がおや、と声をかけてくる。
「ずいぶんとご機嫌ですね。なにか良いことがあったのですか?」
男の名はフリッツ。歳は同い年。
茶髪の地味な男。幼い頃からわたしに従者として仕えていたが、意外に剣や兵の指揮にも優れているので騎士として取り立て、いまではわたしの副官を務めるほどに。
影が薄いので存在をすっかり忘れていた。
「ん、まあな」
わたしは咳払いをしながら客車に乗り込む。
外はもう暗い。
御者台から伸びた棒の先にランタンを付け、その灯りを頼りに馬車は走り出した。
馬車に揺られながらわたしは夢のような舞踏会の余韻に浸っていた。
カッコよかったな~、エアハルト様。
ダンスも上手く踊れたし。そのあとの会話も楽しかったし。
主戦派と不戦派として思想の違いはあるけど、王家や国のことを想っているのは一緒だ。エアハルト様もそれは感じてくれたはず。
好印象残せたよね。もしかしたらこれがきっかけでわたしとエアハルト様が急接近するかも。
いやいや、それはさすがにないか。
エアハルト様はわたしがアンスバッハ侯爵令嬢だから近づいてきたんだ。
外交っていってもある程度の武力がないと交渉も難しい。
その武力を持っているのは我がアンスバッハ領。
だから軽く扱うことはできないし、あまり強いことも言えない。
もし、この先もっと仲良くなれたとしてもアンスバッハの武力をある程度コントロールするためかもしれない。
エアハルト様個人の好意がわたしに向けられるはずはないんだ。そもそも小説ではマルティナが王太子妃になってるからね。
ここでガクンッと馬車が急停止。
あぶな、舌噛むところだった。フリッツのヤツ、なにをやって──。
そう思っていたところにフリッツの声。
内容まではわからない。それからすぐに剣戟の音。
襲撃! わたしはすぐに客車の中にある剣をつかみ、外へ飛び出す。
「イルゼ様、刺客です! お気をつけて!」
フリッツの声。ランタンの灯りは消えていて位置が分からない。
だが周囲から複数の殺気。すでに間合いか。
前方から踏み込んでくる黒い影。鋭い刺突をかわす。
外はわずかな月明かりのみ。
次は左右からの同時攻撃。鞘付きの剣のまま横に薙いだ。
ガッ、ゴッ、と手応え。その衝撃で鞘から剣が抜けた。
倒してはいないが、わたしは構わず背後に斬りつける。
うしろにいた敵の肩から腰にかけて斬り落とした。
そして振り返る。さっき弾き飛ばしたふたりが飛びかかってくる。
いずれも覆面をした刺客。
上段からの剣を横にかわしながら胴に打ち込む。刺客のひとりの身体を両断。
返す刃をもうひとりに上から打ち込む。
敵は剣を横にしてガードしたが、かまわず剣ごと相手の頭蓋を断ち割った。
「イルゼ様! 上です!」
フリッツが叫ぶ。わかっている。
客車の上から飛びかかってくる敵。
攻撃をかわし、その顔面をわしづかみにして後頭部を地面に叩きつけた。
グシャッ、と嫌な感触が左手に残る。
これで最後か。殺気は完全に消えた。
「全員殺してはダメでしょう。誰の手の者か聞きださないと」
フリッツが剣を手にしたままこちらに近づいてきた。剣には生々しく血が滴っている。
「まあ、そういう僕も足を斬って身動きとれないようにしといたヤツがいたんですけど。聞き出す前に自害してしまいました」
「お前も人のこと言えないじゃないか」
「そうなんですけどね。新手が来ないとも限りませんし、ひとまず城まで急ぎましょう。あとのことは明日僕が調べますので」
フリッツの言われるままに客車に乗り込む。
こんなところで刺客に襲われるなんて。
わたしに恨みを持つ相手……。
ロストックの人間だろうか。
わざわざ他国の王都付近にまで刺客を送りこんでわたしを殺そうとしたのか?
どうにも気にかかる。フリッツが明日調べるというのだから、任せておけばいいことだけど。
✳ ✳ ✳
翌日、フリッツが自室まで来て報告をしてくれた。
「死体も争った痕跡もすべて消えていますね。かなり早朝に出向いたのですが」
あれほどの争った痕すら消してしまう。
ますますおかしな話になった。
ロストックならいちいちそんな真似はしない。
襲った証拠などが残されたら困るという意味だ。そんなことをするのは。
「王家か、諸侯の者か。一番可能性があるのは王宮内の不戦派のひとりかと」
フリッツが淡々と言う。
たしかに王家や諸侯の中でもアンスバッハのことを良く思ってない者はいる。
父のアンスバッハ公は対ロストックの主戦派の代表格。
王宮に出向いていたときは、その対外政策の違いから何度も対立をしてきた者たちがいる。
たとえばヴォルフスブルク公。
あのマルティナの父親だ。
不戦派の筆頭で、権勢的にもお父様と張り合っていたと聞く。
お父様が病になってからは大きく不戦派の勢力が大きくなっているらしい。エアハルト様の考えとも合致している。
その一味がわたしを狙ったのか?
王宮内はもう大きく不戦派に傾いているというのに。
「わからないな、敵の狙いが。わたしひとりを殺したところでなにか大きく変わるとも思えない」
わたしが首をひねると、フリッツがこう提案してきた。
「この調査の続きは僕に任せて頂けませんか。どうも王宮内の動きがきな臭いので」
「それは構わないが。あ、お父様には内密に頼む。心配かけたくないから」
「承知致しました。閣下には内密に。王家にも報せないほうがよろしいのですね」
「ああ。いろいろ聞かれるのも面倒だし、もう証拠も残ってないんだろ。それで頼む」
舞踏会の帰りに侯爵令嬢が襲われたとなれば大問題だが、大事にしたくはなかった。
「それに一息で二、三人を打ち殺せるなんて知られたくないからなー。特にエアハルト様に」
フリッツも変わったヤツだ。城での仕事もあるだろうに面倒な調べごとを自分から進んでやるなんて。
以前からとらえどころのない不思議なヤツだとは思ってたけど。
「それと、これからは城の内外に関わらず注意してください。どこに敵が潜んでいるかわかりませんので。口にする物にも必ず毒見を」
はいはい、心配性な男だ、と冗談めかして返事をすると、フリッツはムスッとした表情で部屋を出ていった。
アイツでも怒ることがあるんだ、とわたしは部屋の隅で待機している侍女のヘレナに話しかける。
ヘレナは困ったような顔で、それは怒るでしょう、と返事をした。
なんで、と聞き返してもヘレナは御自分でお考え下さいと言うばかり。
わたしはわけも分からず、天井を見上げて考えるフリをした。
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