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20 バルトルト
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翌日未明からわたしと五十騎は陣を出発。
静かに、だが素早く草原を駆ける。
見晴らしの良い草原なので普通に行軍していれば見つかる。
丸一日かけて敵本陣の後方を目指し、大きく迂回。敵の哨戒に見つからないように。
フリッツがうまく敵の目を引き付けているお陰か、わたし達は発見される事なく無事に敵本陣の後方に回り込む事ができた。
ここからさらに接近する。夜間の間に馬で近づき、途中で乗り捨てる。
夜が空けるのと同時に後方から襲いかかった。
鬨の声と盾をガンガンと打ち鳴らしてできるだけ派手に。
やはり後方は防御線が薄い。
わたし達が軽装だというのもあり、楽に土塁や堀を次々と乗り越えられた。
敵も慌てて後方に兵力を集めてくる。
だがこれこそわたし達の狙い。適当に戦いながら、わたし達は後退する。
手はず通りにフリッツも動いているようだ。
今度は本陣前方より喚声。
後方に対応されている隙を突き、アンスバッハ歩兵隊の攻勢。
ザールラント正規軍も後に続く。
わたしのほうに気を取られていたロストック軍は対応に遅れている。
こちらが少数の囮だと気付いたようだけど、もう遅い。
フリッツ率いる歩兵隊は中央の防御線も突破したようだ。反対側からでも敵の動揺がよく分かる。
さらに敵を撹乱させようと、わたし達別働隊も素早く移動。
退いたと見せて切り込んだり、側面へ回り込んだりして少数ならではの役目を果たす。
とはいえ数はたったの五十なのでこれ以上の深入りはできない。囮としての役目は十分に果たした。そう思った時。
ひとりの男の姿が目に入った。
ロストック兵にはめずらしく、黒い外套を羽織っている。
白髪混じりで中肉中背。吊り目がちの五十代。
フリッツに聞いていた、敵指揮官のバルトルトの特徴と一致する。
こんな所で──。
わたしは他には目もくれず、その男の元へ走った。
何人もの敵兵が行く手を阻むが、それは味方の兵がぶつかって道を開けてくれた。
まさに千載一遇。こんなチャンスは二度とない。
さらに群がる敵兵を味方が体を張って止める。
バルトルトと目が合った。驚いて目を見開いている。そして笑った。
「赤豹か! 囮部隊を自ら率いるとは、さすが」
言いながら剣を抜いた。
わたしは馬防柵を乗り越えながら跳躍。
真正面から斬り落とす。これで終わらせる。フリッツやみんなが作ってくれたチャンスだ。絶対に逃さない。
ゴッ、と手応えがあった。目の前の人間が斜めに両断される。
だがそれは普通の敵兵だった。バルトルトは兵に守られつつ、わたしから遠ざかろうとしている。
「待てっ、逃げるな!」
「惜しかったな。だが化け物の相手をするほどバカではない」
兵に紛れて逃げていくバルトルトを追おうとわたしは危険を顧みず突っ込む。
敵兵を斬り伏せながら突き進むが、兵の数はどんどん増えていく。
わたしの周りの味方は次々と力尽きていく。
「どうして。フリッツの本隊が攻めているはずなのに」
敵の混乱は収拾しつつある。
おかしい。敵の防御線をすべて突破していてもおかしくないのに。一体何が起きている?
「イルゼ様! 無理です、退きましょう。味方の本隊も退却をはじめているようです」
兵のひとりがそう報せてくる。
バカな。退却なんてするはずがない。こんな機会は二度とないのに。ここで攻め切れないと勝つことなんてできない。
だが敵の攻撃はますます強くなってくる。
バルトルトの姿は完全に見失った。
別働隊はもう半数に減っている。
このままではわたしも含めて全滅だ。やむを得ず退却する。
敵の追撃を振り切り、迂回してなんとか自陣へと戻る。別働隊で生き残ったのはたった八人だった。
自陣の様子を見てわたしは愕然とする。
アンスバッハ軍が相当な被害を受けている。
兵数はほぼ半分。残った者もほとんどが負傷している。
一方、ルイス卿の正規軍はあまり変化がないように見えた。
わたしはすぐにフリッツに事情を聞く。
「何が起きた⁉ フリッツ! 答えろ!」
フリッツも右肩に負傷していた。
肩を押さえながらフリッツは呻くように説明をはじめた。
「イルゼ様の奇襲が成功し、アンスバッハ軍も後方の防御線まで到達できました。あと一押しで本陣を陥とせる勢いだったのです。でも……」
フリッツの暗い視線はルイス卿に向けられる。
ルイス卿は落ち着きなくヒゲを触り、足をガタガタ震わせている。
「後詰めの正規軍が急に引き返したのです。それによって我が軍は敵中に孤立。包囲を突破し、追撃を受けながらもここへ戻っては来ましたが。見ての通りの結果です」
なんてことだ。
奇襲が成功して防御線を突破したとしても、アンスバッハ軍だけでは本陣は陥とせない。
数の多い正規軍の助力あってこその作戦だったのだ。あれだけ言っておいたのに、どうして。
「ルイス卿、納得のいく説明を」
ゆらりとルイス卿のほうへ。無意識に剣の柄に手をかけていた。
ルイス卿は違う、違うんだとへたり込みながら、一通の手紙を渡してきた。
「こ、これだ。ちょうど攻め込む際に本国からの使者が来たんだ。見ろ、王命だ。フリッツ殿にも伝えようとしたが、間に合わなかったのだ」
震えている手から手紙をひったくり、その内容に目を通す。
王家の印が押されている。王命というのは間違いない。だがその内容。
速やかに戦を中断し、帰国せよとの事だった。その理由については何も書かれていない。
「こんな命令、聞けるはずがない。あと少しで勝てるはずだったんだ。ここまで来ていまさら……」
わたしは怒りに震えながらぐしゃりと手紙を握りしめた。
ルイス卿がなだめるように声をかけてくる。
「王命に逆らえば反逆罪だ。従わぬわけにはいかないだろう? それにアンスバッハ軍もあの有様だ。もう勝ち目は無い」
わたしはルイス卿を見下ろしながら剣をゆっくりと抜いた。
な、なにを、とうろたえるルイス卿とイルゼ様、と強く呼びかけるフリッツの声。
わたしは構わずルイス卿の首に剣先を突きつける。
「正規軍の指揮権を完全にこちらへ譲渡してもらいたい。戦は続ける。敵の王都を陥とすまでは」
「バカな、反逆だぞ。ここでもし勝ったとしても反逆罪で死刑だ。死ぬのが恐ろしくはないのか」
「今まで死んでいった兵たちの事を考えたら、どうという事はない。ここまで来て無駄に引き返すほうがよっぽど恐ろしい」
完全に頭に血がのぼっていた。
本来、自分の処刑ルートを回避するための行動だったのに、そんなことはどうでもよくなっている。
フリッツがわたしの腕を押さえた。
「いけません。冷静に考えてください。アンスバッハ軍の状況も深刻ですが、正規軍も疲労が蓄積し、士気も著しく低い。ここで無理に攻めても余計に多くの犠牲者を出すだけでしょう」
「だが、フリッツ」
「出兵の機会はまた必ず訪れます。いったん自領へ戻り、力を蓄えるべきです。ここで自棄になってはそれすら出来なくなります」
ここでわたしはだらんと腕を下ろした。
フリッツの言う通りだった。わたしがここで意地を張ってもさらに兵を死なせるだけだ。
「次があるだろうか」
「きっとあります。それより今はどう退却するか考えましょう」
退却となれば敵の追撃は必至。
これを防ぎながら自領へと戻るのはかなり厳しい戦いになる。
「急な撤退は敵に勘づかれてしまいます。攻める気配を保ちつつ、軍をいくつかに分けて離脱しましょう」
フリッツの提案におとなしく従うことにした。
ルイス卿も何度もうなずいていた。
✳ ✳ ✳
夜中だった。見張りの兵からの急報。
夜襲か、と飛び起きた。だが違った。
アンスバッハ軍より後方に野営をしている正規軍が勝手に動き出しているというのだ。
「なんのつもりだ」
夜間とはいえ、多くの兵が動けば敵に気付かれる。それが退却だと知られるわけにはいかないのだ。
「僕が止めてきます」
フリッツがすぐに動く。だがまた見張りからの一報。
「ロストック軍が前進してきます! その数およそ一万!」
もう勘づかれたのか。早すぎる。
もう正規軍を止めている場合じゃない。迎撃の準備をしなければ。
まさかわたし達を置き去りにするなんて。
ルイス卿の臆病さや卑怯な性格を見誤っていた。
静かに、だが素早く草原を駆ける。
見晴らしの良い草原なので普通に行軍していれば見つかる。
丸一日かけて敵本陣の後方を目指し、大きく迂回。敵の哨戒に見つからないように。
フリッツがうまく敵の目を引き付けているお陰か、わたし達は発見される事なく無事に敵本陣の後方に回り込む事ができた。
ここからさらに接近する。夜間の間に馬で近づき、途中で乗り捨てる。
夜が空けるのと同時に後方から襲いかかった。
鬨の声と盾をガンガンと打ち鳴らしてできるだけ派手に。
やはり後方は防御線が薄い。
わたし達が軽装だというのもあり、楽に土塁や堀を次々と乗り越えられた。
敵も慌てて後方に兵力を集めてくる。
だがこれこそわたし達の狙い。適当に戦いながら、わたし達は後退する。
手はず通りにフリッツも動いているようだ。
今度は本陣前方より喚声。
後方に対応されている隙を突き、アンスバッハ歩兵隊の攻勢。
ザールラント正規軍も後に続く。
わたしのほうに気を取られていたロストック軍は対応に遅れている。
こちらが少数の囮だと気付いたようだけど、もう遅い。
フリッツ率いる歩兵隊は中央の防御線も突破したようだ。反対側からでも敵の動揺がよく分かる。
さらに敵を撹乱させようと、わたし達別働隊も素早く移動。
退いたと見せて切り込んだり、側面へ回り込んだりして少数ならではの役目を果たす。
とはいえ数はたったの五十なのでこれ以上の深入りはできない。囮としての役目は十分に果たした。そう思った時。
ひとりの男の姿が目に入った。
ロストック兵にはめずらしく、黒い外套を羽織っている。
白髪混じりで中肉中背。吊り目がちの五十代。
フリッツに聞いていた、敵指揮官のバルトルトの特徴と一致する。
こんな所で──。
わたしは他には目もくれず、その男の元へ走った。
何人もの敵兵が行く手を阻むが、それは味方の兵がぶつかって道を開けてくれた。
まさに千載一遇。こんなチャンスは二度とない。
さらに群がる敵兵を味方が体を張って止める。
バルトルトと目が合った。驚いて目を見開いている。そして笑った。
「赤豹か! 囮部隊を自ら率いるとは、さすが」
言いながら剣を抜いた。
わたしは馬防柵を乗り越えながら跳躍。
真正面から斬り落とす。これで終わらせる。フリッツやみんなが作ってくれたチャンスだ。絶対に逃さない。
ゴッ、と手応えがあった。目の前の人間が斜めに両断される。
だがそれは普通の敵兵だった。バルトルトは兵に守られつつ、わたしから遠ざかろうとしている。
「待てっ、逃げるな!」
「惜しかったな。だが化け物の相手をするほどバカではない」
兵に紛れて逃げていくバルトルトを追おうとわたしは危険を顧みず突っ込む。
敵兵を斬り伏せながら突き進むが、兵の数はどんどん増えていく。
わたしの周りの味方は次々と力尽きていく。
「どうして。フリッツの本隊が攻めているはずなのに」
敵の混乱は収拾しつつある。
おかしい。敵の防御線をすべて突破していてもおかしくないのに。一体何が起きている?
「イルゼ様! 無理です、退きましょう。味方の本隊も退却をはじめているようです」
兵のひとりがそう報せてくる。
バカな。退却なんてするはずがない。こんな機会は二度とないのに。ここで攻め切れないと勝つことなんてできない。
だが敵の攻撃はますます強くなってくる。
バルトルトの姿は完全に見失った。
別働隊はもう半数に減っている。
このままではわたしも含めて全滅だ。やむを得ず退却する。
敵の追撃を振り切り、迂回してなんとか自陣へと戻る。別働隊で生き残ったのはたった八人だった。
自陣の様子を見てわたしは愕然とする。
アンスバッハ軍が相当な被害を受けている。
兵数はほぼ半分。残った者もほとんどが負傷している。
一方、ルイス卿の正規軍はあまり変化がないように見えた。
わたしはすぐにフリッツに事情を聞く。
「何が起きた⁉ フリッツ! 答えろ!」
フリッツも右肩に負傷していた。
肩を押さえながらフリッツは呻くように説明をはじめた。
「イルゼ様の奇襲が成功し、アンスバッハ軍も後方の防御線まで到達できました。あと一押しで本陣を陥とせる勢いだったのです。でも……」
フリッツの暗い視線はルイス卿に向けられる。
ルイス卿は落ち着きなくヒゲを触り、足をガタガタ震わせている。
「後詰めの正規軍が急に引き返したのです。それによって我が軍は敵中に孤立。包囲を突破し、追撃を受けながらもここへ戻っては来ましたが。見ての通りの結果です」
なんてことだ。
奇襲が成功して防御線を突破したとしても、アンスバッハ軍だけでは本陣は陥とせない。
数の多い正規軍の助力あってこその作戦だったのだ。あれだけ言っておいたのに、どうして。
「ルイス卿、納得のいく説明を」
ゆらりとルイス卿のほうへ。無意識に剣の柄に手をかけていた。
ルイス卿は違う、違うんだとへたり込みながら、一通の手紙を渡してきた。
「こ、これだ。ちょうど攻め込む際に本国からの使者が来たんだ。見ろ、王命だ。フリッツ殿にも伝えようとしたが、間に合わなかったのだ」
震えている手から手紙をひったくり、その内容に目を通す。
王家の印が押されている。王命というのは間違いない。だがその内容。
速やかに戦を中断し、帰国せよとの事だった。その理由については何も書かれていない。
「こんな命令、聞けるはずがない。あと少しで勝てるはずだったんだ。ここまで来ていまさら……」
わたしは怒りに震えながらぐしゃりと手紙を握りしめた。
ルイス卿がなだめるように声をかけてくる。
「王命に逆らえば反逆罪だ。従わぬわけにはいかないだろう? それにアンスバッハ軍もあの有様だ。もう勝ち目は無い」
わたしはルイス卿を見下ろしながら剣をゆっくりと抜いた。
な、なにを、とうろたえるルイス卿とイルゼ様、と強く呼びかけるフリッツの声。
わたしは構わずルイス卿の首に剣先を突きつける。
「正規軍の指揮権を完全にこちらへ譲渡してもらいたい。戦は続ける。敵の王都を陥とすまでは」
「バカな、反逆だぞ。ここでもし勝ったとしても反逆罪で死刑だ。死ぬのが恐ろしくはないのか」
「今まで死んでいった兵たちの事を考えたら、どうという事はない。ここまで来て無駄に引き返すほうがよっぽど恐ろしい」
完全に頭に血がのぼっていた。
本来、自分の処刑ルートを回避するための行動だったのに、そんなことはどうでもよくなっている。
フリッツがわたしの腕を押さえた。
「いけません。冷静に考えてください。アンスバッハ軍の状況も深刻ですが、正規軍も疲労が蓄積し、士気も著しく低い。ここで無理に攻めても余計に多くの犠牲者を出すだけでしょう」
「だが、フリッツ」
「出兵の機会はまた必ず訪れます。いったん自領へ戻り、力を蓄えるべきです。ここで自棄になってはそれすら出来なくなります」
ここでわたしはだらんと腕を下ろした。
フリッツの言う通りだった。わたしがここで意地を張ってもさらに兵を死なせるだけだ。
「次があるだろうか」
「きっとあります。それより今はどう退却するか考えましょう」
退却となれば敵の追撃は必至。
これを防ぎながら自領へと戻るのはかなり厳しい戦いになる。
「急な撤退は敵に勘づかれてしまいます。攻める気配を保ちつつ、軍をいくつかに分けて離脱しましょう」
フリッツの提案におとなしく従うことにした。
ルイス卿も何度もうなずいていた。
✳ ✳ ✳
夜中だった。見張りの兵からの急報。
夜襲か、と飛び起きた。だが違った。
アンスバッハ軍より後方に野営をしている正規軍が勝手に動き出しているというのだ。
「なんのつもりだ」
夜間とはいえ、多くの兵が動けば敵に気付かれる。それが退却だと知られるわけにはいかないのだ。
「僕が止めてきます」
フリッツがすぐに動く。だがまた見張りからの一報。
「ロストック軍が前進してきます! その数およそ一万!」
もう勘づかれたのか。早すぎる。
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