21 / 32
21 壊滅
しおりを挟む
「ダメです。ザールラント軍はすでに統制が取れていません。方々へ散っている有様で」
勝手に退却をはじめた正規軍の様子を見に行ったフリッツだったが、もはや止めるとかまとめるとかいう段階ではないらしい。
ロストック軍の追撃が迫ればさらに恐慌をきたすだろう。
そうなればアンスバッハ軍の足手まといにしかならない。
「アンスバッハだけで敵を押し止める。押し止めながら我らも後退。それしかない」
口で言うのは簡単だが、それがどれだけ難しいかはわたしもフリッツも理解している。
でもそれしか方法がなかった。
「殿軍は僕が指揮します。イルゼ様は先に退却を」
「バカを言うな。アンスバッハの指揮官であるわたしが先に逃げられるか。ここで死んだとしてもそれだけは絶対に出来ない」
「しかし」
「なんて言おうと無駄だ。口を閉じろ。そろそろ来るぞ」
フリッツを叱りつけ、わたしは馬上へ。
無数の松明、そして馬蹄の音が近づいてくる。
アンスバッハの兵はさすがに臨戦態勢に入るのが早かった。
昼間の戦いで数は半減。多くの兵が負傷しているにも関わらず、わたしやフリッツの指示を待たずとも迎撃の布陣を敷いていた。
頼もしく思いながらもわたしは後悔していた。
この北征に参加を決めたのは自分だ。それもザールラントに平和をもたらそうとか、そんな崇高な理由じゃない。
一番は自分の処刑ルートを回避するためだった。
この戦に勝って、手柄を立てればそれも可能だと思っていたのに。
現実は多くの兵を死なせてしまった。
そして今も生き残った兵を死地に向かわせている。
わたしひとりだけ逃げるなんて考えられるはずがなかった。
敵追撃軍の先鋒。騎馬隊の一群が正面からぶつかってきた。
こちらも数は少ないが騎馬隊を正面に配置してそれを押し止める。
激しい衝突。普段のアンスバッハ軍なら押し返せるはずだが、それも出来ない。
相手の勢いを殺すのがやっとだ。陣形が崩されないだけでもまだマシだった。
歯を食いしばって敵の攻撃に耐える。フリッツは負傷していていつもの動きではない。わたしも左手がさらに痛みだした。
敵の攻勢が緩やかになったところで後退。
敵も一定の距離を開けて様子をうかがっている。
「ここまで持ちこたえるとは思っていなかったのでしょう。この隙にどこまで退けるか」
迎撃の態勢を保ちつつ、アンスバッハ軍は後退していく。
ザールラントの正規軍がいれば被害を最小限に留めて安全に退却できていたかもしれないのに。
だがそれを率いるルイス卿は指揮することも放棄して真っ先に逃げ出したようだ。
当然、兵たちも四散してしまっている。
「とにかくデッサウ砦まで辿り着くことが出来れば。あそこで籠城して援軍が来るまで時間を稼げれば、どうにかなる」
占領したデッサウ砦には防衛のための兵を残してある。
そして本国へ要求した援軍と物資も近づいているはずだ。
「敵としては絶対にそれを阻止しようとするでしょう。ここからさらに厳しい戦いとなります」
「ああ、なんとしても砦までは。そこにさえ辿り着けば」
その後も執拗な追撃を受けたが、小さくまとまったアンスバッハ軍はギリギリのところで瓦解するのを耐え抜いた。
当然、犠牲者も増えている。だがまだ、傷つきながらもアンスバッハ兵の士気は下がるどころか上がっていた。
何倍もの敵の攻撃を耐え切っている誇りからか。
砦まで着けばなんとかなるという希望からか。
敵軍からも動揺が見てとれる。ここまでしぶといのは予想外なのだろう。
デッサウ砦まではもうすぐだ。
もしかしたら到着した援軍もそこで待機しているかもしれない。
それを期待し、わたしとフリッツ、そしてアンスバッハの兵たちはついにデッサウ砦まで到着することが出来た。
北側の門。わたしは開門、と大きな声で呼びかけるが反応が無い。
「何故だ。すでに門を開けておくよう、使者は送っていたはず」
一騎だけ使者を先行させて開門と敵軍迎撃の用意を伝えていたはず。何かがおかしい。
「イルゼ様、早くしなければ追撃の軍に包囲されてしまいます」
「わかっている。だが砦からの応答が」
ここまで言った時だった。
塁壁上から何かが落ちてきた。鈍い音を立てて地面を転がったのは人間の頭部──先行した使者の首だった。
「イルゼ様っ、伏せて!」
次の瞬間、ザアアアと矢の雨が降り注いだ。
フリッツがわたしに飛びつき、馬から転げ落ちる。
馬を盾にして矢は防げたが、多くの兵や騎馬が犠牲になった。
わけが分からず見上げる。デッサウ砦にはロストックの旗がいくつもはためいていた。
「バカな、砦から矢が。なぜ砦が敵の手に」
「分かりません。それより次の矢がきます。早く身を隠さないと」
さらに砦からの弓射。
兵たちの絶叫。馬の憐れな鳴き声。そんな中でフリッツはわたしの手を引きながら東側の岩場へ向かった。
「フリッツ! 何をしている! 味方が、兵たちが!」
「砦へ入れない以上、この岩場を通って迂回するしかありません。グズグズしていると追撃軍との挟み撃ちになります」
「みんなも早く逃げないと。ああ、ロストック軍がもう……」
「早く! あなただけは死なせるわけにはいきません」
ロストックの追撃軍がもうそこまで迫っていた。
砦からの矢を避け、移動した兵たちはその追撃軍との乱戦に。
砦からの思わぬ攻撃に動揺したアンスバッハ軍はもうその強さを発揮することは出来なかった。
包囲され、徹底的に撃破されていく。
「戻らないと、わたしが行かないと」
涙を流しながら戻ろうとするが、ガクッとよろめく。左足の太ももに矢が突き刺さっていた。
砦からの矢をかわしきれていなかったらしい。
目の前の惨状に痛みさえ忘れていた。
無言で矢を引き抜き、兵たちの元へ戻ろうとする。
突然頬に平手打ちが飛んできた。驚いてその場に立ち尽くす。
「いい加減にしてください。あなたはアンスバッハ軍の指揮官であり、いずれは領主となる方なのです。ここで死んでは兵たちも報われません」
フリッツが言いながら強く手を引く。もうわたしに抵抗する力は無かった。
そのままフラフラと引かれるままについていくしかなかった。
勝手に退却をはじめた正規軍の様子を見に行ったフリッツだったが、もはや止めるとかまとめるとかいう段階ではないらしい。
ロストック軍の追撃が迫ればさらに恐慌をきたすだろう。
そうなればアンスバッハ軍の足手まといにしかならない。
「アンスバッハだけで敵を押し止める。押し止めながら我らも後退。それしかない」
口で言うのは簡単だが、それがどれだけ難しいかはわたしもフリッツも理解している。
でもそれしか方法がなかった。
「殿軍は僕が指揮します。イルゼ様は先に退却を」
「バカを言うな。アンスバッハの指揮官であるわたしが先に逃げられるか。ここで死んだとしてもそれだけは絶対に出来ない」
「しかし」
「なんて言おうと無駄だ。口を閉じろ。そろそろ来るぞ」
フリッツを叱りつけ、わたしは馬上へ。
無数の松明、そして馬蹄の音が近づいてくる。
アンスバッハの兵はさすがに臨戦態勢に入るのが早かった。
昼間の戦いで数は半減。多くの兵が負傷しているにも関わらず、わたしやフリッツの指示を待たずとも迎撃の布陣を敷いていた。
頼もしく思いながらもわたしは後悔していた。
この北征に参加を決めたのは自分だ。それもザールラントに平和をもたらそうとか、そんな崇高な理由じゃない。
一番は自分の処刑ルートを回避するためだった。
この戦に勝って、手柄を立てればそれも可能だと思っていたのに。
現実は多くの兵を死なせてしまった。
そして今も生き残った兵を死地に向かわせている。
わたしひとりだけ逃げるなんて考えられるはずがなかった。
敵追撃軍の先鋒。騎馬隊の一群が正面からぶつかってきた。
こちらも数は少ないが騎馬隊を正面に配置してそれを押し止める。
激しい衝突。普段のアンスバッハ軍なら押し返せるはずだが、それも出来ない。
相手の勢いを殺すのがやっとだ。陣形が崩されないだけでもまだマシだった。
歯を食いしばって敵の攻撃に耐える。フリッツは負傷していていつもの動きではない。わたしも左手がさらに痛みだした。
敵の攻勢が緩やかになったところで後退。
敵も一定の距離を開けて様子をうかがっている。
「ここまで持ちこたえるとは思っていなかったのでしょう。この隙にどこまで退けるか」
迎撃の態勢を保ちつつ、アンスバッハ軍は後退していく。
ザールラントの正規軍がいれば被害を最小限に留めて安全に退却できていたかもしれないのに。
だがそれを率いるルイス卿は指揮することも放棄して真っ先に逃げ出したようだ。
当然、兵たちも四散してしまっている。
「とにかくデッサウ砦まで辿り着くことが出来れば。あそこで籠城して援軍が来るまで時間を稼げれば、どうにかなる」
占領したデッサウ砦には防衛のための兵を残してある。
そして本国へ要求した援軍と物資も近づいているはずだ。
「敵としては絶対にそれを阻止しようとするでしょう。ここからさらに厳しい戦いとなります」
「ああ、なんとしても砦までは。そこにさえ辿り着けば」
その後も執拗な追撃を受けたが、小さくまとまったアンスバッハ軍はギリギリのところで瓦解するのを耐え抜いた。
当然、犠牲者も増えている。だがまだ、傷つきながらもアンスバッハ兵の士気は下がるどころか上がっていた。
何倍もの敵の攻撃を耐え切っている誇りからか。
砦まで着けばなんとかなるという希望からか。
敵軍からも動揺が見てとれる。ここまでしぶといのは予想外なのだろう。
デッサウ砦まではもうすぐだ。
もしかしたら到着した援軍もそこで待機しているかもしれない。
それを期待し、わたしとフリッツ、そしてアンスバッハの兵たちはついにデッサウ砦まで到着することが出来た。
北側の門。わたしは開門、と大きな声で呼びかけるが反応が無い。
「何故だ。すでに門を開けておくよう、使者は送っていたはず」
一騎だけ使者を先行させて開門と敵軍迎撃の用意を伝えていたはず。何かがおかしい。
「イルゼ様、早くしなければ追撃の軍に包囲されてしまいます」
「わかっている。だが砦からの応答が」
ここまで言った時だった。
塁壁上から何かが落ちてきた。鈍い音を立てて地面を転がったのは人間の頭部──先行した使者の首だった。
「イルゼ様っ、伏せて!」
次の瞬間、ザアアアと矢の雨が降り注いだ。
フリッツがわたしに飛びつき、馬から転げ落ちる。
馬を盾にして矢は防げたが、多くの兵や騎馬が犠牲になった。
わけが分からず見上げる。デッサウ砦にはロストックの旗がいくつもはためいていた。
「バカな、砦から矢が。なぜ砦が敵の手に」
「分かりません。それより次の矢がきます。早く身を隠さないと」
さらに砦からの弓射。
兵たちの絶叫。馬の憐れな鳴き声。そんな中でフリッツはわたしの手を引きながら東側の岩場へ向かった。
「フリッツ! 何をしている! 味方が、兵たちが!」
「砦へ入れない以上、この岩場を通って迂回するしかありません。グズグズしていると追撃軍との挟み撃ちになります」
「みんなも早く逃げないと。ああ、ロストック軍がもう……」
「早く! あなただけは死なせるわけにはいきません」
ロストックの追撃軍がもうそこまで迫っていた。
砦からの矢を避け、移動した兵たちはその追撃軍との乱戦に。
砦からの思わぬ攻撃に動揺したアンスバッハ軍はもうその強さを発揮することは出来なかった。
包囲され、徹底的に撃破されていく。
「戻らないと、わたしが行かないと」
涙を流しながら戻ろうとするが、ガクッとよろめく。左足の太ももに矢が突き刺さっていた。
砦からの矢をかわしきれていなかったらしい。
目の前の惨状に痛みさえ忘れていた。
無言で矢を引き抜き、兵たちの元へ戻ろうとする。
突然頬に平手打ちが飛んできた。驚いてその場に立ち尽くす。
「いい加減にしてください。あなたはアンスバッハ軍の指揮官であり、いずれは領主となる方なのです。ここで死んでは兵たちも報われません」
フリッツが言いながら強く手を引く。もうわたしに抵抗する力は無かった。
そのままフラフラと引かれるままについていくしかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません
由香
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。
破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。
しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。
外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!?
さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、
静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。
「恋をすると破滅する」
そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、
断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
婚約破棄された夜、最強魔導師に「番」だと告げられました
有賀冬馬
恋愛
学院の祝宴で告げられた、無慈悲な婚約破棄。
魔力が弱い私には、価値がないという現実。
泣きながら逃げた先で、私は古代の遺跡に迷い込む。
そこで目覚めた彼は、私を見て言った。
「やっと見つけた。私の番よ」
彼の前でだけ、私の魔力は輝く。
奪われた尊厳、歪められた運命。
すべてを取り戻した先にあるのは……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる