13 / 22
12
しおりを挟む
依澄の部屋。
依澄はシャワーを浴び濡れてしまった身体と心をようやく落ち着けていた。 ジャージに着替え、髪を朝陽にタオルで拭いてもらい、ドライヤーをかけてもらった。ベッドの下に座らされている。
「お前、もうちょっと素直になれよ」
ベッドの端に腰掛けて、股の間に依澄を挟んだ朝陽が呆れたように言う。
けれどその声には、いつもの棘はなかった。
「……わかってる。でも、ひとりでしなきゃ……って思ったんだ」
「なに、大紀が原因か?」
ピクリと依澄の肩が揺れる。 すかさず朝陽が溜息を吐く。
「お前、ほんとバカだな」
「……」
「俺が誰に触れられても何も感じなかったのに、お前が泣いてるの見て、はじめて腹立った」
依澄が顔を上げる。 朝陽はじっとその目を見ていた。
「だから、ちゃんと覚えておいて。俺が欲しいのは、お前だけ」
「……ほんとに、俺なんかでいいの」
「俺はお前とじゃないと、満たされない」
そのまま、朝陽は依澄の手を取り、自分のベッドへと引き寄せた。 手首をそっと撫でながら、耳元で囁く。
「……今夜、やろうか。勝負」
「えっ」
「限界まで。我慢」
依澄の目が揺れる。
「でも、それって……」
「今日は、俺と一緒に居て。俺がそばにいれば、泣かなくて済むだろ」
その優しさが、ひどくずるかった。 けれど、依澄は黙って頷いた。
明かりを落とした部屋で、二人は並んで腰掛ける。 冷たい水を飲み干し、じわりと膀胱に重さが増していくのを感じながら――。
「さっきまで我慢してたからか……もう……けっこうキてるけど」
「ふふ、まだ早いよ。俺はもうちょっといける」
「副会長……やっぱ、ちょっと変態だよな」
「お前に言われたくない。そもそもお前が俺の性癖歪めたんだろ」
そんな他愛もない言葉を交わしながら、我慢の勝負は続いていく。
そして、二人同時に――限界を迎えた。
震える手、張り詰めた下腹部。 止めきれない放出。 濡れた布地の中、鼓動だけが騒がしく打ち続ける。
「……はあ、負けた」
「いや、引き分けだ。お互いに……全部、見せないとだからな」
「変な意味に聞こえる……」
「それでいい。どうせ、そういう関係になるんだろ?」
顔を赤らめる依澄の肩を、朝陽がそっと抱く。
そして、初めて二人は、我慢ではなく「甘える」夜を知った。
依澄はシャワーを浴び濡れてしまった身体と心をようやく落ち着けていた。 ジャージに着替え、髪を朝陽にタオルで拭いてもらい、ドライヤーをかけてもらった。ベッドの下に座らされている。
「お前、もうちょっと素直になれよ」
ベッドの端に腰掛けて、股の間に依澄を挟んだ朝陽が呆れたように言う。
けれどその声には、いつもの棘はなかった。
「……わかってる。でも、ひとりでしなきゃ……って思ったんだ」
「なに、大紀が原因か?」
ピクリと依澄の肩が揺れる。 すかさず朝陽が溜息を吐く。
「お前、ほんとバカだな」
「……」
「俺が誰に触れられても何も感じなかったのに、お前が泣いてるの見て、はじめて腹立った」
依澄が顔を上げる。 朝陽はじっとその目を見ていた。
「だから、ちゃんと覚えておいて。俺が欲しいのは、お前だけ」
「……ほんとに、俺なんかでいいの」
「俺はお前とじゃないと、満たされない」
そのまま、朝陽は依澄の手を取り、自分のベッドへと引き寄せた。 手首をそっと撫でながら、耳元で囁く。
「……今夜、やろうか。勝負」
「えっ」
「限界まで。我慢」
依澄の目が揺れる。
「でも、それって……」
「今日は、俺と一緒に居て。俺がそばにいれば、泣かなくて済むだろ」
その優しさが、ひどくずるかった。 けれど、依澄は黙って頷いた。
明かりを落とした部屋で、二人は並んで腰掛ける。 冷たい水を飲み干し、じわりと膀胱に重さが増していくのを感じながら――。
「さっきまで我慢してたからか……もう……けっこうキてるけど」
「ふふ、まだ早いよ。俺はもうちょっといける」
「副会長……やっぱ、ちょっと変態だよな」
「お前に言われたくない。そもそもお前が俺の性癖歪めたんだろ」
そんな他愛もない言葉を交わしながら、我慢の勝負は続いていく。
そして、二人同時に――限界を迎えた。
震える手、張り詰めた下腹部。 止めきれない放出。 濡れた布地の中、鼓動だけが騒がしく打ち続ける。
「……はあ、負けた」
「いや、引き分けだ。お互いに……全部、見せないとだからな」
「変な意味に聞こえる……」
「それでいい。どうせ、そういう関係になるんだろ?」
顔を赤らめる依澄の肩を、朝陽がそっと抱く。
そして、初めて二人は、我慢ではなく「甘える」夜を知った。
0
あなたにおすすめの小説
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
月弥総合病院
僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる