二人だけの秘密の時間

tomoe97

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依澄の部屋。

依澄はシャワーを浴び濡れてしまった身体と心をようやく落ち着けていた。
ジャージに着替え、髪を朝陽にタオルで拭いてもらい、ドライヤーをかけてもらった。ベッドの下に座らされている。

「お前、もうちょっと素直になれよ」

ベッドの端に腰掛けて、股の間に依澄を挟んだ朝陽が呆れたように言う。

けれどその声には、いつもの棘はなかった。

「……わかってる。でも、ひとりでしなきゃ……って思ったんだ」
「なに、大紀が原因か?」

ピクリと依澄の肩が揺れる。
すかさず朝陽が溜息を吐く。

「お前、ほんとバカだな」
「……」
「俺が誰に触れられても何も感じなかったのに、お前が泣いてるの見て、はじめて腹立った」

依澄が顔を上げる。
朝陽はじっとその目を見ていた。

「だから、ちゃんと覚えておいて。俺が欲しいのは、お前だけ」
「……ほんとに、俺なんかでいいの」
「俺はお前とじゃないと、満たされない」

そのまま、朝陽は依澄の手を取り、自分のベッドへと引き寄せた。
手首をそっと撫でながら、耳元で囁く。

「……今夜、やろうか。勝負」
「えっ」
「限界まで。我慢」

依澄の目が揺れる。

「でも、それって……」
「今日は、俺と一緒に居て。俺がそばにいれば、泣かなくて済むだろ」

その優しさが、ひどくずるかった。
けれど、依澄は黙って頷いた。




明かりを落とした部屋で、二人は並んで腰掛ける。
冷たい水を飲み干し、じわりと膀胱に重さが増していくのを感じながら――。

「さっきまで我慢してたからか……もう……けっこうキてるけど」
「ふふ、まだ早いよ。俺はもうちょっといける」
「副会長……やっぱ、ちょっと変態だよな」
「お前に言われたくない。そもそもお前が俺の性癖歪めたんだろ」

そんな他愛もない言葉を交わしながら、我慢の勝負は続いていく。





そして、二人同時に――限界を迎えた。
震える手、張り詰めた下腹部。
止めきれない放出。
濡れた布地の中、鼓動だけが騒がしく打ち続ける。

「……はあ、負けた」
「いや、引き分けだ。お互いに……全部、見せないとだからな」
「変な意味に聞こえる……」
「それでいい。どうせ、そういう関係になるんだろ?」

顔を赤らめる依澄の肩を、朝陽がそっと抱く。
そして、初めて二人は、我慢ではなく「甘える」夜を知った。
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