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「えっ!?兄弟!?!?」
まさかの真柴くんとの再会を果たし、目玉が飛び出そうになるくらい驚いた後に、何故会長の部屋に?という疑問が湧いてきた。
ソファに座ったままの会長の顔を見ると、そういえば呼んでたわとかへらへら笑っていたので、殴りそうになる気持ちをぐっと堪えて聞いてみた所、
「こいつ俺の弟。」
としれっと言われた。
確かに、めちゃくちゃ似てる。
会長は長めの金髪で、真柴くんは短髪の黒髪。
それ以外は殆どそっくりなので、兄弟と言われて納得した。
「あれ、でも……」
「親が離婚してるから、一緒には住んでなかったんだ。でも、兄ちゃんとは時々会ったりはしてた。」
僕が色々疑問に思ってることを察して、真柴くんが答えてくれた。
小さい頃に会長に会った記憶がなかったのも頷ける。
「そうそう。あ、そうだ。陽貴に話があったから呼んだんだった」
しっかりしろよ会長。完全に忘れてたじゃん。
「……兄ちゃん。その前に一つだけいい?」
「ん?」
真柴くんはちらっと僕の顔を見ると、言いにくそうに口を開いた。
「……嶺くんとは、どんな関係?」
「嶺?」
会長はニヤッと笑うといきなり僕の腰を掴んで自分の膝の上に無理矢理座らせてきた。
耳元で囁くように話す会長の息がくすぐったくて思わず身を捩る。
「お前ら、知り合いなの?」
「……小学校が同じで、よく話してました。」
「言えよ。顔似てるだろ。」
いや、まさか名字も違うし兄弟とは思わないだろ。
真柴くんはその様子を睨みつけながら見ていた。
普通に、会長は親衛隊に対しての距離感がおかしいだけだから初めてみたら驚くだろう。
「……兄ちゃんと嶺くんは、付き合ってるの?」
聞こえてきた震える声に驚き、否定しようと思ったら会長に手で口を塞がれ、話せなくなった。必死に身振り手振りで否定するが、真柴くんは俯いてしまい、何も見えていない。
「嶺、うるさい」
一言も発することが出来ないのにうるさいとか意味不明なことを言う会長の手を退けて、無理矢理立ち上がり真柴くんの手を握った。
「付き合ってない!僕、会長の親衛隊隊長なだけ!本当に!!」
「え……付き合ってない?……親衛隊?隊長?何、それ……」
真柴くんな僕の言葉に顔を上げたが、混乱は止まらない様子だった。
この学園に染まって居なければ、無理もないだろう。
大体、新入生はまず親衛隊やファンクラブのことを知り、戸惑う。
ファンクラブがそこかしこに存在することから、生徒会や風紀委員会などの役職持ちは殆ど人気投票のようなもので決まるのが、この学園の特徴的な部分だろう。
役職持ちは、己の人気や地位を誇示する為に親衛隊を持つ。その中で、親衛隊と交際するのは規則違反にあたる。
隊の規律や不平感を産むので、親衛隊に所属しているメンバーに手を出してはいけないことに表向きはなっている。
実際には、付き合ってないだけでセフレ扱いしている会長みたいな人も多くいるけれど。
「陽貴のことからかって遊びたかったのに~」
だからこそ、こんなにだらしない性悪が生徒会長なんかになっていたりする。
「誤解もいい所です。僕と会長が恋人同士だなんて有り得ない話ですから。」
「俺はいつでも待ってるのにな?」
後ろで何か言っている会長を無視して、真柴くんに向かい合った。
久しぶりに会って確信したが、僕はやっぱりこの人が好きだ。
かつての恋心がみるみるうちに膨らんでいくのが自分で分かった。
だからこそ、今回は絶対の絶対に両思いになって、お付き合いがしたい。
あわよくばその先までしたい。
僕だって健全な男子高校生だ。今まで交際経験がないからこそ、あれやこれやと恋人が出来たらしたい欲が山程ある。
もちろん、その相手は恋焦がれて止まなかった真柴くんが良いに決まっている。
妄想は何回もした。
罪悪感を抱かない訳ではなかったけれど、真柴くんの優しい声と大きな身体に抱き締められる熱を想像して、何度も一人で。
それが、ようやく現実になると思うと嬉しくて生唾を飲み込んだ。
その為には、余計な邪魔は一つもいらない。ましてや会長と付き合っているなんて誤解されたらどうなることか。
「それでね、真柴くん。その、あの時の返事なんだけど……」
僕は手っ取り早く真柴くんに気持ちを伝えようとした。
だって、真柴くんの反応を見るにどう考えても両思いだし、さっさと付き合いたいと思ったから。
しかし、真柴くんは僕の問いかけを遮ってきた。その顔はとても真剣な顔だった。
「嶺くんの親衛隊はあるの?」
「え?」
「嶺は俺の親衛隊だって言ってんだろ」
僕が返事をするよりも前に会長が茶々を入れて居た。会長は暑かったのかしっかり着ていた制服をいつの間にか脱ぎ、ワイシャツ一枚になっていたので、慌てて着るように誘導した。
「親衛隊ってのは、自分で作れるものなの?」
「え、多分……?」
親衛隊に所属している生徒の親衛隊は聞いたことがないが、別に駄目ではなかったはず。
しかし、真柴くんが何をしようとしてるのか、理解がすぐには追いつかなかった。
「俺、嶺くんの親衛隊になる!」
だって、まさか初恋の人と再会して、ようやく両思いになれると思ったのに僕の親衛隊になるなんて想像していなかったから。
目の前の真柴くんは、大型犬の如く目をキラキラ輝かせて嬉しそうに笑顔を浮かべていた。
その後、全く思考が動かなくなった僕を引きずりながら何かを察した会長と登校し、昼休みに焼きそばパンを口に突っ込まれるまで魂がどこかに行ってしまっていた。
まさかの真柴くんとの再会を果たし、目玉が飛び出そうになるくらい驚いた後に、何故会長の部屋に?という疑問が湧いてきた。
ソファに座ったままの会長の顔を見ると、そういえば呼んでたわとかへらへら笑っていたので、殴りそうになる気持ちをぐっと堪えて聞いてみた所、
「こいつ俺の弟。」
としれっと言われた。
確かに、めちゃくちゃ似てる。
会長は長めの金髪で、真柴くんは短髪の黒髪。
それ以外は殆どそっくりなので、兄弟と言われて納得した。
「あれ、でも……」
「親が離婚してるから、一緒には住んでなかったんだ。でも、兄ちゃんとは時々会ったりはしてた。」
僕が色々疑問に思ってることを察して、真柴くんが答えてくれた。
小さい頃に会長に会った記憶がなかったのも頷ける。
「そうそう。あ、そうだ。陽貴に話があったから呼んだんだった」
しっかりしろよ会長。完全に忘れてたじゃん。
「……兄ちゃん。その前に一つだけいい?」
「ん?」
真柴くんはちらっと僕の顔を見ると、言いにくそうに口を開いた。
「……嶺くんとは、どんな関係?」
「嶺?」
会長はニヤッと笑うといきなり僕の腰を掴んで自分の膝の上に無理矢理座らせてきた。
耳元で囁くように話す会長の息がくすぐったくて思わず身を捩る。
「お前ら、知り合いなの?」
「……小学校が同じで、よく話してました。」
「言えよ。顔似てるだろ。」
いや、まさか名字も違うし兄弟とは思わないだろ。
真柴くんはその様子を睨みつけながら見ていた。
普通に、会長は親衛隊に対しての距離感がおかしいだけだから初めてみたら驚くだろう。
「……兄ちゃんと嶺くんは、付き合ってるの?」
聞こえてきた震える声に驚き、否定しようと思ったら会長に手で口を塞がれ、話せなくなった。必死に身振り手振りで否定するが、真柴くんは俯いてしまい、何も見えていない。
「嶺、うるさい」
一言も発することが出来ないのにうるさいとか意味不明なことを言う会長の手を退けて、無理矢理立ち上がり真柴くんの手を握った。
「付き合ってない!僕、会長の親衛隊隊長なだけ!本当に!!」
「え……付き合ってない?……親衛隊?隊長?何、それ……」
真柴くんな僕の言葉に顔を上げたが、混乱は止まらない様子だった。
この学園に染まって居なければ、無理もないだろう。
大体、新入生はまず親衛隊やファンクラブのことを知り、戸惑う。
ファンクラブがそこかしこに存在することから、生徒会や風紀委員会などの役職持ちは殆ど人気投票のようなもので決まるのが、この学園の特徴的な部分だろう。
役職持ちは、己の人気や地位を誇示する為に親衛隊を持つ。その中で、親衛隊と交際するのは規則違反にあたる。
隊の規律や不平感を産むので、親衛隊に所属しているメンバーに手を出してはいけないことに表向きはなっている。
実際には、付き合ってないだけでセフレ扱いしている会長みたいな人も多くいるけれど。
「陽貴のことからかって遊びたかったのに~」
だからこそ、こんなにだらしない性悪が生徒会長なんかになっていたりする。
「誤解もいい所です。僕と会長が恋人同士だなんて有り得ない話ですから。」
「俺はいつでも待ってるのにな?」
後ろで何か言っている会長を無視して、真柴くんに向かい合った。
久しぶりに会って確信したが、僕はやっぱりこの人が好きだ。
かつての恋心がみるみるうちに膨らんでいくのが自分で分かった。
だからこそ、今回は絶対の絶対に両思いになって、お付き合いがしたい。
あわよくばその先までしたい。
僕だって健全な男子高校生だ。今まで交際経験がないからこそ、あれやこれやと恋人が出来たらしたい欲が山程ある。
もちろん、その相手は恋焦がれて止まなかった真柴くんが良いに決まっている。
妄想は何回もした。
罪悪感を抱かない訳ではなかったけれど、真柴くんの優しい声と大きな身体に抱き締められる熱を想像して、何度も一人で。
それが、ようやく現実になると思うと嬉しくて生唾を飲み込んだ。
その為には、余計な邪魔は一つもいらない。ましてや会長と付き合っているなんて誤解されたらどうなることか。
「それでね、真柴くん。その、あの時の返事なんだけど……」
僕は手っ取り早く真柴くんに気持ちを伝えようとした。
だって、真柴くんの反応を見るにどう考えても両思いだし、さっさと付き合いたいと思ったから。
しかし、真柴くんは僕の問いかけを遮ってきた。その顔はとても真剣な顔だった。
「嶺くんの親衛隊はあるの?」
「え?」
「嶺は俺の親衛隊だって言ってんだろ」
僕が返事をするよりも前に会長が茶々を入れて居た。会長は暑かったのかしっかり着ていた制服をいつの間にか脱ぎ、ワイシャツ一枚になっていたので、慌てて着るように誘導した。
「親衛隊ってのは、自分で作れるものなの?」
「え、多分……?」
親衛隊に所属している生徒の親衛隊は聞いたことがないが、別に駄目ではなかったはず。
しかし、真柴くんが何をしようとしてるのか、理解がすぐには追いつかなかった。
「俺、嶺くんの親衛隊になる!」
だって、まさか初恋の人と再会して、ようやく両思いになれると思ったのに僕の親衛隊になるなんて想像していなかったから。
目の前の真柴くんは、大型犬の如く目をキラキラ輝かせて嬉しそうに笑顔を浮かべていた。
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