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「会長。今日は珍しく早かったですね。……そちらの方は……」
生徒会室に入ると、副会長の窪井君と書記の武君がいた。
真柴くんを上から下まで凝視しているのが分かる。
ちなみに副会長と書記さんは真面目で、特に副会長は乱れたことが嫌いなのでセフレのイメージが先行してしまっている親衛隊のことが嫌っている。(主に会長のせい)
なので、いつも大体僕のことは無視している。
「新しい生徒会補佐連れてきた。」
静かに副会長から睨まれているのを感じていると、会長がとんでもないことを言い始めた。
「へぇ……この方が。もしかしてこの間おっしゃっていた弟くんですか?」
「あぁ。弟なら文句ないだろ」
曰く、生徒会には一ヶ月前まで生徒会補佐が居たらしいが、会長に惚れてしまい、しかも会長も軽い気持ちで手を出した為に副会長が大激怒。
生徒会補佐はクビになり、会長には新しい生徒会補佐を見つけてこいと命令されていたとのこと。
自分の弟が入学してくるから、そのうち連れてくるとだけ言っていたらしい。
「会長……何やってるんですか」
僕は会長の親衛隊にも関わらず、一切知らなかった。というか、会長の生徒会活動に一ミリも興味が無いので生徒会室に足を踏み入れたのもはじめてだ。
「それで?弟くんを補佐にするのはまぁいいですけど。なんで親衛隊まで連れてきているんですか?」
「いや、こいつ嶺の親衛隊隊長になったから。嶺につきっきりな訳。ついでに嶺も補佐にすれば良くね?って思って」
人は驚き、突っ込みどころが多すぎると思考が停止することをはじめて知った。
真柴くんは生徒会補佐ってなんの話?とか会長に聞いているし、会長は謎のドヤ顔をしているし、書記さんは完全無視だし。
何より、副会長の呆れた真顔がめちゃくちゃ恐くて目を合わせることが出来なかった。
いや、無茶苦茶なことしやがってこのくそ会長がとか思われてる顔じゃん……。
「僕なんかに補佐は務まりません。妙なこと言ってないで、はやく副会長に謝った方が身の為かと。」
会長の耳元で囁くと、会長は無理と一言だけ言って生徒会長の机に進んだ。
もう仕事内容の引き継ぎをする気満々らしい。
「……こちらに迷惑だけはかけないで下さいね」
「嶺様!一緒に頑張りましょうね!」
何故だか皆、受け入れが早すぎる。副会長は諦めたようにため息をつくと、自分の席に戻っていった。
僕一人が事態を飲み込めていなかったが、意外なことに会長は生徒会補佐の仕事を丁寧に教えてくれた。
パソコンの使い方、コピーをとる、雑用や風紀委員会などとの連絡係などを主に行うらしい。
「要は俺のサポートだ。特に陽貴は俺から仕事を奪うくらいの勢いで働け。」
横暴すぎる。真柴くんは真面目なのかその言葉もメモに取っていた。
僕達があれこれしている内に、いつの間にか副会長と書記さんは居なくなっていた。どうやら帰ってしまったようだった。
これから放課後はあの人達と顔を合わせなければならないと思うと憂鬱な気持ちになり、ついため息をついた。
「嶺様、大丈夫ですか?顔色が……」
なんだか今日は色々ありすぎて疲れた。
生徒会室から寮に向かう帰り道、真柴くんは気を遣ってくれて、一生懸命話をしてくれていたが、僕は上の空で返事をしていた。
食欲も湧かず、食堂に行きましょうとも言ってくれたけれど断って、部屋の前で皆と別れた。
はずだった。
5分ほど経ってから、ドアがバンバン叩かれ、あまりのうるささに顔を顰めながら出ると案の定、そこにいたのは会長だった。
「……何ですか。」
会長は部屋から適当な服と下着だけを取りに戻っていたらしく、手に抱えている。
もしかしなくても泊まるつもりだろう。
「おい、作戦会議するぞ」
僕は疲れすぎて上機嫌に部屋へと入り込んでいく会長の後ろ姿を呆然と眺めることしかできなかった。
「……一応聞きますけど、なんのですか」
「決まってるだろ。お前ら二人の両思い大作戦!」
絶対、この人楽しんでる。
そう遠い目をしながらとりあえず落ち着ける為にシャワーを浴びることに決めた。
生徒会室に入ると、副会長の窪井君と書記の武君がいた。
真柴くんを上から下まで凝視しているのが分かる。
ちなみに副会長と書記さんは真面目で、特に副会長は乱れたことが嫌いなのでセフレのイメージが先行してしまっている親衛隊のことが嫌っている。(主に会長のせい)
なので、いつも大体僕のことは無視している。
「新しい生徒会補佐連れてきた。」
静かに副会長から睨まれているのを感じていると、会長がとんでもないことを言い始めた。
「へぇ……この方が。もしかしてこの間おっしゃっていた弟くんですか?」
「あぁ。弟なら文句ないだろ」
曰く、生徒会には一ヶ月前まで生徒会補佐が居たらしいが、会長に惚れてしまい、しかも会長も軽い気持ちで手を出した為に副会長が大激怒。
生徒会補佐はクビになり、会長には新しい生徒会補佐を見つけてこいと命令されていたとのこと。
自分の弟が入学してくるから、そのうち連れてくるとだけ言っていたらしい。
「会長……何やってるんですか」
僕は会長の親衛隊にも関わらず、一切知らなかった。というか、会長の生徒会活動に一ミリも興味が無いので生徒会室に足を踏み入れたのもはじめてだ。
「それで?弟くんを補佐にするのはまぁいいですけど。なんで親衛隊まで連れてきているんですか?」
「いや、こいつ嶺の親衛隊隊長になったから。嶺につきっきりな訳。ついでに嶺も補佐にすれば良くね?って思って」
人は驚き、突っ込みどころが多すぎると思考が停止することをはじめて知った。
真柴くんは生徒会補佐ってなんの話?とか会長に聞いているし、会長は謎のドヤ顔をしているし、書記さんは完全無視だし。
何より、副会長の呆れた真顔がめちゃくちゃ恐くて目を合わせることが出来なかった。
いや、無茶苦茶なことしやがってこのくそ会長がとか思われてる顔じゃん……。
「僕なんかに補佐は務まりません。妙なこと言ってないで、はやく副会長に謝った方が身の為かと。」
会長の耳元で囁くと、会長は無理と一言だけ言って生徒会長の机に進んだ。
もう仕事内容の引き継ぎをする気満々らしい。
「……こちらに迷惑だけはかけないで下さいね」
「嶺様!一緒に頑張りましょうね!」
何故だか皆、受け入れが早すぎる。副会長は諦めたようにため息をつくと、自分の席に戻っていった。
僕一人が事態を飲み込めていなかったが、意外なことに会長は生徒会補佐の仕事を丁寧に教えてくれた。
パソコンの使い方、コピーをとる、雑用や風紀委員会などとの連絡係などを主に行うらしい。
「要は俺のサポートだ。特に陽貴は俺から仕事を奪うくらいの勢いで働け。」
横暴すぎる。真柴くんは真面目なのかその言葉もメモに取っていた。
僕達があれこれしている内に、いつの間にか副会長と書記さんは居なくなっていた。どうやら帰ってしまったようだった。
これから放課後はあの人達と顔を合わせなければならないと思うと憂鬱な気持ちになり、ついため息をついた。
「嶺様、大丈夫ですか?顔色が……」
なんだか今日は色々ありすぎて疲れた。
生徒会室から寮に向かう帰り道、真柴くんは気を遣ってくれて、一生懸命話をしてくれていたが、僕は上の空で返事をしていた。
食欲も湧かず、食堂に行きましょうとも言ってくれたけれど断って、部屋の前で皆と別れた。
はずだった。
5分ほど経ってから、ドアがバンバン叩かれ、あまりのうるささに顔を顰めながら出ると案の定、そこにいたのは会長だった。
「……何ですか。」
会長は部屋から適当な服と下着だけを取りに戻っていたらしく、手に抱えている。
もしかしなくても泊まるつもりだろう。
「おい、作戦会議するぞ」
僕は疲れすぎて上機嫌に部屋へと入り込んでいく会長の後ろ姿を呆然と眺めることしかできなかった。
「……一応聞きますけど、なんのですか」
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