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第一章 友だちになろう
7 火山と赤龍
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マドラ火山には伝説がある。マドラ火山に住む、太古より生きた賢き赤龍が人々に、時に智慧を与え、時に魔法を教え、人々と交流しながら長い時を過ごしていた。ある時、何を原因としたのか不明であったのだが、赤龍は悪龍となり、火山は噴火し川は氾濫し、災厄となった。それを憂いた英雄が悪龍を封印し、平和は取り戻されたという。
俺たちはマドラ火山の頂上付近まできていた。過去、噴火したとはいえ今は穏やかで静かなものである。頂上にたどり着くと、火口につながる洞窟があった。
傾斜していく道を下りて行くと、開けた場所に大きな石壇があり、真ん中に聖剣が突き刺さっている。俺が近付くとわずかに揺れたような気がした。
うーん、ここまで来てしまったが、果たして抜いてしまって良いものか。悪龍はどうなったんだ?
だが、俺は今の時点で聖剣を手に入れておきたい理由がもう一つあった。過去よりも早い段階で王都の学園に入学したいのである。俺のような孤児は聖剣のような国宝級の物や世界有数の魔力等がないと門前払いだろう。
アスラは嫌そうに聖剣を眺めている。と、その時突然、大きな地揺れが起きた。大地の底から響くようなずーんという音が聞こえる。地割れが起き、白い靄が吹き出てきた。
地割れからマグマが湧き出し、俺は熱を遮る結界を張る。マグマ溜まりから大量の水泡が湧き出す。
そこから、赤龍が顔を出し、俺と目があった。
「えっ?」
「うん? 人間?」
俺の全長が赤龍の目玉位の巨龍である。燃え盛る炎のような煌々とした赤い瞳でこちらをギロリと見やる。
俺は、仕方がないと、聖剣を掴むと引っこ抜いた。剣が白い光に煌めき神々しく輝く。アスラを背に、聖剣を構え、赤龍に対峙する。
「待て、待て。人間よ。何をそう警戒している」
「お前は悪龍で封印されていたのではないのか? この聖剣に」
「封印などと。訳の分からないことを申すな。我は古の賢者と言われる古き龍。人々とも良き隣人であったはずだ」
「だが、実際に聖剣はお前を封印していたようだったが……」
はて? と龍は首を傾げたようである。何だろう、やけに人間くさい仕草をする龍だな……。
「待て待て。思い出してみよう。我は、最近、人間で言うところの蒸し風呂というものに嵌まっておってな。火山風呂で蒸され、冷えわたった上流の川風呂、外気で休憩し整う、を繰り返しておった」
俺は頭が痛くなってくる。伝説では乱心した悪龍が暴れ、火山は噴火し川は氾濫したのではなかったか……。
「いよいよ、三度目の火山風呂で蒸されておると、中々上に行けなくなってな。仕方なく、しばらく浸かっておったのだ。もしや、あれが封印のせいか。人々とは親しくしていたのに何故だ?」
「おい、もう一度、その剣を刺して封印しろ」
アスラは仏頂面で俺に言う。
「貴方は、その行為によって天災を引き起こし、人々に乱心したと思われ悪龍として封印されたようです」
「な、なんと!? そのようなことになっておったとは。たしかに我も少し水が溢れすぎたなとは思っておったのだ」
賢者ってどういう意味だったかな……と俺は遠い目になった。
「そうか、何とか自力で表面までは上がってこれたが、中から抜け出せず困っておった。そなたが抜いてくれたことでどうやらここから飛び立てそうだ。礼を言おう」
俺の過去では数年後には自力で封印を解き、飛び立っていったのだろう。そして、役割を終えた聖剣は俺のもとに来たのだ。だけれど、この赤龍、自由にしちゃって大丈夫だろうかと一抹の不安がよぎる。
「これから川風呂に行きたいところではあるが、そのような事情であったなら諦めよう。ところで、そなたは何者だ? よく、その聖剣が主と認めたな」
「俺は何者でもない」
俺が実は王族の落し胤ではないか等の貴種流離譚は、子供の頃、ひもじく寒い寝床でよく夢想したものだ。勇者になって多くの者が俺の出生を探ったが、恐らく下町の貧しさに追い詰められた親が子を捨てたというありふれたものだと推測された。俺の親は分からなかったが、名乗り出なかったということは恐らくもう死んでいるのだろう。俺の生まれた頃は飢饉や疫病で多くの者が死んだ年代だった。
「俺はただのレイだ。孤児なので家名もない」
「ふむ。そうか。レイよ。お前の魂はいい匂いがする。それは人にとっては得難い、失いやすいものだ。忘れぬようにせよ」
そう言って、赤龍は俺を見てそれからアスラに目をやった。
「その者は、闇の者。魔を呼ぶ者。闇は闇に帰れ」
赤龍が口を開け、焔を吐き出す気なのか力を込め、口の中に光が集まり始めるのを見て、アスラの瞳は不穏に紅く染まる。
「異界の入口を開き、灼熱の焔で丸焼きにしてやろうか」
俺は聖剣を向けた。赤龍に。張り切ったように聖剣が煌めく。
「アスラは俺の友だ。友を害するものは俺の敵になる」
果たして今の俺でこの龍を倒すか封印することは出来るだろうか。……聖剣を引き抜かなきゃ良かった。緊張の糸が張り詰め、赤龍は俺を見定めるように見据え……口を閉じた。
「良かろう。我を助けた者を殺してしまえば道理が通らん。そなたの心に任せよう」
そういうと赤龍は、肩をすくめる。何だか、本当に人間のような仕草をする龍だ。
「それでは、我はもう行こう。これは礼だ。何かあれば祈れ。一度だけ我が力を貸そう。いざ、さらば」
龍はそう言うと、大きな翼を広げ飛び立っていった。俺の目の前には煮え滚るマグマのような深紅に輝く小さな珠が浮いていた。
「あれ? これ、もらわなきゃダメかな?」
「そこの溶岩に投げ入れてしまえ」
アスラは不機嫌にあんな愚かな龍はどうせ役にたたないと吐き捨てる。赤龍から酷いことを言われたせいか、怒りが収まらないようだ。恐る恐る珠に触れると、俺の掌の上で脈動するように光り、手首に巻き付く腕輪になった。呪いの物のように外れなかったらどうしよう!? と焦ったが取外し可能だった……。
「なあ、この色」
「なんだ?」
アスラは忌々しそうに腕輪を見やる。
「たまに変わるお前の目の色に似てるな。凄く気に入ったよ」
「……お前は……」
「何だ? 」
「……いや、何でもない。……早く帰ろう」
アスラは溜め息をついた。どうやら怒りは収まったようだ。まぁ、あの赤龍とアスラは相性悪そうだもんな。何かの前触れのように腕輪をくれたが、もう二度と会うことはないだろう。むしろ会わないことを願おう。何にしても聖剣が手に入って良かった。
これで、俺の過去に起きた未曾有の大惨事を止めるために学園に行ける。
俺たちはマドラ火山の頂上付近まできていた。過去、噴火したとはいえ今は穏やかで静かなものである。頂上にたどり着くと、火口につながる洞窟があった。
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うーん、ここまで来てしまったが、果たして抜いてしまって良いものか。悪龍はどうなったんだ?
だが、俺は今の時点で聖剣を手に入れておきたい理由がもう一つあった。過去よりも早い段階で王都の学園に入学したいのである。俺のような孤児は聖剣のような国宝級の物や世界有数の魔力等がないと門前払いだろう。
アスラは嫌そうに聖剣を眺めている。と、その時突然、大きな地揺れが起きた。大地の底から響くようなずーんという音が聞こえる。地割れが起き、白い靄が吹き出てきた。
地割れからマグマが湧き出し、俺は熱を遮る結界を張る。マグマ溜まりから大量の水泡が湧き出す。
そこから、赤龍が顔を出し、俺と目があった。
「えっ?」
「うん? 人間?」
俺の全長が赤龍の目玉位の巨龍である。燃え盛る炎のような煌々とした赤い瞳でこちらをギロリと見やる。
俺は、仕方がないと、聖剣を掴むと引っこ抜いた。剣が白い光に煌めき神々しく輝く。アスラを背に、聖剣を構え、赤龍に対峙する。
「待て、待て。人間よ。何をそう警戒している」
「お前は悪龍で封印されていたのではないのか? この聖剣に」
「封印などと。訳の分からないことを申すな。我は古の賢者と言われる古き龍。人々とも良き隣人であったはずだ」
「だが、実際に聖剣はお前を封印していたようだったが……」
はて? と龍は首を傾げたようである。何だろう、やけに人間くさい仕草をする龍だな……。
「待て待て。思い出してみよう。我は、最近、人間で言うところの蒸し風呂というものに嵌まっておってな。火山風呂で蒸され、冷えわたった上流の川風呂、外気で休憩し整う、を繰り返しておった」
俺は頭が痛くなってくる。伝説では乱心した悪龍が暴れ、火山は噴火し川は氾濫したのではなかったか……。
「いよいよ、三度目の火山風呂で蒸されておると、中々上に行けなくなってな。仕方なく、しばらく浸かっておったのだ。もしや、あれが封印のせいか。人々とは親しくしていたのに何故だ?」
「おい、もう一度、その剣を刺して封印しろ」
アスラは仏頂面で俺に言う。
「貴方は、その行為によって天災を引き起こし、人々に乱心したと思われ悪龍として封印されたようです」
「な、なんと!? そのようなことになっておったとは。たしかに我も少し水が溢れすぎたなとは思っておったのだ」
賢者ってどういう意味だったかな……と俺は遠い目になった。
「そうか、何とか自力で表面までは上がってこれたが、中から抜け出せず困っておった。そなたが抜いてくれたことでどうやらここから飛び立てそうだ。礼を言おう」
俺の過去では数年後には自力で封印を解き、飛び立っていったのだろう。そして、役割を終えた聖剣は俺のもとに来たのだ。だけれど、この赤龍、自由にしちゃって大丈夫だろうかと一抹の不安がよぎる。
「これから川風呂に行きたいところではあるが、そのような事情であったなら諦めよう。ところで、そなたは何者だ? よく、その聖剣が主と認めたな」
「俺は何者でもない」
俺が実は王族の落し胤ではないか等の貴種流離譚は、子供の頃、ひもじく寒い寝床でよく夢想したものだ。勇者になって多くの者が俺の出生を探ったが、恐らく下町の貧しさに追い詰められた親が子を捨てたというありふれたものだと推測された。俺の親は分からなかったが、名乗り出なかったということは恐らくもう死んでいるのだろう。俺の生まれた頃は飢饉や疫病で多くの者が死んだ年代だった。
「俺はただのレイだ。孤児なので家名もない」
「ふむ。そうか。レイよ。お前の魂はいい匂いがする。それは人にとっては得難い、失いやすいものだ。忘れぬようにせよ」
そう言って、赤龍は俺を見てそれからアスラに目をやった。
「その者は、闇の者。魔を呼ぶ者。闇は闇に帰れ」
赤龍が口を開け、焔を吐き出す気なのか力を込め、口の中に光が集まり始めるのを見て、アスラの瞳は不穏に紅く染まる。
「異界の入口を開き、灼熱の焔で丸焼きにしてやろうか」
俺は聖剣を向けた。赤龍に。張り切ったように聖剣が煌めく。
「アスラは俺の友だ。友を害するものは俺の敵になる」
果たして今の俺でこの龍を倒すか封印することは出来るだろうか。……聖剣を引き抜かなきゃ良かった。緊張の糸が張り詰め、赤龍は俺を見定めるように見据え……口を閉じた。
「良かろう。我を助けた者を殺してしまえば道理が通らん。そなたの心に任せよう」
そういうと赤龍は、肩をすくめる。何だか、本当に人間のような仕草をする龍だ。
「それでは、我はもう行こう。これは礼だ。何かあれば祈れ。一度だけ我が力を貸そう。いざ、さらば」
龍はそう言うと、大きな翼を広げ飛び立っていった。俺の目の前には煮え滚るマグマのような深紅に輝く小さな珠が浮いていた。
「あれ? これ、もらわなきゃダメかな?」
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「なあ、この色」
「なんだ?」
アスラは忌々しそうに腕輪を見やる。
「たまに変わるお前の目の色に似てるな。凄く気に入ったよ」
「……お前は……」
「何だ? 」
「……いや、何でもない。……早く帰ろう」
アスラは溜め息をついた。どうやら怒りは収まったようだ。まぁ、あの赤龍とアスラは相性悪そうだもんな。何かの前触れのように腕輪をくれたが、もう二度と会うことはないだろう。むしろ会わないことを願おう。何にしても聖剣が手に入って良かった。
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