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ミゼット嬢によるスローライフな令嬢日記
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※エミリアの友人・コルバルト侯爵家のミゼットによる、ほのぼの日常系ストーリー。
本編の時系列的には「36.皇城での日常再開」の後くらい。
どうも、ご機嫌あそばせ。
わたくし、コルバルト侯爵家の長女ミゼットと申しますの。
エル様がナディクスから帝国にお戻りになられて一月。
待望のワークショップが再開いたしましたの。
皇女様をお妃様にお迎えするはずだった2年前から、ワークショップの予約受付は行われていましたから、ファンクラブ会長のオリビア様にお願いして、たくさんお申込みさせて頂いていましたの。
本日の記念すべき再開の第1回目は、淑女のたしなみの1つ、“刺繍”ですわ!
「はい、みなさん。先日のファンクラブ主催の歓迎会では、色んなオシャレグッズを贈ってもらっちゃって、ありがとうございました。やっぱり流行の発信地、バランティアの帝都だけあって、2年前とは色使いも、デザインも斬新なものばかりで、また1からファッションを勉強しなくちゃいけないなって、思わされました」
“エル様の館”とも呼ばれているアトリエを思わせる一軒家、皇城の中にあるイベントスペースにやってきましたの。
色とりどりの刺繍糸の束が並べられている四角い木製のテーブルの前にいらっしゃるエル様。
2年前とちっともお変わりなく、キラキラとお綺麗でいらっしゃいますわ。
そしてもちろん、今お話されている“エル様お帰りなさい会”にも出席させていただきましたの。
わたくしがお贈りしたのは、舞踏会でご令嬢がたが誰でも1つはお持ちになられている、いま主流のとっても綺麗なジュエリーがあしらわれた髪飾りですの。
タイヤやゴールドなどの細かい宝飾が全体に散りばめられている中に、皇族騎士団のアクセントカラーである青磁色の少し大きめの石が付いているデザイン。
それが今シーズンのトレンドですの。
髪飾りなら、エル様の長い金色のお髪にも、最愛の方であるソフィアナ皇女様の豊かな黒髪にも、どちらにもお使いいただけると思い、セレクトいたしましたのよ。
「それで、今日の講座である刺繍なんだけど、基本的には布地に針と糸で模様を縫っていく作業になります。刺繍に限らず、織物とか編み物の手工芸というのは、国や地域によって模様や技法に色んな種類があります」
わたくしは帝都の文具ショップで先日みつけた、柔らかいブルーの表紙の色をした可愛らしいノートに、エル様の説明を書き込んでいきましたの。
「今日は、初回の講座ということもあるので、みなさんに馴染みのあるものを作ってもらおうかなって思ってます。今日は貴族家の方しかいないみたいなんで、それぞれのお家の家紋を刺繍してみましょう」
まあ! エル様、さすがですわ。
わたくしたち、貴族女性は結婚すると、ハンカチですとか、お洋服の襟元なんかに家紋を刺繍して、旦那様をお守りするようにお渡しする習慣がありますの。
ですけれど……どこのお宅も家紋というのは凝ったデザインのものが多くて、刺繍するには、相当の技術が必要になってしまいますの。
だから、正確に模写しようとすると、グチャグチャになってしまってひどい見栄えになってしまったりしますの。
わたくしのお屋敷の1室には代々の夫人がお作りになった、ご当主様へのプレゼントが飾られているのですけれど、お母様から説明を受けるまで、どれもに必ずくっ付いている黒い大きな虫のようなものが、コルバルト家の家紋だとは分かりませんでしたの。
そこに飾られていなかった、お母様から贈られた家紋の刺繍付きのプレゼントをお父様に見せていただけないかお願いしたのに、なかなか見せていただけませんし……
きっと、お母様も悪戦苦闘していらっしゃるに違いありませんわ。
「帝国の貴族家の家紋は、どれもその名の通り“帝国刺繍”っていう種類が使われていて、ここに並べてあるような光沢のある糸を使用していきます。どこの家紋も複雑な模様なので、まずは薄い紙に写しを作ってみましょう」
今座っている丸い大きなテーブルの上には、薄い1枚の紙が置いてありますの。
すると、他の参加者の方々がカバンを探り始めましたから、わたくしも革のケースに入れてある、帝国民全員に配布されている身分証明証を取り出しましたの。
貴族家出身者はそこに家紋が描かれていますから、その上に薄い紙を置いて、全く同じようになるように、ペンでなぞりましたの。
「じゃあ、そのなぞった線に沿って、針で細かく穴を開けていってください。それが終わったら、このハンカチの上に紙を置いて、この洗ったら消えるインクをハケで塗ってください」
ご説明通りになぞった線の上に穴を開けて、テーブルの上には白いハンカチも置いてありましたから、そちらを広げて、4つの角のうちの1つに紙を置きましたの。
そしてハケで家紋の描かれている紙の上からインクを塗り、紙を取ってみると……
まあ! ちゃんと、布の上にも家紋の線が写しとれていますわ!
そうそう、説明を忘れていましたけれど、コルバルト家の家紋は、中央に王冠があってその左右から、黒い翼が生えていますの。そして、その下にはやっぱり黒い番犬が寝そべっていますの。
黒い翼は敵で、王冠である皇族様を、敵からお守りして支える番犬がコルバルト家であるという意味を持っていますの。
他の貴族家も何かしらの意味が込められていますのよ。
黒糸を使う割合が多いから、ご祖先様の刺繍グッズは、黒い虫のように見えてしまったのでしょうね……
「ミゼットちゃん、なかなか手際がいいみたいだね。じゃあ、その線の上に刺繍を施していこう。そうだな……これだったら、3本どりでアウトラインステッチにするといいんじゃないかな。まず、この枠を取り付けて、布を張った状態にするとやりやすいからね」
キャッ! エル様に手際いいと、お褒めの言葉をいただいてしまいましたわ!
木製の丸い枠の中央に刺繍する部分が収まるように、ハンカチをセッティングして、刺繍針に黒糸を3本まとめて通しましたの。
そして、エル様から教わった通りに、斜めの細かい縫い目が線の上を隙間なく連なっていくように、アウトラインステッチというものを施していきましたの。
とっても細かい作業で集中力が必要ですけれど、とてもキレイな糸の線が出来ましたわ。
そして次は、線の内部を埋めていく作業に移りましたの。
こちらは、サテンステッチという内部を周りの線から線に縫い目を通して覆っていく方法と、ロング&ショートステッチという、短い縫い目と、長い縫い目をバランスよく内部に埋め込んでいく方法を用いましたの。
「それじゃあ、時間になっちゃったので、今日はここまでにしまーす。続きはお家でやってみてくださいね」
エル様から終了のお言葉を聞くまで、完全に集中してしまっていて、時間が経つのも忘れてしまっていましたわ!
あと3分の1ほど、埋まっていない部分がありますけれど、使用する分の刺繍糸をいただいて、残りはお屋敷で作業することにしましたの。
「ほう、これをミゼットが作ったのか」
ずっと続きに熱中してしまって、翌日のお晩餐の後の家族団欒の席で、完成したハンカチをお披露目しましたの。
居間スペースの1番立派な革張りの椅子に腰掛けていらっしゃる、コルバルト侯爵当主のわたくしのお祖父様は、ハンカチをお手に取られて、両手で広げるとシゲシゲとご覧になられたわ。
「まあ、ミゼットは手先が器用だから、こういう事が向いているのかしらねえ」
やったわ。お祖母様からも褒められちゃった。
「こ、これは父上に差し上げるのだな……今度は、私にも作っておくれな」
お父様はとっても羨ましそうに、お祖父様がずっと持っているハンカチの方をご覧になっているわ。
「そ、その時には、わたくしにもやり方を教えるのですよ、ミゼット」
きっと、もうお母様がお父様にお渡しになられた刺繍グッズがお目見えすることは無さそうですけれど……もちろんですわ、とお答えしましたわ。
「ナディクスの王子は、こんな事もできるのか。ジョセフィーヌにも今度参加するように伝えておこう」
お祖父様たちが座っているソファ席を囲むように並んでいる、本棚のそばにいらっしゃるのは、わたくしのお兄様。ジョセフィーヌ様は、彼の許嫁ですの。
お部屋に戻って、机の上にランプを灯して、日記を付けて……
「お嬢様、大好評でよかったですね! 私のネッカチーフにもワンポイントあると、カッコよさそうだな~」
いつも一緒にいる女騎士のルイーゼですわ。
コルバルト騎士団の騎士服は、首にスカーフを巻いているスタイルですの。
お隣の騎士部屋に入っていく彼女にもおやすみのご挨拶をして、ランプを消したら就寝ですわ。
明日はどんな1日になるのかしら。
またお会いする日まで。どうぞ、ごきげんよう。
※ミゼット兄の婚約者が突如現れてきたので、彼女の事を掘り下げていたら「ある令嬢の証言」という作品が出来上がりました。
思いがけず完成度のあるミステリ短編になってしまったので、単体作品として掲載しています。
本編の時系列的には「36.皇城での日常再開」の後くらい。
どうも、ご機嫌あそばせ。
わたくし、コルバルト侯爵家の長女ミゼットと申しますの。
エル様がナディクスから帝国にお戻りになられて一月。
待望のワークショップが再開いたしましたの。
皇女様をお妃様にお迎えするはずだった2年前から、ワークショップの予約受付は行われていましたから、ファンクラブ会長のオリビア様にお願いして、たくさんお申込みさせて頂いていましたの。
本日の記念すべき再開の第1回目は、淑女のたしなみの1つ、“刺繍”ですわ!
「はい、みなさん。先日のファンクラブ主催の歓迎会では、色んなオシャレグッズを贈ってもらっちゃって、ありがとうございました。やっぱり流行の発信地、バランティアの帝都だけあって、2年前とは色使いも、デザインも斬新なものばかりで、また1からファッションを勉強しなくちゃいけないなって、思わされました」
“エル様の館”とも呼ばれているアトリエを思わせる一軒家、皇城の中にあるイベントスペースにやってきましたの。
色とりどりの刺繍糸の束が並べられている四角い木製のテーブルの前にいらっしゃるエル様。
2年前とちっともお変わりなく、キラキラとお綺麗でいらっしゃいますわ。
そしてもちろん、今お話されている“エル様お帰りなさい会”にも出席させていただきましたの。
わたくしがお贈りしたのは、舞踏会でご令嬢がたが誰でも1つはお持ちになられている、いま主流のとっても綺麗なジュエリーがあしらわれた髪飾りですの。
タイヤやゴールドなどの細かい宝飾が全体に散りばめられている中に、皇族騎士団のアクセントカラーである青磁色の少し大きめの石が付いているデザイン。
それが今シーズンのトレンドですの。
髪飾りなら、エル様の長い金色のお髪にも、最愛の方であるソフィアナ皇女様の豊かな黒髪にも、どちらにもお使いいただけると思い、セレクトいたしましたのよ。
「それで、今日の講座である刺繍なんだけど、基本的には布地に針と糸で模様を縫っていく作業になります。刺繍に限らず、織物とか編み物の手工芸というのは、国や地域によって模様や技法に色んな種類があります」
わたくしは帝都の文具ショップで先日みつけた、柔らかいブルーの表紙の色をした可愛らしいノートに、エル様の説明を書き込んでいきましたの。
「今日は、初回の講座ということもあるので、みなさんに馴染みのあるものを作ってもらおうかなって思ってます。今日は貴族家の方しかいないみたいなんで、それぞれのお家の家紋を刺繍してみましょう」
まあ! エル様、さすがですわ。
わたくしたち、貴族女性は結婚すると、ハンカチですとか、お洋服の襟元なんかに家紋を刺繍して、旦那様をお守りするようにお渡しする習慣がありますの。
ですけれど……どこのお宅も家紋というのは凝ったデザインのものが多くて、刺繍するには、相当の技術が必要になってしまいますの。
だから、正確に模写しようとすると、グチャグチャになってしまってひどい見栄えになってしまったりしますの。
わたくしのお屋敷の1室には代々の夫人がお作りになった、ご当主様へのプレゼントが飾られているのですけれど、お母様から説明を受けるまで、どれもに必ずくっ付いている黒い大きな虫のようなものが、コルバルト家の家紋だとは分かりませんでしたの。
そこに飾られていなかった、お母様から贈られた家紋の刺繍付きのプレゼントをお父様に見せていただけないかお願いしたのに、なかなか見せていただけませんし……
きっと、お母様も悪戦苦闘していらっしゃるに違いありませんわ。
「帝国の貴族家の家紋は、どれもその名の通り“帝国刺繍”っていう種類が使われていて、ここに並べてあるような光沢のある糸を使用していきます。どこの家紋も複雑な模様なので、まずは薄い紙に写しを作ってみましょう」
今座っている丸い大きなテーブルの上には、薄い1枚の紙が置いてありますの。
すると、他の参加者の方々がカバンを探り始めましたから、わたくしも革のケースに入れてある、帝国民全員に配布されている身分証明証を取り出しましたの。
貴族家出身者はそこに家紋が描かれていますから、その上に薄い紙を置いて、全く同じようになるように、ペンでなぞりましたの。
「じゃあ、そのなぞった線に沿って、針で細かく穴を開けていってください。それが終わったら、このハンカチの上に紙を置いて、この洗ったら消えるインクをハケで塗ってください」
ご説明通りになぞった線の上に穴を開けて、テーブルの上には白いハンカチも置いてありましたから、そちらを広げて、4つの角のうちの1つに紙を置きましたの。
そしてハケで家紋の描かれている紙の上からインクを塗り、紙を取ってみると……
まあ! ちゃんと、布の上にも家紋の線が写しとれていますわ!
そうそう、説明を忘れていましたけれど、コルバルト家の家紋は、中央に王冠があってその左右から、黒い翼が生えていますの。そして、その下にはやっぱり黒い番犬が寝そべっていますの。
黒い翼は敵で、王冠である皇族様を、敵からお守りして支える番犬がコルバルト家であるという意味を持っていますの。
他の貴族家も何かしらの意味が込められていますのよ。
黒糸を使う割合が多いから、ご祖先様の刺繍グッズは、黒い虫のように見えてしまったのでしょうね……
「ミゼットちゃん、なかなか手際がいいみたいだね。じゃあ、その線の上に刺繍を施していこう。そうだな……これだったら、3本どりでアウトラインステッチにするといいんじゃないかな。まず、この枠を取り付けて、布を張った状態にするとやりやすいからね」
キャッ! エル様に手際いいと、お褒めの言葉をいただいてしまいましたわ!
木製の丸い枠の中央に刺繍する部分が収まるように、ハンカチをセッティングして、刺繍針に黒糸を3本まとめて通しましたの。
そして、エル様から教わった通りに、斜めの細かい縫い目が線の上を隙間なく連なっていくように、アウトラインステッチというものを施していきましたの。
とっても細かい作業で集中力が必要ですけれど、とてもキレイな糸の線が出来ましたわ。
そして次は、線の内部を埋めていく作業に移りましたの。
こちらは、サテンステッチという内部を周りの線から線に縫い目を通して覆っていく方法と、ロング&ショートステッチという、短い縫い目と、長い縫い目をバランスよく内部に埋め込んでいく方法を用いましたの。
「それじゃあ、時間になっちゃったので、今日はここまでにしまーす。続きはお家でやってみてくださいね」
エル様から終了のお言葉を聞くまで、完全に集中してしまっていて、時間が経つのも忘れてしまっていましたわ!
あと3分の1ほど、埋まっていない部分がありますけれど、使用する分の刺繍糸をいただいて、残りはお屋敷で作業することにしましたの。
「ほう、これをミゼットが作ったのか」
ずっと続きに熱中してしまって、翌日のお晩餐の後の家族団欒の席で、完成したハンカチをお披露目しましたの。
居間スペースの1番立派な革張りの椅子に腰掛けていらっしゃる、コルバルト侯爵当主のわたくしのお祖父様は、ハンカチをお手に取られて、両手で広げるとシゲシゲとご覧になられたわ。
「まあ、ミゼットは手先が器用だから、こういう事が向いているのかしらねえ」
やったわ。お祖母様からも褒められちゃった。
「こ、これは父上に差し上げるのだな……今度は、私にも作っておくれな」
お父様はとっても羨ましそうに、お祖父様がずっと持っているハンカチの方をご覧になっているわ。
「そ、その時には、わたくしにもやり方を教えるのですよ、ミゼット」
きっと、もうお母様がお父様にお渡しになられた刺繍グッズがお目見えすることは無さそうですけれど……もちろんですわ、とお答えしましたわ。
「ナディクスの王子は、こんな事もできるのか。ジョセフィーヌにも今度参加するように伝えておこう」
お祖父様たちが座っているソファ席を囲むように並んでいる、本棚のそばにいらっしゃるのは、わたくしのお兄様。ジョセフィーヌ様は、彼の許嫁ですの。
お部屋に戻って、机の上にランプを灯して、日記を付けて……
「お嬢様、大好評でよかったですね! 私のネッカチーフにもワンポイントあると、カッコよさそうだな~」
いつも一緒にいる女騎士のルイーゼですわ。
コルバルト騎士団の騎士服は、首にスカーフを巻いているスタイルですの。
お隣の騎士部屋に入っていく彼女にもおやすみのご挨拶をして、ランプを消したら就寝ですわ。
明日はどんな1日になるのかしら。
またお会いする日まで。どうぞ、ごきげんよう。
※ミゼット兄の婚約者が突如現れてきたので、彼女の事を掘り下げていたら「ある令嬢の証言」という作品が出来上がりました。
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