転生先は水神様の眷属様!?

お花見茶

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···❆クラソフィア入都編❆···

宿での過ごし方〜side.セルン〜

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 碧を抱え直し、クラソフィアに続く廊下を歩く。前を歩く弥生とデルディルは、紫たちの話で盛りあがっていた。

 ……面白くない。

「赤ちゃんって見てるだけで癒やされますよね」
「そうなんです」

 おいデルディル、今何を想像した。弥生との子どもを想像したことはわかってるんだぞ。デレデレしやがって……。

「ヤヨイさんはこんな可愛い妹弟がいて羨ましいです……」
「え?紫たちは妹弟じゃないですよ?」
「え?」
「え?」

 そういえば、言ってなかったか……。すっかり、言った気になってたが……。

「……え?じゃあ、この子たちはいったい……?」
「いったいもなにも、私の子供ですけど……」
「はっ?子ども!?」
「はい、私の娘と息子ですが……それが何かしましたか?」
「……ヤヨイさん、まだ15歳未満の未成年ですよね?」
「いえ、17歳ですけど」
「17!?」

 何を言ってるんだ、こいつは。……そういえば、この世界の17歳より確かに少し幼いか?

「ご結婚、されてたんですか……?」
「?はい、セルは私の夫ですけど……」
「セルンさんと!?てっきりお兄さんかと……」
「言ってなかったか?」
「言ってませんよ、結婚されてるなんて……ハハッ」

 デルディルが死んだ魚のような目で俺を見てきたため、鼻で笑ってやった。ついでにドヤ顔も決め込んだ。

 デルディルは相当ショックだったらしく、ブツブツと何か言い始めた。


°·✽·°·✽·°·✽·°·✽·°·✽·°


 領都に無事入ることのできた俺達は、デルディルにおすすめの宿屋を聞き、部屋を取った。

 しばらくして、弥生が夕飯を食べに食堂へと降りて行った。すると、寝ていた紫と碧が起きて、弥生がいないことに気づいたらしい。二人は視線を彷徨わせて、弥生を探していた。と、碧の目が潤みはじめた。

「うぎゃぁぁぃぃ!!」
「あぎゃああああ!!」

 泣き出した碧につられて、紫も泣き出した。

 俺は急いでベビーベッドに駆けより、碧と紫を抱き上げた。

「ほら、大丈夫だぞ~」

 少しの間紫と碧をゆすっていると、落ち着いてきたのかうとうととしてきた。数分後にはぐっすりと熟睡していた。

 紫と碧をベッドにそっと降ろし、ふわふわの頭を撫でた。この子達を見てると、胸が温かくなって、自然と笑みがこぼれる。

 そうしてしばらくの間紫たちを眺めていると、弥生が帰ってきた。

「ただいま、セル」
「弥生、おかえり。美味しかったか?」
「うん!!テケテケ草のテケテケ煮込みっていうのを食べたんだけど、凄く美味しかったの」
「そうか、俺もそれを食べてこようか」
「行ってらっしゃい」

 食堂に降りて、テケテケ草のテケテケ煮込みを頼む。すると、出てきたのは正体不明な真っ青な葉と緑色の肉が入った緑と青のスープだった。

 弥生、こんなの頼んだのか……?
 毒にしか見えないんだが……。
 いやでも、弥生が言うには凄く美味しかったらしいし……。

 周りを見ると、結構な人数がこのスープを頼んでいた。そろそろと視線をスープに戻し、恐る恐る口に運ぶ。

 ……ん?美味い。なんだこれは。どうやったらこんな不味そうなやつがこんな美味いものになる。

 ぱくぱくと口に運ぶ手が止まらない。こんなにも不味そうなのに……!!何か負けた気分だ。

 きれいにあのスープを完食した(してしまった)俺は、部屋に戻った。

「あ、おかえりセル」
「ああ。お前、よくあんなの頼んだな」
「だって気になったんだもの。見た目によらず、美味しかったでしょ?」
「確かに美味しかったが……」

 俺は話しながらベッドに行き、ボフッと倒れ込む。

 疲れた……。

 世界を超える転移は、大量の魔力を使い、それに耐えるだけの体力と精神力が必要だ。はっきり言って、今までずっと動けていたのは神だからとしか言いようがない。

 ふと弥生を見ると、色々な武器を出していた。立ち上がって弥生のもとに行くと、どうやらティルーチェが弥生のステータスを参考にして入れたらしい。

 そこで弥生のステータスを見たことがないことに気づいた俺は、弥生に頼んで見せてもらうことにした。

 ……はっきり言って、弥生のステータスは凄すぎた。まさかこんなに強いとは……。刀術、薙刀術、古武術、暗器術については何となく分かったが、サバイバル術とはいったい……?何をしたらこんなに高いレベルになるんだ……。

「そういえば、セルのステータスってどんなの?」
「俺のか?鑑定してもいいぞ」
「それじゃあ、遠慮なく」

 弥生は俺を見て、どんどんと顔を引きつらせていった。

「……“?”多すぎない?」
「神だからな」
世界の記憶ワールド・メモリーとか世界の頭脳ワールド・ブレインって反則すぎない?」
「神だからな」
「『魔法全術』と『武闘全術』って何よ?」
「『魔法全術』は全ての属性を持ち極めた者に与えられるスキル、『武闘全術』は同じく全ての武闘術を極めた者に与えられるスキルだ」
「……チートすぎない?」
「神だからな」
「もう、“さすが神様”で終わらせてもいいかな?」
「いいんじゃないか」
「……寝よう。おやすみ」
「おやすみ」

 弥生がふらふらと布団の中に入っていく。

 俺が神だってことは分かりきってたことなのに、何をこんなに驚く必要があるんだか。





・・・・・・・・・・・・・・・

クラソフィア入都編終了です!!

次回は同じく5日後の予定です。
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