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いよいよ冒険者です!!
私と兄様、1歳になりました
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バシバシ痛いですね~。分かりましたよ、相手をすればいいのでしょう?
私は後ろを振り返りました。そこで固まってしまった私は悪くないと思います。
振り返った先には、黒の可愛らしい子猫がいました。鼻先と耳、それに足先と尻尾の先が白い、綺麗な子です。
どうやら相手の子も固まっているようです。お互い動きません。というか動けません。
動けるようになったので、とりあえず話しかけてみましょう。
『もしもーし、きっこえーてるー?』
『うん、きこえてるー。そっちもきこえてるー?』
『うん、きこえてるー』
……はじめての会話がコレって…(笑)
~:+:✡:+~~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~
『玉響って呼びづらい。タマでいい?』
『えっ!?何それ、猫みたいじゃん』
『猫ですよ?』
『そうだった……』
『ということでタマ兄様と呼びます』
『じゃあ、そっちはセツだからね』
『分かった』
タマ兄様、いいと思うんですけどねえ。
~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~
『あのね、私兄様に内緒にしてたんだけど、前世の記憶があるの!!』
『前世の!?』
兄様が驚いた顔をしてこっちを見ています。
そうですよね、いきなり言われても信じられませんよね……。
『うん。驚くよね……やっぱり信じてくれないかな?』
『ううん。セツが言うことを信じないわけがないでしょ?それに、僕にも前世の記憶あるからね!』
『そうなの!?やっぱり兄様と私、気が合うというか、運命というか!!あ、運命って言いすぎ……?』
~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~
『セツ』
『兄様!!こっちは全部片付いたよ』
私は足元に転がっている盗賊達を指して念じました。
冒険者ギルドで、最近話題の女の子ばかり攫う盗賊の討伐依頼受けたのは良かったのですが、まさか私が狙われるとは思いませんでした。まったく……運がありませんでしたね、盗賊さん達。まあ、私達としては手間が省けたので良かったのですが。
「まったく……僕のセツを狙う馬鹿がいたとは。どうしてくれようか。……セツに目を付けたのだけは褒めてあげるけどね」
兄様はそう言いながら私と合流して、一緒にギルドへ向かいます。
相変わらず兄様は何をしていても素敵です。例えそれが盗賊を引きずっていようとも、眉をギュッと潜めていて顔がとても険しくても、体が盗賊と思しき血で汚れていようともです。
~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~
『んう……』
おはよーごじゃーます……あさです……ねむいです……なんか変なゆめ見ました。
さいしょのころはまだにーさまとの思い出、というかんじでしたが、さいごのはよくわかりませんでした。
…………あれ、今日ってもしかしなくてもたんじょーび?
『っ!?』
目が覚めました!!
改めて、おはようございます!!今日は誕生日だということを忘れていました。ということはあの夢が番の夢ですか!?
でも、夢の中では私と兄様しか出てきませんでしたが……なるほど。あれですね、うん。兄様が私の番ということですか。そういうことですか。ならば納得です。タマ兄様の隣ほど居心地が良い場所があるわけありませんものね。
それによく考えたら、タマ兄様の番は私ということですか……ふむ。タマ兄様の番を殺らずに済みましたね、良かったです。
お母さんが言っていた番に出会うとすぐに分かるというのは、きっと生まれたときから一緒にいた上、家族以外のフィアニシアキャットと会ったことがなかったので気付かなかったのでしょうね。
さて、今は何時くらいでしょうか?外を見ると、空がやっと白んできているくらいでまだ両親も起きていません。
……まだ時間もありますし、兄様の素敵な、それはもう素敵な寝顔をガンm……いえ、拝見させていただきましょうか。
兄様がいつも寝ている、寝床の右っ側を見てみると……あれ、兄様!?兄様がおられません!!どこ行ったのですか、兄様!!
私は慌てて兄様を探して洞窟の外に出ます。
洞窟の外を出て左に少ししたところに、森全体を一望できる場所があるのですが、そこは朝日を望むことができます。もしかしたら、朝日を見に行かれたのでしょうか?
とりあえず行ってみると、そこではちょうど朝日が顔を出し始め、兄様の黒い毛並みが光を吸い込むような取り込むような、いつもよりもとても綺麗に見えました。
私は後ろを振り返りました。そこで固まってしまった私は悪くないと思います。
振り返った先には、黒の可愛らしい子猫がいました。鼻先と耳、それに足先と尻尾の先が白い、綺麗な子です。
どうやら相手の子も固まっているようです。お互い動きません。というか動けません。
動けるようになったので、とりあえず話しかけてみましょう。
『もしもーし、きっこえーてるー?』
『うん、きこえてるー。そっちもきこえてるー?』
『うん、きこえてるー』
……はじめての会話がコレって…(笑)
~:+:✡:+~~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~
『玉響って呼びづらい。タマでいい?』
『えっ!?何それ、猫みたいじゃん』
『猫ですよ?』
『そうだった……』
『ということでタマ兄様と呼びます』
『じゃあ、そっちはセツだからね』
『分かった』
タマ兄様、いいと思うんですけどねえ。
~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~
『あのね、私兄様に内緒にしてたんだけど、前世の記憶があるの!!』
『前世の!?』
兄様が驚いた顔をしてこっちを見ています。
そうですよね、いきなり言われても信じられませんよね……。
『うん。驚くよね……やっぱり信じてくれないかな?』
『ううん。セツが言うことを信じないわけがないでしょ?それに、僕にも前世の記憶あるからね!』
『そうなの!?やっぱり兄様と私、気が合うというか、運命というか!!あ、運命って言いすぎ……?』
~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~
『セツ』
『兄様!!こっちは全部片付いたよ』
私は足元に転がっている盗賊達を指して念じました。
冒険者ギルドで、最近話題の女の子ばかり攫う盗賊の討伐依頼受けたのは良かったのですが、まさか私が狙われるとは思いませんでした。まったく……運がありませんでしたね、盗賊さん達。まあ、私達としては手間が省けたので良かったのですが。
「まったく……僕のセツを狙う馬鹿がいたとは。どうしてくれようか。……セツに目を付けたのだけは褒めてあげるけどね」
兄様はそう言いながら私と合流して、一緒にギルドへ向かいます。
相変わらず兄様は何をしていても素敵です。例えそれが盗賊を引きずっていようとも、眉をギュッと潜めていて顔がとても険しくても、体が盗賊と思しき血で汚れていようともです。
~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~~:+:✡:+:~
『んう……』
おはよーごじゃーます……あさです……ねむいです……なんか変なゆめ見ました。
さいしょのころはまだにーさまとの思い出、というかんじでしたが、さいごのはよくわかりませんでした。
…………あれ、今日ってもしかしなくてもたんじょーび?
『っ!?』
目が覚めました!!
改めて、おはようございます!!今日は誕生日だということを忘れていました。ということはあの夢が番の夢ですか!?
でも、夢の中では私と兄様しか出てきませんでしたが……なるほど。あれですね、うん。兄様が私の番ということですか。そういうことですか。ならば納得です。タマ兄様の隣ほど居心地が良い場所があるわけありませんものね。
それによく考えたら、タマ兄様の番は私ということですか……ふむ。タマ兄様の番を殺らずに済みましたね、良かったです。
お母さんが言っていた番に出会うとすぐに分かるというのは、きっと生まれたときから一緒にいた上、家族以外のフィアニシアキャットと会ったことがなかったので気付かなかったのでしょうね。
さて、今は何時くらいでしょうか?外を見ると、空がやっと白んできているくらいでまだ両親も起きていません。
……まだ時間もありますし、兄様の素敵な、それはもう素敵な寝顔をガンm……いえ、拝見させていただきましょうか。
兄様がいつも寝ている、寝床の右っ側を見てみると……あれ、兄様!?兄様がおられません!!どこ行ったのですか、兄様!!
私は慌てて兄様を探して洞窟の外に出ます。
洞窟の外を出て左に少ししたところに、森全体を一望できる場所があるのですが、そこは朝日を望むことができます。もしかしたら、朝日を見に行かれたのでしょうか?
とりあえず行ってみると、そこではちょうど朝日が顔を出し始め、兄様の黒い毛並みが光を吸い込むような取り込むような、いつもよりもとても綺麗に見えました。
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