SSS級の魔獣に転生。〜愛でる側が良かったのに愛でられる側になりました〜

いよいよ冒険者です!!

番について学びました

「では、今日は番つがいについて話しましょう」
「つがい?」

　只今勉強中でございます。

　生後10ヶ月、もうすぐで11ヶ月になる私とタマ兄様は、今日も仲良くお勉強です。

「ええ。番とは、要するは結婚相手のことです。魔獣には基本、一生に一度しか現れない伴侶がいるのです。その伴侶のことを番といいます。番がいない種族や番が複数いる種族もいますが、それは例外です。フィアニシアキャットにも番はいるのですよ?」
「へぇー……」

　…………ん?てことは私はともかく兄様にもいるの!?なんてこと、分かり次第排除しなければ!!!

「た、玉響?せ、刹那?どうしたのですか?」
「ん?ううん、なんでもないよ、お母さん」
「うん、なんでもないよ～」

　いけないいけない、なんか殺気でも出てたのでしょうか?……兄様はなんで呼ばれたんでしょう?

「番って一生に一度しか現れないって言ったけど、どうやったら自分の番だってわかるの?自分と違う性別の生物なんて世界に沢山いるよね?」

　確かに!!さすが兄様!!

「あら、わかりますよ?会ったらすぐに分かります。なんというか、しっくりくるんです、魔力やその人の隣にいることが。波長が合う、というのでしょうか?」
「へ～、じゃあお母さんもお父さんにあった時にこう……しっくり?きたの?」
「ええ。それに、他にも番が分かる方法があるのです」
「そうなの!?」
「どんなのなの?」
「夢にみるのです」
「「夢?」」

　夢ってどういうことでしょうか?

　隣を見ると、兄様も同じような顔をしてこちらを見ています。素敵です。

「私達フィアニシアキャットの場合は1歳になる日の前夜、そのときにみる夢に自分の番となるひとが出てくるのです。基本的には番となる種族は自分と同じ種族ですが、たまに違う種族の場合もあるそうです。例をあげると、私たちフィアニシアキャットのある一匹は人族と番だったそうですし、ロックセントウルフにはエルフと番になったものもいるとか」

　ロックセントウルフとはS級の狼種で、風、水、稀に光属性の魔法が使える魔物です。通常、この種は人化は出来ないのですが、お母さんが言うには番が人型だったため、人化を使えたそうです。

「先程、“1歳になる日の前夜”と言いましたね。今日あなた達に番について教えたのはこのためです。ほら、あなた達はもうすぐで1歳になるでしょう?」
「そういえば!!」
「すっかり忘れてたね」
「夢はどのような夢を見るかわかりません。出会いの場面だったり、ふとした日常だったり、はたまたその夢では子供といるかもしれません。私のときはあなた達とお父さんと、家族でいる場面でしたね。たしか、一週間くらい前の食事風景でした」

　なるほど。じゃあ夢は覚えとかないといけないってことかな。

「あれ?夢って覚えてなかったりしないの?」
「しません。夢の内容は一生覚えているらしいですよ。私はまだ一生を終えてないのでわかりませんが」
「そうなんだ～」

　番か～、タマ兄様以外私はいらないんだけどなあ。番の側って、タマ兄様以上に居心地が良いっていうことですよね。そんなのないと思うんですけど。兄様以上に居心地が良いって何ですかそれ、気になる通り越して怖いです、気持ち悪いです、寒気が走ります。

　お父さんも夢見たのかな?

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【お父さん、お父さんの番の夢ってどんなのだったの?】
【いきなりどうした】
【今日は番について教えたのです。この子達ももうすぐで1歳になるでしょう?】
【そうか】

　食事は、寝るときを除いて唯一人化を解く時間です。今は私達が勉強のあとに狩ってきた魔獣を皆で食べています。

　最近は二人で狩りに行くことが許され、お父さんやお母さん無しで狩りに行く日が多くなりました。

【そうだな、俺が見た夢は、この前戦闘を見てやっただろう。そのときに永遠が飲み物を持ってきてくれたのを覚えているか?その場面だった】
【へぇ】
【そうなんだ】

　私達はどんな夢を見るのでしょう?


　そうやっているうちにあっという間に1歳の誕生日がくる。