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ACT-8
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モンスター討伐の依頼を引き受けた二人は、街の近くの森に来ていた。
「二度も魔獣がいた森に入るなんて、冒険者としては意識が高いんだろうけど、身の危険を感じてしまう」
「安心してください、ご主人様。いざとなったら、私が肉壁となってお守りしますので」
「こら、そう言うことは言わない。俺たちは、二人で帰るんだからな」
「ご主人様…」
健太郎の意思は固く、今まで粗末な扱いを受けていたシエラにとって、彼の言葉は心地よいものだった。
「二人共、無事に依頼を受けることが出来たようだね」
「女神様、またヌルッと登場しましたね」
「ヌルッと……。もう、しょうがない人ですね、鈴木さんは」
「駄目だ。この女神様は、登場する度に残念な方向へと向かってしまっている」
「コホン。ところで、どんな依頼を受けたのかな?」
「銀級クエストで、街近辺の森に住んでいる、コボルトの討伐です」
「いきなり銀級ですか、二人共、怪我には気をつけてください。また、無事を確認しに来ますので」
「お忙しい中、ありがとうございます」
喋っている間に、コボルトの縄張りに着いた。
シエラは、獣人の特性を活かして、コボルトの数を把握した。
「敵の数は、10~12匹。下級のコボルトがほとんどで、上位個体は一匹しかいません」
「ナイスだ、シエラ。まずは、俺が先行して、下級のコボルトたちを一掃するから、シエラは後方から援護してくれ」
「了解です」
健太郎は、道に落ちていた小石を拾い、コボルトの縄張りに投げ込んだ。
すると、コボルトたちが一斉に反応し、警戒態勢をとり始めた。
(今日の反省を活かし、魔法の威力は最小限に抑えて、シエラに攻撃が当たらないようにする)
コボルトたちの背後から、空間転移魔法を使って、瞬間移動して来た健太郎が現れた。
「ガォ!?」
「一気に吹っ飛ばす!」
創造魔法で作り出した槍の先端に、微量ながらも良質な魔力を集中させ、一気に解き放った。
「ガォォォ!」
「シエラ、今がチャンスだ!」
「てやぁぁ!」
健太郎の魔法で、コボルトたちの群れに隙ができた瞬間、すかさず、シエラは残りのコボルトを仕留めに斬り込んだ。
「シエラ、バトンタッチだ!デカイのは俺が倒す!」
「後はお願いします」
突然のことに驚いているコボルトキングは、健太郎に反応できず、声を発する間も無く倒された。
「ご主人様、敵の気配は全て消えました」
「ということは…」
「私たちの勝利です」
「よっしゃー!!クエストクリア!!」
「さすがはご主人様です」
二人は、息の合った連携で、難なく依頼を達成した。
『経験値が一定に達しました。シエラがLv1からLv2になりました』
「シエラ、レベルが上がったそうだぞ」
「ご主人様、ステータスプレートの確認無しで、対象のステータスを観れるのですか?」
「あぁ、俺の技能の一つである不死王の魔眼の力で、だいたいのことは読み解ける」
健太郎は、レベルの上がったシエラのステータスを見てみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:シエラ 年齢:17 性別:女
Level:2 職業:獣戦士 ギルドランク:銅
筋力:20
耐久:20
敏捷:35
魔力:10
魔攻:10
魔防:10
魔法一覧
[緋閃ノ太刀]
技能一覧
[五感強化][身体能力強化][月下の妖狐]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(おお、初めて鑑定スキルを使ってみたが、こんな風に見えるのか。他のものでも試してみよう)
『名前:コボルト イヌ科のモンスター。森や崖に住処を作り、外敵から身を守る。主食は肉で、腹が空いた時は、人里に下りて、家畜を食べる』
(コボルト怖、こりゃ、討伐依頼が出されますわ)
『名前:コボルトキング オオイヌ科のモンスター。コボルトの進化個体。群れを率いて、人里を襲う凶悪な性格を持つ』
(シエラのステータスは観れたけど、コボルトたちのステータスが見れないのはなんでだ?ひょっとして、ステータスプレートで数値化されてないと、対象の能力を見ることができないのか。いや、単に死んでしまっているから、ステータスが確認できないのか?謎が多いな…)
初の鑑定に心を踊らせる健太郎は、まるで、無邪気な子供のようだった。
「依頼も達成したことだし、早くギルドに戻って、美味いものでも食べようぜ」
「宜しいのですか?私は奴隷の身分ですし…」
「そういうごちゃっとしたことは置いといてさ、一緒に行こうぜ、シエラ」
「はい!」
健太郎の空間転移魔法でギルドに戻り、受付嬢に依頼を達成したことを確認してもらっていた。
「初日で銀級クエストをクリアするなんて、前代未聞です。これまでに冒険者として戦っていた経験がおありなのでしょうか?」
(転生特典で最強になって、ギルドランクも一気に上がりました。なんて、訳がわからないことを言って混乱されるのは面倒だ。しかし、穏便に済ませるにはどう答えればいいんだ)
「どこかお気に障りましたか」
「いや、なんでもないです。それより、連れが外で待っているので、お話はまたの機会でよろしいでしょうか」
「は、はい。よろしくお願いします」
「では、失礼します」
健太郎は駆け足で、逃げるように去っていった。
「二度も魔獣がいた森に入るなんて、冒険者としては意識が高いんだろうけど、身の危険を感じてしまう」
「安心してください、ご主人様。いざとなったら、私が肉壁となってお守りしますので」
「こら、そう言うことは言わない。俺たちは、二人で帰るんだからな」
「ご主人様…」
健太郎の意思は固く、今まで粗末な扱いを受けていたシエラにとって、彼の言葉は心地よいものだった。
「二人共、無事に依頼を受けることが出来たようだね」
「女神様、またヌルッと登場しましたね」
「ヌルッと……。もう、しょうがない人ですね、鈴木さんは」
「駄目だ。この女神様は、登場する度に残念な方向へと向かってしまっている」
「コホン。ところで、どんな依頼を受けたのかな?」
「銀級クエストで、街近辺の森に住んでいる、コボルトの討伐です」
「いきなり銀級ですか、二人共、怪我には気をつけてください。また、無事を確認しに来ますので」
「お忙しい中、ありがとうございます」
喋っている間に、コボルトの縄張りに着いた。
シエラは、獣人の特性を活かして、コボルトの数を把握した。
「敵の数は、10~12匹。下級のコボルトがほとんどで、上位個体は一匹しかいません」
「ナイスだ、シエラ。まずは、俺が先行して、下級のコボルトたちを一掃するから、シエラは後方から援護してくれ」
「了解です」
健太郎は、道に落ちていた小石を拾い、コボルトの縄張りに投げ込んだ。
すると、コボルトたちが一斉に反応し、警戒態勢をとり始めた。
(今日の反省を活かし、魔法の威力は最小限に抑えて、シエラに攻撃が当たらないようにする)
コボルトたちの背後から、空間転移魔法を使って、瞬間移動して来た健太郎が現れた。
「ガォ!?」
「一気に吹っ飛ばす!」
創造魔法で作り出した槍の先端に、微量ながらも良質な魔力を集中させ、一気に解き放った。
「ガォォォ!」
「シエラ、今がチャンスだ!」
「てやぁぁ!」
健太郎の魔法で、コボルトたちの群れに隙ができた瞬間、すかさず、シエラは残りのコボルトを仕留めに斬り込んだ。
「シエラ、バトンタッチだ!デカイのは俺が倒す!」
「後はお願いします」
突然のことに驚いているコボルトキングは、健太郎に反応できず、声を発する間も無く倒された。
「ご主人様、敵の気配は全て消えました」
「ということは…」
「私たちの勝利です」
「よっしゃー!!クエストクリア!!」
「さすがはご主人様です」
二人は、息の合った連携で、難なく依頼を達成した。
『経験値が一定に達しました。シエラがLv1からLv2になりました』
「シエラ、レベルが上がったそうだぞ」
「ご主人様、ステータスプレートの確認無しで、対象のステータスを観れるのですか?」
「あぁ、俺の技能の一つである不死王の魔眼の力で、だいたいのことは読み解ける」
健太郎は、レベルの上がったシエラのステータスを見てみた。
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名前:シエラ 年齢:17 性別:女
Level:2 職業:獣戦士 ギルドランク:銅
筋力:20
耐久:20
敏捷:35
魔力:10
魔攻:10
魔防:10
魔法一覧
[緋閃ノ太刀]
技能一覧
[五感強化][身体能力強化][月下の妖狐]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(おお、初めて鑑定スキルを使ってみたが、こんな風に見えるのか。他のものでも試してみよう)
『名前:コボルト イヌ科のモンスター。森や崖に住処を作り、外敵から身を守る。主食は肉で、腹が空いた時は、人里に下りて、家畜を食べる』
(コボルト怖、こりゃ、討伐依頼が出されますわ)
『名前:コボルトキング オオイヌ科のモンスター。コボルトの進化個体。群れを率いて、人里を襲う凶悪な性格を持つ』
(シエラのステータスは観れたけど、コボルトたちのステータスが見れないのはなんでだ?ひょっとして、ステータスプレートで数値化されてないと、対象の能力を見ることができないのか。いや、単に死んでしまっているから、ステータスが確認できないのか?謎が多いな…)
初の鑑定に心を踊らせる健太郎は、まるで、無邪気な子供のようだった。
「依頼も達成したことだし、早くギルドに戻って、美味いものでも食べようぜ」
「宜しいのですか?私は奴隷の身分ですし…」
「そういうごちゃっとしたことは置いといてさ、一緒に行こうぜ、シエラ」
「はい!」
健太郎の空間転移魔法でギルドに戻り、受付嬢に依頼を達成したことを確認してもらっていた。
「初日で銀級クエストをクリアするなんて、前代未聞です。これまでに冒険者として戦っていた経験がおありなのでしょうか?」
(転生特典で最強になって、ギルドランクも一気に上がりました。なんて、訳がわからないことを言って混乱されるのは面倒だ。しかし、穏便に済ませるにはどう答えればいいんだ)
「どこかお気に障りましたか」
「いや、なんでもないです。それより、連れが外で待っているので、お話はまたの機会でよろしいでしょうか」
「は、はい。よろしくお願いします」
「では、失礼します」
健太郎は駆け足で、逃げるように去っていった。
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