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ACT-11
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(自分が今より強くなったところで、先に何があるのだろうか。最強の武力、絶対的な権力、そんなものが欲しくて異世界に来たわけじゃない。俺は女神様のご期待に添えることができるかもしれないと思って、この地に降り立った筈だ。けど、シエラや出会った人たちを、これからも守っていくとなると、力は必要になる。だからといって、慢心してこれ以上の力を得ることもないだろう。いったい、どうすれば…)
「結論は出たかな?」
翔が戻って来ると、健太郎は怖い顔をしたまま、一切動かなくなっていた。
(さすがに異世界に来たばかりの彼には、ちょっとだけ難しい提案だったかな)
「決めました!」
「お!? で、どうすることにしたのかな?」
「頭でたくさん考えても分からないので、とりあえずやってみます!」
「思い切ってくれて良かったよ~。じゃあ、これから僕が君の師匠だ。よろしくね」
「はい! よろしくお願いします!」
話がまとまると、健太郎はシエラが待つ宿に帰って行った。
(いや~、良かった良かった。無事に弟子になってくれて。でも、あれだけ頑張って考えていたのに、最後は大雑把な回答だったけど、何を思ったのかな)
翔は、あまりにも清々しく結論を導いた健太郎に、少し疑問に思った。
「シエラ、ただいま。ごめん、少し話しが長くなっちゃて…」
健太郎が宿に戻ると、シエラはベットに横になっていた。
(そうか、今日はいろいろなことがあったから、疲れて先に寝ちゃたのか。話したいことがあったけど、また明日でいいや)
シエラが寝るベットの横に、創造魔法で作り出した敷布団を敷いた。
健太郎も、倒れるように布団に入り、眠りについた。
(今日は大変な一日だったな。異世界で目覚めて直ぐ、魔獣の群れを一掃したり、ギルド登録を済ませた後に、銀級クエストに行ってみたりしたな。それに、たくさんの人たちにも出会ったな、ピトーさんにヤギのジョン、受付嬢さん、少し面倒なギルドの先輩方、御子柴堂の一家、たった一日で、一月分ぐらいのことをした気分だ。明日は何が待っているのかな……)
「ご主人様!起きてください!もう、朝ですよ」
「ふわぁ~、おはよう~」
「はい、おはようございます」
こうして、朝を迎えた。
「ご主人様、昨日は御子柴堂の主人さんと、何をお話ししていたんですか?」
「俺の故郷の料理について話していただけさ」
「そうでしたか」
(まぁ、嘘なんだけどね。あの夜は、師匠の申し出を断ろうと思っていたんだけど、シエラのことを考えると、もっと強くなってシエラのことを守らないと、って簡単な結論を出して弟子になってきた、なんて、口が裂けても言えないや。だって、本人の前で言うとか、なんか照れくさいし)
「ご主人様、準備はできましたか」
「バッチリだ」
二人は身支度を整えると、ギルドへと向かった。
「結論は出たかな?」
翔が戻って来ると、健太郎は怖い顔をしたまま、一切動かなくなっていた。
(さすがに異世界に来たばかりの彼には、ちょっとだけ難しい提案だったかな)
「決めました!」
「お!? で、どうすることにしたのかな?」
「頭でたくさん考えても分からないので、とりあえずやってみます!」
「思い切ってくれて良かったよ~。じゃあ、これから僕が君の師匠だ。よろしくね」
「はい! よろしくお願いします!」
話がまとまると、健太郎はシエラが待つ宿に帰って行った。
(いや~、良かった良かった。無事に弟子になってくれて。でも、あれだけ頑張って考えていたのに、最後は大雑把な回答だったけど、何を思ったのかな)
翔は、あまりにも清々しく結論を導いた健太郎に、少し疑問に思った。
「シエラ、ただいま。ごめん、少し話しが長くなっちゃて…」
健太郎が宿に戻ると、シエラはベットに横になっていた。
(そうか、今日はいろいろなことがあったから、疲れて先に寝ちゃたのか。話したいことがあったけど、また明日でいいや)
シエラが寝るベットの横に、創造魔法で作り出した敷布団を敷いた。
健太郎も、倒れるように布団に入り、眠りについた。
(今日は大変な一日だったな。異世界で目覚めて直ぐ、魔獣の群れを一掃したり、ギルド登録を済ませた後に、銀級クエストに行ってみたりしたな。それに、たくさんの人たちにも出会ったな、ピトーさんにヤギのジョン、受付嬢さん、少し面倒なギルドの先輩方、御子柴堂の一家、たった一日で、一月分ぐらいのことをした気分だ。明日は何が待っているのかな……)
「ご主人様!起きてください!もう、朝ですよ」
「ふわぁ~、おはよう~」
「はい、おはようございます」
こうして、朝を迎えた。
「ご主人様、昨日は御子柴堂の主人さんと、何をお話ししていたんですか?」
「俺の故郷の料理について話していただけさ」
「そうでしたか」
(まぁ、嘘なんだけどね。あの夜は、師匠の申し出を断ろうと思っていたんだけど、シエラのことを考えると、もっと強くなってシエラのことを守らないと、って簡単な結論を出して弟子になってきた、なんて、口が裂けても言えないや。だって、本人の前で言うとか、なんか照れくさいし)
「ご主人様、準備はできましたか」
「バッチリだ」
二人は身支度を整えると、ギルドへと向かった。
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