Re : play / リプレイ

貯古齢糖 壬琉苦

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ACT-24

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「うっ…」

「目が覚めましたか?」

「シエラ…、ここはどこだ?」

「船のラウンジです。急に走り出したご主人様は、海に急降下して、今まで意識を失っていたんですよ」

「そうか…」(どうしよう、昔から雷が苦手なことがバレたかも)

「まさか、ご主人様が雷が苦手だとは、思ってもいませんでした」

「幻滅したか?」

「いいえ、むしろその逆です。どれだけ人は強くなっても、苦手なものが一つや二つあることが分かりました。ただ、それだけです」

「シエラ…」


 健太郎にとって、シエラの言葉は心地の良いものだった。

 健太郎は異世界に来てから、冒険者仲間や街の皆んなからチヤホヤされていたので、無自覚のうちに、偽りの自分を演じていた。だが、シエラは違った。一言一言純粋で、真っ直ぐな言葉だったからだ。


「そういえば、外は豪雷雲が迫っていて、海は荒波だったのに、よく俺のことを助けれたな」

「助けたのは、私ではありません。騎士を名乗る少女に助けていただきました」

  (騎士ってことは、俺たちとは別の護衛任務で来た奴らなのか?)

「名前は聞きそびれてしまいましたが、少女が竜騎士を目指していることがわかりました」

「竜騎士?」

「ご主人様が持っている、金龍の勲章を持つ程の器に選ばれた騎士のことです」

「それって、魔王軍の幹部を倒せないともらえないんじゃないのか?」

「そんなことはありませんよ。ワンナイト王国を救うような偉業を成し遂げれば、身分関係なく勲章を貰うことができますよ」

「そうだったのか…」


 健太郎は考え深い表情をしていた。


「このままクエストは続行しますか?」

「クエストを引き受けた以上、中途半端じゃ終わらせられないからな、船の護衛を続けよう」

「了解です」


 二人はラウンジを出て、船の見回りを始めた。


「まずは、人がたくさん集まる、中央ホールあたりを見張りましょう」

「二人で中央ホールを見張っていて大丈夫なのか? 他の場所はどうするんだ?」

「どうやら、このクエストは私たち以外の冒険者たちも受けているようなので、他の場所は大丈夫だそうです」

「さすが豪華客船、護衛任務一つでも、大掛かりなんだな」

「今回の案件には、お客様を守る以外にも、この世界にたった二つしかない、オリオンの涙と呼ばれる、超国宝級の宝石が展示してあるんですよ」

「そんなの乗せてるの!?」

「はい。その宝石が展示してある中央ホールを今から見張りに行こうとしています」

「なるほど、他の場所は別ギルドの冒険者たちに任せて、俺たちは宝石を守るってことだな」

「その通りです」

「よっしゃ! 燃えてきたぞ!」

  (よかったです。ご主人様、ずっと元気がなかったので、いい刺激になって)

「シエラ、早く早く! 宝石を守りに行くぞ!」

「ご主人様、置いて行かないでください~」


 二人は中央ホールに展示されている、オリオンの涙を目指すのであった。
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