ロキは最強に飽きている

月極典

文字の大きさ
24 / 31
二十四話

王都防衛戦 ⒃チームロキ

しおりを挟む

「それじゃ、作戦会議だ」
 ロキが真剣な顔で話始めた。

「はい、黒龍も良く聞いててね」
 黒龍が、小さく咆哮し応える。

「えーまず、ここから飛び降ります」

「はい」

「俺が真ん中の首、アイちゃんが左の首、黒龍が右の首をぶった斬ります。以上!」

「ちょっと、それだけですか!?」

「後なんかある?あ、アイちゃん、左は向かって左じゃなくて、キングがお茶碗持つ方ね、黒龍はお箸持つ方」

「まぁ……わかりました」
 黒龍も不満げに鼻息で答えた。

「タイミングが重要だけど、最後は俺が合わせるから。後、地面に自由落下で激突したら、いくら丈夫なアイちゃんでも死ぬから気をつける事」

「はいー、今私をゴリラ扱いしましたー!後でお仕置きしまーす!」

「は、早くいかないとアリが全滅しちゃうからいっくよー!」

 ロキがアイーシャの手を握って飛び降りた!
 
「ひぃぃぃー!思ったより怖い!」

「大丈夫、大丈夫!魔力込めるタイミング間違えないでね!」

 ロキはアイーシャの手を握ったまま、雨雲に突入した。
黒龍がそれに続き、手を握った二人に不満そうに咆哮した。

「黒龍、これイチャイチャじゃなくて作戦だから怒るな!吠えるとバレちゃうから!」

 あっと言う間に雨雲を通り抜ける。

 地上では、黒い絨毯と化した軍隊アリが黄金龍に集り続けている。
それを電撃属性の光線で攻撃し、身体から引き剥がそうとするが、無数のアリの大群は息つく暇を与えず次から次へと身体を登ってくる。

 黄金龍の注目は地面と自らの身体に集中している。

「よし、いい感じで意識を下に向けている」

 ロキはアイーシャの手を離した。
アイーシャは恐怖に耐えながら居合に構えながら落下する。
黒龍も真っ逆さまに黄金龍に突撃する。
ロキはトールハンマーに魔力を十分に込めながら、片手でブンブンと振り回した。

 その時である。
地上にいる愚かさを悟った黄金龍が巨大な羽をバタつかせて飛び上がろうと顔を上に向けた。
そして、上空から迫り来る三つの影をみとめた。

「嗚呼、ロキ様!今、目が合いました!バレちゃいました!」

 黄金龍は集るアリを落としながら飛び立つ。
そして迫り来る影に向かって光線を発しようとした。

 辺りはいつの間にか、雨が降り出していた。
それは徐々に勢いを強め、猛烈なスコールとなった。

 雨音が強過ぎて声は通らない。
ロキはトールハンマーを構えたまま、アイーシャと黒龍の間に入る事で攻撃続行の意思を見せた。

 黄金龍は身体半分を軍隊アリに集られながら真っ直ぐロキ達に迫り来る。
しかし、光線で攻撃して来ない。いや、このスコールで電撃属性の光線を出せない様だ。

 アイーシャは覚悟を決めて自分を奮い立たせた。
「アイーシャ!あんた、やったんなさい!」

 黄金の恐ろしい顔が甲高く咆哮しながら接近する。
横を見ると黒龍がその口を大きく開いて熱線を溜めている。豪雨ではっきりとわからなかったが、何となく目が合った気がして勇気をもらった。

「抜刀雷撃・斬」

 アイーシャは黄金龍の首を落下する勢いと魔力を込めて袈裟斬りにした!

 黒龍はアイーシャの抜刀の声に応えて首に噛みつき、その瞬間に熱線を放った!

 ロキがそれに合わせて、トールハンマーを振り下ろす!
 
「あーらよ!どっこいしょーー!!」
 
 ロキの魔力を込めたハンマーは、黄金龍の真ん中の頭を咆哮する間も与えずぐしゃりと打ち砕き、その勢いまま巨大な身体を地面に向かって打ち落とす。

 黄金龍は三つの頭を同時に落とされ、絶命しながら落ちていく。

 黒龍が力尽きて落下するアイーシャを背中で受け止め、ロキも黒龍に飛び移った。
 
「アイちゃん、大丈夫かー?」
 ロキが優しく顔を叩いた。

 地上に落ちた黄金龍の身体や頭はその傷口に軍隊アリが集り始め、骨と鱗になり始めようとしている。

「ロキ様、やったりましたね……」

「あぁ、力を合わせて倒したな。アイちゃんも黒龍も最高のタイミングだったよ」
 黒龍が咆哮して応える。

 暫くして、黄金龍が軍隊アリに食い尽くされるのを待って、ロキはアリを全て消した。

「さーて、これでやっと魔法陣閉じれるねー」
 と言った瞬間、魔法陣から巨大なゴリラが顔を出した!

「いい加減にしろ!!」
 ロキはトールハンマーでモグラ叩きの要領でゴリラの化け物の頭を打ち砕いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...