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EPISODE4 告白
告白②
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その翌日。
「行ってきます。今日もできるだけ早く帰るからね」
「うん。行ってらっしゃい」
「……蒼ちゃん。俺、大学に行きたくない」
「え? なんで? 大学で何かあったの?」
突然拗ねたような顔をする怜音の顔を、慌てて覗き込む。もし怜音まで自分と同じように引き籠ってしまったら……そう思えば、心中穏やかではない。
「だって、蒼ちゃんとずっと一緒にいたいんだもん。だから、大学もバイトも行きたくない」
「怜音君……急にどうしたの?」
「俺、蒼ちゃんから離れたくない」
突然駄々を捏ねながら自分にしがみついてくる怜音の体を、必死に受け止める。自分よりも体格のいい怜音に飛びつかれて、もう少しで尻もちをつくところだった。
――あぁ、なんて可愛らしいんだろう。
蒼汰は怜音の体を強く抱き締め返した。
「俺も怜音君と離れるのが寂しいよ」
「本当に?」
「うん、本当だよ。でも怜音君はちゃんと大学に行かないと……。俺みたいになったら駄目だよ。怜音君が帰ってくるのを待ってるから」
「蒼ちゃん……」
「行ってらっしゃい」
怜音の前髪を掻き分けて、額にそっとキスをする。素直に感情をぶつけてくる怜音が、蒼汰にはとても愛おしく感じられたから。
子供のように不貞腐れた顔をしている怜音を、大学へと送り出す。
「蒼ちゃん……」
「いい子だから、行っておいで」
扉が閉まるのを確認してから、大きく息を吐く。最後の最後まで駄々を捏ね続けた怜音を見ていると、可笑しくなってしまった。
最近は怜音のおかげで、朝にはきちんと起きて、夜には眠るという生活リズムに戻りつつある。怜音が大学に行っている間に、掃除や洗濯といった家事だって、少しずつこなせるようにもなってきていた。
「ちゃんと朝起きられて偉いね」
こんな当たり前のことで、怜音は蒼汰を褒めてくれる。まるで犬がお手をしたときのように、嬉しそうな顔をしながら頭を撫でてくれるのだ。
だから、蒼汰は少しずつ立ち直れてきているのかもしれない。そう、怜音があまりにも優しいから。
アパートに一人取り残された蒼汰は、突然寂しさに襲われる。怜音がいるときには、彼の明るい声と笑い声が響き渡っているのに……。独りぼっちの部屋はとても静かで、広く感じられた。
「寂しい」
怜音と暮らすようになってから、再び感じるようになった寂しさ。でも、恋人を失ったときの寂しさとは違うものだった。
怜音と一緒にいるときはあんなにも幸せなのに、一人になった瞬間寂しさを感じてしまう。それでも、怜音のことを思い出せば、まるでココアを飲んだときのように心が温かくなった。
蒼汰は静かに窓際に近付いて、カーテンの隙間から外を盗み見る。まだ怜音は、アパートの近くにいるだろうか。後ろ姿だけでもいいから、見てみたい。強い衝動に駆られた。
窓の外の景色を見た蒼汰は、思わず溜息を吐いた。
「わぁ……綺麗」
街は朝日を受けキラキラと輝いている。こんなにも朝日は眩しかったのか……と驚いてしまった。
学校へと向かう小学生たちが、楽しそうに笑いながら学校へと向かい走って行く姿に、スーツを着たサラリーマンが颯爽と自転車を漕いでいる姿。すぐ近くの大通りにはたくさんの車が走っていた。
世界はこんなにも慌ただしい朝を迎えているのに、蒼汰の周りの時間は止まったままだ。その現実を目の当たりにしてしまうと、自分の不甲斐なさを感じてしまう。
――どうして自分は、こんな薄暗い世界にいるのだろうか?
強い焦燥感に無力感。この世界から消えてしまいたいとさえ感じた。
その瞬間、横断歩道を渡り切った怜音がアパートを振り返る。目が合ったように思えたのは気のせいだろうか……。
蒼汰は咄嗟にカーテンを閉めて、床に蹲る。
「どうしよう……」
まさか、怜音を盗み見ていたことがバレてしまっただろうか……。心臓がドキドキと高鳴り出す。
ヒートは落ち着いてきていたけれど、思わず怜音の洋服を抱き締めた。
「行ってきます。今日もできるだけ早く帰るからね」
「うん。行ってらっしゃい」
「……蒼ちゃん。俺、大学に行きたくない」
「え? なんで? 大学で何かあったの?」
突然拗ねたような顔をする怜音の顔を、慌てて覗き込む。もし怜音まで自分と同じように引き籠ってしまったら……そう思えば、心中穏やかではない。
「だって、蒼ちゃんとずっと一緒にいたいんだもん。だから、大学もバイトも行きたくない」
「怜音君……急にどうしたの?」
「俺、蒼ちゃんから離れたくない」
突然駄々を捏ねながら自分にしがみついてくる怜音の体を、必死に受け止める。自分よりも体格のいい怜音に飛びつかれて、もう少しで尻もちをつくところだった。
――あぁ、なんて可愛らしいんだろう。
蒼汰は怜音の体を強く抱き締め返した。
「俺も怜音君と離れるのが寂しいよ」
「本当に?」
「うん、本当だよ。でも怜音君はちゃんと大学に行かないと……。俺みたいになったら駄目だよ。怜音君が帰ってくるのを待ってるから」
「蒼ちゃん……」
「行ってらっしゃい」
怜音の前髪を掻き分けて、額にそっとキスをする。素直に感情をぶつけてくる怜音が、蒼汰にはとても愛おしく感じられたから。
子供のように不貞腐れた顔をしている怜音を、大学へと送り出す。
「蒼ちゃん……」
「いい子だから、行っておいで」
扉が閉まるのを確認してから、大きく息を吐く。最後の最後まで駄々を捏ね続けた怜音を見ていると、可笑しくなってしまった。
最近は怜音のおかげで、朝にはきちんと起きて、夜には眠るという生活リズムに戻りつつある。怜音が大学に行っている間に、掃除や洗濯といった家事だって、少しずつこなせるようにもなってきていた。
「ちゃんと朝起きられて偉いね」
こんな当たり前のことで、怜音は蒼汰を褒めてくれる。まるで犬がお手をしたときのように、嬉しそうな顔をしながら頭を撫でてくれるのだ。
だから、蒼汰は少しずつ立ち直れてきているのかもしれない。そう、怜音があまりにも優しいから。
アパートに一人取り残された蒼汰は、突然寂しさに襲われる。怜音がいるときには、彼の明るい声と笑い声が響き渡っているのに……。独りぼっちの部屋はとても静かで、広く感じられた。
「寂しい」
怜音と暮らすようになってから、再び感じるようになった寂しさ。でも、恋人を失ったときの寂しさとは違うものだった。
怜音と一緒にいるときはあんなにも幸せなのに、一人になった瞬間寂しさを感じてしまう。それでも、怜音のことを思い出せば、まるでココアを飲んだときのように心が温かくなった。
蒼汰は静かに窓際に近付いて、カーテンの隙間から外を盗み見る。まだ怜音は、アパートの近くにいるだろうか。後ろ姿だけでもいいから、見てみたい。強い衝動に駆られた。
窓の外の景色を見た蒼汰は、思わず溜息を吐いた。
「わぁ……綺麗」
街は朝日を受けキラキラと輝いている。こんなにも朝日は眩しかったのか……と驚いてしまった。
学校へと向かう小学生たちが、楽しそうに笑いながら学校へと向かい走って行く姿に、スーツを着たサラリーマンが颯爽と自転車を漕いでいる姿。すぐ近くの大通りにはたくさんの車が走っていた。
世界はこんなにも慌ただしい朝を迎えているのに、蒼汰の周りの時間は止まったままだ。その現実を目の当たりにしてしまうと、自分の不甲斐なさを感じてしまう。
――どうして自分は、こんな薄暗い世界にいるのだろうか?
強い焦燥感に無力感。この世界から消えてしまいたいとさえ感じた。
その瞬間、横断歩道を渡り切った怜音がアパートを振り返る。目が合ったように思えたのは気のせいだろうか……。
蒼汰は咄嗟にカーテンを閉めて、床に蹲る。
「どうしよう……」
まさか、怜音を盗み見ていたことがバレてしまっただろうか……。心臓がドキドキと高鳴り出す。
ヒートは落ち着いてきていたけれど、思わず怜音の洋服を抱き締めた。
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