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第三章 狼の涙が枯れた時
狼視点⑦
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「俺との番が解消されても、お前が苦痛に耐えきれなければ、寛太と番になるどころか、普通に生きてくことすらできなるかもしれないぞ?」
莉久の言葉に、一瞬だけ航の顔が強張ったけど、またいつもみたいにおどけて見せた。
「大丈夫!耐えてみせるから。だから……」
莉久に自分の右手を差し出した。
「待って!」
俺は咄嗟に航の手を掴んでしまった。
「航、お前……本当にそれでいいのか?」
何度も何度も確認してしまう。
次の瞬間、俺は優しく航に唇を奪われた。
「馬鹿寛太、愛してるよ」
それを聞いた莉久が航の手をそっと掴み、手の甲を見つめた。
「莉久、俺は大丈夫だから。お願いだ」
それぞれ三人が抱く悲痛な思いが交差した瞬間……。
莉久が、航の手の甲に噛み付いた。
痛みから顔をしかめる航。その血液が床に滴った。
「ありがとう、莉久。迷惑かけてごめんな」
航が微笑んだ。
「絶に対耐えてくれ!そして……寛太と……お前が大好きな寛太と番になるんだぞ」
音もなく涙を流しながら、莉久が航を抱き締めた。それはとても愛しい人を抱き締めているように見えて……。
俺は切なくなった。
大丈夫だよ、莉久。
今度こそ、俺が航を守るから。
絶対に、守ってみせるから。
心の中で、静かに炎が燃え上がった。
大丈夫だ、俺達なら乗り越えられる。
「じゃあ帰るか」
航に手を差し出せば、嬉しそうに手を掴んでくる。
手を繋いだまま、莉久のほうを振り返った。
「莉久……航を手放してくれてサンキュ」
悪戯っぽく笑えば、
「黙れ。さっさと行っちまえ」
そっぽを向かれてしまう。
「ありがとう」
そう言い残して、莉久の家を後にした。
自分の家に戻って、心の底から安堵する。
隣に航はいるし。
敷きっぱなしの布団に座り込んで、航に「こっちに来い」と手招きする。
隣にちょこんと座り込んだ瞬間、力一杯抱き締めた。
「俺の為にありがとう」
そっと囁けばくすぐったそうに笑う。
「死ぬ程の苦しみ、お前は怖くないの?」
顔を覗き込めば、一瞬泣きそうな顔をしてしがみついてきた。
「本当は、怖くて怖くて仕方ない」
健気にも、俺に心配をかけまいと気丈に振る舞っていたのかと思うと愛しさが込み上げてくる。
「寛太の笑顔を俺にちょうだい。お前が笑っててくれれば、俺、なんだって頑張ってける気がする」
甘えたように体を寄せてくるから、髪を撫でてやる。
「大丈夫……どんな時でも必ず隣で笑ってるよ」
航をそっと引き離して、その瞳を見つめた。
「この俺の愛に、溺れちゃいな……」
かっこつけて言ったつもりなのに、航が声を出して笑ってるから逆に恥ずかしくなってしまった。
「ダッセェよ……」
「うるせぇなぁ……」
抱き締め合えば、お互いの穏やかな鼓動を感じられた。
そっとキスを交わして、口には出さないけど誓い合う。
何があっても絶対に離れないと。
「寛太……寛太……」
突然、航の呼吸が荒くなり、全身が硬直する。
「来たかもしれない……死ぬ程の苦しみが……」
息を切らして、でも必死に笑ってくれる。
「大丈夫、俺がずっと傍にいて、お前を支えてる……だから怖くない」
「寛太……愛してるよ……」
航の頬を涙が伝い、そのまま意識を手放した。
死ぬ程の苦しみに、俺達は今から立ち向かう。
怖くて仕方ねぇけど、俺達なら乗り越えられるんじゃないかって思うんだ。
「愛してるよ……航……」
狼の涙が枯れた時、その先には何が待ってるんだろうか。
多分、いや絶対、大好きなあいつの笑顔が待っててくれるはずだ。
莉久の言葉に、一瞬だけ航の顔が強張ったけど、またいつもみたいにおどけて見せた。
「大丈夫!耐えてみせるから。だから……」
莉久に自分の右手を差し出した。
「待って!」
俺は咄嗟に航の手を掴んでしまった。
「航、お前……本当にそれでいいのか?」
何度も何度も確認してしまう。
次の瞬間、俺は優しく航に唇を奪われた。
「馬鹿寛太、愛してるよ」
それを聞いた莉久が航の手をそっと掴み、手の甲を見つめた。
「莉久、俺は大丈夫だから。お願いだ」
それぞれ三人が抱く悲痛な思いが交差した瞬間……。
莉久が、航の手の甲に噛み付いた。
痛みから顔をしかめる航。その血液が床に滴った。
「ありがとう、莉久。迷惑かけてごめんな」
航が微笑んだ。
「絶に対耐えてくれ!そして……寛太と……お前が大好きな寛太と番になるんだぞ」
音もなく涙を流しながら、莉久が航を抱き締めた。それはとても愛しい人を抱き締めているように見えて……。
俺は切なくなった。
大丈夫だよ、莉久。
今度こそ、俺が航を守るから。
絶対に、守ってみせるから。
心の中で、静かに炎が燃え上がった。
大丈夫だ、俺達なら乗り越えられる。
「じゃあ帰るか」
航に手を差し出せば、嬉しそうに手を掴んでくる。
手を繋いだまま、莉久のほうを振り返った。
「莉久……航を手放してくれてサンキュ」
悪戯っぽく笑えば、
「黙れ。さっさと行っちまえ」
そっぽを向かれてしまう。
「ありがとう」
そう言い残して、莉久の家を後にした。
自分の家に戻って、心の底から安堵する。
隣に航はいるし。
敷きっぱなしの布団に座り込んで、航に「こっちに来い」と手招きする。
隣にちょこんと座り込んだ瞬間、力一杯抱き締めた。
「俺の為にありがとう」
そっと囁けばくすぐったそうに笑う。
「死ぬ程の苦しみ、お前は怖くないの?」
顔を覗き込めば、一瞬泣きそうな顔をしてしがみついてきた。
「本当は、怖くて怖くて仕方ない」
健気にも、俺に心配をかけまいと気丈に振る舞っていたのかと思うと愛しさが込み上げてくる。
「寛太の笑顔を俺にちょうだい。お前が笑っててくれれば、俺、なんだって頑張ってける気がする」
甘えたように体を寄せてくるから、髪を撫でてやる。
「大丈夫……どんな時でも必ず隣で笑ってるよ」
航をそっと引き離して、その瞳を見つめた。
「この俺の愛に、溺れちゃいな……」
かっこつけて言ったつもりなのに、航が声を出して笑ってるから逆に恥ずかしくなってしまった。
「ダッセェよ……」
「うるせぇなぁ……」
抱き締め合えば、お互いの穏やかな鼓動を感じられた。
そっとキスを交わして、口には出さないけど誓い合う。
何があっても絶対に離れないと。
「寛太……寛太……」
突然、航の呼吸が荒くなり、全身が硬直する。
「来たかもしれない……死ぬ程の苦しみが……」
息を切らして、でも必死に笑ってくれる。
「大丈夫、俺がずっと傍にいて、お前を支えてる……だから怖くない」
「寛太……愛してるよ……」
航の頬を涙が伝い、そのまま意識を手放した。
死ぬ程の苦しみに、俺達は今から立ち向かう。
怖くて仕方ねぇけど、俺達なら乗り越えられるんじゃないかって思うんだ。
「愛してるよ……航……」
狼の涙が枯れた時、その先には何が待ってるんだろうか。
多分、いや絶対、大好きなあいつの笑顔が待っててくれるはずだ。
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