妻は六英雄だが俺はしがない道具屋です

どらごんまじっく

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神殿での戦い アリナ視点

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いよいよ、北の神殿の再封印を行うことになった……結局、三人とも浴場で犯されるのを聞いてしまい……精神的なダメージが残っているのが心配だ……

「アリナ、一人で大丈夫か」
珍しくゼロスが真っ当な事を聞いてくる。
「大丈夫、神剣の力を借りるから問題ないわ」
「ふっ……ならいいがな、失敗して手間かけさせるなよ」
もし失敗してもあなたの力なんて借りません……そう言いたいのを我慢した。

私は神殿の中心にある祭壇の前に立った……神剣ジュランディアを掲げて、意識を集中する……
「八方四元素の精霊たちよ……暗黒の力を封じしこの大地の地脈の流れにて、新たな百封の力と、千壁の守りにを与えたまえ……」

私の言葉に、北の神殿が大きく振動し始める……
「おい……アリナ……ちょっと様子がおかしいぞ……」
確かにゼロスの言うように、この振動は再封印の予兆ではない。

「くっ……封印を解いた連中……置き土産を残していったようね……」
祭壇には、再封印で発動する罠が施されていたようだ……空中に出現した魔法陣を見て、ゾッとする……
「魔神法印……アリナ! やべえぞ、早くそこから離れろ!」
「わかってる! だけど今離れたら封印が壊れる!」

封印が完全に壊れたら、再封印どころか一から封印を生成しなければいけなくなる……封印生成は一年はかかるので、その間に最悪な災いがくる可能性はかなり高い……

私はその場で封印の安定と再封印を同時におこなった……このままいけば再封印は完了することができるが……

だが、再封印が終わるより先に、空中の魔法陣から巨大な魔神が降臨してきてしまった……

魔神はその剣となる無数の腕を伸ばして私に攻撃を仕掛けてきた……今の私にはそれを避けることも防ぐこともできない……致命傷を覚悟して体を硬直させた。

だが、覚悟して目を閉じたが、私には何の衝撃も来ない……目を開けてみると、ゼロスがその大きな体で魔神の攻撃を代わりに受けてくれていた……
「ゼロス!」
「ふっ……痛えじゃねえか……」
さすがは腐っても六英雄……今、この場で神剣を使うと封印が崩壊するのを理解して、自らの体で攻撃を受けたようだ……そんな責任感と犠牲心があるとは本気で驚いた……

ゼロスが体で攻撃を受けてくれたおかげで再封印が完成した……祭壇が光の魔法陣に包まれ、神殿全体が聖なる力で覆われる。

私は神剣ジュランディアを構えて、魔神に必殺の奥義を発動する。
「天命翔破斬!」
魔神の体が光の帯に覆われて、体を次々に剥ぎ取っていく……やがて魔神の体は小さな玉くらいまでにすり減り、ポンと言う音とともに消滅した──
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