妻は六英雄だが俺はしがない道具屋です

どらごんまじっく

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東へ向かへ

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何かの情報を得たジアーノンさんが慌てて宿に戻ってきた。
「ヒュレル、残念だがアリナは西の神殿からさらに移動したそうだ」
「なんだって……それでどこに?」
「話では東の神殿に向かったようだけど……」
「それじゃ、俺たちも東に戻ろう」
「そうだな」

俺たちの目的はあくまでもアリナとの合流である……ルーリエのことも、昨日の話も、俺はこれ以上するつもりはない……確かにもうルーリエとはそんな行為をすることはないかもしれないけど、それでも大事な幼馴染であることは変わらないから……

すぐに東の神殿に向けて、馬車で向かった……昨日まで通ってきた道を戻る形で東へと向かう……

その日は深夜まで移動して、距離を稼いだ……そして遅くに宿に入ったのだけど……
「ヒュレル、もう取るのはふた部屋でいいから」
ルーリエがそう言ってくる。
「あ……そうか……」
「うん……私とジアーノンは同じ部屋で寝ることにしたから」
「わかった……」
「すまないねヒュレル……君はただの幼馴染だと聞いていたから、私はルーリエを愛してしまったんだよ……」
「いえ……俺にはアリナがいますから」
「そうだよね、アリナがいるのにルーリエともなんて贅沢なことだったよね……」
「はぁ……確かにそうです……」

ちょっと棘のある言い方に、いつものジアーノンさんとは違う何かを感じて、少しだけ怖くなった……

次の日、朝になってもなかなかジアーノンさんとルーリエが起きてこなかった……先を急ぎたいので俺は彼らの部屋に出向いた。
「あ……ごめん……昨日はすごく盛り上がっちゃって……さっきまでセックスしてたの……すぐに用意するから待ってて」
ルーリエは辱めもなくそう言った。

今日も深夜まで馬車を走らせてもらった……早くアリナに会いたい……もう……こんな旅、嫌だ……そう思い始めていた……

「ヒュレル、見るだけなら私とジアーノンのセックス見せてあげるけど、どうする?」
ルーリエが夜に俺の部屋にきてそう提案してきた……もちろんそんな話は断った……どうしたんだよルーリエ……変だよ……
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