【完結】Transmigration『敵陣のトイレで愛を綴る〜生まれ変わっても永遠の愛を誓う』

すんも

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覚醒

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 プロビデンス本部では、突然の朱雀出現に緊張が走った。

 司令官のマックが「あれは敵の新型兵器なのか?」と驚き、ティアを呼ぶと「ティア、至急玄武で現場に向かってくれ」と言った。ティアは「了解しました、至急現場に向かいます!」と言って玄武を出動させた。

 マックは「最近アニムスでは黒龍の開発が進み、ただでさえ勢力を増しているのに、更に新型となると厄介な事だぞ……」と言った。

 とにかく長官に知らせなくてはと「カミール、ホッジス長官に繋いでくれ!」とカミールに言った。

 そのころヘリオスはと言うと、朱雀に乗ったまま、どうしたら良いか解らずに戸惑っていた。隣りにいたブースが「あ! 玄武だ!」と上空を指差した。

 朱雀の前に玄武が降り立つと、玄武は攻撃体制になり「さぁお手並み拝見と行きましょうか!?」とティアは言った。朱雀と玄武の睨み合いが続く……朱雀は棒立ちのまま動く気配がない。

 しばらく沈黙が続き、ティアは「何故攻撃して来ないの? 余裕のつもり? そっちがその気なら……」と攻撃しようとした瞬間、朱雀から「あのぉ……」と声がした。 拍子抜けした玄武はコケそうになった。

 更に朱雀から「これってどうしたら降りられるか解ります?」と声がした。ティアは『新手の敵じゃないの?』と思い「あんた誰?」と聞いた。ヘリオスは「丘の上にある孤児院に住んでいるヘリオスですが……」と答えた。横からブースが元気よく「俺はブース!」と言った。

 ティアは「敵じゃないなら、こいつは何? しかも2人?」ティアは玄武から降りると、朱雀を見上げ「ちょっと、降りて来なさいよ」と言った。 

 ヘリオスが「降りたくても、その降り方が解らなくて……」と言うと、ティアは「玄武と同じなら、あんたが降りたいと思えば降りられるわよ!」と言った。

 ヘリオスが「降りたいんだけど……」と思うと『やっと通じました朱雀と申します、以後お見知り置きを』と頭の中で声がした。『それでは……』と声がすると、す~ っとティアの前にヘリオスとブースは降ろされた。 

 ブースは降りた途端走り出しティアに抱きつき「お姉さんが玄武に乗ってるの? 何時も黒龍から皆んなを守ってくれてありがとう!」と無邪気に言った。

 ティアは子供が降りて来たと、その子供が抱きついて来たことに驚いたものの「そうよ、玄武はお姉さんのパートナー、玄武とみんなを守るのがお姉さんのお仕事だからね!」と誇らしげに言った。

 ブースは「すげ~ 、かっこいい~」と尊敬の眼差しで、目をキラキラさせて言った。ティアは笑顔で「こう見えてもお姉さん、プロビデンスでESP能力値が1番の持ち主なんだから」と胸を張った。

 ティアはヘリオスの方を見ると、表情を一変してヘリオスを睨みつけ「こいつは、あんたの?」と聞いた。ヘリオスは「いや~ 、気がついたら中にいたってゆうか……」と頭をかいた。ヘリオスが頭をかくその手首に着いた黄金の龍がキラリと光った。

 ティアに「あんたのその手首に着いてるのって……」と言われ、ヘリオスは手首を見て自分の手首に着いてる物に初めて気づき「なんだよこれ!」と言って外そうと手を振るが外れない。ティアは、袖をまくり「これを見て!」と言って自分の手首に着いている物を見せた。ヘリオスはティアの手首を見ると「お揃いだ……」と言った。

 ティアは「別にお揃いじゃ……ホント調子狂うわね!」と言った。そして「こいつがプロビデンスが能力者をつぎ込んでも探し出せなかったもう1つのトリニティなのかも……?」とティアは考えた。

 ティアは「とりあえず本部に知らせなきゃ! あんたあたしに着いて来て!」とヘリオスに言った。ヘリオスが「着いて来てと言われても……」と言ったが、ティアは聞こえていない様子で、本部と話し出しを始めた。本部と通信していたティアは「えぇ、恐らく探していたトリニティかと……はい……はい、直ちに連れて戻ります!」と言って本部との会話を終えると通信を切った。

 ティアはヘリオスを見て「それじゃ行くわよ! あたしの後に着いてきて!」と言った。ヘリオスが「いやいや! 着いて来いって言われてもブースもいるし、ここに来る途中でニック…… 子供を待たせたままだから……」と言うと、ティアは「あんた2人も子供いるの?」と言って驚いた。

 ヘリオスはブースの頭に手を置くと「どう見ても俺の子供には見えないでしょ! 皆んな心配してるだろうし、丘の上の孤児院まで2人を送りたいんだけど!」と少し苛立ちながら言った。ティアはヘリオスが苛立ったことにも気付かないで「じゃ~とりあえず途中でニックとやらを拾って孤児院まで戻るわよ、案内して!」と言った。

 ヘリオスが「それなら……」と歩き出すと、ティアが「あんたバカ? それに乗りなさいよ!」 と言った。

 するとヘリオスの頭の中で『さっきから、それだのこいつだの全く失礼な女ですな、私には朱雀といったれっきとした名前が!』と声がした。思わずヘリオスは「プッ」と笑ってしまい、ティアが「何笑ってんのよ!」とヘリオスを睨んだ。

 ヘリオスは「どうやって乗れば?」と聞くと、ティアは「そいつがあんたを認めたんなら、乗せろって言えば乗せてくれるわよ!」と言った。

 するとまた頭の中で『本当に口の悪い女ですな!』と声がした。ヘリオスはティアに「こいつは朱雀だそうです」と言った。

 するとブースが「俺は玄武に乗りたい、ね~ いいでしょ?!」とティアにまとわりついた。 ティアは「しょうがないなぁ~」と言うとブースを連れて玄武に乗り込んだ。

 ヘリオスは朱雀を見上げると「乗せてくれるか?」と聞いた。朱雀が『承知しました。』と言うとヘリオスの体は宙に浮き朱雀へと吸い込まれて行った。ティアとヘリオスは途中ニックを拾うと孤児院へと向かった。

 孤児院の前に玄武と朱雀が降りると、玄武の前に子供達が集まってきた。

 その子供達の相手をしているティアを見て、ヘリオスは「口は悪いけど、子供には優しいんだな」と思った。ヘリオスの頭の中で『悪いやつでは無さそうですな』と朱雀の声がした。

 ヘリオスはシスターに事の経緯を説明し、これからティアと一緒にプロビデンス本部に向かう事を伝えた。シスターは「あらあら、大変な事になったわね…… 夕飯までには帰って来るんでしょ?」と友達とでも遊びに行くかのように言った。

 ヘリオスがティアの方に目をやると、ティアは「そんなのあたしにも解らんないわよ!」と言った。ヘリオスは「ごめんシスター、いつ帰れるか解らないらしい……」と言うと、シスターは「あらそう、気を付けて行ってらっしゃい」と言った。ヘリオスは『事の経緯を説明したが、本当にシスターは理解したのだろうか……?』と思いつつ、子供達と別れティアとプロビデンス本部に向かった。

 ティアと一緒にプロビデンス本部に到着すると、ヘリオスは案内されるがままにホッジス長官の部屋へ通された。

 部屋に入るとホッジス長官は座ったまま「君がヘリオスか」と聞いた。ヘリオスが立ったまま「はい!」と答えると、ホッジス長官は「ティアから話しは聞いている、何でトリニティを発動させてしまったんだ」と言った。ヘリオスは「発動も何も……」と言うと、ホッジス長官は「トリニティが見つかった場合に備えて、軍ではESP能力の高い者を準備していたのに……」と言った。

 ホッジス長官は「こうなってしまった以上仕方がない、民間人の君には申し訳ないが、本日より軍に所属してもらう他ない」と言った。ヘリオスが「俺が軍人ですか?」と驚くと「これは決定事項だ!」とホッジス長官は言った。

 そこへコンコンとドアをノックする音がしてホッジス長官が「入りたまえ」と言うと、マック司令官が「失礼します」と言って入ってきた。

 マック司令官は「ご報告です、トリニティが有ったと思われる場所の調査結果が出ました」と言った。ホッジス長官が「それで?」と聞くと、マック司令官は「穴からは割れた物を含め壺が5つ見つかり、どの壺の中にも白骨化した人骨が入っていたとのこと。この壺がピラミッド状に並べられ、その中心にトリニティが有ったものと、恐らくこれが結界になっていたと思われます」と報告した。

 ホッジス長官は「そこにたまたま黒龍が落ちたのか…… 調査の件は了解した、とりあえずヘリオス君の事は君に任せる」と言った。

 マック司令官に「それではヘリオス君着いてきなさい」と言われ、ヘリオスはマック司令官の後ろに着いて部屋を出た。マック司令官が「とりあえず君のESP能力値を測りたい」と言った。この頃になるとESP能力を測る装置が開発されていた。

 廊下を歩いていると、壁に寄り掛かっている男がいた。マック司令官が「アレス、どうした?」と言った。アレスは「俺が貰うはずだったトリニティを横取りしたヤツが、どんなヤツか見て置こうと思って」と言った。ヘリオスは「別に横取りしたわけじゃ……」と言った。

 マック司令官は「いいから自分の持ち場へ戻れ!」とアレスに言った。アレスは、ふてくされた様子で「はいはい」と言って壁から離れると、ヘリオスを見て「俺はお前なんか絶対認めないからな!」と言って立ち去った。
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