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しおりを挟む銃撃の音がした。人の肉が焦げる匂いがした。それを今もなお、忘れられずに生きている。
まさに地獄という名の戦場を生き抜いた自分は、もう人とは呼べない何かになっていた。手は血で汚れ、身体中に傷。もうこのまま生きていることすら辛かった。
しかし、18という若年で軍人としてなりあがった自分を、国が放っておくわけがなかった。優秀な魔術師として軍人となった以上、戦争で使わないわけがない。18の少女は、人を焼いた匂いを忘れることもなく、次々と人間を殺し続けた。自分の魔術は火炎。その調節な自分でできる。ろうそくに火をつけることから、人間を100人焼き殺すことだって出来る。自分にはその力があることは、既に知っていたのだ。
だからこそ、長い地獄が一旦息をひそめ、一つの隣国がつぶれる頃には人間として生きたいと願ったのだ。この戦争を必ず止めてみせると、20歳の時に決意したのだ。
決意をしたその世界を生き抜くのは一人の男性でも厳しい世界だ。それをまだ20歳の女が生き抜こうとしているのだ。それは厳しいだけではない。苦しみも痛みも、悔しさも何もかもを飲み込むような思いだった。
気付けば戦争を止めて見せるために人間を殺していた。上層部に逆らえる力はなく、それなりの階級を手に入れるまでには各地を巡って人を殺した。燃やした。何人も何十人も。その中には子供もいた。身ごもっている女性もいた。愛する人がいる者だっていただろう。しかしそれを考えてしまえば、もう戦えない。あの時はひたすら、戦うことばかりを考えていた。
その激務の結果、エリオット・スタンリーという天才魔術師は中佐という階級を手に入れた。なおかつ、今まで戦線と言われてきた北方から離れ、この国で一番治安のよい東方支部へ配属となったのだ。25歳という若さで中佐に上りつめたエリオットを、周りの人間は良く思いはしなかった。どうせ身体を使ってのし上がったのだろう、などと根の葉もない噂ばかりが東方支部に溢れていた。
地獄を生き抜いた戦場の英雄。しかし、裏を返せばそれは悪魔という言葉でもある。エリオットは東方支部に配属が決まってもしばらくの間は、誰一人として近寄っては来なかった。しかし、ある時東方支部の司令官マイルズに呼び出された。
そして、一人の補佐官を付けるように言い渡された。それがマリアだった。金髪に青い目の女。背丈は低い。彼女は中央支部の出身だと、見た目ですぐにわかった。マリアの階級は少尉だという。階級で言えばエリオットの方が上だが、年齢ではマリアのほうが2歳年上だという。つまりは、
「貴女、南方の隣国との地獄のような戦場を生き抜いた英雄…エリオット・スタンリーさんよね?」
補佐官であるマリアは中位であるエリオットに用意されている自室に入るや否や、声をかけてきた。
「別名、地獄の烈火の魔術師…」
「君が私を軽蔑するのであれば構わない。根の葉もないような噂を信じていようが、しっかりと補佐官として働いてもらうぞ」エリオットはさっさと椅子に座って書類に向き合った。
どうせ、この女も他の人間と同じだ。戦場にいた経験などないくせに戦場のことを簡単に語る。エリオットのいた戦場は悲惨だった。隣国の魔術師は優秀で、何名もの仲間が死んでいった。仲間が死ぬことは許せなかった。しかし、隣国の魔術師は己の見方も関係なく攻撃をしてきたのだ。魔術師の攻撃は魔術師にしか防ぎようがない。エリオットは身を挺してでも仲間たちを守ろうとしたが、守れなかった。
怒りに狂ったエリオットは抑えきれない炎で隣国の魔術師を焼いて殺したのだ。
その様子を見た仲間たちが、まるで悪魔のようだと言ったのが始まりだった。
「私は貴女のような聡明な人間を馬鹿にするほど、落ちぶれていませんよ。中佐」
「…それは一体、どういう事かな」
「実は私も、南方の戦場にいました。隣国の魔術師の攻撃を受けて動けなくなっていたところを救助されて、貴女が魔術師を殺したと聞いて誇らしく思いました。同じ国の軍人として、貴女は多くの仲間を殺されてその敵を討ってくれた…。殺された仲間の中には、私の友人もいました。ですから」
「私はただ、国に命令されたことをしたまでだ。敵を殺すことに何も思ってはいない。それに、仲間のことなど…私には重荷でしかない」
本当はそんなことを思ってはいない。仲間を重荷などと考えていなければ、いつかこの国に革命を起こすときにその仲間たちを巻き込むことになる。辛い思いをするのは永遠に自分だけで良い。
しかし、目の前のマリアは小さく笑った。
「中佐は本当に嘘が苦手ですね」
「なに?」
「先ほど言いましたでしょう。私は貴女に救われたのです。貴女のように身を挺して仲間を守ろうとする人間が、仲間を重荷などと思うわけがありません。いえ、本当に重荷と思っていても私は…貴女についていくと決めました。何かをお考えなのでしょう」
馬鹿を言え。聡明な女とは、お前のことじゃないか。
エリオットはにっこりと笑ったマリアにため息をついた。この女は戦場でのエリオットを知っていて、なおかつ、この先何を起こそうとしているのかを知っているのだ。青い澄んだ目に見つめられてはエリオットも何も言えなくなってしまった。
今日は冷える。雪が降りそうだ。
仕事を終えて、今日は珍しく一人で帰路についていた。大将という地位に着いてからというものの、こうして一人で出歩くことも少なくなった。それはそのはずだ。この国の革命を起こした一人、いや首謀者であるエリオットを暗殺しようとする人間は少なからずいる。だから毎日、補佐官のマリアが車を出してくれている。が、今日はお遣いもあったし、時間も早い。襲われたとしても、魔術師が一般の人間にどうこうされるようなことはない。
そういえば、仕事に追われているマリアも泣く泣く頷いた。彼女も毎日さばききれないほどの仕事に追われて、毎日毎日忙しく働いている。彼女の負担が少しでも減るのならばそれでもいい。
雪は降る前に帰ると部下たちに伝えると、彼らは口を揃えて「アレックスによろしく」と言った。エリオットとアレックスの関係は、東方支部でも知れ渡っていることである。今更恥ずかしがることはないが、部下にそう言われてしまうと恥ずかしくて頬が熱くなった。ほんの少し寒さが引いたような気がした。
お遣いの牛乳をぶら下げて早足で自宅へ向かう。エリオットの自宅は東方支部から歩いて15分程度のところにあるアパートだ。ここは夜になっても人通りが多いし、活気もあってよい。何よりも少し歩けば日用品が揃うのが良いところだ。車椅子生活のアレックスには暮らしやすいだろう。
大通りを抜けてせっせとアパートに向かう。鍵を出してドアを開くと、ふんわりと暖かい空気に乗ったシチューの良い香りがやってくる。ゆっくりとドアを閉めて自宅へ入ると、リビングの暖炉の前でアレックスが佇んでいた。いや、佇んでいるというよりも暖を取りながら読書にふけっている様子だった。彼はガタイこそいいが、結構勤勉で、趣味は読書だ。家の本棚には入りきらないほどの本がたくさんある。
「あ、おかえりなさい。早かったっすね」
リビングに入ってきたエリオットに気付いたのか、アレックスは本を閉じて机の上に置いた。そして車椅子を巧みに操って近づいてくる。今日はかなり冷えるのか、彼の足には毛布が掛けられていた。
「マリアが今日は早めに帰れと気を利かせてくれた」
「やっぱり中尉は優秀ですねー!他の奴らは元気してます?」
「ああ。レグもベネットも…ラフィも。皆、仕事に追われてはいるが元気にやっている」
「そうか、それは良かった。ああ、アンナは先月中央支部に移動になっちまったんでしたっけ。寂しいですね、まあ。あいつは頭いいからな。大将の代わりに中央支部で色々とやってくれてるでしょ」
「だといいが。アンナのことも心配だ。移動になってから何度か連絡は取り合っているものの、上層部から圧が掛かっていなければいいのだが」
レグ、ベネット、ラフィ。そしてアンナ。その4人は、マリアを筆頭にエリオットの革命に手を貸してくれた仲間たちだ。そしてレグとベネットは、アレックスの同期である。ラフィは一つ下で、アンナは二つ下の女の子だ。アレックスがいた時、5人は仲が良かった。そしてチームワークも良く、エリオットの下でよく働いてくれた。
しかし、1年前にアレックスが両足を失って退役した後。4人は何とも言えない苦しみに耐えていた。なぜなら、アレックスが両足を失った理由は敵の攻撃ではない。エリオットを襲った上層部からの攻撃だったのだ。アレックスはエリオットを守って、両足を失った。ただの銃撃であればエリオットも大したことではなかった。が、上層部はエリオットを殺すために魔術師専用の爆撃を用意してきたのだ。そして、それを防げずにエリオットが逃げ遅れた時。アレックスが飛び出してきたのだ。
アレックスのおかげでエリオットは無傷で済んだが、彼の両足は爆撃で粉砕し、骨も残っていなかった。膝上の足は残っていたものの、膝よりも下の足は両方とも粉砕し、血が飛び散っていた。痛みに悲鳴を上げるアレックスに、エリオットはすぐに処置を施した。不慣れではあるが、治療の魔術も習ってきた彼女は傷口を魔術で塞ぐと救急隊を呼んだ。
救急隊とマリア、レグたちが現場にたどり着いたころにはエリオットは気絶してしまった。部下の大量の血、痛みに苦しむ様子に耐えられなかった。その時、マリアは思いだした。この上司はただ戦場で人を殺すだけの軍人で、目の前で愛する人間が傷つくことすら知らない女性だということを。
「さ、外寒かったでしょ。手を洗って着替えてきてください。一緒に晩御飯食べましょ」
コンロに火を付けて、アレックスは笑った。
誰のせいでその足を失ったのだ。目の前にいる女の所為で、己の足を失ったというのに。どうしてそんなにも笑っていられるのだ。エリオットはうなずき、手を洗いに向かった。そして自室で軍服を脱いで私服に着替える。
アレックスが自分を恨んでいないことくらい、分かりきっていることだ。
あの時、もうアレックスとエリオットは恋人だった。周りの人間には知られていなかったものの、もう上司と部下という関係はとっくに超えていた。だから、彼が上司であり恋人であるエリオットを守ることが出来て幸せだと、笑顔で言った時。エリオットは初めて彼の目の前で泣いた。
厚手の手袋を取ってベッドに投げ捨てると、もう一枚ガウンを羽織る。結んでいた髪をほどく。軍服を脱いでゆったりとした服に着替えると、ほっと安心する。自分が今、ただの人間であると感じられるのだ。たったそれだけでまるで夢から覚めるように、現実から逃げられる。本当にエリオットはアレックスに感謝していた。今まで殺人兵器のように育て上げられ、戦場では何百もの人間を焼き殺した軍人を、ここまで人間に戻してくれたことに。
リビングに戻ると、いつもの食卓にシチューとパン、そして温野菜サラダが並んでいた。端から見れば質素な食事と思うかもしれないが、こうして寒い日に恋人と食事をできるだけで二人は幸せだった。
「今日は外に出られなかったんで、あんまり良い物じゃないですけど」
「構わないよ。君の作る料理は最高だからね」
二人で共に手を合わせていただきます、と言うと食事についた。
彼の作ったシチューはとても美味で、寒さに凍え切っていた身体を芯から温めてくれる。ほっと溜息が出て、エリオットは微笑んだ。
「美味しいな、相変わらず」
「でしょ?シチューだけは俺の自慢の手料理なんで」
付き合いたての頃、一度か二度。アレックスの借りていたアパートに出向いたことがある。理由はどちらも体調不良。怪我をして動けなくなったと聞いて、外回りのついでに顔を出したのだ。その結果、動けなくなったなんて言うのはでたらめで、彼曰く、医者に一日はちゃんと安静しておくことと念を押されてしまったとのことだった。しかし、体力馬鹿のアレックスはピンピンしていて、心配していたエリオットはため息をついたのだった。
それからすぐに帰ると言ったエリオットを引き留めて、アレックスは昼食にシチューをふるまったのだ。その頃はまた付き合うと言っても言葉だけの関係で、まだ上司と部下のような関係だったように思う。だからこそ、アレックスは気を利かせて、昼食をふるまってくれたのだろう。その時に食べたシチューが美味しくて、エリオットは感動した。
こんな乱雑な男に料理の才能があるなんて、と。
実はエリオットは料理が苦手だった。食事なんて腹が膨れれば何でもよいと考えていたので、アレックスと付き合う前は特に食事を気にすることはなかった。何もない時には食べないし、腹が減れば安いパンでも何でもよい。そんな彼女が、このシチューで変わったのだ。
だから、エリオットにはこのシチューが特別なのだ。
「身体、あったまりました?」
食事を終えた頃、アレックスが嬉しそうに問いかける。
「ああ。十分だ。アレックスはどうだ?先ほどから毛布を掛けているが」
「ちょっとね、やっぱり今日は冷えますから。傷口が痛んで…っと、薬はしっかり飲みましたよ。でも安静にして置いて損はないでしょ」
ぽんぽんと膝を叩いたアレックスに、エリオットの顔色が曇る。
被弾したアレックスの足は文字通り、膝から下を全て切除することになり(元々粉砕されてなかったのだが)、傷口は綺麗に治された。しかし、季節の変わり目や今日のように冷える日には傷口が痛むのだ。それはあれだけの大けがをしたのだ。1年2年で完全に傷口が塞がる訳ではない。
「湯浴びは済ませたのか?」
「あ、はい。エリーが返ってくる前に入っちゃいましたよ。それがどうかしました?」
「じゃあ私もさっさと湯浴びをして来よう。一人の夜は冷えるんだろう。今日は一緒に眠れる。なら、少しでも体を温めてやる」
ガウンを脱ぎながら、エリオットがそういうとアレックスは片づけていたコップを落としそうになった。まさか、朝に自分の言った言葉を覚えているのか。根に持っているのか。とアレックスは顔を真っ赤にした。
無言でリビングを出ていく彼女の後ろ姿に、アレックスははっきり言って興奮した。いや、愛しい恋人と一つ同じベッドで眠ることに興奮しない男はいないだろう。しかもあの綺麗な顔に豊満な胸、忌避閉まった細い腰、程よく筋肉の乗った丸い尻。それが隣にあるとして、興奮しない男がいるわけがない。ましてや、エリオットは魔術回路の影響で体温が通常に人間よりも高い。この季節でも薄いシルクワンピースの寝間着にガウンを着る程度だ。普段は布でしっかり隠されている身体が、そんな無防備にさらされるなんて。
考えただけでどうにかなりそうなアレックスはとりあえずベッドを直しに向かい、自分も寝間着に着替えた。
全く、人を弄んで楽しいかよ。なんてこんなに嬉しい日は久しぶりだ。
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