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カミラのバカ、怖かったよ!
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銃声が鳴り響き、地面に砲弾が爆発する音が戦場を揺るがす中、アニーの目には戦闘の一部始終が映っていた。遠くからでもわかるほど空気は硝煙と怒号に満ち、兵士たちが一斉に銃を構えて進軍し、そうして全てが終わった。
戦闘は終結し、マグワイアは動かぬ体となり、兵士たちは敵兵を無力化するために拘束した。
アニーはカミラの姿を探しながら、戦いの終わった戦場を駆け抜けた。彼女の視線がその中で唯一揺るぎないものを見つける。それはエナペーイが、カミラを抱き抱えるように歩く姿だった。
彼女は一歩、二歩と歩みを進め、カミラに駆け寄った。涙が頬を伝いながらアニーはカミラに手を伸ばし、その腕にしがみついた。
まさにその瞬間、アニーは戦いの終焉を感じ取ったのだった。
抑えきれない感情が胸の奥からこみ上げ、走り出したかと思うと、気がつけばカミラを力いっぱい抱きしめていた。
「カミラのバカ! 怖かったんだから、もう二度とこんなことしないで……!」
アニーは、カミラの首にしがみつき、心の中に張り詰めていた緊張が解けるのを感じた。その抱擁は二人の苦難を忘れさせるほど強く温かく、どこか神聖なものに思えた。
カミラは静かにアニーを抱き返した。何も言わずに、ただその場に立ち続ける二人の姉妹の姿は、戦場にいる者に深い感動を与えた。
エナペーイと、少し離れたところでケイドがこの光景を見守っていた。
ケイドはその口元にかすかな微笑みを浮かべていた。彼の胸には姉妹の再会を自らの手で守り抜いたという誇りと、二人のために戦った者としての喜びがあった。
周りに集まる味方の兵士たちも、穏やかな眼差しでその光景を見つめていた。その眼差しには、ただの戦友ではない、同じ人間としての共感が感じられた。
その一方で敵方の兵士たちは複雑な思いを抱きながらこの光景を見つめていた。彼らの中にはマグワイアへの忠誠心を未だに貫く頑固な忠義者もいれば、彼らが結果的に行なった非道を深く後悔する者、ただ状況に巻き込まれた者もおり、それぞれが違う想いを胸に抱えていた。
そんな中、ひときわ異様な眼差しを向ける者がいた。彼はマグワイアの熱心な支持者で、マグワイアと共にカミラたちの自宅まで押し寄せ彼女たちを拐おうとした一人である。
アニーはその視線に気づくこともなく、ただひたすらに姉を抱きしめ続けていた。姉を失うかもしれないという恐怖から今解き放たれ、涙が止まらない。
「カミラ。アニーも」
エナペーイは優しく二人に声をかけた。その言葉に促され、アニーとカミラは互いに支え合いながら立ち上がる。彼らを見守る者たちの温かな眼差しに包まれ、二人はゆっくりと歩き出した。
アニーはふと立ち止まり、二人を見上げた。涙で腫れた目に映る二人の姿には、彼女には理解できない何か特別な親密さが漂っているように感じられた。しかし、それが何なのかまでは思い至らない。
「ねえ、エナペーイ」
二人がアニーに顔を向けたその瞬間、彼女は胸を張るようにして続けた。
「戦争も終わったし、これでやっとカミラと結婚できるね!」
その言葉に、一瞬の沈黙が場を包んだ。カミラは驚いたように目を見開き、エナペーイは軽く目を伏せた。だが、その口元にはかすかな微笑が浮かび、それがかえってアニーには謎めいて見えた。
「アニー、はしゃぐのはやめて。私たち、まだ戦場にいるのよ」
カミラが言ったが、その頬には薄紅色に染まっていた。
「まあ、間違いではないけどな」
エナペーイがそう言って微笑むと、カミラは恥ずかしそうに彼を睨んだ。その瞬間、二人の間に短い視線の交錯があった。まるでそこにしか通じない秘密を共有しているかのような空気が、一瞬だけ流れた。
「さあ、アニー。戻るぞ」
エナペーイがカミラの肩を軽く叩きながら促すと、彼女は小さく頷きアニーの手を取った。
三人は穏やかな空気に包まれながら歩き出し、これからの新しい日々への一歩を踏み出した。
その瞬間。異様な空気が辺りに漂い、カミラの背後で何かがきらりと光るのが視界の端に映った。
速すぎた。
そのナイフを投げたのは、腕を縛られていた南軍中尉ネイサン・ウッドだった。
まるで生き延びたカミラに裁きを下すかのように鋭利なナイフを投げ、彼の憎悪はまっすぐ正確に彼女の喉元を狙いカミラに迫った。
彼の顔には勝ち誇った笑みが浮かんでおり、その表情には、一切の後悔もなければ、わずかな慈悲も見えなかった。
カミラの瞳が驚愕に見開かれる。その瞬間、彼女の意識はふっと消え、時間が止まったように感じた。周りの全てがぼんやりと遠のいていく中で、彼女の手がかすかに震え、呼吸が一瞬にして止まった。
もう何も感じることなく、カミラはゆっくりと地面へ崩れ落ちていった。
彼女の喉に突き刺さった短剣が微かに光を反射し、周囲にいる兵士たちの視線を一点に集めた。
カミラの体を抱えていたエナペーイは彼女の動きが止まったのを感じて、凍りついたように立ち尽くしていた。信じられないものを見るかのようにカミラの顔を見つめ、彼女の呼吸が完全に止まっていることに気づいた時、彼の表情は一瞬で絶望に染まった。
「カミラ……」
その名前が、彼の震える声から漏れ出た。
アニーは、目の前でカミラがゆっくりと崩れ落ちていくのを見つめながら、最初は何が起こったのかを理解できなかった。彼女の脳は現実を拒むかのように、ただ茫然としたままだった。本能的に手を伸ばし、倒れゆく姉の肩に触れようとしたが、その手は途中で止まり、冷え冷えとした感覚が全身に広がった。
カミラの喉元に突き刺さったナイフが、視界に飛び込んでくる。
ぼんやりとした思考の中で、アニーの頭に浮かんだのはただ一つの疑問だった。
「なんでナイフが、カミラの首に刺さってるの?」
その場にそぐわないほど、単純な疑問。目の前の現実があまりにも唐突で、理解が追いつかない。なぜこんなことが起こるのか、どうしてカミラがこんな形で傷つけられるのか、その考えすら浮かばない。ただ、不思議としか言いようのない感覚で、ナイフが首に突き刺さったカミラの姿をじっと見つめていた。
だって、カミラは医者見習いだ。多少の怪我なら治せる。
アニーはゆっくりと膝をつき、目の前に倒れ込んだ姉の体を見下ろした。土と血の匂いが混じり合う中、カミラの首に突き立った銀色のナイフがまるで異物のようにそこに存在している。
きれいな、誰よりもきれいなカミラ。
なぜこんなみじめな表情で、口を半開きにしながら眉をしかめて、顔が硬直しているのだろうか。
しとやかで品のある彼女は、アニーと二人きりの時でさえ、だらしのない姿を見せたことがないというのに。
アニーの指が震えながらナイフの柄へと伸びた。こんな場所に刺さっているから、きっとカミラは苦しいはずだ。早く抜いてあげなければ、苦しみが続いてしまうだろうと、ただそれだけを考えていた。
アニーは指先に力を込め、ナイフを引き抜こうとする。
だが何度も試みても、ナイフは彼女の手の中でびくともしない。早くしないとカミラがもっと痛い思いをするかもしれない。まるでこの刃が姉の体と一体化してしまったかのように感じられ、アニーの指先は焦りで震えた。
不思議なことだが、この一連の動作は数分ほどのことのようにも思えたが実際には十秒にも満たなかった。
気がつくと、アニーは拘束された腕を使い、懸命に体で支えようとするトンプソン中尉にしっかりと抱き止められていた。彼は縛られた腕を無理に動かし、アニーが少しでも動くのを阻止するようにしている。
「お嬢さん、危ねえぞ。あんたまで死ぬこたぁねえ」
その言葉が耳に届いた時、アニーは初めて震える声で
「え……?」
と応えた。
カミラはどんな危険にも怯まず、妹のために立ち向かう人だった。簡単に命を落とすような人間ではないはずだと、アニーは信じて疑わなかった。その背中はアニーにとって、唯一の拠り所だった。あの強い姉が、たかが一度の不意打ちで倒れるなどあり得ないと自分に言い聞かせずにはいられなかった。
だが何度そう思おうとも、カミラの体は動かない。
「カミラ……、起きてよ」
アニーは現実を受け入れられず、小さくつぶやいた。
戦闘は終結し、マグワイアは動かぬ体となり、兵士たちは敵兵を無力化するために拘束した。
アニーはカミラの姿を探しながら、戦いの終わった戦場を駆け抜けた。彼女の視線がその中で唯一揺るぎないものを見つける。それはエナペーイが、カミラを抱き抱えるように歩く姿だった。
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まさにその瞬間、アニーは戦いの終焉を感じ取ったのだった。
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「カミラのバカ! 怖かったんだから、もう二度とこんなことしないで……!」
アニーは、カミラの首にしがみつき、心の中に張り詰めていた緊張が解けるのを感じた。その抱擁は二人の苦難を忘れさせるほど強く温かく、どこか神聖なものに思えた。
カミラは静かにアニーを抱き返した。何も言わずに、ただその場に立ち続ける二人の姉妹の姿は、戦場にいる者に深い感動を与えた。
エナペーイと、少し離れたところでケイドがこの光景を見守っていた。
ケイドはその口元にかすかな微笑みを浮かべていた。彼の胸には姉妹の再会を自らの手で守り抜いたという誇りと、二人のために戦った者としての喜びがあった。
周りに集まる味方の兵士たちも、穏やかな眼差しでその光景を見つめていた。その眼差しには、ただの戦友ではない、同じ人間としての共感が感じられた。
その一方で敵方の兵士たちは複雑な思いを抱きながらこの光景を見つめていた。彼らの中にはマグワイアへの忠誠心を未だに貫く頑固な忠義者もいれば、彼らが結果的に行なった非道を深く後悔する者、ただ状況に巻き込まれた者もおり、それぞれが違う想いを胸に抱えていた。
そんな中、ひときわ異様な眼差しを向ける者がいた。彼はマグワイアの熱心な支持者で、マグワイアと共にカミラたちの自宅まで押し寄せ彼女たちを拐おうとした一人である。
アニーはその視線に気づくこともなく、ただひたすらに姉を抱きしめ続けていた。姉を失うかもしれないという恐怖から今解き放たれ、涙が止まらない。
「カミラ。アニーも」
エナペーイは優しく二人に声をかけた。その言葉に促され、アニーとカミラは互いに支え合いながら立ち上がる。彼らを見守る者たちの温かな眼差しに包まれ、二人はゆっくりと歩き出した。
アニーはふと立ち止まり、二人を見上げた。涙で腫れた目に映る二人の姿には、彼女には理解できない何か特別な親密さが漂っているように感じられた。しかし、それが何なのかまでは思い至らない。
「ねえ、エナペーイ」
二人がアニーに顔を向けたその瞬間、彼女は胸を張るようにして続けた。
「戦争も終わったし、これでやっとカミラと結婚できるね!」
その言葉に、一瞬の沈黙が場を包んだ。カミラは驚いたように目を見開き、エナペーイは軽く目を伏せた。だが、その口元にはかすかな微笑が浮かび、それがかえってアニーには謎めいて見えた。
「アニー、はしゃぐのはやめて。私たち、まだ戦場にいるのよ」
カミラが言ったが、その頬には薄紅色に染まっていた。
「まあ、間違いではないけどな」
エナペーイがそう言って微笑むと、カミラは恥ずかしそうに彼を睨んだ。その瞬間、二人の間に短い視線の交錯があった。まるでそこにしか通じない秘密を共有しているかのような空気が、一瞬だけ流れた。
「さあ、アニー。戻るぞ」
エナペーイがカミラの肩を軽く叩きながら促すと、彼女は小さく頷きアニーの手を取った。
三人は穏やかな空気に包まれながら歩き出し、これからの新しい日々への一歩を踏み出した。
その瞬間。異様な空気が辺りに漂い、カミラの背後で何かがきらりと光るのが視界の端に映った。
速すぎた。
そのナイフを投げたのは、腕を縛られていた南軍中尉ネイサン・ウッドだった。
まるで生き延びたカミラに裁きを下すかのように鋭利なナイフを投げ、彼の憎悪はまっすぐ正確に彼女の喉元を狙いカミラに迫った。
彼の顔には勝ち誇った笑みが浮かんでおり、その表情には、一切の後悔もなければ、わずかな慈悲も見えなかった。
カミラの瞳が驚愕に見開かれる。その瞬間、彼女の意識はふっと消え、時間が止まったように感じた。周りの全てがぼんやりと遠のいていく中で、彼女の手がかすかに震え、呼吸が一瞬にして止まった。
もう何も感じることなく、カミラはゆっくりと地面へ崩れ落ちていった。
彼女の喉に突き刺さった短剣が微かに光を反射し、周囲にいる兵士たちの視線を一点に集めた。
カミラの体を抱えていたエナペーイは彼女の動きが止まったのを感じて、凍りついたように立ち尽くしていた。信じられないものを見るかのようにカミラの顔を見つめ、彼女の呼吸が完全に止まっていることに気づいた時、彼の表情は一瞬で絶望に染まった。
「カミラ……」
その名前が、彼の震える声から漏れ出た。
アニーは、目の前でカミラがゆっくりと崩れ落ちていくのを見つめながら、最初は何が起こったのかを理解できなかった。彼女の脳は現実を拒むかのように、ただ茫然としたままだった。本能的に手を伸ばし、倒れゆく姉の肩に触れようとしたが、その手は途中で止まり、冷え冷えとした感覚が全身に広がった。
カミラの喉元に突き刺さったナイフが、視界に飛び込んでくる。
ぼんやりとした思考の中で、アニーの頭に浮かんだのはただ一つの疑問だった。
「なんでナイフが、カミラの首に刺さってるの?」
その場にそぐわないほど、単純な疑問。目の前の現実があまりにも唐突で、理解が追いつかない。なぜこんなことが起こるのか、どうしてカミラがこんな形で傷つけられるのか、その考えすら浮かばない。ただ、不思議としか言いようのない感覚で、ナイフが首に突き刺さったカミラの姿をじっと見つめていた。
だって、カミラは医者見習いだ。多少の怪我なら治せる。
アニーはゆっくりと膝をつき、目の前に倒れ込んだ姉の体を見下ろした。土と血の匂いが混じり合う中、カミラの首に突き立った銀色のナイフがまるで異物のようにそこに存在している。
きれいな、誰よりもきれいなカミラ。
なぜこんなみじめな表情で、口を半開きにしながら眉をしかめて、顔が硬直しているのだろうか。
しとやかで品のある彼女は、アニーと二人きりの時でさえ、だらしのない姿を見せたことがないというのに。
アニーの指が震えながらナイフの柄へと伸びた。こんな場所に刺さっているから、きっとカミラは苦しいはずだ。早く抜いてあげなければ、苦しみが続いてしまうだろうと、ただそれだけを考えていた。
アニーは指先に力を込め、ナイフを引き抜こうとする。
だが何度も試みても、ナイフは彼女の手の中でびくともしない。早くしないとカミラがもっと痛い思いをするかもしれない。まるでこの刃が姉の体と一体化してしまったかのように感じられ、アニーの指先は焦りで震えた。
不思議なことだが、この一連の動作は数分ほどのことのようにも思えたが実際には十秒にも満たなかった。
気がつくと、アニーは拘束された腕を使い、懸命に体で支えようとするトンプソン中尉にしっかりと抱き止められていた。彼は縛られた腕を無理に動かし、アニーが少しでも動くのを阻止するようにしている。
「お嬢さん、危ねえぞ。あんたまで死ぬこたぁねえ」
その言葉が耳に届いた時、アニーは初めて震える声で
「え……?」
と応えた。
カミラはどんな危険にも怯まず、妹のために立ち向かう人だった。簡単に命を落とすような人間ではないはずだと、アニーは信じて疑わなかった。その背中はアニーにとって、唯一の拠り所だった。あの強い姉が、たかが一度の不意打ちで倒れるなどあり得ないと自分に言い聞かせずにはいられなかった。
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