【完結】こちらダンジョン前雑貨店〜お客様は神様、勇者様、魔王様〜

はれはる

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第二章〜勇者と魔王

魔王

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俺と魔族のバロル、暗闇のエルフであるエオルはしばらくして目的地である谷底に到着する。

周囲は岩に囲まれ薄暗く湿ってい重い空気が漂っている。

奥からはガチャガチャと音を立てゆっくりと歩いてくる死霊騎士の群れ。
100体はいるんじゃないか!?

エオルは地面に両手をつけ大地のマナを操る。

「大地よ!流砂となれ!」

死霊騎士たちの地面が水分を含んだ砂状になり徐々に足を取られ動きが鈍くなっていく。

「なかなかやるね。じゃあ次は僕の番かな」

バロルは近くにあった大岩を表情を変えずにゆっくりと持ち上げ死霊騎士たちの頭上に放り投げる。
大岩が地面に着地するとともに周囲は大きく揺れ死霊騎士達は地中へ沈んだ。

勇者を見てある程度予想はしていたが魔族のフィジカルも化け物級だな。

「下がって!何か様子が変よ!」

大岩の下から黒い霧のような気体が上り一箇所に集まっていく。
それはブラックホールのような黒い塊となり空中に浮かぶ。
そして黒い塊からゆっくりと馬に乗った首なしの甲冑を着た大柄の騎士が姿を現す。

死を予言する者
『デュラハン』だ

デュラハン自体の体格も大柄だが騎乗している馬も大きく、頭上から見下ろされる圧力は半端ない。

デュラハンは静かにランスをこちらに向けると一気に加速し突撃する。

俺は両手にガルヴォルンを纏い横に薙ぎ払うが肩の肉が一部抉れてしまう。

「なんつー重い一撃だよ。致命傷を避けるので精一杯だ」

その時横からもの一瞬で近づいてきた影がデュラハンの跨る馬の横腹に向かって拳を叩き込み大穴を開ける。
デュラハンは地面に転げ落ち馬はそ大地に崩れ落ちる。

ゆっくりと立ち上がる首なしのデュラハンの全身からは怒りと悲しみのオーラを感じる。

バロルは怪我を負った肩を抑える俺と怒りに満ちたデュラハンを見て悲しい表情を浮かべる。

「やっぱり僕なんかとパーティーを組むべきじゃなかったね。魔王は存在するだけで魔物を引き寄せる存在なんだ。本来ここにこんな数の魔物はいないはずだし、ここまで強力な魔物も出ないはずなんだ。僕と一緒にいなければ君もそんな怪我をすることはなかったんだ」


魔王…今目の前にいる仲間は自尊のことをそう言った。
普通はその言葉を聞いてショックを受けるのだろうか?

俺の感想はこうだ



『魔王って案外普通だな』



一緒に美味いもん食う時は笑っていて
辛い時は悲しい表情もする
不便な体質を持ってるだけの普通の存在だ


彼を悲しませたのは俺が弱かったからだ
俺が魔王のそばにいても平気な位強かったらいい

俺は立ち上がり両腕に自信のマナと周囲のマナをありったけ注ぐ。
両腕は真紅に染まり周囲の空気が熱気で揺らめいている。

「いいや。お前とパーティーが組めて嬉しいよ。こんな強敵と戦うことが出来るなんて最高じゃないか」

俺はデュラハンが持つランスを蹴り飛ばし体制が崩れたところに何度も殴りかかる。
デュラハンの纏う甲冑はボコボコに変形していき、熱で真っ赤に染まっていく。
その衝撃に耐えきれず地面に膝をついたデュラハンに対し俺は手刀を繰り出すとその鎧は左右に裂け砂のように崩れ落ちていった。

地面には巨大な闇の魔法石と俺が蹴飛ばしたランスが転がっていた。

「見たかバロル。この程度の魔物大したことねーよ」

バロルは俺の言葉に静かに微笑んでいた。

「全く無茶する人だ。僕がそばにいないと危なっかしくて見てられないな」

「ああ…そうだな。頼むよ」

「もしよかったらこのランス記念に貰ってもいいかな?」

「それ馬上で使う槍だろ?知り合いに腕の良い鍛冶師がいるんだ。もしよかったら使いやすい武器に作り変えてもらおうか?」

別にそのまま渡してもよかったんだが
このまま別れてしまうとバロルが消えてしまうんじゃないかと思いまた会うための口実作りをした。
武器の形状はお任せでいいらしい。案外適当なんだな。


「はぁ…まったく。まさか魔王とパーティーを組んじゃうなんてね。うちの店長はほんと規格外だわ」

「ん?なんか言ったか?」

「いいえ。なんでもないわ。こんな辛気臭いところ、さっさと離れて美味しいご飯でも食べましょ」

「おお!魔王様と初冒険記念日だな!なぁバロル!なんか食いたいもんないか?」

「ふふふ。うちの店長にかかれば魔王と勇者が一緒に冒険できる日が本当に来るかもね」



さて!今夜豪勢にステーキだ!

味付けはシンプルに岩塩と黒胡椒。
まず常温に戻した肉を筋切りし味付けをする。牛脂を入れ熱したプライパンで表面に焼き目をつけたらフライパンから肉をとりだし、アルミホイルに包んで余熱でじっくり中まで火を通したら完成だ。

今日は魔王様も招待し従業員一同で歓迎する。

「「「「「いただきまーす」」」」」

美味い!サシの入った柔らかいも牛肉美味しいが、俺は断然赤身肉派だ!赤身特有の旨みに俺は今肉を食ってる!って気分にさせてくれる。

「「「「「ごちそうさまでした」」」」」

ふぅ…腹一杯だ…なんだか眠くなってきた……


「…イ!…パイ!…センパイ!起きてください!大変なこのになってますよ!」
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