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第二章〜勇者と魔王

異世界魔女探究の地へ

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「ん~。なんだよ朝っぱらから」

「あ、おはようございます店長」



なんでここにいるんだお前…



うちの従業員の一人瓶底眼鏡魔女のマギが俺の部屋にいた。
どうやら満腹になった俺たちはリビングのソファに座ってくつろいでいる途中で寝落ちしてしまっていたらしい。
ちなみにエオルは早々にお風呂に入り自室に戻っていたらしい。

薄情なやつだ。

バロルは遅くなるといけないと帰ったとのこと。

来ちまったもんはしょうがないか。とりあえず今日一日面倒みないとな。

「店長!これなんですか?は~離れた場所と通話できる魔道具ですか。すごい!こんな綺麗な映像が!これはどういう仕組みなんですか?」

マギはこっちの世界の技術に興味津々だが生憎異世界人に説明できるほどの頭が俺にはない。とりあえずこの世界には魔法が無く、その代わり技術が発達した世界としか説明できない。

「店長!せっかくなんでこの世界を案内してください!こんな機会人生であるかないかですよ!」

なんだろう俺の店にいる限り今後も起きそうな気がするが。

まあいいや。つきあってやるか。

せっかくなので朝食はこっちの世界でしか食べれないファーストフードにしよう。
いわゆる朝バーガーのセットだ。

「いらっしゃいませー。店内でのお食事ですか?」

俺たちはメニューを見ながら適当なセットメニューを頼む。

「え!?頼んで30秒も経ってなんのにもう来ましたよ!?いくらなんでも早すぎないですか!?魔法ですかコレ!?」

「企業努力ってやつだ」

「キギョウドリョク…ものすごい魔法です」

魔法じゃないって

「ん~。この芋をあげて塩をまぶした料理シンプルだけど美味しいですね!手が止まりません!」

ポテトの美味さは世界共通か。以前異世界の街で食料を扱う店を除いてみたが基本的に食べられる植物はこっちの世界とあまり変わらない。
神が世界を作る時のテンプレセットでもあるのだろうか?

勇者や魔王がいて魔法がある世界。異世界には神が存在するのだろうか?ならこっちの世界は?

「どうしたんですか店長?ぼーっとした顔して」

「マギたちのいる世界には神様っているのか?」

「そりゃあいるに決まってるじゃないですか。創造神様は全ての生命と物質を創られた神様です。しかし魔物や魔族は創造神様が創られたものではなく、世界に存在する闇から産まれたものと言われています。そして魂が無く、魂あるものを欲して、無差別に襲いかかると言われています…」

「が、実際に魔族を…というか魔王を見てそうじゃ無いとわかったと」

「ですね。魔王ってなんなんですかね」

まぁ今考えても答えはでない!せっかく異世界からお客様がこられたんだ。とりあえず今日はこちらの世界を満喫してもらおう!

とりあえずまずはいつものオタク街へ向かう。
いつもおんなじところに出かけてるなとかいうツッコミは無しだ。

「あ!本がいっぱいあります!ここにしましょう!」

そう言ってまず入ったのが同人ショップだ…

「ふーむ。これは興味深い資料ですね。この世界ではこういうのが受けるんですか?」

おい。なんで説明もなしにピンポイントでB Lコーナーに行くんだ。お前本当に初めてこの世界に来たのか?
その後もB Lコーナーを満足いくまで堪能するマギ。
ここにいることがすごい気まずいんですが。俺離れてていいですかね。
なんか遠くでヒソヒソ会話している女性達がいるんですが。
頼むからままりジロジロ見ないでくれ。

次は模型屋だ。

「ん~。このヒト型の機械、武器を持っているということは戦闘用ですよね?ちょっと体型が細すぎません?これは強化スーツですか?随分装飾品が多いんですね。どんな機能があるんでしょうか?」

とりわけロボットや戦隊モノに夢中だ。

その中であるものに目が止まる。

全身真っ黒のスーツ、大きく輝く瞳、首からたなびく白いマフラー。

「この無駄のないデザイン!素晴らしいです!複眼は昆虫のような機能があるんでしょうか?マフラーは周囲のマナを集めるアンテナの役割かしら?メインの機能は身体能力の向上ですか…。もしかしたら、コレに似た他の人形で不自然に装飾が多いものは身体機向上以外の能力があるということでしょうか」

「店長!コレ買ってください!あとこっちの機械人形も!これは研究資料です!私がもっとすごい魔道具を作って見せます!」

「お、おお…わかった」

かなりの出費になってしまったが、ほくほく顔のマギを見ると悪くない出費かなと思おう。
それにこれがきっかけでまた新しい浪漫武器を作ってくれるなら悪くない投資だ。

さて、そろそろお昼かな。

「いらっしゃいませ。あらいつもと違う女性を連れてるのね。とうとう彼女ができたのかしら?」

そこでマギとレナさんお互いの自己紹介をしてもらう。

「なるほど。異世界の魔女さんね。」

「エルフ族の方に会うのは初めてです。エルフの人達って皆んなこんなびじんばっかりなんですかね~」

「ふふ。ありがと」

レナさんの表情は言葉と裏腹にどこか悲しそうだ。
おそらくエルフ族が消滅もしくは消え掛かっているのではないかと心配になっているんだろう。それとなくマギに聞いてみたが、やはりエルフってのは希少な種族となってしまっているらしい。

「ケーキとっても美味しかったです。あの…また来てもいいですか?」

「ええ。もちろんよ。次はたくさんお話ししましょ」

次はあの店だな
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