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第二章〜勇者と魔王
魔女ミーツ女王
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「あの…ここは?」
「質屋だ。まぁ普通のじゃないがな。さっきレナから話を聞いただろ?ここにレナと一緒にこっちの世界に飛ばされたエルフの女王様がいるんだ」
質屋に入るとその奥に建物に不釣り合いな金髪エルフの女王様が佇んでいた。
「あちらの世界の住人と会うのはいつぶりだろうか。狭苦しい場所で申し訳ないがどうかゆっくりしていってくれ」
「は、はい!あの初めまして。マギと申します。あちらの世界では魔法と魔道具の研究をやってます」
「そなたの体に流れるマナの大きさと流れでわかる。そなたは有能な魔法使いなのだろう」
「あ、ありがとうございます。私なんかには勿体無いお言葉です」
「なんかえらく緊張してるな。俺なんか最初に会った時怪しい婆さんの姿だったから、女王様と聞いてもいまいちピンと来ないんだよなぁ」
「店長が異常なだけです!まったく!」
「それにしてもこのお店は興味深いものが色々ありますね。私たちの世界のものだけじゃなくて、こっちの世界の珍しいものもたくさんあります」
そうなのか?てっきり向こうの世界の品しか扱っていないのかと思ってた。
「そなたは目利きの才能もある。こちらの世界にも我らの世界と同等、もしくはそれ以上の能力を秘めた品が多くある。この世界の住人はそれを見抜けない、もしくは扱えない者がほとんど。私はそういった品をいつか役に立つ日が来るのではないかと思い集めておる」
へぇ…
マギは店内に並べられた品々をじっくりと観察する。
確かによく見ると異世界にありそうなアイテムだけでなく民芸品のような品や古美術品も置いてある。刀剣や武具まである。
刀には惹かれるものがあるが、こいうのは届出が必要だろうし保管や手入れが面倒なんだろうな。
ふと以前この店で買った天狗の面を手に取る。
これも特別な能力を秘めた品なのか?
しばらく2人は異世界の現状についてあれこれ話していたが肝心の女王様とレナさんがこの世界に飛ばされた原因についてはなんの糸口も掴めないようだった。
しかし久しぶりに元いた世界の住人と話ができた女王様の顔は心なしか楽しそうに見えた。
「いつでも遊びにくると良い。待っておるぞ」
そして俺たちはこの不思議な質屋を出た。
家にかえる途中マギが慌てた様子でポケットの中にあった方位磁針のような道具をとりだす。
「店長!この近くに魔物の反応があります!この世界にも魔物がいるんですか!?」
またか…この世界に魔物が転移している?もしかしてこの現象を引き起こしているのは俺が二つの世界を行き来しているせいなのか?
しかし先代の店長が残した本にはそんなこと書かれていなかった。以前も同様のことがあればレナさんや女王様が知っているはずだ。
俺たちは急いで魔物の反応がある公園に向かう。
そこにいたのは牛の頭をした巨人と馬の頭をした巨人。
2体の魔物が巨大な金棒を地面に引きずりながら歩いている。
その金棒は錆びついた鉄の匂いがする赤黒い液体に濡れていた。
魔物の近くの地面にはその金棒の餌食となったであろう人が転がっていた。
俺のせいであの人は死んだのか?
俺がこの世界に連れてきた魔物のせいで?
俺は頭に血が上り何も考えず馬の頭をした巨人に飛び掛かると拳でその頭を吹き飛ばしていた。
牛の頭をした巨人はすぐさま俺の横腹に金棒を叩きつける。
俺はその一撃をもろに喰らい血を吐く。
痛い…でもそれ以上に怒りと悲しみが同時に込み上げてくる。
今すぐこいつを殺してやる!
俺は両手で掴んだ金棒に力を込め力づくで捻じ曲げていく。
その時右腕のガルヴォルンが大きく口を開き金棒を呑み込む。
そして金棒を体に受けた衝撃で地面に落ちた天狗の面も喰らう。
ガルヴォルンは俺の全身を包みこみ真紅のスーツとなる。
その色は太陽のように揺らめき輝いて見える。
相方と武器を失った巨人の表情に焦りが見える
巨人は俺の体に出鱈目に拳を打ち込むが微動だにしない。
その拳に向かって俺も拳を打ち込むと巨人の拳は腕ごと消失しその断面は黒く焼けこげていた。
その後も拳を打ち込むごとにその部分に穴が開き、徐々に巨人の体が削れ消失した。
俺の体は元の状態に戻り、そのばに崩れ茫然としていた。
「店長!この人まだ息があります!」
俺たちはありったけのポーションを使うと顔面蒼白だった人は徐々にその顔に血の気が戻り呼吸が整っていく。
よかった…
でも次は死人が出る可能性もある
きっと俺が二つに世界を行き来する度に
「店長!なんて顔してるんですか!まさかこの人が襲われたのが自分のせいだとか思ってるんじゃないですか?そんなわけないじゃないですか!」
「で、でも「でもじゃありません!もしそれが店長のせいだと言うのなら私が一緒にいて、被害が出る前に魔物をぶっ飛ばします!」
「私こう見えても強いんですよ!」
「それに強い魔物と戦うのってわくわくしません?」
どこかで聞いたことのある台詞だな
「ああ。そうだな」
「さあ!そのためにも、帰って魔導外骨格の改造です!腕がなりますよー!」
「質屋だ。まぁ普通のじゃないがな。さっきレナから話を聞いただろ?ここにレナと一緒にこっちの世界に飛ばされたエルフの女王様がいるんだ」
質屋に入るとその奥に建物に不釣り合いな金髪エルフの女王様が佇んでいた。
「あちらの世界の住人と会うのはいつぶりだろうか。狭苦しい場所で申し訳ないがどうかゆっくりしていってくれ」
「は、はい!あの初めまして。マギと申します。あちらの世界では魔法と魔道具の研究をやってます」
「そなたの体に流れるマナの大きさと流れでわかる。そなたは有能な魔法使いなのだろう」
「あ、ありがとうございます。私なんかには勿体無いお言葉です」
「なんかえらく緊張してるな。俺なんか最初に会った時怪しい婆さんの姿だったから、女王様と聞いてもいまいちピンと来ないんだよなぁ」
「店長が異常なだけです!まったく!」
「それにしてもこのお店は興味深いものが色々ありますね。私たちの世界のものだけじゃなくて、こっちの世界の珍しいものもたくさんあります」
そうなのか?てっきり向こうの世界の品しか扱っていないのかと思ってた。
「そなたは目利きの才能もある。こちらの世界にも我らの世界と同等、もしくはそれ以上の能力を秘めた品が多くある。この世界の住人はそれを見抜けない、もしくは扱えない者がほとんど。私はそういった品をいつか役に立つ日が来るのではないかと思い集めておる」
へぇ…
マギは店内に並べられた品々をじっくりと観察する。
確かによく見ると異世界にありそうなアイテムだけでなく民芸品のような品や古美術品も置いてある。刀剣や武具まである。
刀には惹かれるものがあるが、こいうのは届出が必要だろうし保管や手入れが面倒なんだろうな。
ふと以前この店で買った天狗の面を手に取る。
これも特別な能力を秘めた品なのか?
しばらく2人は異世界の現状についてあれこれ話していたが肝心の女王様とレナさんがこの世界に飛ばされた原因についてはなんの糸口も掴めないようだった。
しかし久しぶりに元いた世界の住人と話ができた女王様の顔は心なしか楽しそうに見えた。
「いつでも遊びにくると良い。待っておるぞ」
そして俺たちはこの不思議な質屋を出た。
家にかえる途中マギが慌てた様子でポケットの中にあった方位磁針のような道具をとりだす。
「店長!この近くに魔物の反応があります!この世界にも魔物がいるんですか!?」
またか…この世界に魔物が転移している?もしかしてこの現象を引き起こしているのは俺が二つの世界を行き来しているせいなのか?
しかし先代の店長が残した本にはそんなこと書かれていなかった。以前も同様のことがあればレナさんや女王様が知っているはずだ。
俺たちは急いで魔物の反応がある公園に向かう。
そこにいたのは牛の頭をした巨人と馬の頭をした巨人。
2体の魔物が巨大な金棒を地面に引きずりながら歩いている。
その金棒は錆びついた鉄の匂いがする赤黒い液体に濡れていた。
魔物の近くの地面にはその金棒の餌食となったであろう人が転がっていた。
俺のせいであの人は死んだのか?
俺がこの世界に連れてきた魔物のせいで?
俺は頭に血が上り何も考えず馬の頭をした巨人に飛び掛かると拳でその頭を吹き飛ばしていた。
牛の頭をした巨人はすぐさま俺の横腹に金棒を叩きつける。
俺はその一撃をもろに喰らい血を吐く。
痛い…でもそれ以上に怒りと悲しみが同時に込み上げてくる。
今すぐこいつを殺してやる!
俺は両手で掴んだ金棒に力を込め力づくで捻じ曲げていく。
その時右腕のガルヴォルンが大きく口を開き金棒を呑み込む。
そして金棒を体に受けた衝撃で地面に落ちた天狗の面も喰らう。
ガルヴォルンは俺の全身を包みこみ真紅のスーツとなる。
その色は太陽のように揺らめき輝いて見える。
相方と武器を失った巨人の表情に焦りが見える
巨人は俺の体に出鱈目に拳を打ち込むが微動だにしない。
その拳に向かって俺も拳を打ち込むと巨人の拳は腕ごと消失しその断面は黒く焼けこげていた。
その後も拳を打ち込むごとにその部分に穴が開き、徐々に巨人の体が削れ消失した。
俺の体は元の状態に戻り、そのばに崩れ茫然としていた。
「店長!この人まだ息があります!」
俺たちはありったけのポーションを使うと顔面蒼白だった人は徐々にその顔に血の気が戻り呼吸が整っていく。
よかった…
でも次は死人が出る可能性もある
きっと俺が二つに世界を行き来する度に
「店長!なんて顔してるんですか!まさかこの人が襲われたのが自分のせいだとか思ってるんじゃないですか?そんなわけないじゃないですか!」
「で、でも「でもじゃありません!もしそれが店長のせいだと言うのなら私が一緒にいて、被害が出る前に魔物をぶっ飛ばします!」
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