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第二章〜勇者と魔王
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異世界に戻ったマギは早々に大量の戦利品を持って研究室に篭った。
俺は鍛冶屋にデュラハンの素材として持ち込み、新たな武器の作成を依頼する。
その帰り、ギルドを含めた街の人たちに魔王についての話を聞く。
皆が口を揃えて魔王を悪だと言い放つ。
誰も話したことがないのにだ。
勇者と魔王…どっちも悪いやつではないと思う
俺はどうしたいんだろうか?
いくら考えても答えは出ない。
今日はダンジョンにもぐろう。何があっても対処できる力は欲しい。
「あ!お久しぶりです店長さん!今日はどうされたんですか?」
そこにいたのは風釣り合いな大剣を背負ったショートカットの少女。勇者だ。
「ちょっと鍛冶屋とギルドに用があってな。それが終わったから、一旦店に帰って今日はダンジョンに潜ろうと思ってね」
「素材集めですか?ダンジョンは危険な場所ですよ。僕もダンジョンに潜る予定だっので、もしよければ一緒に行きませんか?」
これは勇者のことを知るいい機会なのかもしれない。
「ああ。よろしく頼むよ。もちろん護衛として報酬は出す」
「そんな!僕はお金目的でそんなことを言ったんじゃないですよ」
「わかってるよ。でも俺も商売人の端くれだ。仕事に対してきちんと対価は払わせてくれ」
「わかりました。では改めて僕の名はアッシュ!護衛の依頼承りました!」
とりあえず、まずは店に帰って腹ごしらえだ。腹が減ってはいくさは出来ぬだな!
厨房に入る際、アッシュの顔を見る。今日はアレにしよう。
アッシュをリビングに案内しミートソースパスタを振る舞う。
もちろんうちの従業員たちも一緒だ。
「ん~美味しいです!正直トマトって苦手なんですけど、これは大好きです!トマトの酸っぱさとお肉の甘さが一緒になってとっても美味しいです!」
口の周りをソースで赤くしながら頬張る勇者。
姿だけ見ると本当に普通の子供にしか見えない。
「あ…あの…」
空になった皿と俺を交互に見るアッシュ。
「おかわりは大盛りでいいかな?」
「はい!ありがとうございます!」
案の定俺の分が余ることはなかったがまあいいか。
準備を終えるとアッシュと共にダンジョンの前に立つ。
魔王の次は勇者とのパーティーか。
今回のダンジョン攻略の目的は俺のレベルアップだ。
森を奥に進んでいくと今回の目的地『ワイバーンの巣』が見えてきた。
大きな岩山にいくつもの横穴が開いており、その一つ一つにワイバーンが住んでいるらしい。
ワイバーンは一体一体が強力な個体でかつ群れで行動する。
襲われれば街一つ簡単に壊滅させることができる力がある。
しかし繁殖力は高くなく定期的な間引きをすれば街の防衛力を防衛力を上回ることはない。
しかし今は魔王が存在する。
魔物の繁殖力と個々の強さが増しており、勇者がそれぞれの魔物の討伐をしているらしい。
一体のワイバーンが俺たちを発見し大声で威嚇し仲間に知らせている。
「気づかれちゃいましたね。準備はいいですか?」
俺は全身を赤黒く燃えるように揺らめく金属に身を包み両手を合わせ高い金属音を鳴らす。
「ああ!バッチリだ!」
「何ですかそれ!この前とまた違いますね!かっこいいな~」
大量のワイバーンを目の前にして呑気な感想を言う勇者。
彼女にとってワイバーン討伐なんて羽虫を追い払う程度の依頼なのだろう。
空高く舞い上がったワイバーンが俺たち目掛けて急降下する。
勇者は身の丈ほどある大剣でそれを軽々と横凪にし真っ二つに切り裂く。
それを見た他のワイバーンは警戒を高め上空を旋回する。
複数の個体がその頭部をのけぞらせたかと思うと勇者目掛けて大口を開けて振り下ろし巨大な火の玉を吐き出す。
勇者は避けきれず咄嗟に両手をクロスさせ防御する。
炎は彼女の服と髪の一部を燃やし嫌な匂いが周囲に漂う。
「あっついなぁ。ちょっと起こりましたよ!」
勇者はその場にしゃがみ込み、ワイバーン目掛けてロケットのように飛び上がる。
彼女は片手でその首を掴むと地面に投げつける。硬い地面に叩きつけられたワイバーンの周辺には衝撃でクレーターができていた。
相変わらずの馬鹿力だな。
俺は岩山を全速力で駆け上がり、巣穴から顔を出していたワイバーンを殴り飛ばすていく。
上空からは襲いかかる敵にはその背中に飛び乗り首を締め窒息させる。
時折火の玉が飛んでくるが俺の纏っている金属は炎が効かず簡単に振り払うことができる。
肉弾戦で大量のワイバーンを千切っては投げ討伐していく2人は側から見たら恐怖を感じる絵面だろう。
とてもじゃないが勇者パーティーの戦いじゃないな…
討伐が終了すると地面には大量の魔石が転がっていた。
竜玉と呼ばれる大量のマナを含む石だ。マギに渡したら喜びそうだ。
「ふぅ。お疲れ様でした。これでしばらくはワイバーンの脅威は無くなるでしょう」
その時大地が震え、ワイバーンの砂のように崩壊した死体が一箇所に集まり始める。
「君が今代の勇者か。思ったより若いな。まだ子供じゃないか」
魔王バロルだ。
魔王の頭上でワイバーンの死体だったものは一つになり巨大な竜と形を変えていく。
あれは『地竜』だ
俺が地竜を警戒していると、横から稲妻のように飛び出す影
勇者は魔王に飛び掛かると知性のかけらもない大振りの一撃を打ち込む。
「ああああああ!死ねっぇぇぇ!」
これがさっきまで一緒に戦っていた幼い少女の姿か?
そこには怒り狂った鬼がいた
俺は鍛冶屋にデュラハンの素材として持ち込み、新たな武器の作成を依頼する。
その帰り、ギルドを含めた街の人たちに魔王についての話を聞く。
皆が口を揃えて魔王を悪だと言い放つ。
誰も話したことがないのにだ。
勇者と魔王…どっちも悪いやつではないと思う
俺はどうしたいんだろうか?
いくら考えても答えは出ない。
今日はダンジョンにもぐろう。何があっても対処できる力は欲しい。
「あ!お久しぶりです店長さん!今日はどうされたんですか?」
そこにいたのは風釣り合いな大剣を背負ったショートカットの少女。勇者だ。
「ちょっと鍛冶屋とギルドに用があってな。それが終わったから、一旦店に帰って今日はダンジョンに潜ろうと思ってね」
「素材集めですか?ダンジョンは危険な場所ですよ。僕もダンジョンに潜る予定だっので、もしよければ一緒に行きませんか?」
これは勇者のことを知るいい機会なのかもしれない。
「ああ。よろしく頼むよ。もちろん護衛として報酬は出す」
「そんな!僕はお金目的でそんなことを言ったんじゃないですよ」
「わかってるよ。でも俺も商売人の端くれだ。仕事に対してきちんと対価は払わせてくれ」
「わかりました。では改めて僕の名はアッシュ!護衛の依頼承りました!」
とりあえず、まずは店に帰って腹ごしらえだ。腹が減ってはいくさは出来ぬだな!
厨房に入る際、アッシュの顔を見る。今日はアレにしよう。
アッシュをリビングに案内しミートソースパスタを振る舞う。
もちろんうちの従業員たちも一緒だ。
「ん~美味しいです!正直トマトって苦手なんですけど、これは大好きです!トマトの酸っぱさとお肉の甘さが一緒になってとっても美味しいです!」
口の周りをソースで赤くしながら頬張る勇者。
姿だけ見ると本当に普通の子供にしか見えない。
「あ…あの…」
空になった皿と俺を交互に見るアッシュ。
「おかわりは大盛りでいいかな?」
「はい!ありがとうございます!」
案の定俺の分が余ることはなかったがまあいいか。
準備を終えるとアッシュと共にダンジョンの前に立つ。
魔王の次は勇者とのパーティーか。
今回のダンジョン攻略の目的は俺のレベルアップだ。
森を奥に進んでいくと今回の目的地『ワイバーンの巣』が見えてきた。
大きな岩山にいくつもの横穴が開いており、その一つ一つにワイバーンが住んでいるらしい。
ワイバーンは一体一体が強力な個体でかつ群れで行動する。
襲われれば街一つ簡単に壊滅させることができる力がある。
しかし繁殖力は高くなく定期的な間引きをすれば街の防衛力を防衛力を上回ることはない。
しかし今は魔王が存在する。
魔物の繁殖力と個々の強さが増しており、勇者がそれぞれの魔物の討伐をしているらしい。
一体のワイバーンが俺たちを発見し大声で威嚇し仲間に知らせている。
「気づかれちゃいましたね。準備はいいですか?」
俺は全身を赤黒く燃えるように揺らめく金属に身を包み両手を合わせ高い金属音を鳴らす。
「ああ!バッチリだ!」
「何ですかそれ!この前とまた違いますね!かっこいいな~」
大量のワイバーンを目の前にして呑気な感想を言う勇者。
彼女にとってワイバーン討伐なんて羽虫を追い払う程度の依頼なのだろう。
空高く舞い上がったワイバーンが俺たち目掛けて急降下する。
勇者は身の丈ほどある大剣でそれを軽々と横凪にし真っ二つに切り裂く。
それを見た他のワイバーンは警戒を高め上空を旋回する。
複数の個体がその頭部をのけぞらせたかと思うと勇者目掛けて大口を開けて振り下ろし巨大な火の玉を吐き出す。
勇者は避けきれず咄嗟に両手をクロスさせ防御する。
炎は彼女の服と髪の一部を燃やし嫌な匂いが周囲に漂う。
「あっついなぁ。ちょっと起こりましたよ!」
勇者はその場にしゃがみ込み、ワイバーン目掛けてロケットのように飛び上がる。
彼女は片手でその首を掴むと地面に投げつける。硬い地面に叩きつけられたワイバーンの周辺には衝撃でクレーターができていた。
相変わらずの馬鹿力だな。
俺は岩山を全速力で駆け上がり、巣穴から顔を出していたワイバーンを殴り飛ばすていく。
上空からは襲いかかる敵にはその背中に飛び乗り首を締め窒息させる。
時折火の玉が飛んでくるが俺の纏っている金属は炎が効かず簡単に振り払うことができる。
肉弾戦で大量のワイバーンを千切っては投げ討伐していく2人は側から見たら恐怖を感じる絵面だろう。
とてもじゃないが勇者パーティーの戦いじゃないな…
討伐が終了すると地面には大量の魔石が転がっていた。
竜玉と呼ばれる大量のマナを含む石だ。マギに渡したら喜びそうだ。
「ふぅ。お疲れ様でした。これでしばらくはワイバーンの脅威は無くなるでしょう」
その時大地が震え、ワイバーンの砂のように崩壊した死体が一箇所に集まり始める。
「君が今代の勇者か。思ったより若いな。まだ子供じゃないか」
魔王バロルだ。
魔王の頭上でワイバーンの死体だったものは一つになり巨大な竜と形を変えていく。
あれは『地竜』だ
俺が地竜を警戒していると、横から稲妻のように飛び出す影
勇者は魔王に飛び掛かると知性のかけらもない大振りの一撃を打ち込む。
「ああああああ!死ねっぇぇぇ!」
これがさっきまで一緒に戦っていた幼い少女の姿か?
そこには怒り狂った鬼がいた
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