男子高校生たちの

ハリネズミ

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ちっちゃくても男だろ? 哲史x渚(1)

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「んで?今度は何がどうなったんだ?」
と、渚に構いたおして怒られて一人机につっぷしている俺にそう訊ねたのは宮園だった。
渚に対して遠慮を止めて、俺たちが付き合っている事を学校でカムアウトした。
これからどんどんいちゃいちゃして甘やかして…と思っていたところに……。
深いため息が出る。

宮園は、やっぱり何かと気が付くオカンである。
本当に辛い時、さりげなく手を差し伸べてくれる。

「母さんの妹に子どもができて、旦那さんは海外出張中で十歳のちびがいるんだけど、赤ちゃんとちびの面倒を一人でみるの大変だろうって事でうちでしばらくの間ちびだけ預かる事になった」
事実だけをつらつらと並べる。

「ふむふむ。それで?」
「そのちびがちっちゃい時の俺そっくりで、渚がもうデレデレで…。ちびも渚にべったりで……」
「嫉妬しちゃってるわけか?」
「――嫉妬…というか欲求不満?」
「ふはっストレートにきたな」
横から話に加わった野田がけたけたと笑う。
「それに教育上よろしくないからしばらくの間触るの禁止って渚が…」
「あーそれで学校で構いすぎちゃったってわけか」

「そう」と、がっくりと肩を落とす。
不思議とこいつらには素直に自分の気持ちを言う事ができた。
自分でも恰好つけだって自覚があるのに、こいつらの前だと本当調子が狂う。

「なるほどな。まぁ今回はしょうがねーべ。寂しかったら俺たちが遊んでやるから元気出せ」
「――たのむわ」
柄にもなくつい弱音を吐いてしまった。

それを聞いて二人は、
「お――最上がデレたぞ」「最上がデレるとは……」
と茶化すように言い頭をぐしゃぐしゃで撫でまわした。
普段ならこんな事は勘弁だが、自分で思ってた以上に落ち込んでいたようで、二人の明るさがありがたかった。

そんな俺たちを渚がどんな想いで見ていたかなんて思ってもみなかった。
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