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言の葉。
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そよ風が春の陽気を運んでくる真昼。
肩を並べて帰り道。
何も話すことはなく、ただダラダラと足を動かすだけだった。
これが本当の恋愛なんだろうか。
なんともやり切れない感覚。
すごくしょぼくれた時間。
時間がすごくもったいない。
本当とはすごく悲しいものだった。
「それじゃあね。」
彼の言葉が聞こえなかった。
枝分かれしたアスファルトの道はまるで私の心のように乾ききっていた。
ドアを開き、部屋に駆け込む。
火照った顔を冷まそうと布団に潜る。しかし顔は冷めるどころか尚更赤々となった様だ。
制服を脱ぎ動きやすいスポーツウェアに着替える。少し冷えた夕暮れの風は熱くなった顔を冷ましていった。
大きく息を吸い、吐き出し、また大きく吸って走り出す。
何も考えることなくただひたすら走る。
引きこもりがそう長く走れることもなくすぐに休憩を取った。
近くにあった公園のベンチに座り息を整える。
黒く渦巻く夜の影は昼には見えていたものも簡単に隠した。
昼には見えていたもの。
それは一体……
「やぁ、お元気?」
小さくか細い声。この声の持ち主は1人しかいないだろう。
「なんですか木田さん。」
私はそう答えた。
元気かと聞かれてなんだと答えるのは不本意なことだが仕方がない。
「木田さんなんて気持ち悪いよ。ショウマって呼んで。」
「ヤダ。」
即答だった。自分でも驚くほど早い答えだった。
もう本物は知らなくていい。早くこいつから逃げ出したい。その一心で「さようなら。」とだけ言い残し走ってその場を去った。
肩を並べて帰り道。
何も話すことはなく、ただダラダラと足を動かすだけだった。
これが本当の恋愛なんだろうか。
なんともやり切れない感覚。
すごくしょぼくれた時間。
時間がすごくもったいない。
本当とはすごく悲しいものだった。
「それじゃあね。」
彼の言葉が聞こえなかった。
枝分かれしたアスファルトの道はまるで私の心のように乾ききっていた。
ドアを開き、部屋に駆け込む。
火照った顔を冷まそうと布団に潜る。しかし顔は冷めるどころか尚更赤々となった様だ。
制服を脱ぎ動きやすいスポーツウェアに着替える。少し冷えた夕暮れの風は熱くなった顔を冷ましていった。
大きく息を吸い、吐き出し、また大きく吸って走り出す。
何も考えることなくただひたすら走る。
引きこもりがそう長く走れることもなくすぐに休憩を取った。
近くにあった公園のベンチに座り息を整える。
黒く渦巻く夜の影は昼には見えていたものも簡単に隠した。
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それは一体……
「やぁ、お元気?」
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「ヤダ。」
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