リナ・セレネーレの物語

桜井あこ

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一年生

魔法属性

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「よーし。今日はお前たちの“属性”を調べるぞー」

属性? なんだそりゃ。
先生が言ったことに私たちの頭には? でいっぱいだ。
そんな私たちに先生は苦笑して、指をパチンと鳴らした。

「この世界には人権を表す七種類の魔法属性がある。
火・水・地・風・氷・雷・花。この7つの属性のどれかが、お前らに該当するものだ」

それじゃ早速、ラズベリー来い。と一番前の席に座る女の子が当てられた。

「え~また私ですか~」
「端の席に座っているからな。お前が第一号だ」

そんな実験体みたいに言わないでくださーい!とさらに彼女は叫んだ。
少し黒い赤髪を揺らしながら、彼女は渋々と言った顔で先生の前まで来る。

「この指輪を利き手の人差し指につけろ」
「指輪・・・・・・?」

先生が小さな木箱から太めの金色のリングで、虹色の宝石がひとつ埋め込まれていた。リングにはなにか文字? みたいなものが彫られているが、遠くてよく見えない。
リリーがキョトンとした表情でそれを受け取り、指にはめた。
すると、虹色の宝石が眩い光を放った。
最初は小さい光だったが、段々と大きく光り、教室全体を包み込んだ。

「うわっ! 先生これ、どーゆーこと!?」

突然の事態に驚いた生徒たちの声が上がる。
本当にこれはどういうことだ。
すごく眩しい。目が潰れる。

「ラズベリー。落ち着いてその手を出して、精霊の導きフェアリーマイドと唱えろ」
「は、はいぃ!」

こんな状況でも先生の言うことを聞くって結構すごいな。
私ならビビるぞ。

精霊の導きフェアリーマイド!」

光で周りが見えない中、リリーがそう叫んだのが聞こえた。
すると、徐々に光が弱まった。
また最初の柔らかい光に戻り、辺りが見えるようになると、リリーの手のひらに、異変が起きていることが分かった。
彼女の手のひらには、綺麗な花が咲いていたのだ。

「わ、綺麗・・・・・・」
「お、ラズベリーの属性は花だな」
「へえー」

第一号。と言うこともあり、リリーの手のひらに全生徒(もちろん私も)の視線が突き刺さっている。

「これからは、植物魔法の勉強だな」
「はい!」

リリーは席に戻り、さらに隣の席の子が次に呼ばれた。
みんなさっきのを見てから、早く自分の番が来ないかソワソワしている。
かくいう私もそのひとりだ。

○○○○○○○○○○

ついに私の番だ。一番端って大変だな。

「最後はセレネーレだな。じゃ、これをつけてくれ」
「はい」

ちなみにガイル王子は雷、私の横のモテ貴族、フィンさんは火だった。
二人ともさすがというところで、王子は雷で床の一部を黒焦げにさせるしフィンさんは炎の獅子が吼えていた。普通に怖いし、教壇と近いところにいる前の席の子は(リリー含む)全員半泣きになっていた。
けれどもそのたんびに二人の親衛隊のメンバーは、

「きゃあー! ガイル王子と私同じよ! 一緒に授業が受けられる!」
「わっ私もフィン様と一緒だわ! 夢みたい!」

なんてワチャワチャやっていた。
まったく、少しは落ち着いたらどうだろうかと思うがとりあえず右手を出し、呪文を唱える。

精霊の導きフェアリーマイド

少し時間が経つと、周りから霧のようなものが立ち込めてきた。

「なんだか冷えますわね」

貴族の女の子達が口々にそう言っているのが聞こえる。
すると、私の手のひらに雪の結晶が浮いてきた。

「セレネーレは氷魔法だな。七種類の魔法属性の中で、該当者が少ないのが氷と花だ。セレネーレとラズベリーがそうだな」

確かに、花って言われてたのリリーだけだったな。

「安心しろ。それぞれの属性の先生もちゃんといるからな」

いや、いなきゃ困るに決まってるでしょ。
前の席の方のリリーがこっちを向いた。
目線がバチッと絡まる。
それと同時に、二人で肩をすくめた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔法属性って、なんか魔法使い。ファンタジーって感じですよね。どの魔法にしようか考えるのが楽しかったです。
リナは席が後ろで教室全体がしっかり見渡せるんですが、ちょっと見にくいんですよね。
リリーは席が前で見やすいけど指名されやすいし魔法が怖いよーってなることが多いです。

あと、遅くなりましたがしおりやお気に入りに追加ありがとうございますᐢ˶˙꒳​˙)ᐢ
とても励みになるし、書いててよかったとすごく思いました。これからも頑張りますので、ぜひ覗きに来てください。
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