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一年生
幕間 少しの時間
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「さて。一般攻守魔法の授業はこれで終了だ。今回から属性の攻守魔法をそれぞれの教室に行って習うんだぞ、教室の場所はー・・・・・・」
今日から属性の魔法を学べる。
よーし。頑張るぞ。ひとりで拳を握った。
○○○○○○○○○○
「氷」
先生から教わった呪文を唱えると手から小さな氷の塊ができた。
「そう、セレネーレ。そのままの状態を維持してね」
「ど、どれくらいですか?」
「そうね。3分ぐらいかしら」
「そっそんなに・・・・・・!?」
「ほらほら崩れるわよ」
先生に注意され慌てて意識を氷に戻す。
正直、まだ魔法の発動。魔力の制御が慣れておらず、しょっぱなから壁に激突していた。
それはみんなも同じようで、毎度のごとく先生にしごかれまくっているらしい。
私も、気を抜いたらすぐに氷が壊れてしまうので大変だ。
この前なんか、魔力が暴走して隣の教室で花の魔法を習っているリリーがものすごく太い蔓を生やしてしまい、壁を突き破ってこっちに来て大騒ぎになった。
リリーは魔力の量が多かったらしく、今は魔力を制御する魔具をつけて授業に励んでいる。
何人かは一定の量より魔力が多く、制御が難しいと嘆いていた。
私も最初はでっかい氷ができた途端破裂して、氷の粉が降りかかって散々な目にあった。
魔具をつけると、重力が倍ぐらいのしかかったような状態になり動きにくくて仕方ない。
カタツムリみたいにゆっくり歩いていたら、教室移動中のフィンさんとガイル王子がクスクス笑っていた。
ちくしょう。
○○○○○○○○○○
「あーもー全然うまくいかなーい!」
「騒がない。何時だと思ってるの?」
「だぁって~」
氷のカケラを出そうとすること一時間。私はまだ手で握り込めるほどの大きさの氷しか出せなかった。
そのことに不満を言えばリリーから注意を受ける。
リリーはベッドに寝転び本を読んでいた。
フランメとリンダは毎晩の日課らしく髪にヘアオイルを塗っていたり化粧水をつけていたりと化粧台に隣り合わせで座っている。
「授業以外は魔具外していいらしいし、リナ取ったら?」
「あ、そうだ忘れてた」
腕についている太めの腕輪を外す。体が一気に軽くなった。
「もうそろそろ寝よーよ」
「はーい」
「じゃ、電気消すねー」
指を鳴らし、照明を消す。
暗がりにお母さんがくれた本を取り出して眠りに関する呪文を探す。
「光に包まり眠れ」
そういった途端、身体がお母さんに抱きしめられているような安心感がした。
・・・・・・あ、これは確かに・・・・・・眠いーー。
私はゆっくり目を閉じた。
○○○○○○○○○○
二ヶ月経った。
ガラリと扉を開け自分の席に着けば、襟足まで伸びた金髪の髪を耳にかけながらフィンさんがおはようと言ってきたので、こちらもおはようと返す。
「おはようございますフィンさん。リナもおはよ」
「リリー、おはよ~」
今日は朝早くから図書館にこもっていたリリーが席に近寄ってくる。
「うわ、隈大丈夫?」
「え、そうですか?」
「ほんとだ~図書館に入り浸りすぎは良くないよ?」
「さすが図書館の魔女。だね」
「フィンさんそれ言うのやめて~!」
「あはは」
最近はフィンさんも輪に加わるようになって、(それに便乗してガイル王子とゲイルもやって来た)よく五人でいることが多くなり、貴族の女の子はハンカチを噛みちぎらんばかりの勢いで引っ張っていた。(歯取れないの?)
こんな生活が送れるのは、とっても幸せなことだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回から新章に入りますので幕開ということにしました。まあ新章と言っても二年生になる訳では無いのです。まだまだ一年。
魔具は、色んな種類のものがありましてこれは魔力抑制具ってところです。これは魔力が多いこの他にも魔力を今までつかったことがない生徒が大半のため、魔力を体外に出す感覚に慣れるまでつけることがほとんどです。他にも電話っぽいものとかテレビっぽいものとかあったり・・・・・・。
今日から属性の魔法を学べる。
よーし。頑張るぞ。ひとりで拳を握った。
○○○○○○○○○○
「氷」
先生から教わった呪文を唱えると手から小さな氷の塊ができた。
「そう、セレネーレ。そのままの状態を維持してね」
「ど、どれくらいですか?」
「そうね。3分ぐらいかしら」
「そっそんなに・・・・・・!?」
「ほらほら崩れるわよ」
先生に注意され慌てて意識を氷に戻す。
正直、まだ魔法の発動。魔力の制御が慣れておらず、しょっぱなから壁に激突していた。
それはみんなも同じようで、毎度のごとく先生にしごかれまくっているらしい。
私も、気を抜いたらすぐに氷が壊れてしまうので大変だ。
この前なんか、魔力が暴走して隣の教室で花の魔法を習っているリリーがものすごく太い蔓を生やしてしまい、壁を突き破ってこっちに来て大騒ぎになった。
リリーは魔力の量が多かったらしく、今は魔力を制御する魔具をつけて授業に励んでいる。
何人かは一定の量より魔力が多く、制御が難しいと嘆いていた。
私も最初はでっかい氷ができた途端破裂して、氷の粉が降りかかって散々な目にあった。
魔具をつけると、重力が倍ぐらいのしかかったような状態になり動きにくくて仕方ない。
カタツムリみたいにゆっくり歩いていたら、教室移動中のフィンさんとガイル王子がクスクス笑っていた。
ちくしょう。
○○○○○○○○○○
「あーもー全然うまくいかなーい!」
「騒がない。何時だと思ってるの?」
「だぁって~」
氷のカケラを出そうとすること一時間。私はまだ手で握り込めるほどの大きさの氷しか出せなかった。
そのことに不満を言えばリリーから注意を受ける。
リリーはベッドに寝転び本を読んでいた。
フランメとリンダは毎晩の日課らしく髪にヘアオイルを塗っていたり化粧水をつけていたりと化粧台に隣り合わせで座っている。
「授業以外は魔具外していいらしいし、リナ取ったら?」
「あ、そうだ忘れてた」
腕についている太めの腕輪を外す。体が一気に軽くなった。
「もうそろそろ寝よーよ」
「はーい」
「じゃ、電気消すねー」
指を鳴らし、照明を消す。
暗がりにお母さんがくれた本を取り出して眠りに関する呪文を探す。
「光に包まり眠れ」
そういった途端、身体がお母さんに抱きしめられているような安心感がした。
・・・・・・あ、これは確かに・・・・・・眠いーー。
私はゆっくり目を閉じた。
○○○○○○○○○○
二ヶ月経った。
ガラリと扉を開け自分の席に着けば、襟足まで伸びた金髪の髪を耳にかけながらフィンさんがおはようと言ってきたので、こちらもおはようと返す。
「おはようございますフィンさん。リナもおはよ」
「リリー、おはよ~」
今日は朝早くから図書館にこもっていたリリーが席に近寄ってくる。
「うわ、隈大丈夫?」
「え、そうですか?」
「ほんとだ~図書館に入り浸りすぎは良くないよ?」
「さすが図書館の魔女。だね」
「フィンさんそれ言うのやめて~!」
「あはは」
最近はフィンさんも輪に加わるようになって、(それに便乗してガイル王子とゲイルもやって来た)よく五人でいることが多くなり、貴族の女の子はハンカチを噛みちぎらんばかりの勢いで引っ張っていた。(歯取れないの?)
こんな生活が送れるのは、とっても幸せなことだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回から新章に入りますので幕開ということにしました。まあ新章と言っても二年生になる訳では無いのです。まだまだ一年。
魔具は、色んな種類のものがありましてこれは魔力抑制具ってところです。これは魔力が多いこの他にも魔力を今までつかったことがない生徒が大半のため、魔力を体外に出す感覚に慣れるまでつけることがほとんどです。他にも電話っぽいものとかテレビっぽいものとかあったり・・・・・・。
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