15 / 23
一年生
遠足は晴れろと思うけれど晴れすぎてキツい
しおりを挟む
まるでペンキを一面に塗りつぶしたような青空。
そこに燦々と輝く太陽を彩る白い雲。
「まさに、絶好の遠足日和ってやつだー」
リリーが額の汗を拭ってつぶやいた。
もう少しで夏休みというこの日、私たちは宿泊学習に来ていた。
宿泊学習日和はなんか韻が踏んでいないし微妙なので、あえて幼い遠足日和に留める。
ねーと相槌を打ちながらもうそろそろで着くだろう宿舎を探すことに全てを振り絞り目を凝らす。
森の中は木陰があって割と涼しいが風がない。しかも移動も泊まっている間も緊急時以外魔法禁止! と
言われ先生を初めてブッ飛ばそうと思った。
後ろを見ればご令嬢たちが細い脚を懸命に動かし顔を真っ赤にしながら坂道を歩いている。
ドレスが心底邪魔なのか、今回ばかりは私たち平民の服装を羨ましそうに眺めて、再び足元に目を戻していた。
さすがにヒールはダメだと悟ったのか、彼女たちはそんなときのために先生が持参していた靴底のしっかりとしたブーツを履いて平民組の後を追う。
転ばないかな大丈夫かなとチラチラ後ろを振り返ったら、案の定足を踏み外しご令嬢が身を崩す。
危ないと言いそうになったけれど、その焦りは杞憂に終わった。
「大丈夫? サリー」
「ふぃ、フィン様・・・・・・!?」
「ここは急だから気をつけて。あと少しで道も安定するから、頑張ってね」
「はい! フィン様もお気をつけてくださいませ」
なんかもう、見事だとしか言いようがない。
彼はずっとこんなんだ。最初は女たらしと思ったが今はそれが彼なりの女の子に対する優しさだと認識している。
キラキラした空間に、私は気分が悪くなる。
生クリームいっぱいのパフェを食べた気分だ。
「相変わらずすごいあの人」
「よく二人とも仲良くなれたわね、私は苦手かも」
「でも顔はいいのよね~罪だわ~」
リリー、リンダ、フランメが順に言う。
あの紳士的な姿勢はどこからくるのだろう? 今度本人に聞いてみてもいいかもしれない。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
「さーんにー頂上ー!」
やっと着いた。本当に疲れた。
山の頂上は風がほどよく吹いていてとても心地よい。
宿舎の前では従業員らしき人たちが待ってくれていた。
「いらっしゃい」
「疲れたでょう? お疲れ様」
「どうぞゆっくりしてください」
優しそうな女性と男性が穏やかな微笑みをむけてくれる。年配の方が多いな。
「部屋に荷物を運んだあと、二時間後に話を聞くからロビーに集まれよ」
「「「はーい」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
桜井あこでーす!
書きだめしようとしたらまたも更新が遅くなりました( ˊᵕˋ ;)💦すみません。
宿泊学習って楽しいですよね! ほとんど友達と喋ってるだけだし学習なんて欠片もしてないんですけどね笑笑。
ご令嬢たちは行き死にかけたので宿舎とかいるときは平民女子に服を借りました。
そこに燦々と輝く太陽を彩る白い雲。
「まさに、絶好の遠足日和ってやつだー」
リリーが額の汗を拭ってつぶやいた。
もう少しで夏休みというこの日、私たちは宿泊学習に来ていた。
宿泊学習日和はなんか韻が踏んでいないし微妙なので、あえて幼い遠足日和に留める。
ねーと相槌を打ちながらもうそろそろで着くだろう宿舎を探すことに全てを振り絞り目を凝らす。
森の中は木陰があって割と涼しいが風がない。しかも移動も泊まっている間も緊急時以外魔法禁止! と
言われ先生を初めてブッ飛ばそうと思った。
後ろを見ればご令嬢たちが細い脚を懸命に動かし顔を真っ赤にしながら坂道を歩いている。
ドレスが心底邪魔なのか、今回ばかりは私たち平民の服装を羨ましそうに眺めて、再び足元に目を戻していた。
さすがにヒールはダメだと悟ったのか、彼女たちはそんなときのために先生が持参していた靴底のしっかりとしたブーツを履いて平民組の後を追う。
転ばないかな大丈夫かなとチラチラ後ろを振り返ったら、案の定足を踏み外しご令嬢が身を崩す。
危ないと言いそうになったけれど、その焦りは杞憂に終わった。
「大丈夫? サリー」
「ふぃ、フィン様・・・・・・!?」
「ここは急だから気をつけて。あと少しで道も安定するから、頑張ってね」
「はい! フィン様もお気をつけてくださいませ」
なんかもう、見事だとしか言いようがない。
彼はずっとこんなんだ。最初は女たらしと思ったが今はそれが彼なりの女の子に対する優しさだと認識している。
キラキラした空間に、私は気分が悪くなる。
生クリームいっぱいのパフェを食べた気分だ。
「相変わらずすごいあの人」
「よく二人とも仲良くなれたわね、私は苦手かも」
「でも顔はいいのよね~罪だわ~」
リリー、リンダ、フランメが順に言う。
あの紳士的な姿勢はどこからくるのだろう? 今度本人に聞いてみてもいいかもしれない。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
「さーんにー頂上ー!」
やっと着いた。本当に疲れた。
山の頂上は風がほどよく吹いていてとても心地よい。
宿舎の前では従業員らしき人たちが待ってくれていた。
「いらっしゃい」
「疲れたでょう? お疲れ様」
「どうぞゆっくりしてください」
優しそうな女性と男性が穏やかな微笑みをむけてくれる。年配の方が多いな。
「部屋に荷物を運んだあと、二時間後に話を聞くからロビーに集まれよ」
「「「はーい」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
桜井あこでーす!
書きだめしようとしたらまたも更新が遅くなりました( ˊᵕˋ ;)💦すみません。
宿泊学習って楽しいですよね! ほとんど友達と喋ってるだけだし学習なんて欠片もしてないんですけどね笑笑。
ご令嬢たちは行き死にかけたので宿舎とかいるときは平民女子に服を借りました。
1
あなたにおすすめの小説
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
不確定要素は壊れました。
ひづき
恋愛
「───わたくしは、シェノローラよ。シェラでいいわ」
「承知しました、シェノローラ第一王女殿下」
何も承知していないどころか、敬称まで長々とついて愛称から遠ざかっている。
───こいつ、嫌い。
シェノローラは、生まれて初めて明確に「嫌い」と認識する相手に巡り会った。
そんなシェノローラも15歳になり、王族として身の振り方を考える時期に来ており───
※舞台装置は壊れました。の、主人公セイレーンの娘が今回は主人公です。舞台装置~を読まなくても、この話単体で読めます。
※2020/11/24 後日談「その後の彼ら。」を追加
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ライバル悪役令嬢に転生したハズがどうしてこうなった!?
だましだまし
ファンタジー
長編サイズだけど文字数的には短編の範囲です。
七歳の誕生日、ロウソクをふうっと吹き消した瞬間私の中に走馬灯が流れた。
え?何これ?私?!
どうやら私、ゲームの中に転生しちゃったっぽい!?
しかも悪役令嬢として出て来た伯爵令嬢じゃないの?
しかし流石伯爵家!使用人にかしずかれ美味しいご馳走に可愛いケーキ…ああ!最高!
ヒロインが出てくるまでまだ時間もあるし令嬢生活を満喫しよう…って毎日過ごしてたら鏡に写るこの巨体はなに!?
悪役とはいえ美少女スチルどこ行った!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる