リナ・セレネーレの物語

桜井あこ

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一年生

遠足は晴れろと思うけれど晴れすぎてキツい

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まるでペンキを一面に塗りつぶしたような青空。
そこに燦々と輝く太陽を彩る白い雲。

「まさに、絶好の遠足日和ってやつだー」

リリーが額の汗を拭ってつぶやいた。
もう少しで夏休みというこの日、私たちは宿泊学習に来ていた。
宿泊学習日和はなんかいんが踏んでいないし微妙なので、あえて幼い遠足日和に留める。
ねーと相槌あいづちを打ちながらもうそろそろで着くだろう宿舎を探すことに全てを振り絞り目を凝らす。
森の中は木陰があって割と涼しいが風がない。しかも移動も泊まっている間も緊急時以外魔法禁止! と
言われ先生を初めてブッ飛ばそうと思った。
後ろを見ればご令嬢たちが細い脚を懸命に動かし顔を真っ赤にしながら坂道を歩いている。
ドレスが心底邪魔なのか、今回ばかりは私たち平民の服装を羨ましそうに眺めて、再び足元に目を戻していた。
さすがにヒールはダメだと悟ったのか、彼女たちはそんなときのために先生が持参していた靴底のしっかりとしたブーツを履いて平民組の後を追う。
転ばないかな大丈夫かなとチラチラ後ろを振り返ったら、案の定足を踏み外しご令嬢が身を崩す。
危ないと言いそうになったけれど、その焦りは杞憂きゆうに終わった。

「大丈夫? サリー」
「ふぃ、フィン様・・・・・・!?」
「ここは急だから気をつけて。あと少しで道も安定するから、頑張ってね」
「はい! フィン様もお気をつけてくださいませ」

なんかもう、見事だとしか言いようがない。
彼はずっとこんなんだ。最初は女たらしと思ったが今はそれが彼なりの女の子に対する優しさだと認識している。
キラキラした空間に、私は気分が悪くなる。
生クリームいっぱいのパフェを食べた気分だ。

「相変わらずすごいあの人」
「よく二人とも仲良くなれたわね、私は苦手かも」
「でも顔はいいのよね~罪だわ~」

リリー、リンダ、フランメが順に言う。
あの紳士的な姿勢はどこからくるのだろう? 今度本人に聞いてみてもいいかもしれない。

◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

「さーんにー頂上ー!」

やっと着いた。本当に疲れた。
山の頂上は風がほどよく吹いていてとても心地よい。
宿舎の前では従業員らしき人たちが待ってくれていた。

「いらっしゃい」
「疲れたでょう? お疲れ様」
「どうぞゆっくりしてください」 

優しそうな女性と男性が穏やかな微笑みをむけてくれる。年配の方が多いな。

「部屋に荷物を運んだあと、二時間後に話を聞くからロビーに集まれよ」
「「「はーい」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
桜井あこでーす!
書きだめしようとしたらまたも更新が遅くなりました( ˊᵕˋ ;)💦すみません。
宿泊学習って楽しいですよね! ほとんど友達と喋ってるだけだし学習なんて欠片もしてないんですけどね笑笑。
ご令嬢たちは行き死にかけたので宿舎とかいるときは平民女子に服を借りました。
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