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第56話 さらば退屈な日々です
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「リーダー、本当にこっちで合ってるんすか?」
「聞いた話じゃこっちのはずだ・・・なんならレスター、お前一人で別の場所を探してもいいぞ」
「いやいや、俺の勘もマユミちゃんはこっちだって言ってるんで・・・」
「ならお前の勘とやらで、さっさと店を見つけてくれ」
・・・4人の男達が職人通りを歩いていた。
その内の若い一人はキョロキョロと落ち着きがない。
彼ら傭兵達もこの日はゆっくりと旅の疲れを癒し、街の観光と洒落こんでいたのだ。
そして今、彼らはマユミの行きつけの店だという『女神の酒樽亭』を探していた。
すると、妙な人だかりが出来ている店が彼らの目に付いた。
「ひょっとして、あれじゃないすか?」
「酒場のようだが・・・すごい人数だ」
「帰ってきたマユミちゃんの歓迎会か何かかな・・・」
その予想はだいたい当たっていた。
店内から竪琴の音とマユミの声が聞こえてくる。
「うむ、やってるみたいだな・・・どうした?マインツ」
「いや・・・何でもない、気にしないでくれ」
マインツは先程から無言で何やら考え込んでいるようだ。
今回の仕事の事で不満でもあるのかと思ったトゥーガだったが、どうも違うらしい。
まぁ本人が気にするなと言うのなら気にしないでおこう・・・彼はプライベートな事に口を挟むつもりはなかった。
(まさか収穫なしとはな・・・)
仲間たちに付き合いつつも彼はこの街で異世界の英雄についての情報収集を行っていた。
しかし、その成果はまったくあがらなかったのだ。
噂の出所はここに違いないはずなのだが、住民たちの関心は英雄には無いようで・・・
より身近な存在だからなのか、マユミの話で持ち切りだった。
たしかに吟遊詩人としての彼女の能力はマインツも認めるところだが・・・異世界の英雄の存在が霞む程だったとは・・・とんだ誤算だ。
(こんな事ならあの令嬢達に直接聞いてみるべきだったか・・・)
件の異世界の英雄は侯爵の庇護下にあるという・・・侯爵家の人間なら面識の一つもあったかも知れない。
幸いなことに今彼女達は屋敷から出てきているし、自分はもう仕事中ではない。
隙を見て何か聞き出せればいいのだが・・・しかし、この人だかりである。
「・・・これで終わりです、ありがとうございました」
どうやらマユミは語り終えたようだ。
「あああああ、遅かったかー!」
「レスター、あまり大きな声を出すんじゃない」
「・・・店の迷惑だ」
「だってよぅ・・・」
「終わってしまったものは仕方ない、今日は出直すとしよう」
「くぅ・・・明日こそは・・・」
やはり今日はマユミ達の帰りを待っていた常連客達の為の会のようなものだろう。
彼らの邪魔をしないように素直に立ち去る事にするトゥーガ・・・
そんな状況では言い出しにくいものがあったが、マインツは意を決してこの場に残る事を伝える。
「トゥーガ、すまないが俺は少しここに残ろうと思う・・・出来れば挨拶の一つくらいしておきたいしな」
「そうだな、俺達の代わりによろしく伝えてくれ」
「なら俺も残るぞ!」
「お前は残らんでいい!帰るぞ」
・・・駄々をこねるレスターを引きずるようにトゥーガ達は宿に戻っていった。
このまま彼女達が店から出てくるところを捕まえて声を掛けよう・・・そう思ったマインツだが・・・
「マユミちゃん、歌も良かったが、港街での思い出話とかもしてくれよ」
「それいいな、頼むぜマユミちゃん」
「そっちの子も港町関連なんだろ?さっきから気になってたんだ」
「あ、はい、ええと・・・」
客達はすんなりマユミを放してはくれなかった。
矢継ぎ早に質問が飛んできて戸惑うマユミだったが、しっかり落ち着いて対処する。
このタイミングはミーアを紹介するにはいい機会なのだ。
「実は私、港町でちょっとした出会いがありまして・・・」
「なんだ、男でも出来たか?」
「んなわけあるか馬鹿」
「そういうのはマユミちゃんにはまだ早いって」
「マユミちゃんに相応しいいい男なら俺は構わないぜ」
マユミの発言に悲喜こもごもな反応が返ってくる。
もちろん彼氏とかそんな話ではないが、客の注目はしっかり集まっていた。
「その子はライバルと言うか・・・私と同じくらい出来る子で・・・皆さんにも紹介したいと思います・・・おいでミーアちゃん」
マユミの招きに応じてミーアが前に出てくる。
この流れは客達も読めていたのか、彼女の通り道がしっかり空けられていた。
「マユミ、私はどうすればいい?」
「じゃあ、ここの皆に挨拶してもらえるかな」
マユミの指示の下、ミーアが客達の方を向く・・・
「・・・名前はミーア、マユミと一緒にお仕事します・・・よろしく」
ぺこり。
それは、かつて座長に怒られた事もある愛想のかけらのない淡々とした挨拶だったが・・・
「おう、よろしくな嬢ちゃん」
「ミーアちゃんだな、俺はもう覚えたぞ」
「てめぇ、何抜け駆けしようとしてんだ、俺も覚えたぞミーアちゃん」
「マユミちゃんと同じくらい出来るってのは本当か?期待してるぜ」
・・・客達の反応は好意的だった。
これまで味わったことのない感覚にミーアの胸が熱を帯びる。
(なんだろうこの感じ・・・でも嫌じゃない)
期待に応えようというプレッシャーと、不思議な心地よさで胸が満たされていく。
「近いうちに二人でここに立つと思いますので、その時はよろしくお願いします」
「・・・よろしくお願いします」
そう言って頭を下げたマユミの真似をするような動きでミーアも頭を下げる。
・・・そんな二人を温かい拍手が包んだのだった。
(これは・・・どういうことだ・・・)
・・・マインツは客達に混ざって聞いていた。
マユミとミーアが一緒に仕事する予定なのはわかる・・・『二人の歌姫』の練習はその為のものだろう。
しかし、彼が解せないのはもっと前・・・ミーアについての紹介のあたりだ。
(・・・侯爵令嬢3姉妹ではなかったのか?)
どうやらあの様子ではそうではないらしい・・・少なくともミーアは。
たしかに傭兵の仕事では依頼人が嘘をつく事など珍しくもない。
例え嘘をつかれていようが口を挟まない、詮索をしないのが傭兵達のルールだ。
だが・・・
「おい、お嬢様・・・で良いんだよな?こいつはどういうことだ、あのミーアって子は・・・」
一人離れた場所で見ているエレスナーデを見つけた彼は直接問いただす事にした。
しかして、彼女の返答は・・・
「見ての通り・・・としか言えないけれど・・・」
「つまり、あの子は侯爵家の人間じゃないんだな?」
いささかばつが悪そうにエレスナーデが答える。
嘘がばれてしまった以上、下手に隠し立てする気はなかった。
「・・・彼女とはちょっとした縁があって、当家で面倒を見ることになったのよ」
「縁・・・か」
・・・そういえば、エレスナーデやマユミは綺麗な手をしている。
と言っても美しい手という意味ではない、苦労を知らぬ『貴族の手』ということだ・・・しかしミーアの手には、その年齢以上のものが刻まれていた。
それが意味するものは・・・ゴクリ・・・マインツの喉が鳴る・・・
この音が目の前の令嬢に聞こえやしないか、彼は気が気ではなかった。
「何にせよ、あなた達の護衛が侯爵家からの正式な依頼というのは間違いないし、報酬は約束通り支払われるはずよ」
「そうか・・・なら問題ない、余計な詮索をした」
どうやら彼女は依頼の件へのクレームだと思ったようだ。
今はその勘違いを利用する事にしてマインツは彼女に背を向ける。
『女神の酒樽亭』の店内では、マユミとミーアが客達の質問攻めにあっていた。
マインツは記憶に焼き付けるように・・・『彼女』を見つめていた。
たしかに『彼女』には、この世界の人間にはない特徴があった・・・尖った耳である。
(ようやく見つけたぞ・・・異世界の英雄よ・・・)
退屈な日々よ、さらば・・・彼は心の中で喝采を上げた。
「聞いた話じゃこっちのはずだ・・・なんならレスター、お前一人で別の場所を探してもいいぞ」
「いやいや、俺の勘もマユミちゃんはこっちだって言ってるんで・・・」
「ならお前の勘とやらで、さっさと店を見つけてくれ」
・・・4人の男達が職人通りを歩いていた。
その内の若い一人はキョロキョロと落ち着きがない。
彼ら傭兵達もこの日はゆっくりと旅の疲れを癒し、街の観光と洒落こんでいたのだ。
そして今、彼らはマユミの行きつけの店だという『女神の酒樽亭』を探していた。
すると、妙な人だかりが出来ている店が彼らの目に付いた。
「ひょっとして、あれじゃないすか?」
「酒場のようだが・・・すごい人数だ」
「帰ってきたマユミちゃんの歓迎会か何かかな・・・」
その予想はだいたい当たっていた。
店内から竪琴の音とマユミの声が聞こえてくる。
「うむ、やってるみたいだな・・・どうした?マインツ」
「いや・・・何でもない、気にしないでくれ」
マインツは先程から無言で何やら考え込んでいるようだ。
今回の仕事の事で不満でもあるのかと思ったトゥーガだったが、どうも違うらしい。
まぁ本人が気にするなと言うのなら気にしないでおこう・・・彼はプライベートな事に口を挟むつもりはなかった。
(まさか収穫なしとはな・・・)
仲間たちに付き合いつつも彼はこの街で異世界の英雄についての情報収集を行っていた。
しかし、その成果はまったくあがらなかったのだ。
噂の出所はここに違いないはずなのだが、住民たちの関心は英雄には無いようで・・・
より身近な存在だからなのか、マユミの話で持ち切りだった。
たしかに吟遊詩人としての彼女の能力はマインツも認めるところだが・・・異世界の英雄の存在が霞む程だったとは・・・とんだ誤算だ。
(こんな事ならあの令嬢達に直接聞いてみるべきだったか・・・)
件の異世界の英雄は侯爵の庇護下にあるという・・・侯爵家の人間なら面識の一つもあったかも知れない。
幸いなことに今彼女達は屋敷から出てきているし、自分はもう仕事中ではない。
隙を見て何か聞き出せればいいのだが・・・しかし、この人だかりである。
「・・・これで終わりです、ありがとうございました」
どうやらマユミは語り終えたようだ。
「あああああ、遅かったかー!」
「レスター、あまり大きな声を出すんじゃない」
「・・・店の迷惑だ」
「だってよぅ・・・」
「終わってしまったものは仕方ない、今日は出直すとしよう」
「くぅ・・・明日こそは・・・」
やはり今日はマユミ達の帰りを待っていた常連客達の為の会のようなものだろう。
彼らの邪魔をしないように素直に立ち去る事にするトゥーガ・・・
そんな状況では言い出しにくいものがあったが、マインツは意を決してこの場に残る事を伝える。
「トゥーガ、すまないが俺は少しここに残ろうと思う・・・出来れば挨拶の一つくらいしておきたいしな」
「そうだな、俺達の代わりによろしく伝えてくれ」
「なら俺も残るぞ!」
「お前は残らんでいい!帰るぞ」
・・・駄々をこねるレスターを引きずるようにトゥーガ達は宿に戻っていった。
このまま彼女達が店から出てくるところを捕まえて声を掛けよう・・・そう思ったマインツだが・・・
「マユミちゃん、歌も良かったが、港街での思い出話とかもしてくれよ」
「それいいな、頼むぜマユミちゃん」
「そっちの子も港町関連なんだろ?さっきから気になってたんだ」
「あ、はい、ええと・・・」
客達はすんなりマユミを放してはくれなかった。
矢継ぎ早に質問が飛んできて戸惑うマユミだったが、しっかり落ち着いて対処する。
このタイミングはミーアを紹介するにはいい機会なのだ。
「実は私、港町でちょっとした出会いがありまして・・・」
「なんだ、男でも出来たか?」
「んなわけあるか馬鹿」
「そういうのはマユミちゃんにはまだ早いって」
「マユミちゃんに相応しいいい男なら俺は構わないぜ」
マユミの発言に悲喜こもごもな反応が返ってくる。
もちろん彼氏とかそんな話ではないが、客の注目はしっかり集まっていた。
「その子はライバルと言うか・・・私と同じくらい出来る子で・・・皆さんにも紹介したいと思います・・・おいでミーアちゃん」
マユミの招きに応じてミーアが前に出てくる。
この流れは客達も読めていたのか、彼女の通り道がしっかり空けられていた。
「マユミ、私はどうすればいい?」
「じゃあ、ここの皆に挨拶してもらえるかな」
マユミの指示の下、ミーアが客達の方を向く・・・
「・・・名前はミーア、マユミと一緒にお仕事します・・・よろしく」
ぺこり。
それは、かつて座長に怒られた事もある愛想のかけらのない淡々とした挨拶だったが・・・
「おう、よろしくな嬢ちゃん」
「ミーアちゃんだな、俺はもう覚えたぞ」
「てめぇ、何抜け駆けしようとしてんだ、俺も覚えたぞミーアちゃん」
「マユミちゃんと同じくらい出来るってのは本当か?期待してるぜ」
・・・客達の反応は好意的だった。
これまで味わったことのない感覚にミーアの胸が熱を帯びる。
(なんだろうこの感じ・・・でも嫌じゃない)
期待に応えようというプレッシャーと、不思議な心地よさで胸が満たされていく。
「近いうちに二人でここに立つと思いますので、その時はよろしくお願いします」
「・・・よろしくお願いします」
そう言って頭を下げたマユミの真似をするような動きでミーアも頭を下げる。
・・・そんな二人を温かい拍手が包んだのだった。
(これは・・・どういうことだ・・・)
・・・マインツは客達に混ざって聞いていた。
マユミとミーアが一緒に仕事する予定なのはわかる・・・『二人の歌姫』の練習はその為のものだろう。
しかし、彼が解せないのはもっと前・・・ミーアについての紹介のあたりだ。
(・・・侯爵令嬢3姉妹ではなかったのか?)
どうやらあの様子ではそうではないらしい・・・少なくともミーアは。
たしかに傭兵の仕事では依頼人が嘘をつく事など珍しくもない。
例え嘘をつかれていようが口を挟まない、詮索をしないのが傭兵達のルールだ。
だが・・・
「おい、お嬢様・・・で良いんだよな?こいつはどういうことだ、あのミーアって子は・・・」
一人離れた場所で見ているエレスナーデを見つけた彼は直接問いただす事にした。
しかして、彼女の返答は・・・
「見ての通り・・・としか言えないけれど・・・」
「つまり、あの子は侯爵家の人間じゃないんだな?」
いささかばつが悪そうにエレスナーデが答える。
嘘がばれてしまった以上、下手に隠し立てする気はなかった。
「・・・彼女とはちょっとした縁があって、当家で面倒を見ることになったのよ」
「縁・・・か」
・・・そういえば、エレスナーデやマユミは綺麗な手をしている。
と言っても美しい手という意味ではない、苦労を知らぬ『貴族の手』ということだ・・・しかしミーアの手には、その年齢以上のものが刻まれていた。
それが意味するものは・・・ゴクリ・・・マインツの喉が鳴る・・・
この音が目の前の令嬢に聞こえやしないか、彼は気が気ではなかった。
「何にせよ、あなた達の護衛が侯爵家からの正式な依頼というのは間違いないし、報酬は約束通り支払われるはずよ」
「そうか・・・なら問題ない、余計な詮索をした」
どうやら彼女は依頼の件へのクレームだと思ったようだ。
今はその勘違いを利用する事にしてマインツは彼女に背を向ける。
『女神の酒樽亭』の店内では、マユミとミーアが客達の質問攻めにあっていた。
マインツは記憶に焼き付けるように・・・『彼女』を見つめていた。
たしかに『彼女』には、この世界の人間にはない特徴があった・・・尖った耳である。
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