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枕の練習①
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田中さん家のベッドの上で、バスローブを着せてもらって横になっていた。
いつものオレなら、初めて入った田中さんの寝室ドキドキ! バスローブとかフツーの家にもあるんだ! 寝室の中を観察しちゃおっ! とかするんだろうけど、そんな元気はない。どっちかと言うと、ゲッソリって感じ。
『じゃあ、枕営業の練習するか』
あの後、田中さんにお風呂場に連れてかれ、ドア越しにケツの準備の仕方を教えられた。……なんとなく分かっていたけど、枕の相手は男で確定じゃん。
ガチャッ
半泣きになりながら先ほどの出来事を思い出していると、寝室のドアが開く。そちらに目を向けると、シャワーを浴びたのかバスローブ姿の田中さんが立っていた。
(に、似合う。田中さん長身(確か180cmくらいだったかな?)細マッチョだし、いつも他事務所の社員にスカウトされてるし。……なんで、オレのマネージャーなんかしてくれてるんだろ?)
「うう」
気持ちがネガティブなほうへ行きそうになるのを振り払うように、枕に顔を埋めた。
(あ、枕やわらかい。しかもこれ……田中さんの匂いがする)
たまに田中さんと体が近付いたときに香ってくる匂いが、枕からもしてくる。
オレの好きな匂いだ。スンスン嗅いでいると、ベッドが沈み、頭を優しい手付きで撫でられた。
枕に押し付けていた顔を方向転換して、頭を撫でる田中さんの顔をチラリと見る。
オレのことを自分の子どもかなんかと勘違いしてるんじゃないか? ってくらい、穏やかな顔でオレを見ていた。実際、十歳くらい歳は離れてるけど。
「……また子ども扱い」
それがなんかイヤで、ボソッと不満を漏らしてしまう。
幸い田中さんには聞こえなかったみたいだけど。
体を起こして、ベッドの上でなんとなく正座をする。田中さんもオレと向き合うように胡座をかいて座った。
「よし、やるか」
「……あの、ちなみに枕の練習って何をするんですか?」
「セックスだけど?」
田中さんの言葉にピシリと固まる。
「律はこういうの経験ないだろ?」
「……まあ、はい」
あの出来事以降、スキャンダルになりそうなことは避けていた。
そうなると必然的に恋人いない歴=年齢っていう悲しいやつになる訳で。
「いきなり枕やれって言って、あとは任せた。じゃ、さすがに可哀想だからな」
なるほどー……いや、待って!? 田中さんとオレがセックス? 出来るの? オレは別にアレだけど……そういえば準備の仕方とかも教えてくれたし、もしかして――。
「田中さんって、男が好きなの!?」
「何でだよ! オンナが好きだし、オンナとしか付き合ったことないっつーの」
あっさり否定された。
「だって……」
(じゃあ、なんでいくらオレが可哀想だからって、こんなことまでしてくれるんだろう?)
そんなことを考えていると、頬を優しく田中さんの手で撫でられ、視線が絡む。
そのまま田中さんの顔が近付いてきた。
「でも、律となら出来ると思う」
「え? ……んっ」
ちゅっ
キスされた。それよりも、結構ビックリなことを言われた気がして、詳しく聞きたいのに口を塞がれていて聞けない。
田中さんが角度を変えては、唇に吸い付いてくる。
「…っ、…んっ……!」
慣れない行為に体が強張り、唇をぎゅっと噛み締めていると、田中さんの舌が唇を舐めてきた。
予想外の刺激にビックリして、唇が開く。すかさず、田中さんの舌が口内に入ってきて舌を絡めとられる。
ちゅっ、ちゅぷ、くちゅっ
「…ん……は、ぁ」
(きもちいっ……今までバラエティ番組とかで芸人さんとしかしたことなかったけど、キスってこんなに気持ちいいんだ)
強ばっていた体から力が抜け、後ろに倒れそうになるのを、腰に回されていた田中さんの手に支えられる。
「ちゅ、んっ……ぁ……っ!」
田中さんの空いている手が、パンツの上からでも分かるほど勃起したオレのチンコを撫で上げてきた。
キスに夢中で気付かなかったけど、バスローブが肌けて、パンツが丸見えになっていたみたいだ。
恥ずかしいやらキモチイイやらで、もう止めてほしくて田中さんの胸を押し返す。
「じゅぶ、…ん…ぶちゅ……んぁっ」
ジュッと舌を吸われたあと、ようやく田中さんの唇とチンコを擦る手が離れた。
「はあ……キスだけでココ、勃っちゃったの?」
余裕そうに笑いながら言われる。
オレのチンコは、まだキスしている時はゆるく勃ち始めたくらいだったのに、田中さんが触るせいでパンツの上からでも分かるほどギンギンになってしまっていた。
先走りのせいか、パンツに滲みが出来ている。
「一回イっとくか。辛いだろ?」
そう言うと、オレからバスローブとパンツを剥ぎ取っていく。
抵抗する暇もなく全裸にされたオレは、田中さんの胸を背もたれにするように膝の上に座らされ、チンコを扱かれる。
シュッシュッシュッ
グリッグリグリ
「ぁ、や、…ん…イッちゃう」
「いいよ。イッちゃいな」
「…ぁっあっあ……んんん~~~~!!!!」
ビクッビクッビクッビュルッビュルッ
先っぽをグリグリされ、早漏かよってくらい呆気なくイッた。
田中さんにもたれながら、ハァハァと荒い息を落ち着かせていると、膝からゴロンと落とされる。
「え?」と、田中さんを見るとベッドから降りて、お皿のようにした手をティッシュで拭いていた。
(も、もしかしてアレ、オレの精液?? う、うわあ~~)
エロい気分が、一気に吹っ飛ぶ。
とにかく恥ずかしくて、田中さんをなるべく見ないように背を向けてベッドの上で丸くなった。
穴があったら入りたい……本当に。
ギシッとベッドが軋んで、田中さんがベッドに上がってくるのが分かった。
なんとなく気まずくて、目をギュッと瞑って寝たフリをする。
いつものオレなら、初めて入った田中さんの寝室ドキドキ! バスローブとかフツーの家にもあるんだ! 寝室の中を観察しちゃおっ! とかするんだろうけど、そんな元気はない。どっちかと言うと、ゲッソリって感じ。
『じゃあ、枕営業の練習するか』
あの後、田中さんにお風呂場に連れてかれ、ドア越しにケツの準備の仕方を教えられた。……なんとなく分かっていたけど、枕の相手は男で確定じゃん。
ガチャッ
半泣きになりながら先ほどの出来事を思い出していると、寝室のドアが開く。そちらに目を向けると、シャワーを浴びたのかバスローブ姿の田中さんが立っていた。
(に、似合う。田中さん長身(確か180cmくらいだったかな?)細マッチョだし、いつも他事務所の社員にスカウトされてるし。……なんで、オレのマネージャーなんかしてくれてるんだろ?)
「うう」
気持ちがネガティブなほうへ行きそうになるのを振り払うように、枕に顔を埋めた。
(あ、枕やわらかい。しかもこれ……田中さんの匂いがする)
たまに田中さんと体が近付いたときに香ってくる匂いが、枕からもしてくる。
オレの好きな匂いだ。スンスン嗅いでいると、ベッドが沈み、頭を優しい手付きで撫でられた。
枕に押し付けていた顔を方向転換して、頭を撫でる田中さんの顔をチラリと見る。
オレのことを自分の子どもかなんかと勘違いしてるんじゃないか? ってくらい、穏やかな顔でオレを見ていた。実際、十歳くらい歳は離れてるけど。
「……また子ども扱い」
それがなんかイヤで、ボソッと不満を漏らしてしまう。
幸い田中さんには聞こえなかったみたいだけど。
体を起こして、ベッドの上でなんとなく正座をする。田中さんもオレと向き合うように胡座をかいて座った。
「よし、やるか」
「……あの、ちなみに枕の練習って何をするんですか?」
「セックスだけど?」
田中さんの言葉にピシリと固まる。
「律はこういうの経験ないだろ?」
「……まあ、はい」
あの出来事以降、スキャンダルになりそうなことは避けていた。
そうなると必然的に恋人いない歴=年齢っていう悲しいやつになる訳で。
「いきなり枕やれって言って、あとは任せた。じゃ、さすがに可哀想だからな」
なるほどー……いや、待って!? 田中さんとオレがセックス? 出来るの? オレは別にアレだけど……そういえば準備の仕方とかも教えてくれたし、もしかして――。
「田中さんって、男が好きなの!?」
「何でだよ! オンナが好きだし、オンナとしか付き合ったことないっつーの」
あっさり否定された。
「だって……」
(じゃあ、なんでいくらオレが可哀想だからって、こんなことまでしてくれるんだろう?)
そんなことを考えていると、頬を優しく田中さんの手で撫でられ、視線が絡む。
そのまま田中さんの顔が近付いてきた。
「でも、律となら出来ると思う」
「え? ……んっ」
ちゅっ
キスされた。それよりも、結構ビックリなことを言われた気がして、詳しく聞きたいのに口を塞がれていて聞けない。
田中さんが角度を変えては、唇に吸い付いてくる。
「…っ、…んっ……!」
慣れない行為に体が強張り、唇をぎゅっと噛み締めていると、田中さんの舌が唇を舐めてきた。
予想外の刺激にビックリして、唇が開く。すかさず、田中さんの舌が口内に入ってきて舌を絡めとられる。
ちゅっ、ちゅぷ、くちゅっ
「…ん……は、ぁ」
(きもちいっ……今までバラエティ番組とかで芸人さんとしかしたことなかったけど、キスってこんなに気持ちいいんだ)
強ばっていた体から力が抜け、後ろに倒れそうになるのを、腰に回されていた田中さんの手に支えられる。
「ちゅ、んっ……ぁ……っ!」
田中さんの空いている手が、パンツの上からでも分かるほど勃起したオレのチンコを撫で上げてきた。
キスに夢中で気付かなかったけど、バスローブが肌けて、パンツが丸見えになっていたみたいだ。
恥ずかしいやらキモチイイやらで、もう止めてほしくて田中さんの胸を押し返す。
「じゅぶ、…ん…ぶちゅ……んぁっ」
ジュッと舌を吸われたあと、ようやく田中さんの唇とチンコを擦る手が離れた。
「はあ……キスだけでココ、勃っちゃったの?」
余裕そうに笑いながら言われる。
オレのチンコは、まだキスしている時はゆるく勃ち始めたくらいだったのに、田中さんが触るせいでパンツの上からでも分かるほどギンギンになってしまっていた。
先走りのせいか、パンツに滲みが出来ている。
「一回イっとくか。辛いだろ?」
そう言うと、オレからバスローブとパンツを剥ぎ取っていく。
抵抗する暇もなく全裸にされたオレは、田中さんの胸を背もたれにするように膝の上に座らされ、チンコを扱かれる。
シュッシュッシュッ
グリッグリグリ
「ぁ、や、…ん…イッちゃう」
「いいよ。イッちゃいな」
「…ぁっあっあ……んんん~~~~!!!!」
ビクッビクッビクッビュルッビュルッ
先っぽをグリグリされ、早漏かよってくらい呆気なくイッた。
田中さんにもたれながら、ハァハァと荒い息を落ち着かせていると、膝からゴロンと落とされる。
「え?」と、田中さんを見るとベッドから降りて、お皿のようにした手をティッシュで拭いていた。
(も、もしかしてアレ、オレの精液?? う、うわあ~~)
エロい気分が、一気に吹っ飛ぶ。
とにかく恥ずかしくて、田中さんをなるべく見ないように背を向けてベッドの上で丸くなった。
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ギシッとベッドが軋んで、田中さんがベッドに上がってくるのが分かった。
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