異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節

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第114話 来訪者の学院生活スタート

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 マリウスやディーナ王女が魔法学院に到着したちょうど同じ時間、聡史たちは本日は学科の時間割で教室で授業を受けているところ。

 そして4時間目が終了するチャイムを迎える。


「それでは午前中の授業は終了だ」

 英語担当の教員が終了を告げると「その言葉を待っていた」とばかりに脱兎のごとく桜が窓際に走り出す。それはもう、何なら身体強化まで用いているのではないかという勢いで…


「桜、ちょっとは落ち着いたらどうだ?」

「お兄様、昼食の時間に落ち着いてなどいられますか!」

 そう言い残して、桜は3階の窓から飛び降りていく。そのまま校舎脇を一気に走り抜けると、学生食堂に飛び込んでいくいつも通りの光景が展開される。

 窓の外に消えていった桜の姿を呆れて見ている聡史、その視線がたまたま学院の正門付近へと向けられる。すると、何かが目に留まった聡史は独り言のように呟く。


「そうか、今日は王女たちが学院にやってくる日だったな」

 聡史の目に留まったのは、ワゴン車から降り立つ五人の姿。彼らは仲間内で何らかのやり取りを行った後に校舎に向かって歩き出す。


「広い校舎だから迷ったら気の毒だな。迎えに行こうか」

 誰にも聞こえない独り言を呟いた聡史は、桜同様に窓から飛び降りて正門方向に走り出していく。

 


 正門から校舎の方向に歩く五人の異世界からの来訪者は、どうやら戸惑った様子で相談をしている。


「これだけ広くて王宮よりも高い建物がいくつもあると、どこに行ったらいいのかわからないな」

「マリウス、誰かに聞くのがいいんじゃないか?」

「それはそうだが、人影はここからずいぶん先にしか見当たらないな。よし、まずは人影のある場所に向かってみよう」

 パーティーの行動方針を最終決定するのは常にマリウスの役割。日本にやってきても彼らの間ではこの役割分担は健在なよう。五人はマリウスの決定に従って人影が見当たる方向に向かって歩き出す。

 しばらくすると彼らの目にはこちらに向かって走ってくる人影が映ってくる。その影が徐々に近づくにつれて、どうやら自分たちに向かって手を振っている様子まで確認できる。


「もしかしたら聡史じゃないのか?」

「私たちの姿を見つけて、わざわざ来てくれたようですね」

「ありがたいな。これでどこに行けばいいのか明らかになるぞ」

 心の中でどうしたものかと途方に暮れていたマリウスの声が響く。救いをもたらす幸運の精霊がやってきたかのように、ホッとした表情を浮かべている。


「聡史ぃぃ!」

「聡史さ~ん!」

 ディーナとロージーが両手を振って聡史を呼んでいる。一国の王女たるもの、このような大きな声を上げるのは礼儀に反する行為と教えられてはいるが、ディーナはこのパーティーと一緒に行動しているうちに、そのような王族としてのマナーなどどこかに捨て去ったよう。

 あっという間に聡史の姿は接近して、これだけのスピードで走っても息ひとつ乱さない様子で五人の前に立つ。


「ようこそ、魔法学院へ! 五人の到着を待っていたぞ。先に職員室に案内するから、俺についてきてくれ」

「助かったよ、これだけ広くて大きな建物があると、どこに行ってよいのやら途方に暮れていたんだ」

 マリウスは、明け透けについ今しがたまでの自身の心内を打ち明けている。彼の生来の性格ゆえなのか、どうやら隠し事は苦手らしい。その正直な性格を認められて、異世界の神様から勇者に任じられたのかもしれない。

 そんなマリウスに「任せてくれ」という視線を送ってから、次に聡史はディーナ王女に向き直る。


「ディーナ王女、日本には慣れたか?」

「少しは慣れましたが、まだまだ驚く出来事がいっぱいです。一番驚いたのはゴスロリという古風な召し物が王族の正式な装束だという点です」

「なんだか間違っている気がするぞ。誰から聞いたんだ?」

「駐屯地でいろいろとお世話になった女性自衛官の方です」

「確認してみよう」

 どうもディーナ王女の話に齟齬があると感じた聡史は、すぐに宇都宮駐屯地に確認する。通話口に出た案内役の係官の証言によって、その女性隊員の個人的な趣味であることが明らかとなる。本人がテヘペロ顔で白状したらしい。

 しばらく考えてから聡史は、スマホで日本の皇室の画像を呼び出す。


「これが日本の皇室の方々の画像だ。普段の姿とフォーマルな姿が映っているから、変な誤解は解いてくれ」

「まあ! 日本には皇帝陛下がいらっしゃるのですか。いずれはご挨拶をしなければなりませんね」

 これはディーナ王女の王族としてのごく普通の感覚。他国を訪問したらその国の王家に挨拶をするのは当然というのが、異世界での外交慣習となっている。もちろんこの地球上にも同様の慣習はあるはず。とはいっても、この辺の感覚は庶民である聡史にはなかなか理解しにくいものがある。

 それはともかくとして、聡史がディーナ王女に見せた画像は他のメンバーの興味を惹いている。他国の王家や皇族というのは彼らにとっても敬意を払う対象のよう。文化や社会体制が中世レベルの世界では、王室の権威が現代日本以上に強いのであろう。

 だからこそ、聡史には不思議に映る。ディーナ王女がこのパーティーで普通の仲間として扱われている点がどうにも腑に落ちない。


「王女はパーティー仲間と親密に感じるが、身分とかそのようなことは関係ないのか?」

「そうですねぇ~… 最初の頃はマリウスを含めて皆さんどのように声を掛けてよいのか迷っていた節がありましたが、命懸けの冒険を繰り返すうちにそのような小さな事柄はどうでもよくなりました。お互いを信頼しているからこそ、こうしてひとつのパーティーとしてまとまって行動できるんです」

「ああ、確かにその通りだな」

 聡史は納得顔に変わっている。事実彼自身も、異世界で優秀な魔法使いである貴族の令嬢と臨時のパーティーを結成した経験がある。今思えば、当時はずいぶん失礼な言動もあったと思われる。もちろん桜は聡史の百倍失礼な言動を繰り返していたが…


 このような話をしているうちに、職員室がある管理棟が目の前に迫る。聡史の先導で一行は職員室へと入っていく。


「今日から学院に編入する五人を案内してきました」

「ああ、楢崎君! わざわざすまなかったね。あとは私が引き継ぐから昼食を済ませてきなさい」

 ちょうど居合わせたEクラスの担任である東先生が五人を引き受けてくれるそうで、聡史としては細かい手続等は先生に丸投げを決め込む。


「それじゃあ、後でゆっくり話をしよう」

「案内してもらって、すまなかったな。感謝するよ」

「聡史さん、また後ほど」

 五人に手を振られて、聡史は一足先に職員室を出ていくのであった。






   ◇◇◇◇◇





 昼食時間にだいぶ遅れて聡史が食堂に顔を出すと、桜はすっかり食べ終えており、その横では明日香ちゃんがグヌヌという表情でお茶を口にしている。どうやら本日もダイエット作戦継続中の模様。

 美鈴とカレンはいつも通りに食事を摂っているが、聡史が遅れてやってきたのが気に掛かっていたよう。


「聡史君、遅かったけどどうしたの?」

「宇都宮から来た例の五人を職員室に案内していたんだよ」

「まあ、いつの間に到着していたの? 全然知らなかったわ」

「俺もたまたま窓の外を見てて、正門で車から降りた姿を発見しただけだ」

「手間を掛けさせてごめんなさいね」

「気にするな。大した手間じゃないから」

 美鈴は生徒会役員としてディーナ女王たちの到着を気に掛けていたよう。だがすでに聡史が気を利かせてくれたことに感謝している。 
 

「お兄様、新たな知り合いが増えて、ダンジョン攻略も本腰を入れないといけませんね」

「そうだな、悠長にしている時間はないからな。早く彼らが国に戻る通路を発見しないと、あちら側で色々と不味いことになる」

 桜の表情がピカピカに輝いている。大手を振ってダンジョン攻略に専念できる大義名分を得たのがご機嫌な理由だろう。ましてや学院長からも「早く攻略しろ」というお墨付きまで得ているのだから、桜が立ち止まる理由など無きに等しい。

 さらに桜の話の矛先は、グヌヌ顔の明日香ちゃんへ向けられる。


「明日香ちゃん、このところずっとダイエット作戦に付き合っていましたから、そろそろ結果を出してください。結果にコミットするのは重要でですから」

「桜ちゃん、もう私を放置してもらえませんか?」

「50キロを切るまでは、絶対に手を抜きませんよぉぉ!」

「はぁ~… どこかに消えていなくなりたい…」

 絶望感だけが明日香ちゃんを包み込んでいる。なにしろ次の大台一歩手前まで増加した体重をボクサーの減量並みの厳しい節制で減らしているのが現状とあって、毎日をホンワカ生きている明日香ちゃんにとっては地獄に等しい生活だろう。

 この日の昼食も野菜中心でデザートはなしという、明日香ちゃんの生甲斐をまるっきり無視した悲しい内容。明日香ちゃんの生気が失われているのは無理もない。もっとも体重がそこまで増えたのは、明日香ちゃんの自業自得なのだが。

 こうして聡史が食べ終えるのを待って、デビル&エンジェルはそれぞれの教室へ戻っていくのであった。






   ◇◇◇◇◇






 午後の授業が開始される前に、Eクラスの生徒の前には東先生に連れられた5人の生徒が並んでいる。もちろん彼らは一時的に魔法学院に在籍する異世界からの来訪者だが、その立場を大っぴらに明かすわけにもいかない。ということで東先生が…


「本日から短期留学でこの学院で学ぶことになった留学生の皆さんだよ。それでは、自己紹介してもらえるかな」

 東先生の説明に、Eクラスの在籍生徒の目が色めき立つ。男子生徒の注目はディーナ王女とロージーに注がれ、女子生徒の目はマリウスに集中している。他の二人のアルメイダとメルドスはほとんどいないも同然という扱い。いくら何でも悲しすぎるだろう…


「しばらくお世話になります。ノルウェーから来たマリウスです」

「同じくディーナです」

「ロージーです」

「アルメイダです」

「メルドスです」

 簡単な挨拶ではあるが、盛大な拍手が湧き起る。まだ日本の表面上の事柄しか知らない彼らは、ちょうど知識レベルが釣り合うだろうという理由でEクラス所属に決定している。

 これは取りも直さずEクラス生徒の大半の知識レベルは、中世の人間に等しいという証明に違いない。ごく一部の例外はあるにせよ…


「それでは、五人は空いている席に着いてもらいたい。わからないことがあったら、遠慮なくクラスメートや私に聞いてもらえればいいから」

「「「「「はい、ありがとうございます」」」」」

 この五人は〔言語スキルランク1〕によって日本語の日常会話は可能。だが文字の読み書きはさすがに無理。しかも化学理論や物理理論を全く知らない点で比較すると、およそ頼朝たちといい勝負だろう。頼朝、負けるな!


 午後の最初の授業は現代国語となっている。担当の教員は授業の始まりに必ずことわざの問題を出す。


「さあ、今日こそ正解を答えるんだぞ。いいな、これは前フリではないからな」

 先生には未来がわかるのだろうか? 自分の発言を捉えて「これは前フリではない」なんて、今から始まる想像を絶する珍回答を誘導しているかのようにしか聞こえない。


「それでは前川、人の振り見て… 続きを答えろ」

「笑ってやろう」

「違う! 我が振り直せだ」

 先生の説明がわからないデーィナは隣に座っている美晴に質問をする。


「人の振り見て我が振り直せ… どういう意味ですか?」

「ああ、これは簡単なことわざだよ。『他人が剣を振る姿を参考にして自分のフォームに取り入れろ』という意味だな」

「そうだったんですね。武芸に関することわざでしたか。日本語は奥が深いです」

 ディーナが美晴の隣に座ってしまったのは大きな不幸だったのかもしれない。脳筋娘の頭の中身で解釈すると何事も武芸方面の話題として認知されるのだろうか。それにしても美晴よ、間違っている上にそのドヤ顔は何なんだ?

 さらに先生は続ける。


「それでは次、山中! 石橋を叩いて…」

「小指を骨折!」

「違うぅ! 石橋を叩いて渡る… が正解だぁ」

 マリウスが首を捻っている。ことわざの意味が分からないので隣にいる元原に聞いている。


「今の先生の答えはどういう意味なのだろうか?」

「簡単な意味だぞ。『橋を渡る時に待ち伏せをされやすいから、わざと大きな音を出して相手を威嚇しながら進め』という意味だ」

「なるほど… 兵法に繋がる奥深いことわざだな」

 元原、兵法とは関係ないぞ! 異世界の人間に適当な意味を吹き込むんじゃない!


「頼むから最後はしっかり答えてくれよ。次は真田! 石の上にも…」

「ナメクジが出る」

「違ぁぁぁぁう! 石の上にも三年だろうがぁぁ!」

 ロージーが頭を傾げている。どうやら意味が分からないよう。彼女は隣に座っている頼朝に聞いている。


「石の上にも三年… どういう意味ですか?」

「石を放置しておくと、三年もすると草が生えて虫が集まってくるからな。『目立たない小さな敵でも早めに排除しておけ』という意味だ」

「なるほど… 小さな兆候を発見したら素早く対処するんですね。日本のことわざは含蓄があります」

 頼朝… 一度病院で診てもらえ! 薬は多めに出してもらうように絶対に医者に申し伝えろ! 

 こうして始まった異世界からの来訪者の学院生活は、初っ端から前途多難を思わせるのであった。


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「面白かった」

「続きが気になる」

「早く投稿して!」

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