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2:二人旅
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しおりを挟むまあ平民は労働力として子供を使うと言うし、その場合には上の子供が下の子供の面倒を見ると聞く。
だから、長子と末子の年がかなり離れている、と言うのは良くある話らしい。
「お綺麗な字ですね。……はい、ありがとうございます。それでは書類を頂戴して、一度確認させていただきますね」
「お願いします」
二枚とも渡して見守る。名前は仮証と口頭で確認、その他秘匿すべき部分は言わないが、職種など一部事項は声に出して問いかけられた。それらには頷いて応える。
得意武器などは口頭確認があったが、魔法の使用有無に関しては一応秘匿のようだ。何らかの理由もあるだろうが、嘘か本当かは別途確認出来るからだろう。
それぞれ得意な魔法を一つにしたのは、やはり平民が魔法を使えるのは珍しいからだ。
とは言え平民でも訓練を続けていけば最終的に二属性持ちなるのも夢ではない。
それでも無から有が芽生えるかは運次第過ぎる。今後、俺たちは良くも悪くも目立つ動きを(したくなくても)することがあるだろうと思えば、全く使えないと登録するよりこの方が都合も良い。
初めは一つに絞って登録し、ランクを二つくらいあげた頃にでも使えるものが増えました、と徐々に増やしていくことにした。
全く使えなければ面倒な連中に侮られるが、初めから色々と使え過ぎても本職に目をつけられるだろう。
出る杭は打たれる……つまりそう言うことだ。
平民の兄弟で揃って使えると言うのも珍しいかもしれないが、だからこそこうして二人で登録に来たと言い切れる。
家の手伝いも大事だが、冒険者の方がゆくゆくは稼げるのだから。
兄弟なら余程の悪縁を結ばなければ互いを裏切ることはないし、助け合える。この流れも無いとは言えないだろう。
「それではこれから身分証発行致します。今回仮証ご提示いただいておりますので手数料が割り引かれます。お一人様銅貨8枚、お二人様で16枚。または銀貨1枚と銅貨6枚頂きますのでご用意をお願いいたします。こちら紛失・破損で再発行が必要となります場合には、お一人様正規のお代の銀貨1枚頂戴しておりますのでご注意下さい」
「はい」
「カードの不良が見つかりました際にはご連絡ください。故意の場合は有料となりますが、経年劣化など自然な理由での不良品であれば初回無料での交換が可能です」
有料対象の場合の金額は紛失・破損のときと同じ銀貨1枚らしい。
ギルドには子供料金なんてものはない。これらに登録するからには大人として見られるからだ(とは言え年端も行かぬ子供の登録は推奨されていないし、10歳以下の子供に魔物退治をさせることもないが)
ベリーが俺を片腕に抱え直し、ポケットから小銭を出す仕草をする。じゃらりと手のひらに乗った小銭を、俺が必要枚数取り上げてトレイに乗せた。
「ありがと」
「ん」
「ありがとうございます。……に、さん、……はい。丁度、お預かり致します。カードを発行しますので今暫くお待ちください」
そう言って手数料を仕舞った職員が、用紙を二枚とも持って立ち上がる。
奥の壁の方へと向かって行き、備え付けられていた小さな引き出しタイプの棚からカードを二枚取り出していた。
引き出しの直ぐ近くに設置されている、四角い黒色の物体に用紙と先ほど出したカードを重ねて置いている。カードの大きさは手のひらくらいだろうか。
レバーを傾けて……、どうやら重ねた紙とカードをそのまま圧迫しているらしい。
隙間から光が漏れているのが見え、その光が左右に移動しているのが伺える。
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明けすぎましておめでとうございました。
気付いたらこんなに日があいていたとは……
今年ものんびり更新かと思いますので、お暇な時間にでも目を通してしただけたら嬉しいです。
皆様ご自愛くださいませ。
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