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悪い男の囲い者
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「お前は本当によくできた女だよな」
脈絡なく告げられた言葉に目を瞬かせていると、頭をぽんぽんと撫でられた。
視線を上げると、穏やかな眼差しが返ってくる。
「嫌がらないし、こっちがやめろって言うまで続ける。しかもうまい」
「普通は違うんですか」
「まあお前みたいなのは希少だろうな。プロ顔負けなんじゃないか」
プロを知っているという事実にちくりと胸が痛んだような気がした。
そんな想いが伝わったのか、彼はにやりと口の端をつりあげる。
「情報収集でよく娼館に行くんだよ」
頬をすべる手がくすぐったくて、思わず顔をそらした。
「……そうですか」
目を伏せたまま応じると、指先で口元を拭われた。
「嫉妬してんのか?」
悪戯っぽく目を細めた彼の意図がわからなくて、心に浮かんだ言葉をそのまま口に出す。
「娼婦にならなれるかも、と思いました」
「なに?」
ここからもし出られた時は、生活のすべが必要だ。
このご時世、女が一人で暮らしていくのが大変だということくらい、世間知らずの自分でもわかる。
「生きるための方法が一つでもあるのは心強いです」
そう告げると、先ほどまでの笑みが消え、憮然とした表情に変わった。
「俺以外の男のもしゃぶる気なのか」
「そうなりますね。娼婦はお客を選べないでしょうから」
質問に答えると、凛々しい眉がしかめられ、頭頂部を大きな手のひらが包み込む。
「……余計なこと考えずに、俺に奉仕してりゃいいんだよ」
頭にぐっと力がかかり、椅子に座る彼の足の間に顔が押し付けられる。
どうやら不機嫌にさせてしまったようだ。
謝罪の気持ちは言葉でなく行動で伝えればいい。
そう考えて、唇を軽く舌で湿らせると、ためらわずに要求された行為に戻った──
脈絡なく告げられた言葉に目を瞬かせていると、頭をぽんぽんと撫でられた。
視線を上げると、穏やかな眼差しが返ってくる。
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「情報収集でよく娼館に行くんだよ」
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「嫉妬してんのか?」
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「娼婦にならなれるかも、と思いました」
「なに?」
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そう告げると、先ほどまでの笑みが消え、憮然とした表情に変わった。
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「そうなりますね。娼婦はお客を選べないでしょうから」
質問に答えると、凛々しい眉がしかめられ、頭頂部を大きな手のひらが包み込む。
「……余計なこと考えずに、俺に奉仕してりゃいいんだよ」
頭にぐっと力がかかり、椅子に座る彼の足の間に顔が押し付けられる。
どうやら不機嫌にさせてしまったようだ。
謝罪の気持ちは言葉でなく行動で伝えればいい。
そう考えて、唇を軽く舌で湿らせると、ためらわずに要求された行為に戻った──
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