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第1章
23話 これからの予定
しおりを挟む街で過ごすに当たって気をつけないといけないことはいくつかある。
俺たちが今回この街に来たのは、必要なものを買い揃えるためだ。
だからそれを済ませたらすぐに街を出るつもりだった。
……のだが、
「ソフィアちゃんはいい子だったよね……!」
ベッドの中にいるテトラが、明るい顔でそう言った。
俺たちは今、宿の部屋の中でこれからの予定を立てている最中だ。
実にゆっくりとした時間だ……。
村を出た時は、俺たち以外は全て敵。テトラと一緒にいたいと思う限り、全ての人物に警戒しなければならない……。
と、そう思っていたけど、ソフィアさんと出会ったことで、あまり気を張り詰めすぎるのもよくないと知った。
気を緩めすぎるのはもっとダメだけど、時にはゆとりを持って行動した方がいいこともある。
「うんっ。私たち、もう三日ぐらい部屋でくつろいでるもんね……」
テトラが苦笑いをしながら、ベッドのシーツに包まっている。
やはり、お互いに疲れが溜まっていたのだろう。俺とテトラは街に来てから、数日間、ずっと部屋に泊まりっぱなしだ。
食事は宿で出される食事を食べて、柔らかいベッドで寝る。数十日間歩きっぱなしで野宿続きだった反動で、体が悲鳴をあげているため、無理はしないようにしていた。
それに、ソフィアさんの話によると、現在、この街の彼女の屋敷には教会からの使者が訪れているらしい。
その使者たちと俺たちが出会う確率はほとんどないと、彼女は言ってくれたけど、もし心配なら数日の間宿から出ずにいたら、用事を終えた使者はこの街を出て行くとも言っていた。
そしてさっき、窓の外からその合図を確認した。
ソフィアさんが俺たちにだけ分かる合図で、遠くに見える屋敷から教えてくれるようにしてくれていたのだ。
彼女には色々してもらってばかりで、本当に助かっている。
そのおかげで、心配事が随分と減ったし、彼女には頭が上がらない。
「今度、ちゃんとお返ししないとね」
「うん」
また会った時に、いつか必ず。
そして俺たちが考えなければいけないのは、これからのことだ。
「まず身分証を作ろう」
「確か、冒険者ギルドで作れるってソフィアちゃん言ってたよね」
俺たちがこの街に入る時には、彼女たちと一緒だったから無事に入ることができた。
しかし俺たちは身分証を持っていない。だから作っておかないと、街の出入りの際とかに、かえって面倒な手続きが必要になる場合があるとのことだった。
一応、調べてみたところ、冒険者ギルドなら比較的軽い条件で発行してもらえるみたいだった。
だから、作っておこうと思う。
「あと服も買おう。今着ている服も、もうダメになりかけてる」
「うん」
できるだけ頑丈なやつで、長く着れるやつがいい。
あとせっかくだし、テトラにもいい服を買いたい。
他にも買い揃えないといけないものはあるけど、ひとまず優先すべきはこの二つだ。
そのためにも、俺たちは身支度を整えると、出かける準備を始めた。
腕輪をはめ直し、ちゃんと二つあるのを確認し、テトラの腕輪も確認する。
「じゃあテオ、行ってらっしゃい」
同じく出かける準備を整えたテトラが、俺の頬にキスをした。
その瞬間、腕輪の宝石が光り、テトラの姿も光になる。
『じゃあテオ、行こう……!』
腕輪に宿ったテトラが、元気な声でそう言ってくれる。
テトラは街の中を歩く時は、その時に応じて腕輪に宿るようにするとのことだった。
できれば窮屈な思いをさせたくないと思うけど……どうやら腕輪の中は案外快適とのことだった。
『なんかね、テオに包まれてるみたいで安心するの』
「そっか……」
『ふふっ』
俺は腕輪の宝石を撫でて、部屋を出る。
そうして人混みに溢れている中を歩き、向かうのは冒険者ギルドだ。
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