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第26話 久しぶりのクラスメイトたちが、何やら儀式をしようとしている。
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懐かしいとも言えない光景だ。
立ち並んでいる建物。中世ヨーロッパのような街並み。俺たちはそれを路地裏から眺めている。
「王都……変わっていませんね」
セレスさんがその光景を見て、どこか安心したように呟いていた。
ロストルジアさんに転移してもらって、俺たちは王都へとやってきた。
この街の光景を見るのは二度目だけど、そんな俺でも少しだけ懐かしい気持ちになれた。
俺でさえそうなんだ。この国の王女だったセレスさんにとって、この光景は懐かしいものなんだと思う。
「一年間ぶりの王都ですけど、なんだか不思議な気がしますね」
そう言ったセレスさんは苦笑いをしていて、その声は吹いた風に流れて、街の中に溶けていた。
「っと、やはり、この体で王都にいるのは無理でしたか……」
ここで、ロストルジアさんの体がうっすらと消えかかっていた。
まるで消えてしまうかのように。
「……ロストルジア様……消えてしまわれるのですか?」
「いいえ、私は消えません。ただ呪いの森以外の場所では、この姿を保つのはまだ難しいみたいですので、こうしましょうか」
フワッと彼女の体が光に包まれた。
その光がセレスさんの指に集まって、セレスさんの指には黒い指輪が嵌められていた。
『私はこの中にいることにします。セレス、少しの間、ごめんなさい」
「あ、いえ! 大歓迎です! ロストルジア様が消えなくてよかった!」
指輪になったロストルジアさんのことを、セレスさんが嬉しそうに撫でていた。
ともかく、俺たちは王都へとやってくることができていた。
もう、森の景色はどこにもない。でも、あの森から出ることを目標にしていた俺たちだけど、こうしてあの森離れてみると、寂しさを感じた。不思議なものだった。
「とりあえず、せっかくですし、街の中を歩いてみましょうか。情報収集も兼ねて、今の王都の様子を確認したいです」
セレスさんはそう言うと服のフードを被り、俺の手を握ってくれる。
そして俺たちは喧騒に包まれる王都の中を歩き始めるのだった。
* * * * * *
「やっぱり私は死んだことになっていました」
しばらく王都を歩いて調べた結果、分かったことがいくつかある。
セレスさんは王都では、本当に死んだことになっているみたいだった。
今いる場所は街の広場で、その広場の中央には美しい女性の像が立っている。あれはセレスさんの像とのことだ。
一年前に、この国からセレス第三王女は姿を消した。そのセレス王女は死んで、もうこの世にはいない。
死んだ原因は、呪神ロストルジアがセレスを消したということになっているらしい。
『……それは事実だから、否定できません』
「ふふっ。ですねっ」
ロストルジアさんの言葉に、セレスさんがくすりと笑みを浮かべていた。
そして、そのセレスさんの死を口にすることは、この王都ではタブーになっているらしい。
それでも街の中を歩いていると、ちょくちょくセレス王女の話が耳に入ってきていた。
なんでも、現在の王都に住まう者たちは、今でも悲嘆にくれているようだった。
「惜しい方を亡くしてしまった……」と、すがる言葉を口にしていて、セレスさんがどれだけ国民に信頼されていたのかの一片が垣間見えた気がした。
「あと、最近の王都では地震も多いみたいです。魔人の話もあるようですし、色々起こっているのでしょう。……あっ、ほら、また地震が」
ごごごごご……と、軽く地面が揺れる。
少しの間続いたその揺れは、どこか不気味な感じがした。
そして、……直後のことだった。
「ほら……! また柴裂くんの祟りが起きてるよ!?」
「早く、道具を揃えて、懺悔の儀式を執り行わないと!」
「くそっ! こうなったのも、あいつらのせいだ……!」
「あれは……」
ふいに、耳に入った聞き覚えのある声。
見てみると、そこにあったのはクラスメイトの姿だった。
一緒にこの世界に転移したあのクラスメイトたちだ。
彼らは焦っているようで、何やら慌てて、この広場の近くにある道具屋へと走っている。
……何かあったのだろうか。
とりあえず俺は、様子を確認してみることにした。
その道具屋へと近づいてみる。セレスさんも俺の服の裾を握って、一緒に道具屋へと近づいた。
男女6人ほど。みんな、この世界の格好をしており、制服姿ではない。
そんな彼らの顔には、どこか焦りのようなものを感じる。
「とにかく地震を収めるために、儀式をしないと!」
「ねえ、本当にするの……?」
「当たり前だ……! 懺悔の儀式だ! 柴裂くんの祟りを納めるために、あいつらに懺悔させるんだ……!」
「あいつらだ……! あいつら、柴裂くんをいじめていた奴らのせいだ……!! あいつらが、柴裂くんに泥水を被せたりしていたせいで、祟りが起こってるんだ……! だから、懺悔させるんだ……! そして俺たちも謝るんだ……! これは決定事項だ……!」
必死の形相でそんなことを言うクラスメイト。
……懺悔の儀式。
俺の名前も出てきたようだけど、これは一体……。
久しぶりに見たクラスメイトたち。
彼らは、何やら儀式を始めようとしているみたいだった。
立ち並んでいる建物。中世ヨーロッパのような街並み。俺たちはそれを路地裏から眺めている。
「王都……変わっていませんね」
セレスさんがその光景を見て、どこか安心したように呟いていた。
ロストルジアさんに転移してもらって、俺たちは王都へとやってきた。
この街の光景を見るのは二度目だけど、そんな俺でも少しだけ懐かしい気持ちになれた。
俺でさえそうなんだ。この国の王女だったセレスさんにとって、この光景は懐かしいものなんだと思う。
「一年間ぶりの王都ですけど、なんだか不思議な気がしますね」
そう言ったセレスさんは苦笑いをしていて、その声は吹いた風に流れて、街の中に溶けていた。
「っと、やはり、この体で王都にいるのは無理でしたか……」
ここで、ロストルジアさんの体がうっすらと消えかかっていた。
まるで消えてしまうかのように。
「……ロストルジア様……消えてしまわれるのですか?」
「いいえ、私は消えません。ただ呪いの森以外の場所では、この姿を保つのはまだ難しいみたいですので、こうしましょうか」
フワッと彼女の体が光に包まれた。
その光がセレスさんの指に集まって、セレスさんの指には黒い指輪が嵌められていた。
『私はこの中にいることにします。セレス、少しの間、ごめんなさい」
「あ、いえ! 大歓迎です! ロストルジア様が消えなくてよかった!」
指輪になったロストルジアさんのことを、セレスさんが嬉しそうに撫でていた。
ともかく、俺たちは王都へとやってくることができていた。
もう、森の景色はどこにもない。でも、あの森から出ることを目標にしていた俺たちだけど、こうしてあの森離れてみると、寂しさを感じた。不思議なものだった。
「とりあえず、せっかくですし、街の中を歩いてみましょうか。情報収集も兼ねて、今の王都の様子を確認したいです」
セレスさんはそう言うと服のフードを被り、俺の手を握ってくれる。
そして俺たちは喧騒に包まれる王都の中を歩き始めるのだった。
* * * * * *
「やっぱり私は死んだことになっていました」
しばらく王都を歩いて調べた結果、分かったことがいくつかある。
セレスさんは王都では、本当に死んだことになっているみたいだった。
今いる場所は街の広場で、その広場の中央には美しい女性の像が立っている。あれはセレスさんの像とのことだ。
一年前に、この国からセレス第三王女は姿を消した。そのセレス王女は死んで、もうこの世にはいない。
死んだ原因は、呪神ロストルジアがセレスを消したということになっているらしい。
『……それは事実だから、否定できません』
「ふふっ。ですねっ」
ロストルジアさんの言葉に、セレスさんがくすりと笑みを浮かべていた。
そして、そのセレスさんの死を口にすることは、この王都ではタブーになっているらしい。
それでも街の中を歩いていると、ちょくちょくセレス王女の話が耳に入ってきていた。
なんでも、現在の王都に住まう者たちは、今でも悲嘆にくれているようだった。
「惜しい方を亡くしてしまった……」と、すがる言葉を口にしていて、セレスさんがどれだけ国民に信頼されていたのかの一片が垣間見えた気がした。
「あと、最近の王都では地震も多いみたいです。魔人の話もあるようですし、色々起こっているのでしょう。……あっ、ほら、また地震が」
ごごごごご……と、軽く地面が揺れる。
少しの間続いたその揺れは、どこか不気味な感じがした。
そして、……直後のことだった。
「ほら……! また柴裂くんの祟りが起きてるよ!?」
「早く、道具を揃えて、懺悔の儀式を執り行わないと!」
「くそっ! こうなったのも、あいつらのせいだ……!」
「あれは……」
ふいに、耳に入った聞き覚えのある声。
見てみると、そこにあったのはクラスメイトの姿だった。
一緒にこの世界に転移したあのクラスメイトたちだ。
彼らは焦っているようで、何やら慌てて、この広場の近くにある道具屋へと走っている。
……何かあったのだろうか。
とりあえず俺は、様子を確認してみることにした。
その道具屋へと近づいてみる。セレスさんも俺の服の裾を握って、一緒に道具屋へと近づいた。
男女6人ほど。みんな、この世界の格好をしており、制服姿ではない。
そんな彼らの顔には、どこか焦りのようなものを感じる。
「とにかく地震を収めるために、儀式をしないと!」
「ねえ、本当にするの……?」
「当たり前だ……! 懺悔の儀式だ! 柴裂くんの祟りを納めるために、あいつらに懺悔させるんだ……!」
「あいつらだ……! あいつら、柴裂くんをいじめていた奴らのせいだ……!! あいつらが、柴裂くんに泥水を被せたりしていたせいで、祟りが起こってるんだ……! だから、懺悔させるんだ……! そして俺たちも謝るんだ……! これは決定事項だ……!」
必死の形相でそんなことを言うクラスメイト。
……懺悔の儀式。
俺の名前も出てきたようだけど、これは一体……。
久しぶりに見たクラスメイトたち。
彼らは、何やら儀式を始めようとしているみたいだった。
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