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6.めくるめく恋の時間

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 市井に右手を引かれ、大夢が椅子から立ち上がる。

 リビングからの短い距離を二人は無言で移動した。

 大夢の前を歩く市井が寝室のドアを開けると、暗い部屋から冷たい空気が流れてきたが、足留めにはならなかった。

 そして、寝室に入ると大夢にドアを閉める時間も与えず、市井は大夢をベッドに引っ張り込んだ。

 ドアを閉めなかったことで、リビングの照明が寝室に程よい明かりとなって入り、お互いの姿がよく見えた。

 ベッドの上で横並びになった体勢で、大夢が市井を見つめれば、市井は大夢の額や頬、首筋に優しいキスを不意打ちのように何度も繰り返し落とす。そのくすぐったさに、大夢が幸せいっぱいになりながら首をすくめたりクスクス笑ったりしている内に、気がつけばシャツのボタンが全部外されていて、どうぞと言わんばかりに乳首を市井の目の前に差し出していた。

「えっ、いつの間に……ァッ」

 驚いた感想を言いきらせて貰えぬまま、先ずは左に吸い付かれる。

「アぁんっ」

 満足出来る大夢の可愛い悲鳴に、喜んで尻尾を振る犬のように市井の舌が口の中で左右へ粒を弾いた。

「あ、あ、うぁ、アぁ……あっぁん!」

 ヌルヌルで温かい舌を使って乳首を往復で連打されると、気持ちよくて小刻みに上がる声を止められない。

 市井お気に入りの、乳首で喜び悶える大夢の反応は、今日も市井の欲望をメラリ、ムラリと燃え上がらせることに貢献していて、市井は満足の笑みを浮かべた。

 ところが、まだ手付かずにしていた右側の突起に指先を添えて、親指の腹でクニクニと弄った時、大夢が痛がる素振りを見せてきて、市井の指が止まる。

「い、痛かったですか……?」

 大夢が見せた初めての拒絶の仕草に、何かあったのかと、市井が不安げに大夢を見ると、大夢は申し訳なさそうに、市井の胸に顔を埋めて懺悔してきた。

「す、すみません……。昨日……、その……じ、自分で触りすぎて、あの……。チ……ちくび……痛いので……出来れば優しく……してほしい……デス」

 赤面の申告をしてきた大夢に、市井は今朝の部屋の惨状を思いだして「くぅっ」と声を漏らした。

(そこッ、詳しく!)

 あんな状況になるまで服やシーツをドロドロにした顛末てんまつを知りたくて、鼻息が荒くなる。

 とにかく残念だが、痛みがあるなら仕方がない。今日は別の場所に焦点を変えて楽しむしかないようだ。

「わ、分かりました。じゃあ、今日は触らないように――」

「えっ!?」

 大夢の身体を気遣った発言をしたつもりだったが即座に不満の声を返された。

 いや……、あの……、と、大夢は煮えきらない言葉を発して、しばらく市井の胸元でモジモジしたあと、恥ずかしそうに伏し目がちになって提案してくる。

「指は痛い……ですけど、……ペロペロは……スキ」

 突っ込みどころ満載の申し出とパワーワードに、市井の思考は大騒ぎだ。

(ペロペロって……ッ! スキって……ッ! 舐めまわされたいってことですか!? いやソレ俺も賛成! 大好き! 嬉しいっ、俺、めちゃくちゃ頑張ります!!)

 うずくまって叫びたいくらい大夢が可愛い。すぐに襲い掛かってベロンベロンと舐め回したい気持ちを何とか抑え、咳払いで取り繕った。

「ン゛ン゛っ……じゃあ、痛くないようにしたいんで、その、ペロペロ……して欲しいときとか、ペロペロの強弱なんかは、八木沢さまがその都度、言葉でキチンと教えてください」

 しれっと淫語を何度も言わせるように仕向けて、疑問を持たれる前に、市井はさっさと続きを再開して、大夢に思考をさせないようにする。

「それじゃ、八木沢さま。続きはどうしましょうか?」

 唐突にされた質問に、大夢は恥ずかしくても律儀に答えるところが真面目だ。

「ぁ……み、右を……いっぱい……して、ください」

「……どんな感じで?」

 言葉が足りませんよ、と市井はニコリとするだけで動かない。大夢は戸惑いつつも、市井の言葉に答えなければと右の乳首を見つめて考える。

「どんな……? えっと、……ココ、ちゅーってしてから舌でペロペロって早い、さっきのもスキです。ンッ……、アッアッ、うん、レロレロっも、アンッ、そう、そこチュパって何度も吸われるのも……ぅ、ァッ、でも俺、ハァっ、アッ市井さんにされたら、何でもスキ……イィッ、あ、あ、それッぇ、すきぃッ」

 目の前の無防備な魅惑の乳首に誘われて、話の途中からは大夢の希望を先回りして、市井は右の粒にしゃぶり付いていた。

 唾液を含ませ、ジュルジュルといやらしい音を大きく立てると、大夢の小さな喘ぎ声も僅かに音量が上がっていってちょうど良い。

(ぅあーッ。昨日の余韻なのかすっごい素直に喘いでくれる)

 服の袖で口を拭うと、市井は大夢の息が整うまでの間に、大夢のネクタイを解き、ワイシャツを腕から抜いてやる。大夢の細い上半身が露わになると、市井も手早くシャツを脱ぎ捨てた。

 上半身が裸になったことで、暖を求めてどちらからともなく寄り合い、布団の中に潜り込む。肌と肌をぴたりとくっ付けるように抱き合うと、また唇を重ねあった。

 唇だけを何度も軽く重ね合わせていたものが、少しずつ市井に誘導されるように開けられていくと、口の中に市井の舌が入ってきて、大夢の舌が捕らえられる。大きな舌に舐められ、吸われ、先端同士がぶつかり合うと電気が走ったみたいにピリピリした。その自由に動く存在感に翻弄されて、大夢はどう動かせばいいのか分からない舌をとにかく差し出して、なんとか応えようと混ぜ合った。

 しばらくすると、空気を求めた男同士の、低く、くぐもった声が何度も静かな部屋に漏れて響き、その声を互いにもっと出させたくてキスを深めれば、ピチャピチャと粘りのある音が立って、脳を熱くさせ、腰を疼かせた。

 知らずに捩りあった下半身が正面で一度ぶつかり合うと、堪らなくなった大夢が二度三度と擦り付けてきて市井に吐息を零させる。

「い、市井さん……。ごめ、なさ……腰、勝手に動いちゃう……」

 四度目以上を求めてカクカクするはしたない腰の動きを何とか止めようと、太腿に力を入れて大夢は頑張っていたが、恥じらう大夢をもっと眺めたくなった市井が、手の甲と骨張った長い指を裏筋にすりすりと当て擦って邪魔してきた。

「あっ、やぁッ、ダメっ、市井さ……ッ」

 次第にスラックスの上から握り込まれて優しくしごかれれば、大夢のそれはどんどん熱を帯びて芯が入ってしまう。

 ダメと言いつつも逃れられない気持ち良さに、口数も減ってハァハァと熱い吐息を短く出すだけになった大夢を見て、市井はベッドの上で座ると、大夢のベルトのバックルに手を掛けて外すことにした。

 芯を握っていた責める手が止まった事に気づいて、大夢もうっとりとした状態でのそのそと起き上がると、向かい合って市井のベルトに指を掛ける。互いにズボンの前をくつろげ合うと、膝立ちになって、お互いのズボンを脱がせ合う。パンツの前合わせの部分で蒸れた体温を指先に感じながら、先に大夢が市井のジーンズをドキドキしながら腰から下ろして、少しずつ露わになるボクサーパンツの生地を盛り上げている膨らみを見つめた。それに対し、市井は間違えたフリをして大夢のスラックスと下着を纏めて一気にり下ろし、赤く充血している半勃ちのものをプルンと飛び出させて大夢を慌てさせる。

「もぅッ。俺だけ恥ずかしい……ッ」

 恥ずかしがらせたことで、残りの膝から下の部分は自分で脱がれてしまったが、あそこが飛び出た直後、大夢が顔に手を当てて恥ずかしがっていた間、隠し忘れた股間をしばらくプルンプルンと揺らしていた姿は市井を存分に楽しませた。

 大夢を見ることに忙しくて、遅れて市井も着ていたものを全て脱ぎ終えると、二人ともが素っ裸ではさすがに寒くて、布団に潜り込む。抱き合って市井の体温をじんわりと感じた大夢が微笑んだ。

「昨日の朝みたいです」

「ほんとですね。でも、今日は八木沢さまにキスが出来ます」

 そう言って十秒ほど時間をかけて、市井が甘い甘いキスを送ると、大夢も同じようにプチュっと慣れないキスを返してから、はにかんだ。

「ふふっ。ほんとだ。似てるけど、全然違います。今の方がずっとずっと幸せです」

「……ッ! すみません、ちょっとグッときました」

「え?」

 大夢をギュッと抱き締めると、市井は大夢の尻の方へ既に忍ばせていた指を伸ばす。

「あッ……!」

 前触れなく侵入してきた市井の指に、抵抗する間もないまま、躊躇なく二本目も押し込まれた。

 昨日の朝に市井がほぐしたあと、夜も大夢が散々弄ったことで、柔らかい穴は痛みもなく市井の指を受け入れている。

「ここに、早く挿れたい……」

 懇願する市井の声に、なんとなく理解しているだけだった大夢も、男同士のセックスの現実を実感した。

「ちょっと怖い、ですけど……、俺は……市井さんになら」

 大夢の出してくれた勇気に、市井は股間同士を押し付け、舌にありったけの優しさを込めて大夢の乳首を舐め回した。

「ふっ、ぅ……っ、ンーッ! あぁっ、もっと、市井さっ、ンッ……気持ちいぃ……もっとペロペロして……!」

 教えたとおりに恥ずかしい言葉で伝えてくる大夢に、市井は次のワードを与えてやる。

「おっぱい、こうやって……舐められるのは、好き……?」

「す、スキぃ……アァ、ん……おっぱい、イィよぅ……っ」

(くッ、この人、今なら何でも言ってくれるんじゃないか!?)

「俺の事も、好き?」

「ぅ、うんっ。アッ、ぁ……好きっ! 俺ね、……昨日からだと思ってた、けどっ、ンンッ……けどっ、もっと前から、おんなじくらいスキっ。大好きだった…っ」

 大夢を追い込んでいた筈なのに、市井の方が追い込まれていた。

「っ……、俺はもっと好きですよっ。もうおっぱいどころか、……あなたのこんなところまで美味しそうに見えて、我慢できないんです」

 そう言ってガバっと布団の中に潜ると、市井は頭と足の向きを交代させて、指を沈めている場所のすぐ側、擦り付け合って先走りを垂らす蒸れた竿に舌を添えると、そのまま口に含んで頬張った。

「ンーっ!! アッ、ああっ、い、市井さんっ、何それっェ、ハァ……ンッ、すご、それスゴいぃ!」

 射精を促す猛烈な刺激に、大夢は目の前がチカチカして、シーツの上で身体を捩って悶える。市井は生まれて初めて咥える男根を、愛しげに舐め回し、唇を窄めて吸い上げ扱いた。

「知らないっ、こ……なの、知らな……っ」

 温かくてヌルヌルしてて、狭い場所が堪らなく気持ちいい。次に何がどう動いて締め付けて虐めてくるのか予測も出来なくて、ただ快感を受け入れて髪を振り乱していると、大夢の顔のそばで、市井のソレがピクピクと動いていることに気がついた。

 長い足を布団から出して、豊かな茂みの中、赤黒い塊がひくつきながら少しずつ勃ち上がっていく。さっき市井は、大夢のそれを美味しそうだと言っていた。

(気持ち、分かる……)

 どう見てもグロテスクな男性器でしかないのに、想いを寄せる相手が、興奮に勃ちあがらせて、先端から汁を垂らしていると思うだけで、自分の中から愛しさが溢れてくる。

 混乱するほどの快楽を与えられる最中さなかに、大夢も相手に同じものをあげたかった。

「ッ……!? や、八木沢さまっ?」

 指は大夢の尻に埋め、口は完全に勃ち上がったそれを夢中で舐めていた市井は、突然受けた自分のソコへの刺激に驚いて、潜っていた布団を跳ねのけた。

 口から大夢のそそり立ったモノがぶるんと抜け出て、市井の頬を打つ。それも気にならない光景が市井の腹の下で起こっていた。

 大夢が市井の陰毛に顔を埋めて、一生懸命に口淫してくれている。

 そんな大夢に目を釘付けにされて、動かなくなった市井に気づいた大夢は、そのまま行為を続けながら、泣きぼくろの似合う目を細めて視線だけを向けると、強請るように腰を捩って、市井の頬に当たっていた茎を押し付け、続けて欲しいとおねだりした。

 その甘美な仕草に、市井の手と口が再び熱を孕んで動き始める。

 会話の無い部屋で、ただ唾液と体液を混ざり合わせて、二人は互いの性器を貪り合った。

 そして、市井の顔の前で指三本が大夢の中を出たり入ったりし始めた時、市井の顔を跨ぐ四つん這いの姿勢で、市井のそそり立つモノを咥えていた大夢の声に、今まで無かった変化があった。

 その声が上がるところを探して、市井の指が大夢の中を掻くようにうごめく。

「ふっ……ぁあっ、アンッ。ゃ……ソコ、押したらぁ……ゥ、声出ッ、あっ……」

 身体をビクビクさせてお尻で感じる大夢の姿に、大夢の口の中の市井が、更に大きくなった。

 市井は大きな身体を大夢の下から移動させると、大夢をコロンとベッドに転がす。そして、大夢の口でたくさん可愛がられ、涎でぬらぬら光るパンパンに充血させた塊を、割り開いた大夢の脚の付け根の部分ですりすりと前後に揺らした。

 大夢が下から見上げた市井は、熱に浮いたような虚ろな目で互いの性器が擦れ合うのを眺めていて、荒い呼吸をさらに上げて色気を撒き散らしている。その端整な顔を興奮でしかめさせると、精悍さがさらに増した。

「あっ……」

 右手を添えてぺちぺちと大夢の太腿に当てていた市井の熱の先端が、いよいよ大夢の襞に宛てがわれる。

 我慢出来なくて滲み出る、先走り汁をそこに塗り付ければ、蕾が小さな口を開けてぱくぱくとひくついた。

「すごい……。八木沢さまのココ、俺にキスして吸い付いてくる……ウッ、――ンッ」

「ふッ、……ぅあッ、ああぁ……」

 鈴口を襞に何度も食まれ、耐えられなくて腰を前に押したら、くぷりと亀頭まで飲み込まれ、市井の口から感嘆の吐息が溢れる。

 市井の張り出た傘の一番広い場所を受け入れた大夢は、体内に入ってきたそのあまりの大きさに呻くしかなかった。

 苦しそうな声を上げる大夢に、市井は様子を見たかったが、市井を離さないお尻の甘い締めつけに目が眩んでしまう。

「す、すみませ……っ、止められ、ない……ッ」

「んあ゛っ、あっあ゛っ、ぅ……アァッ!」

「……あぁッ、そんなに締めたら……も、堪んない……っ」

 押せばどこまでも沈んで締めてくる大夢の熱い体内は、頭の中が溶けてしまうくらい気持ちいい。

「あっ、……ひぃッ、んッ。ま、待っ……、アァ……っ!」

 優しくしたいのに、ゆっくり腰を押すのも限界で、残りの長さに焦れた市井が最後まで一気に押し込んだ。

「あぁっ……!」

 息が止まるような衝撃が身体を貫いたと同時に、市井が覆いかぶさってきてギュッと抱きしめられた。

 市井の心臓の音がすごく早くて、全身が汗でしっとりとしている。それが自分のせいなのだと思ったら、嬉しかった。

「全部……はいりました……か?」

 途切れ途切れの息で確認すると、抱きついて大夢の肩に顔を埋めていた市井がこくこくと肯く。

 大夢のお尻の中にある市井は大きいままの状態だったから、きっと声も出せないくらい気持ちいいのだろう。そんな市井が可愛くて、キュンとしたらお尻を締めてしまったみたいで、ビクンと中で跳ねたのが分かった。

「フフ、おっきぃ……」

 市井を可愛いなどと思ったのは、そこまでだった。

「ア、アンッ、あっあっ、ぅあっ、アッ」

 余裕を見せた大夢に、もう動いても大丈夫なサインだと受け取った市井が、大夢の両足を開いて抱えると猛然と腰を打ちつけ始めた。

 パンパンと鳴り続ける肉を打つ音に、いつか夢で見た市井の振動を思い出して、今二人が繋がっている現実に大夢の胸はキュゥっと苦しくて熱くなる。

 挿入の痛みですっかり萎んでしまった大夢の肉茎は、市井の手で扱かれて再び腹に付きそうになるほど反り返っていた。市井の肉棒に擦られて熱いだけのお尻とは違い、触れるだけで気持ちいいソコを市井は大きな手で戸惑いもなく可愛がってくれる。もう自分で触るだけではとても満足できそうにないほどトロトロにされて、大夢は肩をくねらせてシーツのシワを増やした。

 もう少し擦られれば、呆気なく達してしまいそうなほど追い込まれたとき、市井が大夢の腰を捻って横を向かせると、大夢の背中側に寝そべり、大夢の片足だけを持ち上げて背面から突き上げてきた。

 挿入の角度が変わって、先程市井の指で声を上げされられた場所を絶妙に擦ってくる。

「あっ、あっ、あ゛んッ! や……ッ、ソコっ、あ゛あ゛ッ」

 自分じゃないような声を上げて、理解できない事態に必死で抗うのに、市井がそれをゆるしてくれない。

「ま、待って……な、なんか、ヒッ、これ、おかし……っンン、んーっ!」

 市井の腰を止めようと片手で押し返していたら、その手を掴まれて市井の首の後ろに回され、上半身を市井の方へ捻られると、喋られないようにキスで口を塞がれた。

「んっ、んっ、ンンッーー」

 お腹の奥からくる違和感が、間違いなく快感と呼べるものになるのに時間はかからなかった。

「ふっ、う……、ゥア……ハァ、あ゛っ……き、気持ち、いい……っ、市井さ、俺……ァッ」

「……お尻、気持ちいいんですか?」

 市井の優しい声に、大夢が涙をポロポロ零して、こくこくと肯く。

「ァッ、い、市井さん、は? 俺で、……ィイ?」

 自分だけがこんなにがって乱れて、と不安げに聞かれて、市井は獣のように腰を振らせている原因に熱い杭を深く打ち込んだ。そして、ヂュブヂュブと淫靡な音を立てて竿を抜き挿しし、る大夢に教えてあげる。

「俺のが、こんなに大きくなっているのは、八木沢さまの、所為ですよッ。気持ちいいに、決まってますっ。だから八木沢さまも、俺のチンチン、好きになって。俺のチンチン、イイって言って!」

「アッ、アッ、す、……好きッ! 市井さんのちんちンンっ、好きぃ! い……イイよぉっ、お尻、すごいっ。硬いチンチンでッ、擦れてッ、市井さんのッ、ちんちんッ、好きになりゅからァッ、もっと、もっと突いてッ」

「も……あなた、ホント最高……っ」

 涙とヨダレでぐずぐずになっている大夢をグイっと回転させて腹の上にうつ伏せに乗せ、抜けた肉棒を手探りで見つけた襞にあてると、一番奥まで思い切り突き挿した。

「ッ……!!」

 カハッと声にならない空気が大夢の口から溢れ、恍惚の表情を浮かべる市井と目が合った。そんな一瞬の放心状態から抜けると、突如、市井が今までに無い速さで腰を猛然と打ち込み突き上げてくる。

「あっ、ぐッ、……んあっ、あ゛、あ゛、アァ、あっあっ、アァンッ!」

 市井の胸の上でくにゃくにゃに蕩けて喘ぎ、縋り付いて市井を見れば、おいで、というように舌を差し出してキスを求められた。その舌に誘われるまま、大夢も舌を出して身体を伸ばし、ようやく辿り着いた市井の舌先に触れると、舐めたり吸ったりして精一杯甘える。

 もう起き上がれない状態の大夢の重さを感じながら、市井は今まで抑えてきた欲望のありったけを大夢のお尻に打ち込んだ。

「ぁあっ、アンッ、激し……っ、市井さ……もっ、これ以上は、ァッ……俺、イッちゃぅ、アッ、アァッ――ヤァぁぁんッ!」

 市井と自分のお腹の間に挟まれて、突き上げられるたびにユサユサと扱かれていた大夢の肉棒の先端から、ピュピュッと白い体液が散る。

 大夢が腰を震えさせて出し切るのを待った市井は、大夢が満足と疲労の息を吐いたのを見てから起き上がると、再び正常位の体位になって、大夢を遠慮なしに穿った。

「ハッ、ァッ、アァン、うぁ……、あんッ」

 次第に速くなるリズムに市井の射精感の昂まりを感じて、大夢は恥ずかしかったけれど、思い切って言ってみた。

「市井さんっ、――俺のおっぱい、ペロペロしてッ」

「っ!? ……ぐっ!」

 思った以上に効果があった。

 ガバァッと襲い掛かられて、胸にむしゃぶりつかれ、腰はガンガン振られてめちゃくちゃに突き上げられた。

「もぅ、好きっ。ホント好き! たまんない!」

「あっ、あっ、俺ッ、も! 市井さん、大好きッ、ンッ、んむっ」

「ハッ、ハァッ、くっ、――ッ」

 パンッ、と大きく深く腰を打って止めると、市井はビクッと太腿を震えさせてから背中まで硬直させる。大夢の一番奥で最後まで絞り切ると、顎から汗を滴らせた。

 名残惜しい気持ちで、湯気がたつほど熱いモノを大夢のお尻から引き抜くと、襞が寂しそうにぱくぱくしている。

 それをしばらく見ていた市井は、おもむろに大夢の腰を持って、大夢の姿勢を――座薬を挿れた時のようなお尻を高く掲げる――四つん這いにすると、何が始まるのかと、されるがまま黙っていた大夢の蕾に、再び突っ込んで腰を打ちつけ始めた。

「えぇっ!? ァンッ……市井さんッ、今、しましたよねっ、ンァッ」

「ごめんなさいっ、足りないですッ」

「アッ、うそッ!? あぁっソコっ、ゃ……あ゛あ゛んッ」

 覚えたてのお尻のイイ場所にいきなり当たって、ギュウッと大夢が締めた途端、あっという間に市井の二回目が搾り取られる。

 後ろに尻餅をついて肩で息をする市井は、目の前にある大夢の蕾から自分の精液がドロリと溢れ出すのを目にして、反射的に顔を近づけると、指を突っ込んで掻き出し、気がつくと三回目を始めていた。

「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ! 大好きすぎて、お尻の穴まで可愛いっ! ズルい!」

「何言ってるんですかっ、ズルいの市井さんッ、アン! やぁッ……、気持ちいいトコロばっかりしてくるっ! ンンッ、ふぁっ、あっあっ」

 もうクタクタなのに、大夢はもう少し、寝かせてはもらえそうになかった。
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