転生したらとんでもないトコロをイケメンにされた

餅月ぺたこ

文字の大きさ
10 / 29
6.二十日目・夜

第10話

しおりを挟む
 6 二十日目・夜 

  

 焚き火も消えてしまって、月明かりしかない夜の森。 

 今夜もマティアスは、眠りながらシャツ越しに俺の胸を揉んでいる。 

 昨夜までと違うのは、マティアスの髭が消えてしまって、とびきりのハンサムさんだったと俺が気づいたことだ。 

 男の顔に対する俺の好みとか、そんなどーでもいい事なんて真面目に考えたこともなかったけど、今までの人生で、こんなに整った容姿の同性と深く関わる事がなかったのも事実だ。 

 一応地元ではテレビ番組のミニコーナーを毎週担当してて、事務所には売り出してもらってたから、地方局を訪れるイケメンタレントさんや俳優さんとすれ違うことはあった。けれど、文字どおりすれ違うだけだったから、「あ、テレビで見た人! ほんとに生きてるんだ」くらいの感想しか持たない。 

 だけど、マティアスは俺の名前を嬉しそうに呼んで、何もできない俺に、命を支えるほどの世話をしてくれる。 

 泣いてたら励ましてくれるし、日々飢えることがないようにしてくれてる。たまにからかってきたりして意地悪なときもあるけど、そんなやりとりも楽しい。 

 それなのに。 

 ただの世話焼きの、毛深いおっさんだと思ってたのに。 

 髭の下にこんなに綺麗な素顔を隠して、俺と暮らしてたなんて……。 

 そんな奴が毎晩、俺の胸を揉んでたなんて! 

「うぅ……、だから……そこばっか……ンッ、しつこいっ」 

 手のひらと長い指を全部使って、掻き集めるようになけなしの肉を寄せ集めてはシャツの上から優しく揉んで、中指の先はずっと掠めるようにポッチの部分をすりすりと撫で擦っている。 

 大事な事なので繰り返すけれど、俺は、男の顔に好みなんてなかったんだ。なのに、今夜のマティアスのおさわりに、不覚にもドキドキさせられてしまっている。 

「アッ……、くっ、俺のバカバカ! ちょっと顔が……いいからって……ハゥッ、なんでいつもより……ッ、気持ちっ、良くなってンッの!」 

 明らかに今までと違う感情は、俺が面食いだったからなのか、絆されたからなのか。 

 この夜、俺はこの島に来て初めて、自慰をした。 

 太い腕に押さえ込まれて、乳首を弄られ続けるもどかしい感覚に我慢できなくなって、ズボンの前を寛げ、熱くなっていた半勃ちのものを取り出す。スゥっと空気が直接当たる感じに、毛がなくなった事を実感しつつ、俺は必死で声を抑えて右手を動かした。 

 すぐ後ろにマティアスが寝てるのに。 

 その彼の指で弄られるのをオカズに、こんな事してる後ろめたさも刺激になって、俺は乳首の愛撫の、疼くような緩い気持ちよさを拾い集めるように昇りつめた。 

「ン……ッ――」 

 ぴゅぴゅっと勢いよく飛んだ精液は、寝床を飛び越えて下に落ちたのだろうか。 

 もしそうなら、片付けもいらなくてバレないかなぁ。 

 なんて思いながら、ゴソゴソと服を元に戻して、急激にやってくる眠気に襲われ、俺はそのまま意識を手放していった。 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~

マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。 王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。 というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。 この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

冷酷無慈悲なラスボス王子はモブの従者を逃がさない

北川晶
BL
冷徹王子に殺されるモブ従者の子供時代に転生したので、死亡回避に奔走するけど、なんでか婚約者になって執着溺愛王子から逃げられない話。 ノワールは四歳のときに乙女ゲーム『花びらを恋の数だけ抱きしめて』の世界に転生したと気づいた。自分の役どころは冷酷無慈悲なラスボス王子ネロディアスの従者。従者になってしまうと十八歳でラスボス王子に殺される運命だ。 四歳である今はまだ従者ではない。 死亡回避のためネロディアスにみつからぬようにしていたが、なぜかうまくいかないし、その上婚約することにもなってしまった?? 十八歳で死にたくないので、婚約も従者もごめんです。だけど家の事情で断れない。 こうなったら婚約も従者契約も撤回するよう王子を説得しよう! そう思ったノワールはなんとか策を練るのだが、ネロディアスは撤回どころかもっと執着してきてーー!? クールで理論派、ラスボスからなんとか逃げたいモブ従者のノワールと、そんな従者を絶対逃がさない冷酷無慈悲?なラスボス王子ネロディアスの恋愛頭脳戦。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

処理中です...