現実から逃げて僕は仮想にふける

Hugo Fitzgerald

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 こんな未来があったらと思っていた時期がありました

 僕の今いる時代にもソードアート・オンラインみたいにバーチャルリアリティを体験する装置が存在して、そしてそれがフィクションの世界をそのまま具現化できているならどれだけ素晴らしいのかと考えた事はないだろうか。
 実際に今までの二十年間でそういう研究がされていて、十年後の未来には攻殻機動隊の様に頭にチップを埋めこんで電脳化したり、オーグメンテッド・リアリティが日常になければ困る社会がのちの十年の内にあるらしい。
 様々な問題が有るのだろうけど、僕のような一般人にとって大切なのは結局それが享受できるかという点に限るのではないかな? 同時にその恩恵にジュブナイルの境界人が与れないのは僕がこの時代に生まれて後悔していることの一つだ。
 何で、こんな中途半端な時代に生まれてしまったのだろうってね。
 でも、親なんかはこういうわけなんだよ「お前は恵まれている、私が高校生ぐらいっだったころは云々かんぬん」てね。
 こちらとしてはそれもそうかもと思う反面――でも時代を選べないのだからしょうがないだろ――といちいち突っかかりたくなるわけなんだ。
 僕だってあんたかが親だったことが選べないように――もし神様や天使なんてものが僕らの頭の上に居て、雲の上から「ほら次おまえが落ちろ」って威張り決まった口調で魂みたいなものを雲から落として、それがキャベツを芽吹かせ、コウノトリが運ぶ――なんてことがなければ別なのかもしれないけどね。
 結局、どれだけ者が充実した所で人の心――率直に言えば包容力が養われていなければどんなに素晴らしい物でも毒になるし、どんなに前近代で差別的なものでも下らん校長の話よりは薬になるモノだってあるということなんだ。
 僕はだからこそ、そういう不完全なものに関わることに違和感を持たなかったのかもしれないね。
 多分死ぬまで完全にならないと理解して――もしくは制約を作って――だから自分の手の届く距離を子供らしく力づくで広げようと要らぬ努力をして手に入れたものは何なのだろう。
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