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これでプロローグは終わり。
これ以上書く事なんて志賀直哉の小僧の神様のように個人的なもので成り下がる。
そう思ってウィンドウを閉じる。さっきの言葉はこのVRヘッドのOSのプログラムコードにコメントとして残した。
何で残したのだろうと疑問に思いながらVRヘッドの側面をなでる。塗装されたグレーは窓からさす日光に鈍い光を見せる。窓のむいている方角を考えてみて、ディスプレイに表示されている時刻を見ると14:56である。
もうそんな時間なんだ。
部屋のドアの向こうの階段に耳をすましても人がいる気配はまだいないけど、そろそろ妹や姉が帰ってきてもおかしくはない時間だ。妹は別に僕がVRヘッドを被っても、また変な事をやり始めたなと思うだけで終わる。
でも姉は違う。
僕をこの道に進ませた原因でもある人だから、絶対に僕が一人でVR技術を使って何かをやっていると知ったら、様々な力を使って僕の事を止めるだろう。
姉の存在は僕にとってもう絶対君主みたいな立ち位置なんだ。しかもただ椅子にふんぞり返って偉ぶっているタイプではなく、他に追随を与えない程に習熟している人だからこそ、彼女は彼女が危険だと思うことは全て止めるのだ。
だから早くVRヘッドを被って、意識をネットの海に潜らせたかった。それだけのプログラムを今まで書いて、先程ようやく書き終えたのだ。
でも一人でダイブすることは絶対できない。僕も姉さんほどではないけどそれが危険な行為だということは、プログラムを書いてそのVRヘッドの政策思想を理解すれば嫌でも危険を伴うものだと理解できた。
だから、彼女が来るまでは絶対に何も出来ないのだ。できれば姉や妹が帰ってくる前に終わらせたいが時間を考えると難しいかもしれない。最低でも一時間のダイブを考えていたのだが、できるのだろうか?
無機質な電子チャイムが不気味に家に響き渡ったことで取り留めない思考を止めてくれた。
彼女が来たのだ。鈍重な頭の中、体をゆっくりと動かしながら下に降り、玄関のドアを開けた。
夏の暑い日差しが目をくらませたが、目を細めゆっくりと人影を見ると幼馴染の彼女がいた。
「なんでそんな寝不足なの。これだから君は」
まったくその通りなのだけど、しょうがないじゃないか。好きなことに情熱を抑えることは出来ないのだから。
「まあ、今日の内に試用運転はしたかったからね」
そう答えると溜息をついてあいつは両手で僕の頭を掴んでぐるぐる回した。
いつもはこんなことする奴ではないのだけど、黙って戯れに付き合う。ここで変な事を言うとまた何か言われるのだ。
「顔色悪いのにどうしてそんなことするのかな」と一通り満足した彼女は僕に言った。
これ以上書く事なんて志賀直哉の小僧の神様のように個人的なもので成り下がる。
そう思ってウィンドウを閉じる。さっきの言葉はこのVRヘッドのOSのプログラムコードにコメントとして残した。
何で残したのだろうと疑問に思いながらVRヘッドの側面をなでる。塗装されたグレーは窓からさす日光に鈍い光を見せる。窓のむいている方角を考えてみて、ディスプレイに表示されている時刻を見ると14:56である。
もうそんな時間なんだ。
部屋のドアの向こうの階段に耳をすましても人がいる気配はまだいないけど、そろそろ妹や姉が帰ってきてもおかしくはない時間だ。妹は別に僕がVRヘッドを被っても、また変な事をやり始めたなと思うだけで終わる。
でも姉は違う。
僕をこの道に進ませた原因でもある人だから、絶対に僕が一人でVR技術を使って何かをやっていると知ったら、様々な力を使って僕の事を止めるだろう。
姉の存在は僕にとってもう絶対君主みたいな立ち位置なんだ。しかもただ椅子にふんぞり返って偉ぶっているタイプではなく、他に追随を与えない程に習熟している人だからこそ、彼女は彼女が危険だと思うことは全て止めるのだ。
だから早くVRヘッドを被って、意識をネットの海に潜らせたかった。それだけのプログラムを今まで書いて、先程ようやく書き終えたのだ。
でも一人でダイブすることは絶対できない。僕も姉さんほどではないけどそれが危険な行為だということは、プログラムを書いてそのVRヘッドの政策思想を理解すれば嫌でも危険を伴うものだと理解できた。
だから、彼女が来るまでは絶対に何も出来ないのだ。できれば姉や妹が帰ってくる前に終わらせたいが時間を考えると難しいかもしれない。最低でも一時間のダイブを考えていたのだが、できるのだろうか?
無機質な電子チャイムが不気味に家に響き渡ったことで取り留めない思考を止めてくれた。
彼女が来たのだ。鈍重な頭の中、体をゆっくりと動かしながら下に降り、玄関のドアを開けた。
夏の暑い日差しが目をくらませたが、目を細めゆっくりと人影を見ると幼馴染の彼女がいた。
「なんでそんな寝不足なの。これだから君は」
まったくその通りなのだけど、しょうがないじゃないか。好きなことに情熱を抑えることは出来ないのだから。
「まあ、今日の内に試用運転はしたかったからね」
そう答えると溜息をついてあいつは両手で僕の頭を掴んでぐるぐる回した。
いつもはこんなことする奴ではないのだけど、黙って戯れに付き合う。ここで変な事を言うとまた何か言われるのだ。
「顔色悪いのにどうしてそんなことするのかな」と一通り満足した彼女は僕に言った。
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