18 / 28
vol.6
告白と異変
しおりを挟む
●●●●
数日後。
……私が好きだと……先輩は嫌かなぁ。そりゃ、私みたいな地味子に好かれても嬉しくないのは百も承知だけど、迷惑がられるのはへこむなぁ。
絶対に両想いとか不可能だし、やっぱ告白とかは無理だなぁ。
私は目の前で夕食を食べている先輩を見つめながら、気付かれないようにソッと溜め息をついた。
「なんだよ」
うわ!
「人の顔見つめながら溜め息つくんじゃねーよ」
「ごめん……」
「……お前、晩飯食わないのか」
先輩は私が作った夕食を食べながら、少しだけ視線をあげた。
「……はい……気分が悪くて」
本当はお腹減ってるんだけど、いつものあのムカムカが襲ってきていた。
私の言葉に先輩が箸を止める。
「どんな風に気分が悪い?」
先輩の問いに、私は眉を寄せた。
「んー……と、雪野先輩の事を考えると胸がムカムカするんです。あ」
しまった。
「ごめんなさい、あの……」
私は誤解されるのが嫌で焦って続けた。
「私の意思に関係ないみたいなんです。だって私は先輩が好きなのに、先輩といると気分が悪くなるから不思議で。先輩の事をずっと考えたいのに、考えると胸がムカムカし……て……」
もう手遅れだった。
先輩が動きを止めて私を凝視していて、私はそれを見て初めて自分が大胆発言をしてしまったことに気付いた。
ど、ど、どうしよう!
今の言葉って、完全に告白みたいな感じに……。
お互いが無言で見つめ合い、微妙な空気が広がる。
私は咄嗟に俯いた。だってもしも先輩が迷惑そうな顔をしたら、立ち直れないもの。
「あ、あの、私、その」
下を向いたまま、何とか言い訳を考えようとしたけど上手くいかずに、私はゴクンと喉を鳴らした。
その時、
「今のって、告白かよ」
「え」
恐る恐る顔をあげると、先輩が笑って私を見ていた。
「なあ、なに、今の」
「な、何ってその、」
「その?」
クスクス笑われてしまって、私は観念して正直に言おうと口を開いた。
「あの、言うつもりはなかったんだけど、ついウッカリ……」
私がそう言うと、
「お前って、ドジだよな」
「……うん……確かに……」
「フッ……!」
またしてもドキンと鼓動が跳ねた。だって、ウッカリと告白してしまった私を見て先輩が優しい顔をしたから。
この時ばかりはムカムカも忘れてしまっていた。
ああ、先輩ってこんなに優しい顔をするんだ。先輩って、こんな風に無邪気に笑うんだ。
いつもの鋭い眼差しじゃなくて、ドジな私を呆れたように見つめて白い歯を見せる先輩。
胸がキュッと鳴る。
こんな表情をこれからも見ていたい。これからもこんな風に、私に笑って欲しい。
だから私は物凄く勇気を出して先輩に話しかけた。
「先輩」
「ん?」
「あの、うっかり告白してごめんなさい。でも困らせる気はないです。私が勝手に好きになっちゃっただけだから気にしないでください。その……好きになって欲しいとか、そんな図々しい事考えてません」
先輩が驚いた顔で私を見た。
「瀬里」
「なんか、ごめんなさい。実は私、人に好きって言ったの初めてなんです。凄く下手でごめんなさい」
もう、ほんっとにドジだしダサい。私は自分でも呆れてしまって少し笑った。
「瀬里」
ダメだ、どんどん気分が悪くなる。
「瀬里!!」
自分が何かにぶつかったところまでしか分からなかった。
●●●●●
ガツン!ドタン!という音が聞こえた気がした。
反射的に眼を開けて、私は数回瞬きをした。
オレンジ色の小さな光に照らされた部屋は、先輩の部屋だった。
「先輩?」
部屋の中に先輩はいない。じゃあ、今の音は?
痛む頭に耐えながら、私は一階へ降りると廊下を歩いてリビングへと足を向けた。
「……先輩……?」
ソファに先輩が倒れていた。
腕が力なく垂れ下がり、指がカーペットに触れている姿は痛々しくて、私は思わず先輩に走りよった。
「先輩!」
うつぶせになって眼を閉じていた先輩が、苦し気に私を見た。頬の擦り傷が痛々しい。
「……瀬里」
「どうしたんですか、先輩。なにがあったの?!」
「気分は?大丈夫か?」
「先輩のが……怪我してる」
よく見ると、擦り傷だけじゃなかった。打撲したのか、赤紫に腫れ上がった腕が痛々しい。
「な、んでこんな」
先輩が荒い息と共に返事をした。
「反対勢力を抑えるのに手こずったんだ。仲間に気の荒い奴がいてな」
「先輩、冷やそう」
そう言って立ち上がろうとした私は、思わず眼を見開いた。
だって、先輩のピアスが……天狼神の魂から生まれた石が、とても綺麗に光ったから。
ううん、綺麗に、なんて単純な光り方じゃなかった。まるで私に『触れろ』と命令しているみたいだ。なに、この感覚。
私は堪らずに、先輩の耳に手を伸ばした。
指がピアスに触れると全身が痺れた。
なに、今の感覚!
ゾクゾクする刺激が、たまらない。
その時、掌が先輩の頬を包み込むように当たって、先輩が身動ぎした。
「瀬里?」
低くて掠れた先輩の声にドキッとしたけど、私はもう自分が止められなかった。
「先輩……」
吸い寄せられるように、私は先輩の耳に唇を寄せた。
「……っ……!」
唇が石だけでなく先輩の耳に当たり、彼が眼を見開く。それから先輩は私の手首を掴み、こっちを見据えた。
「瀬里、お前どうしたんだ」
「……!」
先輩の警戒したような眼に冷や汗を感じて、私はようやく我に返った。
「瀬里」
「ごめんなさい、私、なんでこんな……!」
分かんない、なんでこんなことしたのか。なんで先輩のピアスに触れずにはいられなかったのか。
ごめんなさいと言いつつも、ピアスから眼が離せない。
それどころか我に返ったのは一瞬で、訝しげに私を見る先輩の眼つきに憤りを感じた。
……なによ、その眼。
そんな鋭い眼をしないでよ。
疑わしい顔をしないで。
すると、破られた画と翠狼の緑色の瞳が、脳裏に蘇った。
やっぱり、許せない……。
画を破られたのも、翠狼に連れ去られて殺されそうになったのも、先輩のせい。この、雪野翔のせい。
待って。
もしかして私だけじゃなく、翠狼だって本当は被害者じゃないの?翠狼の方が歳上なんでしょ?本当は、翠狼の方が天狼神の石に相応しいんじゃないの?
このピアスを翠狼に渡した方がいいのだとしたら……?
なら、私が翠狼にこのピアスを。
ナイフはどこ?ハサミでもいい。耳を切って、天狼神の石を翠狼に……。
「瀬里っ!!」
激しく体を揺さぶられて、私はビクッと身を震わせた。
「おい、しっかりしろっ!!俺の眼をしっかり見ろっ!」
気がついたら先輩は起き上がっていて、私の両肩を掴んでいた。至近距離で視線が絡む。
……嘘でしょ……?!
私、とんでもないこと考えてた……!!先輩が憎いだなんて!耳を切ってまで翠狼に石を渡したいなんて!!
なに、なんなの!?
再び頭の中に、破られた画と翠狼の緑の瞳が現れてグルグルと回る。
「私多分、頭、おかしい!!嫌あああっ!」
「瀬里!!」
取り乱しながらも、本能的に思った。ダメだ、ここにはいられない!先輩から離れなきゃ、私は先輩を憎んで傷付けてしまう。
「離してっ!」
ありったけの力で、私は先輩を突き飛ばした。
「瀬里、待てっ」
「ごめん先輩……!」
私は身を翻すと、玄関から飛び出した。
怖いよ、自分が怖い!どうなっちゃったの、私……!これが暗示なの?分かんない、分かんない!!
ハアハアと息が上がるのに足が止まらない。
私は泣きながら走り続けた。
数日後。
……私が好きだと……先輩は嫌かなぁ。そりゃ、私みたいな地味子に好かれても嬉しくないのは百も承知だけど、迷惑がられるのはへこむなぁ。
絶対に両想いとか不可能だし、やっぱ告白とかは無理だなぁ。
私は目の前で夕食を食べている先輩を見つめながら、気付かれないようにソッと溜め息をついた。
「なんだよ」
うわ!
「人の顔見つめながら溜め息つくんじゃねーよ」
「ごめん……」
「……お前、晩飯食わないのか」
先輩は私が作った夕食を食べながら、少しだけ視線をあげた。
「……はい……気分が悪くて」
本当はお腹減ってるんだけど、いつものあのムカムカが襲ってきていた。
私の言葉に先輩が箸を止める。
「どんな風に気分が悪い?」
先輩の問いに、私は眉を寄せた。
「んー……と、雪野先輩の事を考えると胸がムカムカするんです。あ」
しまった。
「ごめんなさい、あの……」
私は誤解されるのが嫌で焦って続けた。
「私の意思に関係ないみたいなんです。だって私は先輩が好きなのに、先輩といると気分が悪くなるから不思議で。先輩の事をずっと考えたいのに、考えると胸がムカムカし……て……」
もう手遅れだった。
先輩が動きを止めて私を凝視していて、私はそれを見て初めて自分が大胆発言をしてしまったことに気付いた。
ど、ど、どうしよう!
今の言葉って、完全に告白みたいな感じに……。
お互いが無言で見つめ合い、微妙な空気が広がる。
私は咄嗟に俯いた。だってもしも先輩が迷惑そうな顔をしたら、立ち直れないもの。
「あ、あの、私、その」
下を向いたまま、何とか言い訳を考えようとしたけど上手くいかずに、私はゴクンと喉を鳴らした。
その時、
「今のって、告白かよ」
「え」
恐る恐る顔をあげると、先輩が笑って私を見ていた。
「なあ、なに、今の」
「な、何ってその、」
「その?」
クスクス笑われてしまって、私は観念して正直に言おうと口を開いた。
「あの、言うつもりはなかったんだけど、ついウッカリ……」
私がそう言うと、
「お前って、ドジだよな」
「……うん……確かに……」
「フッ……!」
またしてもドキンと鼓動が跳ねた。だって、ウッカリと告白してしまった私を見て先輩が優しい顔をしたから。
この時ばかりはムカムカも忘れてしまっていた。
ああ、先輩ってこんなに優しい顔をするんだ。先輩って、こんな風に無邪気に笑うんだ。
いつもの鋭い眼差しじゃなくて、ドジな私を呆れたように見つめて白い歯を見せる先輩。
胸がキュッと鳴る。
こんな表情をこれからも見ていたい。これからもこんな風に、私に笑って欲しい。
だから私は物凄く勇気を出して先輩に話しかけた。
「先輩」
「ん?」
「あの、うっかり告白してごめんなさい。でも困らせる気はないです。私が勝手に好きになっちゃっただけだから気にしないでください。その……好きになって欲しいとか、そんな図々しい事考えてません」
先輩が驚いた顔で私を見た。
「瀬里」
「なんか、ごめんなさい。実は私、人に好きって言ったの初めてなんです。凄く下手でごめんなさい」
もう、ほんっとにドジだしダサい。私は自分でも呆れてしまって少し笑った。
「瀬里」
ダメだ、どんどん気分が悪くなる。
「瀬里!!」
自分が何かにぶつかったところまでしか分からなかった。
●●●●●
ガツン!ドタン!という音が聞こえた気がした。
反射的に眼を開けて、私は数回瞬きをした。
オレンジ色の小さな光に照らされた部屋は、先輩の部屋だった。
「先輩?」
部屋の中に先輩はいない。じゃあ、今の音は?
痛む頭に耐えながら、私は一階へ降りると廊下を歩いてリビングへと足を向けた。
「……先輩……?」
ソファに先輩が倒れていた。
腕が力なく垂れ下がり、指がカーペットに触れている姿は痛々しくて、私は思わず先輩に走りよった。
「先輩!」
うつぶせになって眼を閉じていた先輩が、苦し気に私を見た。頬の擦り傷が痛々しい。
「……瀬里」
「どうしたんですか、先輩。なにがあったの?!」
「気分は?大丈夫か?」
「先輩のが……怪我してる」
よく見ると、擦り傷だけじゃなかった。打撲したのか、赤紫に腫れ上がった腕が痛々しい。
「な、んでこんな」
先輩が荒い息と共に返事をした。
「反対勢力を抑えるのに手こずったんだ。仲間に気の荒い奴がいてな」
「先輩、冷やそう」
そう言って立ち上がろうとした私は、思わず眼を見開いた。
だって、先輩のピアスが……天狼神の魂から生まれた石が、とても綺麗に光ったから。
ううん、綺麗に、なんて単純な光り方じゃなかった。まるで私に『触れろ』と命令しているみたいだ。なに、この感覚。
私は堪らずに、先輩の耳に手を伸ばした。
指がピアスに触れると全身が痺れた。
なに、今の感覚!
ゾクゾクする刺激が、たまらない。
その時、掌が先輩の頬を包み込むように当たって、先輩が身動ぎした。
「瀬里?」
低くて掠れた先輩の声にドキッとしたけど、私はもう自分が止められなかった。
「先輩……」
吸い寄せられるように、私は先輩の耳に唇を寄せた。
「……っ……!」
唇が石だけでなく先輩の耳に当たり、彼が眼を見開く。それから先輩は私の手首を掴み、こっちを見据えた。
「瀬里、お前どうしたんだ」
「……!」
先輩の警戒したような眼に冷や汗を感じて、私はようやく我に返った。
「瀬里」
「ごめんなさい、私、なんでこんな……!」
分かんない、なんでこんなことしたのか。なんで先輩のピアスに触れずにはいられなかったのか。
ごめんなさいと言いつつも、ピアスから眼が離せない。
それどころか我に返ったのは一瞬で、訝しげに私を見る先輩の眼つきに憤りを感じた。
……なによ、その眼。
そんな鋭い眼をしないでよ。
疑わしい顔をしないで。
すると、破られた画と翠狼の緑色の瞳が、脳裏に蘇った。
やっぱり、許せない……。
画を破られたのも、翠狼に連れ去られて殺されそうになったのも、先輩のせい。この、雪野翔のせい。
待って。
もしかして私だけじゃなく、翠狼だって本当は被害者じゃないの?翠狼の方が歳上なんでしょ?本当は、翠狼の方が天狼神の石に相応しいんじゃないの?
このピアスを翠狼に渡した方がいいのだとしたら……?
なら、私が翠狼にこのピアスを。
ナイフはどこ?ハサミでもいい。耳を切って、天狼神の石を翠狼に……。
「瀬里っ!!」
激しく体を揺さぶられて、私はビクッと身を震わせた。
「おい、しっかりしろっ!!俺の眼をしっかり見ろっ!」
気がついたら先輩は起き上がっていて、私の両肩を掴んでいた。至近距離で視線が絡む。
……嘘でしょ……?!
私、とんでもないこと考えてた……!!先輩が憎いだなんて!耳を切ってまで翠狼に石を渡したいなんて!!
なに、なんなの!?
再び頭の中に、破られた画と翠狼の緑の瞳が現れてグルグルと回る。
「私多分、頭、おかしい!!嫌あああっ!」
「瀬里!!」
取り乱しながらも、本能的に思った。ダメだ、ここにはいられない!先輩から離れなきゃ、私は先輩を憎んで傷付けてしまう。
「離してっ!」
ありったけの力で、私は先輩を突き飛ばした。
「瀬里、待てっ」
「ごめん先輩……!」
私は身を翻すと、玄関から飛び出した。
怖いよ、自分が怖い!どうなっちゃったの、私……!これが暗示なの?分かんない、分かんない!!
ハアハアと息が上がるのに足が止まらない。
私は泣きながら走り続けた。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる