のほほん素材日和 ~草原と森のんびり生活~

みなと劉

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第一章: 「エルム村へようこそ」

第二十九話: モスベリーの試作パイ

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 春祭りの料理メニューが決まり、フィオはさっそくマーサおばさんのキッチンを訪れた。今日の目的は、村の特産品であるモスベリーを使った新作のパイを試作することだ。

 「さあ、フィオ。今日はあなたが主役よ!」マーサおばさんが笑顔で言った。「モスベリーを使って、村のみんなが驚くような美味しいパイを作りましょう。」

 フィオは緊張しながらも、マーサおばさんに習った通り、生地を伸ばし始めた。エルム村での生活はまだ短いが、料理が好きな彼女にとって、こうした活動はとても楽しいものだった。

 「この生地、手触りがすごくいいですね!」フィオは感触を楽しみながら言った。「村で採れる小麦粉だからかな?」

 「その通り。エルム村の小麦粉はとても質が良いのよ。」マーサおばさんは頷きながら言った。「モスベリーとの相性も抜群だから、きっと最高のパイになるわ。」

 フィオは慎重に生地を型に敷き、そこに摘みたてのモスベリーをたっぷり詰めた。その上から、砂糖と村で作られた蜂蜜をかけて、最後に生地を編み込んでふたをする。

 「美味しくなりますように…」フィオは心の中でそう祈りながら、完成したパイをオーブンに入れた。

 焼き上がる間、マーサおばさんと一緒に次の料理について話し合った。春祭りでは、他にもスープやサラダ、パンなど、村の特産品を活かしたメニューが並ぶ予定だという。フィオはその話を聞きながら、村のみんなと一緒に作り上げる祭りの風景を想像して、心が温かくなった。

 「そろそろ焼き上がる頃かしら。」マーサおばさんがオーブンを開けると、甘酸っぱい香りがキッチンいっぱいに広がった。

 「すごくいい匂い!」フィオは思わず声を上げた。

 「さあ、味見してみましょう。」マーサおばさんは焼きたてのパイを切り分け、一切れをフィオに渡した。

 フィオが恐る恐る一口食べると、口の中にモスベリーの甘酸っぱさと香ばしい生地の味が広がった。「…おいしい!これ、絶対にみんな喜びますよ!」

 マーサおばさんも一口食べて、満足そうに頷いた。「本当においしいわね。これなら春祭りの目玉になること間違いなしよ!」

 フィオは嬉しさを噛みしめながら、自分が村の一員として役立てている実感を抱いた。そして、春祭りがもっと楽しみになった。村のみんながこのパイを囲んで笑顔になれる光景を思い浮かべながら、フィオの心はますますエルム村に溶け込んでいくのだった。

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